「……」
時が流れる
発砲と同時に戦いは始まるだろう
全員が動かない
静かな時が流れる
緊張からか汗が頬を伝う
静かに流れたその汗は
ポツリ
地面に落ちた
刹那、お互いの銃口からマズルフラッシュとともに弾が吐き散らかされる
フルオートの大口径のイーグルからは一発
そう、たったの一発だ
しかしアサルトライフルは容赦無く弾をばら撒く
数瞬後には弾丸はお互いを貫くだろう
しかし違った
倒れたのは1人だった
ニアは手を押さえていた
足元には銃口が折れたAK
しかし立っている
傷はない
全くの無傷だ
「……」
言葉を発することもなく相手を見る
仰向けに大の字に倒れていた
しかし妙だ
出血がないように見える
「あっぶな……」
「な…!?」
「運が良かったというかなんというか…あー怖い怖い、こんなこと二度としたくないな」
そう言いながら体を起こす
「50口径弾丸を受けたライフル持ってたんですから、そりゃあなんともないわけないですよねぇ?」
「な、なぜ生きている!?なぜ当たらなかった!」
「そりゃあ簡単な話ですよ、反動を体で受けて倒れた、普通に倒れるより早く倒れるからギリギリ助かったけどココ、掠ってます」
銃のフレームを指してそういう
確かに何かが掠ったような痕があった
しかしそんなこと気にすることでもない
「その手じゃあ、戦えませんね?」
「……ふ…ふふ…舐めるなぁ!」
グロッグのような銃を手に持ちこちらに向けて発砲
右に回転して階段の下に入り視界を遮る
しかし膠着状態に入ることもなく
ニアがこちらに迫る
銃口はブレながらもその眼はハッキリこちらを見ている
手はやはり痺れているらしく
銃を持つ右手を必死で左手で押さえている
銃は打つたび手が大きく震えている
このまま撃ち続けることはできないだろう
しかしこのままではその前にあたる
植木を倒し花壇を蹴る
ゴロゴロと迫る花壇を飛び越えようとそちらに気が向いてしまう
刹那右手に対する蹴り
銃は地面に落ちるとツーと滑り遠くに行く
ハッとしたニアの眼前には大きな銃口が迫り息を吸うこともままならないような喉の詰まりを感じる
「……!」
「噛ませのまんま、ですか?」
ニアは舌打ちをして悔しそうに黙り込む
「使えんな…」
No.2と呼ばれた魔法使いのような奴がしゃべる
「は?」
「やれ、撃ち殺せ」
ダパパパパパパ
30人に囲まれての一斉射撃
間一髪伏せるのが間に合いダメージはないもののあれを受ければひとたまりもない
「どういうことですかねぇ、なんで味方に撃たれてるんですか貴方」
「私ごと始末するのが本心だからに決まってるだろう!そんなことより早く反撃をしないと……」
「無理でしょう、織田軍ばりの三段戦法で弾切れしたら次のやつが撃つからその間にリロード、弾が切れる前に死にますよ」
「諦めるのか!?」
「さあ、できればいきたいですけどね、つーかいろいろ聞きたいんですが」
「今そういう状況じゃないだろう!?」
銃撃の音で声は向こうまで届かない
それは周りに異常を伝えられないが逆に作戦を立てられる
好都合である
「手、いや指一本でも出せば死ぬ、つーことで」
匍匐前進をしながら階段の下に入り立ち上がる
「向こうからこれを投げます」
そういい手榴弾を出す
「そして何人か仕留めたいんであのグロッグ、ヘッドショットぐらいできますよね」
「……ああ」
「次裏切ったら瞬間死んでもらいます、さすがにこれ以上危険な目にあいたくはないんで」
そういいタンタンと跳ねフーッと息を吐く
静かに死角の最奥に行きゆっくりとピンに指をかける
カチン
その音とともに前方に走り手榴弾を投げる
投げた後は知ったことではない
スライディングで植木に隠れるが銃弾が腕を掠める
痛いというより火傷したように熱い
そしてこちらに攻撃が向いたと確信した
それと同時に爆音が鳴り響く
つまり成功だろう
そして背後で発砲音
グロッグのような軽さを持った発砲音は安心を与えてくれた
つまり敵を倒してくれたのだろう
そして発砲音が止む
銃口の先には死体が積まれていた
「チェックメイト」
「あなた方に恨みはありませんがどうかここで死んでください」
「……!」
「どうするよ」
「倒すしかないだろ」
刀を抜き剣を振るう
金属音と共に火花が散る
逆袈裟で剣を切り上げる事で隙を作り
そして左薙ぎ
しかしそれはパラディンの盾に防がれる
「2対1は分が悪いわね」
そう呟きクルクルと太刀を振り回す
身長ほどある太刀をぐるりと振り回せば相手には隙が出来る
かわすために一歩下がればそこが墓だ
回転を止め突く
ひゅっと風を切り敵を貫く
「そこ」
ノーガードだ
ガードすることができるわけもない
勝利を確信した
しかし何もできずに貫かれるはずが金属にあたる
そんな感覚が手に伝わる
しかし目の前の相手にはしっかり胸に当たっている
手に力を込め押す
しかし動く気配はない
「俺の盾の範囲内だ…!」
パラディンがここまで面倒だと思わなかった
「10メートル以内の攻撃は全て俺の盾で受けてやる!決めろ!」
「応!」
金属音がまた鳴り響く
連続で何度もうちあう
袈裟切りや唐竹をすべて受けながら反撃の一太刀を狙う
「ああぁぁぁ!」
大声を上げ威嚇
一瞬無防備になる
その瞬間は手練れは見逃さない
「真剣・桜吹雪の太刀」
太刀が唸るように何度も斬りかかってくる
連続で体を切り裂く攻撃だ
しかしその刃は届かなかった
「来い!」
「ああ!」
一撃目を刀で受けながらそう言う
「デュアルアタック!」
盾での突進は太刀を受け止めるだけでは済まず太刀を弾き飛ばしたそして盾の裏からの一閃
「秘剣・隠れ討ち」
視界の外からの一閃
これにより紫蘭は動くことも無くなった
しかし満足そうに倒れた
これには2人とも困惑するしかなかった
「まあ、峰打ちだ、死ぬことはないだろう」
「言ってみたい台詞だ」
キィッと音を立てて地面に火花が現れる
「よくここまで持つネ…」
勝負はほとんど決まっている
刃は溢れ、体中は傷だらけ
ボロボロな状態だ
「まだ…戦える…」
そういいながら戦いを引き伸ばす
まだ誰か援軍が来ることを願って
キィッギィィィィィ
金属が擦れる音がする
誰かが来た
そう確信した
それと同時にフラリと地面に倒れてしまった
まあよく戦った方だろう
圧倒されながらよく食いついた方だろう
「ぐっ……!」
「チッ!邪魔を…するナァ!」
援軍は金の双剣を持ったマルチウェポンだった
双剣は火花を散らし壮絶な打ち合いを始める
手数での戦いだ
一瞬でも早く一撃を放った方が勝てる
刹那
ジャックの右腕が視界から消える
「……ナ…!?」
やや後方にコロンと転がっていた
「……!」
ここぞとばかりに攻撃を繰り出す
しかしジャックは数瞬後青い炎に包まれて腕の元に移動する
瞬間移動のようだ
しかし軌道は目で追うことはできる
そしてその腕とともに炎に包まれると何故か腕は戻った
「ズルいだろ…」
「そう、俺はズルいのサ」
お互いに構え直す
ジャックの火が燃え盛る
地面にも火が灯る
その日は
血溜まりの少女を容赦なく包んだ
地ごと燃やしたのだ
これでおそらく息の根を止めたのだろう
「マズは…1人ネ」
「……!」
ジャックから炎は消える
しかしネロを燃やす炎は消えない
しかし炎の形は変わった
横に長い長方形のような形が立った
と考えればわかるだろうか
「……!?」
「……」
炎は次第に消え始める
炎の中からは火傷なんてしてない
しかしボロボロなままの少女があらわれる
「……なんデだ…!?」
「蒼炎の騎士って知ってる?青い炎を纏って戦う双剣士なんだ」
「だからどうした、そんなボロボロなままデ」
「つまり私がカイトの後継者だね!」
「今そんなどうでもいい話をするな!」
「どうでもよくないよ!」
なんでもないことで口論になる
そしてその隙は大きすぎた
「……!」
言葉を発さず仕留めようと剣を振るう
しかし剣は当たらなかった
「はっきり言ってさー、勝てないよね?」
一歩下がったところからそういう
「だって炎の体なんてどう倒しても修復できちゃうんじゃ意味ないよね」
「……ヘェ、脳はあるんだネ」
「だけどさー、私が他に加勢したらどうなると思う?」
「……ア?」
「簡単な事、ニアちゃんのとこに行けばいいって話、もう銃撃も止んでるし下の戦いも終わってるかもよ?」
「……ヘェ、あっそウ」
ジャックは静かに剣を収めた
「もシ、こっちが勝ってたラ、速攻君タチを殺すヨ?」
「もしって負けることを見越してるような……」
「そりゃあ姫は勝つために戦ってるんじゃない、自分の信じることのために戦う、そう言ってたからネ」
「……?なにそれ」
「さアね」
「俺蚊帳の外」
「とりあえず様子見に行かない?」
「何故そうなったし」
「知らない〜」
「ダメダコリャ」
「さて大物と小物1つずつか」
「どうするかな」
「アイススピア!」
ダダダダッと音を立てて氷の槍が刺さる
「誰だ」
「俺です」
hikari氏がここまでかっこいいと思えたのは初めてだわ(失礼
「さて俺らも戦いますか」
赤いパーカーにヘッドホン
鉄の剣を担ぎ魔法陣を展開する
そしてその隣には2人の盗賊
「gessoさんとhatirokumasaさんと豆腐氏」
「ほう…楽しめそうだな、『No.1』」
No.1つまり幹部の最高位を意味するその番号にこの場の全員が驚愕する
「さっさと聞きたいことだけ訊きましょう、なぜ裏切った」
「…私の信じる正しいことのために私は戦う、これでいいか」
「……めんどくせぇ…」
ボソッとそうつぶやく
そして武器を構え直し
戦いの準備と行こうか
ガラスを見れば何人かが戦っているのが見える
「上がりますよ」
「……ああ」