やはり俺のコネクトは間違っている   作:M.K

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今回は番外編です。



番外編
やはり八重樫太一は自らを犠牲にする。


スマートフォンにセットしていたアラームが鳴り響く。

暖かい布団の魔力に抗いつつ、体を起こす。

背伸びをしながら立ち上がり、カーテンを開ける。

快晴。

昨日は雨だったから少し心配していたが…杞憂だったようだ。

 

「お兄ちゃーん!今日は稲葉さんと出掛けるんでしょー?!時間大丈夫ー!?」

 

部屋の外から可愛い妹---莉奈が声をかけてくれている。

兄の心配をしてくれているのか。

本当に可愛い…

最近は部屋の中まで入って来てくれなくて少し寂しいが。

 

「大丈夫だ!ちゃんと時間は見てるぞー!」

 

そう、俺---八重樫太一は今日、愛しい彼女である稲葉姫子とのデートなのだ。

 

 

 

 

 

 

朝飯のトーストとサラダ、ベーコンを腹に納めた後、俺は身支度をしてから家を出た。

今は10時30分。

集合は駅前の喫茶店に12時…少し早く出すぎたな。

 

「…まあ、いいか」

 

恋人を待つのはそんなに悪い気分じゃない。

それに、姫子なら時間よりも早く着いているだろうし…

 

そんなことを考えながら歩いていたら、泣きながら前から歩いてくる幼稚園児位の女の子の姿が目に入った。

…放置はできないな。

まだ時間もあるし、大丈夫だろ。

 

「どうしたの?お母さんとはぐれちゃった?」

 

俺の問いかけに女の子は首を横に振ってから、つぶやいた。

 

「…おねえちゃん」

 

「そっか、じゃあお兄さんが一緒に探してあげるよ。

最後にお姉ちゃんと一緒にいた場所はわかる?」

 

「…よこはまえき」

 

横浜駅か。丁度いいな。

保護者の方もこの子を探しているだろうし、駅にいれば姫子とも合流できる。

デートの時間は短くなっちゃうかもしれないけど…この子を助ける為なら姫子も納得してくれるだろう。

 

「そっか。じゃあお兄さんと一緒に駅に戻ろっか。

お母さん達も戻ってるかもしれないしな」

 

「…うん」

 

「じゃあ行こうか」

 

その子の手を取って歩き出す。

 

「そういえば、お兄さんの名前は太一っていうんだけど、君の名前は?」

 

「…京華」

 

「そっか、京華ちゃんか。よろしく」

 

そうして、駅に向かって歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

駅には既に姫子がいた。

まだ集合時間まで1時間近くはあるはずだけど…

とても幸せそうな顔をして俺に駆け寄ってきたかと思えば、俺が手をつないだままの京華ちゃんに気付いた瞬間、輝かしい笑顔のまま固まった。

 

「ひ、姫子…?」

 

恐る恐る声をかけると、

 

「た、太一ぃ!お前ほんとにロリコンに目覚めちまったのか!?大学に入ってからマシになったと思ったのに…!!私じゃ満足させられなかったのか!?…もしかして今日は別れ話をするために…?うわああああああ!!!」

 

なんか盛大に勘違いしつつ、叫び始めた。

周りの目が痛い。

めっちゃ痛い。

 

「落ち着け姫子!違う!俺はロリコンじゃないし、お前を愛している!別れ話じゃないから!普通にデートしに来ただけだから!」

 

「あ、愛…ほ、ほんとか…?じゃあその女はロリコン太一の新しい彼女じゃないんだな!?」

 

「断じて違う!この子は迷子になってたから助けようと…

つーか俺はそんな事するような奴だと思われてたのか!?」

 

「いや、だって太一はシスコンだし…やっぱりロリコンでもあるのかなって…」

 

「俺はロリコンでもシスコンでもねえええええええええ!!!!」

 

ああ、周りの目が痛い。

本当に痛い。

京華ちゃんも話に着いていけてないみたいだ…いや、ついてこられても困るけど。

 

「京華!」

 

「お姉ちゃん!」

 

そんなことをしていたら、高校生位の女の子が京華ちゃんに駆け寄ってきた。

京華ちゃんのお姉さん…かな?

感動の再会…

 

「け、京華には指一本触れさせないよ!」

 

この子にも勘違いされていた。

そろそろ泣きそうだよ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後必死に事情を説明し、京華ちゃんの援護もあって川崎さん(下の名前は教えてくれなかった)の誤解は解けた。

誤解してたことは謝ってくれたし、お礼も言われた。

…なんか警戒されていたような気がするけど、きっと気のせいだろう。

その後、川崎姉妹と手を振って別れた時には時計の針は既に3時を指していた。

 

「しかし、駅のど真ん中で痴話喧嘩をする事で注目を集めて保護者の方から呼び寄せる、と。

自己犠牲大好きの太一らしいやり方だな」

 

「結果的にそうなったってだけだし、狙ったわけじゃないんだけどな…

周りの視線が痛かったよ…」

 

「ドMの太一にはその位の方がいいんじゃないのか?

お前は昔から変わらないな」

 

姫子がからかうような口調で言ってくる。

思わず、高校生の頃を思い出してしまった。

 

「ああ…<ふうせんかずら>の現象の頃からか?なにも変わらないって事はないと思うけど…」

 

「…そう「ちょっといいかしら」

 

姫子の言葉を遮って、知らない女の人が割り込んできた。歳は俺たちと同じくらいだろうか。とんでもない美人だ。

姫子が文句を言おうと口を開いたが、その女性の次の言葉で阻まれた。

 

「貴方達、<ふうせんかずら>について何か知っているの?」

 

二人して固まる。

今この人は、なんて言った?

 

「…その様子だと知っているみたいね。少し話を聞かせてもらえない?

…ああそうだ、自己紹介がまだだったわね。私は『雪ノ下陽乃』。あなた達は?」

 

物語は、繋がり始める---




ココロコのキャラと雪ノ下(姉)登場。
陽乃さんの口調ってこんな感じでいいんでしょうか…
次回は本編に戻ります!
今回もお読みいただき、ありがとうございました!
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