肉の焼ける音と香ばしい匂いが食用を誘う
戦闘の後の疲れた体はその肉を欲したまま食欲を露わにする
「マジでリアルみたいだ…」
ウマそう
その一言で充分だ、マズイ旨味も何もない料理を鉄板で焼き、塩胡椒を少しかけるだけでありえない変わりようだ
「サーティーンにもわけろ…」
「っせぇよw捕虜のくせにw」
どうやら待機組は仲良くなっているらしい、サーティーンの口元にも少しの笑顔が見える
「っと、ホイできた、そっちは」
「んー…かまどって苦手、でも美味しそ〜」
誰かが持ち帰った大量の米でステーキセット(ソースはなし)が完成する、数分すれば席は食事と人で埋まる
「いやぁ、頑張った甲斐あった!」
「まあ、キツかったな…」
「……手枷を外してくれないと食えないんだが」
「食べさせてあげようか?」
「みっともないからやめろと何度言わせるのだ…まずサーティーンはそういうことをされるほど子供ではないぞ」
「えー?13歳のくせに?」
「あと2年で戴冠式だ、サーティーンは十分大人だ」
「はいはいw」
たい…かん…?
「ちょい待て今戴冠式って言ったよな…こいつ次期国王か!?どこの!」
「ふっ、サーティーンの偉大さに気づいたか」
「……いや、交渉材料になるんでねぇの?」
「ダメだよー、可哀想だし…」
「敵だけどな」
「む……」
「こんな事なら単騎で攻めるべきではなかったか…ん?そう言えばサーティーンのティアラは何処だ…?」
「これ?これ男の子がつけるものじゃないよね?」
「何を言っている?サーティーンは女だぞ」
「あーはいはい…え?」
全員が沈黙する
「「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」」
「いやお前…どう見ても男だろ!」
「うん、ないわ」
「あ、冗談か、一瞬騙された」
「男の子っぽいお姫様か…アリだな」
冷静さ(約1名は変態的)を取り戻し考える4人に混乱する他の姿を見るのはなかなか面白いものだったりする
「……本当だぞ?まあ、そうだな、知らないのも無理はないだろう、外側には縁のない国だ…ネット…と言えばいいのか、この世界の統制する国は何百とある、それを管理する一番上の国だ、30.40年前から存在していたのだがな、とある一件がきっかけでサーティーンの国が1番の力を得た、お前たちは知らないだろうが…ネットにも人は住み…生活している、それをNPCと呼んでいるな、その者達はみんなネットの世界の治安維持を手伝っている、中には逆の…世界を破壊しようとする者もいるのだが…」
そこで言葉が途切れた
「そこまでだヨ」
「ここにいらしましたか…探しましたよ……」
ジャックとクィーンだった
「おぉ、来たのか」
全員が臨戦態勢をとる
「待て、武器をおさめろ」
「しかシ…」
「……仰せのままに」
ジャックとクィーンはなぜかサーティーンに従う
「どういうことだ…?」
「……この2人はサーティーンの近衛兵でな…ここなら明かしてもいい、聞けることはないだろう」
「……そうですカ…」
「…私達は姫の近衛兵兼世話係、紫蘭と申します…」
「俺はそのままジャックダ」
「……さて、我も名を偽ることもない、ニア・シエルと言う、我は父を殺したこの世界の神と名乗るものを罰するために来たのだ、データなのだ、簡単に死ぬ、1と0の間は不安定でな」
「あのー…なんで自分らがこの世界にいるんですかねぇ」
「本来我らはこのサーバーと言うのか?に足を踏み入れることは禁じられている、だが来てしまった、だから不安定な世界がさらに不安定になり、お前たちが巻き込まれたのだ」
「……なるほど…」
ため息が聞こえる
「すまなかった、だが案ずるな、我の目標が達成された時、お前達を帰す手伝いを微力ながらさせてもらおう」
「……で、その神とやらはどこにいるんだ?」
変わり身の早い奴らである
「わからん、だが…いや、もっと説明が必要だろう、紫蘭」
「はい、昨年のことにございました…現国王ということになっておられるお方が死んだのです、理由は簡単、ウイルスプログラムを植え付けられ、死にました、そしてそれをやったのは小さな世界しか知らない神と名乗るものだったと、ですがそれは意外にも強固な壁に守られていたのです、ここは本当に突破に手間取りました…」
「さすがレイさんとしか言いようがないな」
「レイ…?」
「このサーバーの主ですよ、こちら側の世界の人間ですから別人です」
「ふむ…我が国の技術者にほしいくらいだ、かなりの凄腕だったぞ」
「で、続きは?」
「この世界に来た後の話です、私たちは奴に接近しました、奴はあるものを渡してきました、仮面と髪飾りです、その時のやつの周りには何人もの配下がおりましたゆえどうしても倒せませんでした、そしてのそ仮面と髪飾りを私たちがつけた後は軽い記憶障害がございます…アレには洗脳のような効果があるのだと…そして姫のティアラにも…我々は2度の戦闘のうち1度めのときに一瞬外れ正気に戻りました、しかし洗脳されたままのふりをしてる方が都合が良いためフリをして追ましたが先ほどばれてしまい逃亡してまいりました…最初の後は一度も奴には会えませんでした…刺し違えることもかなわない…こんな非力な私めをどうかお許しください、姫…」
「よい、これでわかったか?嘘ではないと」
みんな苦虫をすりつぶしたような顔をしている、ただネロはなぜか嬉々としていた
「どした…?」
「いや、女の子の友達が増えるなぁ…と」
「お、おう…」
「引いた!?今引いたよね!?
「そんな事より!お前達は我らに協力してくれるのか?」
「変える方法がないなら…仕方ないかな」
「まあ、いいんじゃない?なんか調子乗った文送りつけてきたし鼻っ柱叩き折ろうよ!」
「なら、一つ頼みたい」
「???」
「我の枷を外してはくれんか…空腹で仕方ないのだ」
「姫!そんなはしたない…!」
「ま、いーんじゃなイ?たまにはおとなしくしてもらうのモ?」
どうやら楽しくなりそうだ