鯖民がリアルデジタライズしたようです   作:棃音

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傀儡使い

「っらぁ!」

 

シールドバッシュで人形を弾いたところに刀が襲いかかる

 

「まずいぞ…後方の方が敵が多い、これは奥への誘い込みだ…」

 

「ったく!あんとき焼いときゃよかった!」

 

「舞武!」

 

「無駄口叩いてる暇ないな…」

 

銃声と木材の擦れる音が一際大きく耳に入る

 

「チッ…逃げるか進むか!?」

 

「体力消耗してるし逃げたいところではあるけど…消耗しすぎなければワンチャン戦って勝てるかもしれない…」

 

「次の増援が来る前に…目の前のやつ吹き飛ばすか」

 

棃音がRPGを構える

 

「これをうったら進むか逃げるか!自分の選んだ方に走ってください!」

 

RPGの反動に体勢を崩しながらも人形を爆風で消し飛ばす、棃音は体制を戻し前後もわからないまま走る

 

走り続けた、灯りのない道を

 

「ぐえっ」

 

壁にぶつかり変な声が出る

 

「っつ…」

 

傍から光が見える

 

「……ナイトビジョン」

 

周りに人影は…ある、てかありすぎた

 

「え、敵?」

 

「夜目が効いて羨ましいな」

 

「……どうやら人形はないのかな?サーマル」

 

全員に体温がある、どうやら人であることは間違いないらしい、サーマルを切り、光の方向を見る

 

紫の光だ

 

「……なんだと思いますか」

 

「「「鬼火/月の光」」」

 

意見が綺麗に割れた

 

「月の光ならいいな」

 

ホラー苦手なやつに鬼火とか拷問すぎんだろ、さっきのも何あれほんと怖いわ

 

「……進みましょうか」

 

ライフルを構え、敵がいないのを確認しながら進む

 

「ククク…待ってたよ」

 

「!?」

 

前方にはやはり鬼火がふわふわと浮き、黒い着物の少女を囲んでいた、少女の手は着物に包まれて見えずその着物の折り目から糸と人形が垂れていた

 

「……誰だ」

 

「我が名はNo.3、だけどあなたたちの探す敵ではない、でも味方じゃないの」

 

「……どういう意味だ」

 

「のちに分かる話、それより、ここに封じ込められ暇なの、遊んでよ」

 

「遊ぶ…?」

 

「そう、この前来た兵士みたいにね」

 

「どういうことだ」

 

「こういうこと」

 

天井から人形が降りてくる

 

「……そうだなぁ…ただの人形じゃ簡単でしょ?」

 

「は?」

 

「見せてあげようか?傀儡使いの凄さ」

 

少女の顔が照らされる、目には包帯が巻かれているが口は笑っている

 

「あのねあのね…んー…そうだ、このことが強いよ?」

 

カラカラと音を立て緑の衣装に包まれた人形が現れる

 

「この子は…そうだな…見た目の通りかな?」

 

どう見たって軍人だ、だが…戦場に出るような服装ではない…どちらかというと遠くでふんぞり返っているイメージだ、兵をコマのように使う…

 

「……まさか…傀儡使いの人形が…兵を?」

 

首が背中の方に傾いていたがしっかりとした所まで来るとその姿に寒気がする

 

「……ほとんど人間だろこれ」

 

人間のような…だが…これも傀儡なのだろう、凄いできだ…

 

「死…死…死…」

 

左手をこちらに向けてくる、右手の近くにはチェス盤とよくわからないコマが大量に出てくる

 

右手が駒をチェス盤におくと兵が出現する、カービン銃を持っているあたりにどこか仲間な感じがしたがこちらに向かい進んでくるところで危機を感じた

 

「……撃ち合いになる…hakurouさん壁役!hiroさん射撃準備!他は隠れてろ!」

 

hakurouさんの盾の後ろに隠れ一度息を整え飛び出して射撃、少ない人数を仕留める、ヘイトがこちらに向いたタイミングで他の兵に矢が刺さる

 

「次!」

 

「リロード!」

 

遮蔽物が少なすぎる…!防弾チョッキぐらいくれてもいいじゃないか…!

 

「ッ!…本体を撃っても無駄…兵はほとんど無限湧き…クリアの仕方は…!」

 

ゲームとして考える、この場合はどこかへ行く、時間が過ぎるのを待つ、本体を倒す、いろいろあるが…どれが正解なんだ…道はない、コマは尽きる気配はないしタイマーもない、本体への攻撃は無意味に終わる

 

「……どうする…」

 

hakurouさんの盾はかなり傷が目立つ、かなりの弾丸を受けている

 

「……撤退することもできない…どうすればいいんだ…」

 

もしクリアフラグがないゲームなら…それはクソゲーだ

 

「クソゲー過ぎんだろ…」

 

思わず呟く

 

「敗けを認めるか」

 

敗北があるなら勝利もある

 

勝利ない敗北なんて存在しないのだ

 

「つまりあんたに敗けを認めさせればいいわけか!」

 

ようやく見つけたクリアフラグ、本物だと信じ、戦うしかない

 

「ッらぁ!」

 

グレネードランチャー(最近作れるようになったため一応作った)を撃つ、爆風で本体が吹き飛ぶ、チェス盤から駒が落ちる

 

「!もしかしたら!」

 

コマに狙いをつけもう一発

 

駒が粉微塵に吹き飛ぶ、本体は腰からハンドガンを出す

 

「45口径(フォーティーファイブ)か」

 

「……」

 

人形が笑顔になった気がした、こちらに何発か撃ち込んでくるがダッシュで逃げ、ハンドガンを取り出す

 

「hiroさん、ちょっと直接やりたいので手出しなしでお願いします」

 

どうやらにやけているらしい、なおそうにもなおせない

 

「……さて、どうするか」

 

馬鹿みたいに直接突撃するわけはない、ハンドガンでの真っ向勝負

 

カチ カチ カチ

 

3発マガジンから取り出す

 

もしかしたら…かかるかもしれない

 

右に一つ

 

 

カン

 

左に一つ

 

カチン

 

右にもう一つ

 

 

カン

 

ダン

 

銃声が鳴る

 

弾の音に釣られ、引っかかったのだろう

 

「くらえ!」

 

右に飛び出し両膝を打った後銃を持った手を撃つ、カラカラと音を立て人形が崩れる

 

「……やった…!」

 

「……まさか」

 

「敗けを認めますか?」

 

銃口の向きを移動させる

 

「引き金を引いてみなさいよ」

 

「……どういう意味でしょう」

 

「貴方に、私は、殺せない」

 

「どっかで聞いたセリフを…それは弾切れって意味ですか?この銃の装弾数は6、残りは3…あ」

 

「そう、さっき捨てたんだもの、もう撃てないでしょう?」

 

「……」

 

「それにあなたがクリアしたのはステージ1、まだまだ遊びましょう」

 

「……冗談キツすぎる…」

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