鯖民がリアルデジタライズしたようです   作:棃音

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喧嘩好きと傍観者

「っちゅうことは、ここには桐生チャンはおらへんしワシはそのガキに作られたんか?」

 

「そうなります」

 

「……ほぉ、ならワシが桐生ちゃんのとこ行けばワシ二人で桐生ちゃんと喧嘩できるんか!はよ帰らなあかんで〜!」

 

あかん

 

「んで、そのガキぃ、どこにおんねん」

 

「さあ、わかりませんが…もしかしたらまだあそこにいるかもしれません」

 

「ほなさっさと行くでぇ〜!」

 

 

 

「な、なんやここ」

 

「うわ…」

 

全員が固まる

つい先ほどまで静かだったであろう資源ワールド

そこは血の海と化している

そして2種類ほどの羽が浮かんでいた

地形もひどい変わりようで穴ぼこだらけだ

 

「……うぇ…」

 

吐き気を催すのも無理はない

血の海と言っても一色ではない

何色も混じりどす黒い色と化した血の海だ、かなり離れているが悪臭を感じる、近づけばその臭いに倒れるだろう

 

「なんやこれ…神室町の下水道よりひどいやないか」

 

「……いた」

 

hiroさんが遠くを見る、その先には白い大蛇のようなものがいた、遠すぎてわからないがその大蛇にちょこんと何かがいるように見える

 

「あれか…」

 

このひどい海を避けられないものか…

 

「……距離的に当てられるか?」

 

「この距離なら」

 

「無駄だぞ?」

 

黙り込んでいたニアが話す

 

「お前たちはあいつを殺すウイルスがないし先ずお前たちは殺す前に情報がいるんだろう」

 

「…メンドくさ…」

 

「さて、この海を通らずに行くには相当回り道だ」

 

「せめて臭いくらい…」

 

「っさいのぉ、ガキには刺激が強すぎんねやったら帰れや、ガキと話すだけにお前らはいらんのや」

 

「……」

 

「さっさと行くか、2.300m動けば臭いもないだろう」

 

「せやな」

 

全員が高台から降りて進む

臭いのひどいところはなぜか早歩きになる

歩いても歩いても進んだ気はしない、血の海からは気のせいだとは思うが煙がもくもくと出ている

ボコボコと沸騰したかのような泡まである

 

「……無理、吐く……」

 

「待て!ここで吐くな!」

 

辛い、匂いで死ぬ

 

「誰か風を起こして臭い払うとか出来んのか」

 

「……」

 

無言でダイナマイト(作成レシピは紙+赤い染料でできる赤い紙に火薬と水と土でできるニトログリセリン(ここはおかしい)と蔦を3つで作れる植物性の糸をクラフトで完成する

 

「……なんかそれが天の恵みに見えるな

 

 

貸せ!」

 

ダイナマイトを分捕り火をつける

 

おい待てどうする気だ

 

「それどうする…」

 

「爆発させる」

 

「馬鹿!」

 

tacoさんがダイナマイトを蹴り上げる、15mほどの高さまで上がったそれは爆発し新鮮な空気をその爆発後の空間に入れてくれる

 

「生き返る……」

 

それで煙が少し晴れ視界が良くなる

 

「……生き返ってる暇なさそうなんですが」

 

よくわからない人型のものがドロドロと近づいてくる

 

「ちょ、キモイ!」

 

「なんやこれ?」

 

「……弾いとこう」

 

頭をぶち抜く、倒れもせずドロドロと近づいてくるそれは異臭を放つ、これ以上近寄られたらどうなるかわからない

 

「……逃げろ!」

 

誰かが叫んだ、その声を合図に全員が進む、狙いの敵は煙に隠れて見えなくなる、前方に白い何かが見える、赤く光る二つの眼を見た瞬間全員が止まる

 

蛇に睨まれたカエルだ

 

「……!?」

 

全員の体が硬直したまま動かない

言葉も発せない、恐怖に支配されたのだ

恐怖に負ければそれは死に直結する

 

しかし

 

「なんやえらいでかいのぉ」

 

一人でも恐怖に支配されないものがいれば別だ

 

その声に安心し体が動いた

 

「……いぃぃぃっやぁぁぁっ!」

 

ぐるりと回転しながらドスを突き刺す、そしてドスを持ち直し引抜く、蛇に乗りズバズバと肉を斬る

 

ぎじやぁぁぁぁぁぁぁぁ!

 

蛇の方向に全員が怯む…いや違う1人を除いたものがだ

 

「遠慮せんと死ねやぁ!」

 

グサリと止めの一撃を突き刺す

 

じゃぁぁぁぁ!ぎゃじゃぁぁぁぁぁぁ!

 

蛇がぐたりと倒れる

 

「……てごたえがないのぉ…」

 

絶命したのだろうか

 

「さて、さっさといこか」

 

ドロドロとした何かはグチャグチャになっている、あの咆哮で潰されたのだろうか

 

しかしここまで我々は傍観者だ、まるで何もできていない

 

「……もうそろそろか」

 

悪臭のする場所を抜けたという達成感を感じる

実は300m程度しか動いていないのにこの疲労感だ、ボス戦間近になればだいたいHPが削られてるアレと同じような感じだ

 

「お疲れ、大変だったねぇ?うちのペットが暴れてゴメンね?」

 

「白色の蛇にちょこんと座ったガキ、こいつか」

 

「ん?ああ、誰かのトラウマから生み出した…真島吾郎だっけ」

 

「なんやワシのこと知っとんのか」

 

「そりゃね、で?偽物とはいえ存在を作り出してもらった人にたてついて何?」

 

「さっさとワシをもとん世界帰さんかい!桐生ちゃんと喧嘩したぁて堪らんのや!」

 

「そこの子達仕留めればいいけど」

 

「……はぁ…断る、ワシがなんでガキ殺さなあかんねん」

 

「いいから、殺しなよ」

 

「お断りや、さっさとかえさんかい」

 

「……わかった」

 

シュッと一瞬で男の姿はなくなった

 

「生み出したものを消すなんて簡単なんだ、いらないものは消えなよ」

 

「……!」

 

「さっきも沢山いたけど味方同士で殺しあっちゃってさぁ!見てて楽しいんだァ!」

 

「んで?生き残った方は」

 

「消した、2人ほど羽の生えたやついたけどあれは使えそうだから残して……」

 

ヒュッと音がしてNo.4の首が落ちる

 

「……」

 

黒に包まれた男は流れるように首を落とした

 

「なにを…お…ま……」

 

No.4の姿が消えた、それを見ると舌打ちをして男は去る

誰も言葉を発せずにいた、ありえない長さの刀を持っているという印象しかなかった

 

「……おい、何をボサッとしてる、ヤツが消えたことは大きい、今のうちに他のを捕まえて情報を得よう、復活まで2日はかかる」

 

「……」

 

生唾を飲み込むゴクリという音がする

 

「行きますか……」

 

 

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