バカ達の世界に来た転生者達   作:ウィンド

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30話

明久はスタージュンに吹き飛ばされ、洞窟のある空間で倒れていた

 

(体が、動かない・・・このままじゃ美紘ちゃん達が・・・)

 

体に負ったダメージが大きいのか、明久はその場から動く事が出来なかった

 

(こんな所で負けられない、美食會にセンチュリースープを、渡すわけには・・・)

 

必死に体を動かそうとするが、這い蹲るのがやっとだった

 

「強くなりたい、あいつに負けない位に、美紘ちゃんや皆を守れるくらい・・・強く!」

 

その瞬間、明久の視界にオーロラが浮かび上がった

 

「オーロラ?何で氷山に・・・」

 

ピチャ

 

雫の落ちる音がして辺りを見渡すが水一滴も無かったが、オーロラの下の方に視線を移すと小さな窪みがあった

 

ピチャ

 

そこを眺めているとその窪みに波紋が浮かび上がった

 

「もしかして、あれが・・・」

 

すると、這い蹲る事しか出来なかった明久は立ち上がり、引き寄せられるかの様に水溜りの方へと向かった、そして手ですくい上げ、口に含んだ

 

(っ!濃厚なのにあっさりとしていて、ブイヨンに魚介といった様々な食材の味が口の中に広がっていく・・・間違いない、これが・・・センチュリースープ)

 

明久は我を忘れたかの様に、必死でセンチュリースープを飲んでいった

 

「(美味い、美味い・・・)美味ぁぁぁい!!!」

 

 

 

 

 

「ふんっ、やはり新米だとこの程度か?その点お前等は利口だ、人はいずれ死ぬが態々死に急ぐ事は無いのだからな・・・ん?」

 

スタージュンは美紘の傍に落ちているリュックに目をやると、それを拾い上げ中を探り、美紘が使っている包丁を取り出した

 

「お前、料理人か?いい包丁だな、包丁を見れば料理人の腕は大体分かるが・・・成る程、一流の料理人か・・・更に腕を上げるが良い、その内我々美食會にとって利用価値がある位にな、この包丁は貰っていこう、使えそうだからな」

 

スタージュンは美紘の包丁を持ち去ろうとすると、美紘がその腕を掴んだ

 

「美紘!」

 

「その包丁だけは、渡せません・・・」

 

「ハァ?」

 

「その包丁は私の命と同じなんです、返してください!」

 

「・・・邪魔をすると死ぬぞ?」

 

「死ぬのなんて怖くありません、私だって、覚悟してここに来たんです、返してください!」

 

スタージュンは殺気が篭った威嚇を美紘に放つが、美紘はそれに動じず掴んだ腕を放さなかった

 

「ほう、お前の覚悟は本物のようだな」

 

「そうさ、君には決して無い物だよ」

 

全員が声のした方向を向くと、体にオーロラの輝きを纏った明久が立っていた

 

『明久(アキ)(君)(さん)!』

 

(こいつ、細胞が急激に進化している、センチュリースープを飲んだのか?面白い・・・)

 

するとスタージュンの目が赤く光った

 

「この『GTロボ』には、圧覚超過が備わっていてな、今それを解除したところだ」

 

「(GTロボ?)じゃあ僕の攻撃が100%君に通るようになったって訳だね?」

 

「ああ、その方がパワーアップしたお前の実力正確に測れるからな・・・『ミキサーパンチ』!」

 

スタージュンの攻撃をが明久にヒットするが明久は平気な顔をしながらスタージュンの腕を掴んだ

 

「何!?」

 

「『みじん切り』!」

 

明久の手から宙斗のナイフのオーラが無数に現れ、スタージュンの腕を切り裂いた

 

「くっ・・・」

 

「肉叩きパンチ!」

 

怯んだスタージュンが再度攻撃しようとしてくるが、明久がそれを阻止した

 

「うぅ・・・成る程、ここまでか・・・」

 

スタージュンが動かしているGTロボから煙が上がっていた

 

「センチュリースープは美味かったか?」

 

「うん、凄くね」

 

「美食屋明久、その名前覚えておく、いずれまた生身で会おう」

 

「『(スーパー)肉叩きパンチ』!」

 

明久がスタージュンを殴ると、スタージュンは洞窟の外まで吹き飛んでいった

 

 

 

『!』

 

明久達の下に向かっている宙斗達の横をスタージュンが横切っていった

 

「今のは・・・」

 

「ハハ・・・どうやら、勝ったみたいだな」

 

 

 

 

 

 

 

宙斗達は明久達と合流し、明久がセンチュリースープを飲んだ場所へと向かっていた

 

「でも再生屋が何でこんな所に?もしかしてセンチュリースープの再生ですか?」

 

「まあね」

 

外まで吹き飛んだスタージュンを見たトミー達は、スタージュンを回収すると即撤退していった為、鉄平もこの場に来ていた

 

「再生屋って何?」

 

「再生屋、食の再生屋(グルメリバイバー)とも呼ばれるんだけどね、希少な食材の保護、絶滅危惧種の繁殖、枯れた土壌の回復、密猟者の逮捕なんかをしている人達の事さ、で今回はセンチュリースープを再生しに来たって訳さ」

 

「それよりも明久、センチュリースープ飲んだんだよね?」

 

宙斗、宏樹、浩将、広奈、美紘の五人は不安の表情を浮かべていた

 

「うん、凄く美味しかったよ」

 

「その、顔とか大丈夫だったか?」

 

「失敬な!僕が不細工とでも言いたいのか!」

 

「そんな事ありません!明久さんはカッコいいです!・・・ハッ!」

 

その言葉を口にした途端、美紘は顔が赤くなった

 

「宙斗も、カッコいいわよ・・・」

 

「宏樹君も・・・」

 

((秀吉君(浩将)もカッコいいって言いたいけど、恥ずかしくて言えない!))

 

女子組みは顔を赤くしていた

 

「いいね~、青春だね~」

 

桃色の空間が広がりながらも、一同はセンチュリースープの下に向かった




次回でセンチュリースープ編が終わります、アンケートの結果で原作キャラとのクロスが多かったので、そちらに決定しました。
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