鯖民がリアルデジタライズしたようです   作:棃音

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新しい場所

「……」

 

爆風の中から現れたのは白衣をまといメガネをかけた謎の男だった

 

「……逃げろ」

 

「……は?」

 

「私は…人に希望を与えるのが好きだ」

 

「……」

 

「狂ったように生にしがみつく人間に手を差し伸べたい、それだけだ」

 

全員が黙る

何も喋らないまま時が過ぎる

 

「だが…な」

 

その重たい口が開かれる

 

「私が一番好きなのは、安心しきった瞬間の人間を殺すことだ」

 

ゾクッ

 

恐怖を感じる

背中に何か虫が這うような感覚を覚える

動きが止まる

怖い、どうすればいい

混乱する

 

「だがな、私はお前たちの敵ではない」

 

「……」

 

「姫様を守る、近衛兵の1人だ」

 

「……」

 

「信じろとは言わん、私はここにいる、またいつか来るといい、あと、姫様は新しい場所にいると言っていたぞ」

 

 

 

 

hubワールド

 

「なんだあいつ…」

 

「さあ、つーかこれ脱出できなきゃマジできついやつじゃん」

 

「現実と変わんねーよ、危険なのは同じ、自然災害あるし」

 

「どうでもいいんで親玉し留めましょうよ」

 

「とりあえず新しい場所を探すか」

 

「……まあそうだな」

 

hubワールドをまずは探索する

 

地面や天井に変わった様子はない

遠くを眺めやっと人影を見つける

 

「……」

 

喋らない

NPCだ

 

「……?」

 

「ショップワールド?」

 

「いんじゃね?行って見ようや」

 

「せやな」

 

 

ショップワールド

 

大きい浮島のような場所だ

目の前には木製の噴水のようなものが二つ並びその奥には大きな入り口がお出迎えだ

 

「ふーん」

 

「……あれ?」

 

ここで違和感

 

「待てよ?」

 

「……マイクラじゃなくね?」

 

そう、ブロックではない

ホンモノ

でできていた

 

「……いくか」

 

「ああ」

 

 

 

「広すぎる…」

 

案内所のようなところは誰もおらず寂しさを感じさせる

しかしその奥は水が流れ植木が並ぶ

2階もあるらしくとても広い

そして道にくっつくようにたくさんのベンチとテナントと思われる場所がある

なぜか家具が並びまるで家具店のような印象だ

そして天井はガラスのようでたくさんの日光が入る

 

「ま、探すか、全員気をつけて」

 

「んじゃあバラバラにな」

 

 

 

 

NERO side

 

 

奥に進み角のあたり

 

「……な!……れ……と!?……しろ!」

 

叫び声に反応し近く

すると気配を感じ取ったようにこちらに顔を現すものがいる

ニアがこちらに顔を出す

 

「……聞かれたか?」

 

「うーん、ほとんど聞こえなかったよ、途切れ途切れにしか、だから何言ってたかさっぱり」

 

「……そうか、ならいい」

 

「ここであってたんだよね?いるし」

 

「そうだな、ここを新たな拠点としたいと思う」

 

「いいね!広いし椅子とかいろいろあるし!」

 

「ああ、少しはマシになると思う」

 

「みんなに声かけるねー!」

 

「ああ……すまない」

 

 

 

 

 

NOside

 

「さてと」

 

「一通り荷物の移動は終わったな」

 

「食料運べてよかった、スケィスいたら死んでたな」

 

「せやな」

 

「つーかここなら自室作れんじゃね?」

 

「いいね!今日は自分の部屋作る!で」

 

「うぃ〜」

 

「お、おう」

 

 

 

「さてと、まあ武器庫にしようかな、山ほど部屋にできる場所はあるんだし」

 

そういいまずは作業台を置き銃器弾薬を並べる

たくさんの武器を並べた事で殺伐としている

まともに眠れねぇや

そう呟きゆっくりと自分の部屋を眺める

ベッドを置き、間を仕切り、本を置けばリアルの自分の部屋に近づくだろう

部屋は二つにガラリと分かれている

一つは落ち着いた読書のスペース

あとは趣味のスペース

この場合武器庫が趣味になるだろう

 

「さて、どうするかな」

 

 

 

 

バリン!

 

ガラスが割れたかのような音がなる

そしてその1回目に続くように何度も音がなる

 

「なんだ!?」

 

M4を手に取り部屋をでる、周りを眺めそして上空を睨む

ここは入り口から左側にある真ん中あたりの場所だ

そして上空のガラスはところどころ割れている

次の瞬間細長い何かが降りてくる

すぐにロープだと理解する

 

「まさか!」

 

ロープが地面に着く、そこに銃口を向けるが途中で話せば意味はない

つまりだ

今のうちに他の武器をとる

山ほどインベントリに詰め込み植木に近寄り隠れながら様子を伺う

 

「……な」

 

言葉を失う

降りてきたのは敵だ

そしてその手にはアサルトライフル

ここにいるやつの中で何人銃を持った敵と戦えるだろう

そして5つのロープから約30人が降りてくる

そしてその部隊を指揮するかのように喋る奴は

ニアだった

ジャック、紫蘭もいる

つまり裏切られたのだろう

他の奴らはのんきに部屋でも作っているのか出てくる様子はない

バサっと音を立てて何かが降りてくる

なんとも言えない格好をした…

黄色いローブをしたやつが降りてくる

はっきり言えばダサい

手には杖、おそらく魔法使いか、そしてさらにもう1人

そのローブの中から短剣を持った魔法使いがかぶるような帽子をかぶった男が出てくる

手に籠手をつけているのでおそらく近接使いだろうが申し訳程度の魔法使い要素からマジシャンだと推測できる

ここからでは聞こえない危険を承知で接近する

大回りしては時間がかかるため水に入る

服が濡れる

冷たいと叫びたくなる

今は何月だろうとどうでもいいことが頭をよぎるが静かに水に体を沈め静かに進む

ある程度進み階段下で自ら出て植木の中に隠れる

 

「ククク、ご英断感謝するよ」

 

「……約束は果たすのだな」

 

「ああ、裏切り者となってまで、ご苦労だったな」

 

「貴様!」

 

「紫蘭!……やめろ」

 

「しかし!」

 

「ハハハハハ!さっさと仕事を済ませてくだされ、俺もそんな暇じゃないんだ」

 

チャット欄を開きNEROにtellを送る「裏切られた、ニアが敵を誘い込んだ、拡散するように」これですぐに動き始めるだろう

 

「……」

 

ニアが黙り込む

ギリッと歯をくいしばる音が聞こえるような気がした

だが何を代償に裏切ったのだ

何を理由に裏切ったのだ

敵討ちのために来たはずなのに何故

 

「……もう1度聞く」

 

「しつこいぞ」

 

「本当に『私の力を戻すんだな』」

 

「ああ」

 

どういうことだ

力?権力が物理の力か

 

「私に政治を行う力を戻すなんてよくお前単独で」

 

「いいや?ボスも了承してる」

 

「な……!?」

 

「…姫」

 

「わかっている、嘘じゃないんだな?」

 

「ああ」

 

「……なあ、No.2、俺はオモチャを見つけた」

 

おそらくマジシャンと思われる方のやつだ

 

「ほう?」

 

「いいか?」

 

「勿論だ」

 

バサッと音がするとこちらの目の前に黒い空間が現れる

 

ヒュッ

 

風を貫き短刀が喉元に迫ってきた

何が起こったかわからず大袈裟にかわす

そのせいで水に音を立てて落ちてしまう

 

「……!」

 

「RIONNか…」

 

「聴かれてた、か」

 

「はぁ……バレちゃったか」

 

余裕ぶる

だがマズイ

敵のアサルトライフルの銃口はこちらをとらえる

 

「……」

 

「…そうだ…お前とは因縁があった」

 

ニアが言う

 

「あの時は散々にやられたがあれはあくまで噛ませである事を演じただけだ、だが、次は本気でリベンジをさせてもらおう」

 

「え!?あれ本気じゃなかったとは」

 

挑発する

 

「ああ」

 

失敗

 

「……チッ」

 

舌打ちして立ち上がる

銃口を向けてる雑魚には興味なんてない

 

「あんたと…ねぇ……」

 

時間を稼ぐ

せめて全員が戦える状態になるまでの

 

「この不利な状況じゃあちと厳しいか」

 

「他のものに手出しはさせん」

 

「……」

 

「よかろう」

 

「……まあいいさ、さてと」

 

水から出る

濡れた服が重い

足取りも重くどうしたものかと考える

 

「あんたはどう戦うつもりで?」

 

「あの時と同じ、銃だよ」

 

「同じ装備、か」

 

「同じじゃないだろう?」

 

「そうですね」

 

インベントリから大口径のハンドガンを取り出す

作成をしたあと全く使わなかったとっておきだ

いつか使おうと思ったが使うに使えなかった

デザートイーグル

反動が強すぎて反動をそのまま腕で受けたら腕がつぶれるだろう

 

「……僕はこれひとつでいい」

 

「…フッ…何を言っている、なめているのか?」

 

左目に殺意がこもっている

包帯に隠された右目は一体なんなのか包帯の奥に引き込まれるかのような感覚に襲われる

 

「大マジですよ」

 

「……死んでも知らんぞ」

 

「殺すのが目的でしょう?裏切ったんだから」

 

「ッ!……ああ!」

 

「……なるほど、否定してくれないか」

 

残念だとオーバーアクションに肩をすくめてみせる

ニアはいつの間にかAKと思われる真っ黒なアサルトを手にしている

 

「まあでも既に、僕の仕事は終了してますけどね…自分以外の人もぞろぞろ出てきてますからね」

 

包囲するかのように全員が出てきた

武器を構え戦う準備を進めている

 

「見え見えの時間稼ぎに気づかないとでも?紫蘭、剣を持った2人を相手してやれ、ジャック、お前は……ネロを」

 

「「了解」」

 

「さあ、始めよう」

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