「……」
男は空を見た
その目には星が写った
その目を閉じ、また開いたときは血が映った
「……俺は…何をしているのだろう」
彼の声は虚空にかき消された
彼は血を弄び
虚空の中へ姿を溶かす
「……アンタは…俺が生きる理由であって…くれるんだよな?」
怯えた問いに問われた者が困惑の表情を見せる、が、すぐに落ち着き、優しい目のままに答えた
「ああ、お前が力を振るい続ける限り、そうあろう」
No.6&No.4
嗚呼、なんと素晴らしき…
女は鳥だった
鉄の羽と鉄の爪を持つ鳥だった
神経の無い傀儡の鳥
「ねぇ…今日も…飛ばせてくれるの?」
「もちろん」
女の問いに少女は答える
「私は…本当に鳥になれた瞬間が心地いい…3番目に大好き」
「2番目は?」
「自分の苦痛」
「じゃあ1番」
「誰かの悲痛な叫び!」
嬉々として問答をする、少女が杖を天に投げ、風を起こす、風は自由に動き回り、女を持ち上げる
「嗚呼…なんて素晴らしい時間…」
そう言っていた女の目の色が変わる
目線の先には兵士がいた、約100、最近は頻繁にある
どこぞの姫君が近衛兵とともに消えたらしい
そんなことに興味なんて全くない
「ふふふ…良い叫び声を…聞かせてくれるのかしらねッ!」
体を前に倒す、鉄の体は落下をするように素早く敵の方へと向かう、上空5mほどの位置で態勢を整え、足にナイフをぐさりとつき刺す
「ッ〜!」
顔を恍惚とさせる、その悲鳴にも近い快楽を訴える声に兵士が気づき槍を向ける
「少し待って…嗚呼!嗚呼!」
爪先に3本、かかとに1本突き刺さる、その足はまるで鳥のようになった
「ふふっ…ヒール」
傷口が塞がりその足を自分のものとした女は天に昇りくるりと回転する
「嗚呼!ああ!アア!」
壊れたように叫ぶ女は地面へと最高速度で一直線に落ちる、いや、飛ぶ、何度も羽ばたく翼がその勢いを手伝うことでどんどんスピードが上がり地面に衝突した時は大きなクレーターと砂煙を作り出す
「な、なんだ…こいつは!」
兵士たちは恐怖していた
「ふふっ私はNo.6、セリル=6=ペインよ、あなた達は今ここで死ぬわ…いえ、1人くらい気に入れば連れて帰ってあげてもいいわよ」
鉄の翼が羽ばたき
鉄の爪が兵士をいたぶる
兵士の悲痛な叫びがさらに女を狂わせた
「アハハハッサイコウネ!」
1人残らず動けなくしたところで順に吟味する
ぐさりぐさりと音を立て、足で踏みつけていく、仲間の悲鳴に恐怖し次の自分の番を恐れた
「ああぁっ!!!頼む!やめてくれ!殺してくれぇっ!」
もう5分は続いている、どうやらこいつがお気に召したようだ、顔を恍惚とさせ、何度も踏みつける、その音は刺す音ではなく、肉体をかき混ぜるようなぐちゃぐちゃという音だった、悲鳴は途絶えることはない、致死量の血もすでに流れた、なのに生きている、ヒールだ、魔法により何度も再生してしまう、半永久的に玩具とされるのだ
「がっ…ごぼっ…や、やめ…」
何時間経っただろう、表情は冷め、冷たく見下す目で見ている、兵士は血を吐き、喋ることもできない
「……飽きてしまった…さようならだ」
そういい首を蹴るようにはねる
「……ふむ…あの子にもう少し飛ばせてもらおうかしら」
ガチャリガチャリと鉄の羽が音を立てる
一度地につけば飛ぶことはできない羽
さくりさくりと地面を指す足
地面は花を咲かせていた、人からの養分で咲かせたのだろう花を、その花はなんの皮肉か…とても美しかった…どうじに…とても儚く散った