ボスの部屋を入って正面にはZERO族の頭様が座っていた王座があった、それと左右には背筋を伸ばして胸を張っていて強そうな人達が敬礼していた。
どうやら俺の帰ってくる時間を予測していたみたいだ…少々気持ち悪いがそれはさておき…。
いろいろ聞きたいことがあったので俺は尋ねた。
「ゼラーって何なの?」
「魔導師だ…お前は最強魔導師。」
「ふぅん。」
興味が無いように俺はその言葉を受け入れた…魔導師…今更そんなファンタジックな言葉が出てきても驚きはしない。
何故ならこの世界にはそういう感じの人たちは何万人といる。
魔導師もいればナイトもいる、それに狙撃しや海賊、盗賊、怪盗だって多分なんだっているだろうこの世界に今更魔導師…驚けないだろう?
そしてもちろん魔物も…倒す敵がいれば倒す武器もある…倒す魔法だってある。
俺は魔導師…うん、分かっている…魔法が使えるから。
「何故、ナンバー159がここにいる?」
「す、すいません…」
「このっ!!!」
パシンッ…。
ナンバー159こと白月 夜兎は頭のあの大きな手のひらにビンタされ吹っ飛んだ…。
そして頭は夜兎に近づいていき夜兎の小さな体を片手で持った。
俺は止めない、夜兎がここにいるのは確かにおかしい事であり計画を狂わす…ただ、叩いてしかるのは1回だけでいいって言うのも確かなこと。
もしもこれ以上俺のペットを他人が叱るのなら…俺はその他人を叱ってやる。
「へっ…また見捨てられたな…ナンバー159…」
「くっ…」
頭は大きく腕を振り上げ夜兎は苦しそうに暴れている。
(面倒くさい…けど俺が連れてきたんだしねぇ?)
パリンッパリンッパリンッ!!!
この音は魔法陣が展開される音…3枚の魔法陣が俺の前に出来た…。
魔法は使える…だから甘く見ないで欲しいものだ…この魔法陣を殴れば俺の力の何万倍もの爆発が頭、そして周りのヤツを襲う。
夜兎は頭の手の中だから多分受けるダメージはかなり少なくなると思う。
俺は魔法陣を俺の力の10分の1の力で殴った。
ドカンッドカンッッドカンッッッ!!!
俺に近い順に陣は割れて行きやがて3枚目の陣が割るとともに…
ドカァァァァァァァァァァン!!!
爆発した。
「夜兎大丈夫?」
「…私を見捨てるならなんで連れてきたんですか…」
(まずい…な、泣きそうだ…)
「ご、ごめん、気をつけるからさぁ?」
「…」
「くーろーんっ!!!何をする!」
丸焦げになった頭は俺の前へ来て怒鳴った…しかしこれは自業自得、夜兎と言う俺のペットを殴ろうとすれば殴られるのを承知の上でやってもらわないと。
左右に並んだ謎の人たちは各自の魔法陣を展開して構えていた…。
あの数の人達が魔法陣を俺に向かって殴れば俺は大量の血を体から噴出して死ぬ。
だから殴られるとまずい。
「親に向かって何をする!」
「へぇ…今頃親機をきどるの?」
「このぉ…やれっ!!!」
ドカァァァァァァァァァァン…。
何百人もの人達の倍の力が俺に襲いかかって俺の体は予想通り血を吹いた…しかし死にはしなかった…死ぬ寸前まで俺は耐えれた…。
その後俺は自分の気を失い長い間眠ってしまった気がしていた…。
『ZERO城 医療部屋』
「っ…はぁ…マジかぁ。」
俺が目覚めたのは白いベットの上…間違いなくZERO城の医療室かなんかだ…まさかZERO族の人達に手当されたなんて考えると嫌でも自分を殴りたくなる。
しかし…俺だからなのか手当はすごく適当にされていて傷口があるはずの場所に包帯は巻かれていなく傷口の少ししたに包帯は巻かれていた。
恐らくこれは巻く場所を間違えたのではなく緩んで俺の寝相と共に下へ下へと下がっていったんだ。
こんな下手な手当をしたのはいったい…
「だ、誰かいるぅ?」
俺の弱々しい声が誰かを呼んだ。
すると俺が寝ているベッドを囲むカーテンが開かれる。
「…な、なにこれ…」
「起きましたか?お・う・じ!!!」
理由もなく俺は金髪女に怒鳴られた…誰かも知らないがZERO族ではないのは確か…ZERO族ほどの殺気を感じない。
初対面でこの様子だとここに来てからさほど日にちはたっていないだろう。
そして白衣を着た金髪女は俺に近づいてくる。
「ねぇ王子様…大丈夫?」
「え?あ、う、うん、平気」
俺の顔の真ん前まで来て本気で心配をしてくれたっぽい…。
俺はその対応に顔を赤くさせて答えてしまった…。
俺がこんなのに顔を赤く染めるなど有り得ない…そもそも、何故この金髪女は急に俺に優しくなったのだろう。
「で?何なの?その対応の変わりよう。」
「一応怪我した王子だからねぇ…敬語使った方がいいの?」
「…君には無理そうだからいいよ別に。」
「ア゙ア゙ン!?」
「ご、ごめん…本当に…」
金髪女の鬼のような顔に鬼のような怒りに小悪魔の俺は怯えて避けてしまった…。
それよりさっきから夜兎の姿が見当たらない…まぁ、予想はついているけれどもまさか…また俺のペットに触った?
ボスの部屋でたっぷり思い知らせたのに…なんで…。
俺はグッと拳を握る。
「銀髪の女の子ならソファで日向ぼっこしてるうちに寝たよ?」
「え…ひ、日向ぼっこ?」
俺はあたりを見渡しソファを見つけた…その上には猫のように寝ている夜兎の姿があった。
どうやら深く考えてしまった様だ…以後気をつける…と言いたいがまだこのZERO族を信用できたわけでは断じてない。
むしろまだ怒っているさ…ただ、夜兎を攫わないでくれた事には深く感謝して疑ったことに深くお詫びする。いつか。
「はぁ…焦りすぎかなぁ…」
「あと…ノアちゃんも来てるわよ?」
「の、ノア?ちゃん?誰?それ」
ガチャッ!!!
医療部屋のドアが思いっきり開かれる。
「王子様ぁぁぁぁぁ!!!」
「うわぁ…ちょ、ちょっと…いきなり何?」
水色の髪をした女の子が俺に飛びかかってきた…身長は俺より低いくらいで可愛らしい子供の様な笑顔がチャームポイントでサラサラの水色の髪は日光のせいでかキラキラに輝きまるで天使のようにも見えた。
子供がなんでZERO族の来ていたスーツを着て辺りをうろついているのは謎だが…一応この子もZERO族で殺し屋…なのかな。
「私ノア!宜しくです!お兄様!」
「お、お兄様?」
「王子様だとなんか嫌なのでお兄様で!」
抱きついたままノアは笑顔で俺をお兄様という呼び方で呼ぶと宣言した。
まぁ、そんな宣言必要ないし意味もないだろうが…それが決まるのはこの質問の後でだ。
「お前は…ZEROの名を持つ者なのか?」
「…ZERO?ん?私はここの学校に通う魔法使いだよ?」
ここのが、学校?
続く。