家庭教師ヒットマンREBORN!~全てを切り裂く風の守護者~ 作:たぬさん蕎麦
スタートを切ったのが相手の方が早いためか、ハイエナと大蟻が俺に接近する方が先だった
それぞれ爪や牙に、他よりも濃い紅い炎を纏って、俺を引き裂こうと、食らいつこうと襲いかかってくる
しかしかわせない程ではなく、冷静に爪を牙を見切って大蟻の懐に潜り込み、鉄パイプを一閃
関節部分にクリーンヒットし、これは効いただろうと思い、しかし………
「ダメージがまるで無し………鉄パイプが一気に劣化した……?」
攻撃が全く通じていない
予想になるが、あの炎には纏ったものを強化するような性質があるのではないだろうか
だとすれば、ただの鉄パイプが通用しなかったのも納得だ
おそらく俺ではこいつらは倒せないだろう、仕方がないから回避に専念し、向こうの男二人を鴉天狗が倒してくれるのを待つしかない
余裕をもって攻撃を回避しつつ鴉天狗の方に目を向けると、鴉天狗が物凄い速さで男二人の周囲を旋回していた
よく見ると鴉天狗が纏う風が軌跡のように連中の周囲に残り、それも回転を続けている
連中は突撃槍の先端から炎を放って攻撃しようとしているが、その炎も風に散らされて全く通らない
渦巻く風が竜巻と言えるほどに大きくなってから鴉天狗はそこを離れ、腰にでも差していたのだろう、大きな葉団扇を取り出し、一薙ぎ
その瞬間、竜巻すら比較にならない程の可視の暴風が巻き起こり、男二人に叩き付け………
黒い衣服も、身に付けていた指輪も、突撃槍も、靴の炎も、全てを細切れに切り飛ばし、その意識も刈り取った
それに合わせるかのように、俺が相手をしていたハイエナと大蟻も炎を無くし、倒れて動かなくなる
このアニマル?とかいう奴は、使い手の意識が無くなると同じく動かなくなる仕様なのだろうか
「っと、お疲れさん」
昔見たポケ○ンをイメージし、箱の穴の部分を戻ってきた鴉天狗に向けると、そこに吸い込まれるように鴉天狗が消えていった
これは一体なんなのだろうか
さっきの風を出すために必要なリソースは、おそらく体力辺りだろうと考えるが、俺は特に疲労も感じていないし、これからの事も考えて要検証だな
さて、ただ歩いているだけでこんな暴漢に襲われる場所だ、こいつらを放っておいても何を言われるでも無いだろうし、このままどこかに歩いていくか
こいつらから話を聞き出すって手もあるが、変な場所で罠に嵌められでもしたら面倒だからな
歩きを再開して優に2時間は経過しただろうか、どうやら住宅街に出ることが出来たようだ
特に荒廃してるでもない、普通の住宅街
ここは………並盛町か?
俺の家があるのはまだ少し先だが、見慣れたこの風景は間違いないだろう
なぜあんな場所があるのかはわからないが………
更に少し歩いて、ようやく俺の家に到着する
ドアの鍵を開けて、中に入ると、俺が知っている家とは少し様相が変わっているようだ
しかし鍵は合っていたわけだし、ここは俺の家なのだろう
自室に向かい、部屋に入る
机と小さなテーブル、ベッドしかない寂しい部屋だが、その部屋の中心にある小さなテーブル、その中央に封筒が置いてあった
差出人に俺の名前、宛先には17歳の俺へと書いてある
どういうわけかはわからないが、とりあえず読んでみる事にした
『10年前の俺よ、お前がこの手紙を読んでいるのなら、気づかない内に10年バズーカの砲弾を受け、こちらに飛ばされてきたのだろう
今、つまりお前から見て10年後の俺は、ボンゴレファミリーというマフィアに所属している
10代続いているマフィアで、ボスには6人の幹部が居るのだが、その中で例外かつ初めてとなる、風の守護者という位置付けだ
さて、恐らくお前が飛んできたと同時、もしくは多少の前後があるだろうが、他の10年前のファミリーの仲間もこちらに来ているはずだ
恐らくアジトで修業なりしている事だろう
お前には、彼らを手助けしてほしい
俺には成る事の出来なかった、『あらゆる障害を切り飛ばし、吹き散らす、荒れ狂う暴風』となり、ファミリーを護ってくれ』
手紙にはこれだけ書いてあり、封筒には他に7枚の写真が入っていた
写真のいくつかには見覚えがあるな
こっちはボクシングの笹川、こいつは寿司屋の息子の山本か
で……うわ、雲雀の奴も居るのかよ、コイツ苦手なんだよな
あとは……ひ弱そうな奴にヤンキーみたいな奴、眼帯の女の子に…………アフロの子供?
大丈夫なのかよ、この組織………
ま、それは良い、街を歩いてれば、敵か味方か、どちらかとエンカウントするだろう
アジトの場所くらい残しておけって………あぁ、敵に見つかったらアジトが襲われるからか
仕方ない、部屋に何か武器になりそうな物が無いか探して、それから出るか
早い段階でボンゴレファミリーとか言う奴らと接触できれば良いんだがな