鯖民がリアルデジタライズしたようです   作:棃音

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新参者はまだ出ないぞ、今いる奴だけで大変なんだから


目線が痛い

「……暇だ」

「……」

このNPC、冒険者少女は何もしゃべらず佇む、動いたり話したりしないと怖いよはっきり言って

「りおんー、酒」

「酒という名の毒で死にたいんですか?わかりました」

「遠慮します」

うぃんさんは即発言を撤回しクォーツに座り机に顔を当てている

「ったく……」

そういやこの間エンチャントが実装されエンチャントスペースができた、そこの本棚の本でも見てみるか

ふっつうに本が取れてびっくりだ、600ページくらいか?この本

「なんの本だ……?」

ページを開くと予想外なものが目に入る

図、何かのパーツの図に材料表の様なもの、これは面白い、1ページ読むのにかかる時間?20秒もいらない、読み続ける、どんどん加速する、読めば読むほど面白くなるのだ、昔メカニックに憧れたがこれならそれになれるかもしれないな

一つ気になったものがありページをめくる手が止まる

「……へぇ」

「さっきから何熱心に読んでたの?」

「黙ってろ、面白いものができる」

話す時間がもったいない、焼き石を割り、削り、鉄を溶かし、型に流し込む、その型を水に投げ入れ他の型を作る

「暑い……」

カン カン カン

音を立て鉄を整形する

あの本の図の通り形を作る

水から型を取り出し、中からバネの形をした鉄を取り出す

「しっかりできてるな……」

鉄同士を組み合わせ、だんだん形が出来る

「オモチャじゃない本物……!」

そして次は火薬を取り出し、何かの入れ物に入れる、丁寧に、量を調整しながら

息を止め、火薬を入れ、その作業を終えたらまた新たなパーツを作っては合わせる

カチャ ギッ カッカタン

うまくはまったそれは見たことのある形になった

「ハンドガン……本物の」

スタッフルームには誰も入れない、いや、ネロは入れるのだが、暑くて出て行ったのでこの部屋はとても散らかり、困った状態だ、だがそんなことは全く気にせず長い時間をかけて作ったそれを眺めている

「……これ、撃てるのか?」

マガジンに弾を入れ、撃てるようにする

「……いい重さだな、まさに本物だ」

誤射をしないようにセーフティーはかかっている、ちなみにこれはデザートイーグルというお気に入りの銃だ、高火力だが反動が酷いらしい

「…試すか」

スタッフルームから出て一応声をかけて店を出る

「少し出てきます、騒音が聞こえるかもしれません」

運がいいのか悪いのか、目の前にはアンデット、セーフティーを外しながら構え、狙いをつけ

「……ッ!」

バァン

大きな発砲音に目を瞑ってしまう

「痛い……」

手が痺れる、目の前のアンデットはHPが0になったらしい、種が落ちている

「これ、使うには厳しいんじゃねぇの?」

他の銃を作るべきかもしれないな

「手の痺れ、これ、すぐ治るのは助かるな…しかし……リアルとほとんど変わらない……か」

店に戻ると何にかが寄ってくる

「なんの音だったんだ?」

「爆発音みたいでしたが……」

言えば試したくなるだろう、危険物だ、おもちゃにしちゃいけない

「いや?匠でも爆発したんじゃないかな」

マインクラフターからすればそれは十分納得できる理由となる

「そっか」

「ちょっと用があるから、んじゃ」

スタッフルームに入り次は他の本をとる、正直興奮が収まらない

「え……」

目に入ったのは剣、それもただの剣ではなく

「双……剣!?」

鉄をうち、その形を作る、できたそれはまさに憧れの勇者の剣だった

「…こりゃあ…また、素晴らしいものを」

何度か握り、少し振ってみる

「これを機会に近接、やってもいいな」

剣を置き、他のページをめくる

「……そう、か」

どんどんページをめくり続ける

「いいな……これ」

そう思い、また作る、カウンターには人の山、作業をしてるのがわかる程度だ、詳細はわからない

「狂犬、いいな」

棃音の手にはドスが握られていた

いろいろな本にいろいろな武器のレシピ……

「面白い、かな」

作った武器を持ち、カウンターに向かう

「みなさこれをご覧ください」

「ドス!?」

「剣……?」

「こんなの作れたか……?」

「どうやら、この世界には新たなレシピがあるらしい……このサーバーを、より楽しめるって考えていいのではないでしょうか」

「だな」

「あ!俺にもなんか武器を!」

「同じく!」

適当に作れるものを選ぶ

「よし、これだな」

鉄を溶かし型に流す

最終的に日本刀が出来上がった、刀身が少し長い、刃の部分を研ぐのは自分でやれということにして形だけの日本刀を木製の鞘に収め、運ぶ、砥石になりそうな石も、持って行き、配る

「切れ味は自分次第って事で」

「了解」

「こういうの苦手なんだが」

「んなことより衣服を用意したい」

「……」

ちょっとすれば黙々と研いでいる、おもちゃじゃないのは承知してるんだろうな?と聞きたい

「……さて、ネ〜ロ〜」

「何」

「人見知りモードってか……」

双剣を渡す

「近接の武器ないだろ、持っとけ」

「うん」

……ドスしかねぇ……せめて兄さんならまともに使えたんだろうが

「練習あるのみか」

ここの本だけじゃ足りない

もっと色々欲しい、そう思った

 

 

 

 

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