家庭教師ヒットマンREBORN!~全てを切り裂く風の守護者~ 作:たぬさん蕎麦
ここに飛ばされてから、一週間が経った
未だにボンゴレの連中には会えず、代わりに白や黒の同じようなデザインの服を着た連中に襲われている
最近は大分安定して狩れるようになってきており、倒した敵からは指輪と匣を鹵獲して使っている
連中が使っている嵐ハイエナと
さて、そんな俺だが、今日は黒曜中学校跡地に来ている
ボンゴレのメンバーの一人はここの制服を着ていたため、もしかしたら会えるかもしれないと考えたためだ
………で、なんだアレは?
ようやく黒曜中に着いたと思ったら、そこから大量の水が溢れ出してきた
あぁ、違うな、アレは水じゃない
ここ数日で、同じような現象を見てきた
敵の連中が使っていた、指輪から吹き出す青い水
連中は、雨の炎と呼んでいた
その性質は鎮静だとも
つまり、今、黒曜中では何かが戦っていて、雨の炎を使える奴が大技を放ったのだろう
確か、ボンゴレの側の雨の守護者は山本、戦闘スタイルは剣士だった筈だ
あんな広範囲に広がる攻撃をするとは考えにくい
つまり、アレは敵の攻撃で――――その攻撃を受けているのは、俺が会いに来たクローム髑髏という少女だろう
「はっ、女の子相手にこりゃねーだろうよ」
さて、俺の手札は風の指輪が一つ、嵐の指輪が五つ、雷の指輪が三つ、雲の指輪が一つ
鴉天狗が一つ、ハイエナが四つ、雷鳥が三つ、雲の飛剣が一つに鉄パイプ、それと炎で飛ぶ靴が二つだ
これでどこまで出来るかは知らないが、男として、行かないわけにはいくまいよ
二階から中に入り、様子を見てみる事にした
俺が中に入って見たものは、フクロウを抱えた眼帯の少女…恐らくクローム髑髏と、ここ数日狩ってきた奴等と同じような白い服を着た、雨の炎を纏った大きな烏賊の触手に守られている眼鏡の男だ
クローム髑髏はここまでに力を使い果たしてしまったのか、その場に座り込んでしまっている
指輪に灯る炎も弱々しい
「フッ、くくく…ハハハハハ!
惜しいところだったが、天は私に味方したようだな!
今の一撃が決まっていれば、私とて只では済まなかった…が!
クローム髑髏、お前の炎は尽き、既に幻覚を生み出す事すら出来ない!」
何ヵ所かから 血を流しながらも勝ち誇っている
まぁ、クローム髑髏の何かしらの能力……今奴が言っていた幻覚だろうが、それに余程苦しめられたのだろう
さて、目の前で女の子が追い詰められてんだ、そろそろ出ていかないと気分が悪い
多分この先も戦うことは多いだろうし、風烏天狗に頼りきりってのも良くないだろう、今回は他の箱を使ってやってみるか
「開匣!」
俺は雷の指輪に全力で炎を灯し、雷鳥の箱に填める
すると、指輪が砕け……あれ、これヤバイんじゃないか?
俺が急いで箱を烏賊の方に向けると、今まで試した中でも規格外の大きさと速度で雷鳥が飛び出し、烏賊の胴体をブチ抜いた
「「は?」」
これは、俺と眼鏡の男の声が重なったものだ
いやいや、何だ今の?
明らかにおかしいだろ、見た感じ烏賊は雷鳥より格上だし、そもそもあんな威力は無かった筈………あ、もしかして、炎の量か?
今ので指輪も箱も壊れたし、多分両方の許容量を上回る程炎を出しちまったんだろう
なるほど、それならまだ話はわかるな
「な、何だ貴様は!」
「名乗るほどのもんじゃ無いですよっと」
更に二つ、雷鳥と嵐ハイエナを、上限ギリギリまで炎を込めて開匣する
雷鳥は炎を纏って眼鏡男に突撃、嵐ハイエナはクローム髑髏のもとに駆け、彼女を護るようにその場に陣取る
残念ながら雷鳥は烏賊の触手に弾かれたが、まぁ十分だろう
と言うか、あの烏賊は壊れてなかったんだな
「く、まぁ良い、おまえもこの場で潰してくれる!」
烏賊の触手がドリルのように回転する雨の炎を纏って、俺に突き出される
鎮静に対して、晴れの活性の炎を使いたいが、俺には適性が無いみたいだったしな
仕方無いから、右手の鉄パイプに風、雷、嵐の炎を合わせて纏い、触手を迎撃する
ただの鉄パイプである筈のそれは、大きな破壊力を持つ筈の烏賊の触手と拮抗し、切り裂き、傷口を焼く
「なっ……雷と嵐の複合だと!?」
眼鏡男が驚いているが、風はやっぱりマイナーなのな
一度も当てられた事無いし、雷と色も似てるから仕方ないんだろうか
次に四方から触手が襲い掛かってくるが、それを近い順に斬り捨て、俺に攻撃を届かせない
「ならば…!」
次にクローム髑髏へと触手が放たれたが、それを嵐ハイエナは許さない
遠吠えと共に放たれた嵐の炎の砲弾が、触手を弾き飛ばし、動きが止まった所を俺が更に斬り捨てる
これで触手は残り四本
後二本程削れば、守りも完璧では無くなるだろうな
「すごい……」
後ろからクローム髑髏の声が聞こえる
うんうん、良い格好は出来てるみたいだな
「っっっ!
仕方がない、この場は一度引くとしよう
だが、嵐と雷の男! 貴様は近い内に、私が絶対に殺す!」
殺す……殺すねぇ……
「で、近い内って何時よ?」
炎で飛ぶ靴を風の炎で開匣、全速で一気に詰め寄る
烏賊も反応出来ず、あっという間に懐に潜り込んだ
「っ!?」
「じゃ、死ね」
鉄パイプを一閃
眼鏡の男の首を跳ね、烏賊も沈黙した
クローム髑髏は俺が来て以降は攻撃を受けず、こっちの被害は雷鳥が一つに雷の指輪が一つ……鉄パイプも限界か、まぁ何の変鉄もない鉄パイプだしな、ここまでもった方が奇跡と思うべきか