「ぁ…ああ!」
hubワールド奥地
「が…ぁぁ!」
半身を追うものはすでに理性を失いつつあった
直感
そうとしか言えない何かであった
半身がすぐそばにいる、間違いない、と確信し全てを投げ出し歩き出す
酷い頭痛だ
もう自我を維持できるのはあと数分だろう
「ぁ…あぁ!…」
半身を求め進む、視界が歪み周りが見えない、だがしっかりと半身の位置はわかる
「……っ……が」
誰かが喋る声が聞こえる
しかしその声に耳を傾けることは出来ない、一秒でも無駄にすればもう戻れないから
「おい!」
この声は確実に聞こえた
そしてわかった、声の主が、先遣隊としてここに送られた際半身に護衛させた姫君だ
ジ…ジジ……ジ…
ノイズが聞こえる、後方からだ
「ぁ…ぁぁ…!」
本能が危険を知らせる、しかしその危険は自分のものではない、姫のものだ
「ッ!」
足を止めた、止めてしまった
今止めたこの足は、半身を捨てる事を意味した
「ッ!あぁ!うわぁぁぁぁぁぁッ!」
振り向きざまに一閃
巨大な石像だった、踏みつけようと足をおろしてきた
目を瞑り静かに心を落ち着ける
体が熱い、火が灯ったのだ
「うわぁぁぁぁぁぁッ!」
踏みつけてきた足をかわし、その足を駆け上がり空中で大きな回転をつけ敵の脳天を砕く
石像は一瞬で崩れる、だがもう自我を維持できるはずもない
もうダメだろう
「逃…げ…」
意識を暗い闇が取り込む
闇を超えると暗い光に取り込まれた
「ぁ…」
目の前にいるのは何者だろう
「ふふふ、危ないところね」
その一言共に全てが見えなくなった
体が動く感覚はある
痛みもある
だが…自分では動かせない
ニアside
前方から懐かしき顔が見えた
だがふらふらとしていた
傷は見えない、精神的な疲れか病か
この世界にも病はある、外の病などを研究する物好きが生み出したものだ
「大丈夫か!?」
声を掛けるが反応はない
「姫、様子がおかしいです、近づかないほうが」
「……なにがあっタ…」
「クレイ!どうしたんだ!おい!クレイ!」
反応はない、だが確実に歩を進めてくる
その時だった、クレイの後方に巨大な石塊が現れた、それの足元には謎の男がいた
「貴様に死を与えたとき、この駒にも死を」
恐怖を覚えた、背中がゾクッとした死を宣告された、本物の死が迫るかの如く
「ククク」
男は霧になり消えた
「ああ!」
クレイが足を止めた
狂った叫び声を上げ石塊に攻撃をする、赤々とした炎がクレイを包み、そして次の瞬間クレイが石塊を破壊した、地面に着地したと同時に膝をつき、炎が黒く染まった、死に対する恐怖ではない
知っていたものが変わることに対する恐怖だ
「クレイ!」
「に…げ…」
こちらの声は聞こえないらしい、そして呟いた言葉は何か不安を煽った
「クレイ…」
「……」
クレイが迫る、間違いない、攻撃の意思があることはわかる
ガキィ
クレイとの間にhakurouが出る
「ぐ……!がぁっ!」
盾で抑えていたが盾が割れ、吹き飛ばされる
「新手!?とりあえず逃げますよ!」
「大丈夫か!?」
どうやら全員が資源2とやらから撤退してきたらしい
「……すまない、クレイ、許せ」
クレイを傷つけるのは心が痛む、今は引くしかないのだ