鯖民がリアルデジタライズしたようです   作:棃音

45 / 70
誰かの信じた正義

ダンッ ダンッ

 

ガラスが舞う

 

煙のように視界を遮る

 

「っざけんなよ!」

 

「ッ!」

 

遅すぎた!

 

今頃気づいても何もできない!

 

天井の真ん中に誘導された

 

そしてフチを何度も攻撃しヒビを入れる

 

つまり天井を落とすってことだ

 

「あー!いい加減にしろや!」

 

「……」

 

「敵の弓兵がまた面倒な…!」

 

喚くもの2名静かに走るもの1名

 

「チッ!サーマル!!」

 

サーマルを発動するが真っ先に入るのは太陽光だ

 

「!!」

 

視線を下にそらす

 

恐る恐るという感じに目線を持ち上げる

 

「止まるな!」

 

その声とともに身体が突き飛ばされた

 

ニアだった

 

非力な腕でよく動かせたと言えるだろう

 

二の腕に矢が刺さっていた

 

「……!hiroさんどれくらいの距離なら撃てますか!」

 

「おい!今は下がるべきだろ___」

 

「いいから!」

 

「……こっからなら250くらいまでだ」

 

「1時の方向!」

 

「え?」

 

「いいから構えて!」

 

「……ああ」

 

「2度上に修正!違う16度下げて!そこ、左に8度…違う右に3度!左に4度!なんで避けにぶれてるんですか!」

 

「うるさい!細いんだよ!」

 

「ッ!」

 

左足に矢が刺さる

 

どうやらここに釘付けにしたいらしい

 

「そこ、限界まで引き絞って…」

 

「この先に敵が居るんだろうな…」

 

「いいえ?居ませんよ?何を言ってるんですか」

 

「はぁ!?なんで…ふざけんなよ!?」

 

「まあうってください、撃てばわかります」

 

「死んだら絶対ェゆるさねぇ」

 

矢が飛んだ先には何がいるのか又は何があったのか

 

音はない

 

どういうことだろうか

 

「…動くぞ」

 

「その必要は無くなったと思いません?敵はもううってきませんし」

 

「いつうってくるかわかんねぇだろうが!?ふざけてんのか!?」

 

「ふざけなきゃやってられませんよ、楽しんでふざけて狂わないとこんなの」

 

「……!」

 

何か言いたげな表情を見せるがグッとこらえたらしい

 

「さて、あの鳥の処理だけですね、残りは」

 

「ひとつ聞かせろ、うった先には何がいた」

 

「何もいません」

 

「冗談は___

 

「弓がポンポン乱射される機会がありました、あんだけ長い時間うち続ければ熱を持ちますね」

 

「じゃああの人影は!」

 

「人型だからヘイト稼ぎになります、これでいいですか?」

 

「じゃあなんで音はしない!?乱射ってどういう意味だ」

 

「ジャムが起きた、乱射してたから足に刺さったり頭狙ったり、意味不明な打ち方なんですよ、ジャムってのは弾づまり、発射口を狙いうったのですが破壊できずその穴に刺さり音もなく詰まったんです」

 

「……はぁ…」

 

明らかに悪口を叩きたいであろう表情だが知ったことではない

 

狂う

 

楽しむ

 

それしか生きる術はない

 

リアルにおいても何においても

 

狂え!

 

とことん

 

楽しめ!

 

何もかもを

 

「あの鳥はどう仕留めるかな」

 

「……」

 

「俺は周りに避難をするよう言う、2人はできるだけ離れろ」

 

「はいはい」

 

「……」

 

hiroさんはサッサと安全確保のための報告に消える

 

後頭部にひやりとしたものが触れているのがわかる

 

「せっかく渡した銃をこう使われるのは……嫌か?」

 

「予想通りですね」

 

「そうか」

 

「あなたが死ぬ気は毛頭ないでしょうしあの場で手を組むのが一番良かったんでしょう?そして裏切る、死にますよ?」

 

風の音にガラスを踏む音

 

ホラーゲームバリのBGMだ

 

「……私なら…」

 

「貴女なら?」

 

「私なら、お前たちを苦しめずに殺してやれる、お前達を帰してやれる」

 

「……は?意味がわからないんですけど」

 

「聞いたんだ…ここを見つけてすぐのことだ、No.7の使者を名乗る者が来たって…そんなに素早く居場所が割れると思わなかったよ」

 

自嘲気味に笑う

 

「いい話がある、裏切って欲しいと言ってきたそうだ、そいつは私に壊れたこのネット世界の国の政権を戻し、統治に最大限協力するといった、だがそんなもの……呑める訳はない」

 

その声はどこか……

 

悔しさが混じっているように感じた

 

「……は?じゃあなんで裏切ったんですか?」

 

「それは魅力的だった、だが一番大きいのは…あいつらは死ねば帰れる、死が帰還の鍵だと言う発言だった」

 

「……」

 

言葉を失った

 

誰もが簡単に使えるコマンド/kill

 

それで帰れる?信じられない話だ

 

「……っはぁ…」

 

足の矢に手をかける

 

「その手に刺さった矢、早く抜いたほうがいい、その銃を持ち続けられなくなる」

 

下唇を噛み締めながら引抜く

 

思わず叫びそうになる

 

痛い、凄く

 

「……ぐ…!」

 

うめきながらも手に刺さった矢は抜けたらしい

 

「さて」

 

立ち上がる

 

銃口は眉間に向いていた

 

「一つ、二つ……えーといくつかな」

 

困ったように笑って見せる

 

「まず一つ目……あんたらに殺されてやる義理はねぇし!そんなもの信じられるわけがない!あんたは政権って魅力に取り憑かれただけの操り人形だ!」

 

「……!」

 

「二つ目、ここで死ななくてもボス潰せば帰れんでしょ?あんたらに殺されて帰れるってのも信じたとして攻略できるところまで攻略しまくってやりきった!ってなって帰りたいと思いますよ、みんな」

 

「……辛いぞ?苦しいと思うぞ?」

 

「三つ目、この状況を楽しんでる奴もいるわけなんで全力で抵抗する、だってオフ会みたいだからね、リアルバレとかすきくないからこういうオフ会はすっごい楽しい」

 

「四つ目、あんたらは殺そうとしてくれて構わない」

 

「……どういう意味だ」

 

「あんたらに負けようが誰に負けようがそこまで、その程度の実力だ…その引き金を引かれ、死ねばそこまで」

 

「……引くぞ、最も楽に死なせてやりたい、それには脳幹を一瞬で__

 

「そうすれば痙攣一つ起こさず死ぬ、ああそう、引いてみなよ、でも、やっぱあんた詰めが甘いわ」

 

「……なっ!」

 

「セーフティー、外してませんよ?」

「そ、そんなはずは!?」

 

確認しようと目線をセーフティーに持っていく

 

そこからは早かった

 

怪我してる足をこきつかって足払いをかけて転ばせた

 

銃を向けてくるが銃口がこちらに向く前に射線からはなれて左手で手首を持ち腕を右脇に挟み抑えた

 

左手に力を込めれば力なく銃を離した

 

「まだ生きてられますね、僕は」

 

「…後悔するぞ」

 

「これで終わるとは思ってません、さて、立ってください、落ちる時どうすれば最小限に衝撃を抑えられますか?」

 

「知るか!」

 

「下を見てください、滝があります、そこに落ちるんです」

 

「……助かるか?」

 

「さあ?生きてたらラストの勝負といきましょうか」

 

「…そうだな、最後の一戦で私も諦めをつけなきゃ」

 

「……口調変わりましたね」

 

「そうか?」

 

ケラケラと笑う

 

「この世界はリアルより怖い、死の淵に常にいる…だから狂う、狂い狂って楽しむしかないんですよ、そうしないと…本当に狂ってしまう」

 

 

ずぅぅぅん

 

どこかで何かが落ちる音

 

すごい衝撃らしい、衝撃波がこっちまで来た

 

「さて、鳥になる準備は?」

 

「なんだその比喩表現は、もっとマシな表現をしてくれ、鳥なんていいものじゃない」

 

ガラスでできた天井が大きな音を立て

 

大量の破片こぼしながら落ちる

 

「……ってまずいまずいまずい!」

 

「これはやばいだろ!ガラスが割れる!おいどうにかしろ!?」

 

そう、下には木でできた滝がある

 

しかしその木に当たればこんなガラスは

 

割れるだろう

 

「……!」

 

「マズッ!?不幸は連鎖するってか!?」

 

「ハロー!いい声を上げてねぇ!」

 

変態のような鳥か現れた、いや鳥のような変態か?

 

どうでもいい

 

銃撃で応戦するが翼が銃弾を弾く

 

「こんなのにどう戦えってんだよ!」

 

ぶっちゃけ3メートルまで近づいてくれば勝機はある

 

「くッ……!」

 

だがそのブリーラー・レッスルはというと銃を飾る棚に並べてしまったわけだ

 

しかし影は好きに動くだろう

 

クルクルと回転しながら

 

ヒュルヒュルと風を切りながら

 

その鳥の背後を取り小太刀を突き立てた

 

「あぁっ…!」

 

「……寒気したんですが」

 

「喘ぐな!」

 

ドMの気質も兼ね揃えてるようですがレベル高すぎませんかね

 

「分身乱舞……!?」

 

「鉄鳥・雨小刀」

 

鯖味噌氏が変態から放たれるナイフの雨に切り裂かれる

 

ズタズタに

 

グロテスクに

 

内臓などが見えるような気がした

 

吐き気を催す

 

「分身だ」

 

本人はなんかセリフを言って満足してるけど

 

「刃が通らない…引く」

 

「鯖味噌氏字が違う!字が違う!」

 

そんな声は届かず鳥を蹴って何処かへ向かう

 

それを追うように鳥も飛んでいった

 

刹那

 

ガラスが割れる

 

「……もし失敗したら…悔いが残るよな」

 

「マジっすか…この状況はちょっときつくないっすかねぇ!?」

 

絶叫にも近い声になった

 

予想通り向けられた銃を蹴り弾く

 

戦闘不能くらいならいいかとこちらも銃を出すが蹴られた

 

「……!」

 

「やる気十分だな!」

 

右ストレートを受け止め同じ技をと思ったがそううまくはいかない

 

その手を利用し引っ張って、顎へひざ蹴りだ

 

「ふっ、どうした」

 

それを抑えることで両手が使えない

 

左手が飛んできた

 

「っ!」

 

モロに受けた

 

 

 

 

 

 

痛くない

 

どうしよう痛くない

 

この子「ふっどうした(キリッ」とか言ってたよ!?

 

やばいどうしよう

 

え、これマジでどうすればいいの?

 

(^p^)<うわー

 

とか言って倒れればいいの?

 

よく銃持てたな、よく撃って肩が無事だったな

 

これは今は無かったことにしてあとでgessoさんに頼んで身体強化の魔法をかけてあげてもらうか?

 

とか思ってたらなんかこの子攻撃続けてるよ

 

左手でジャブとかやってるよ

 

それを捌く

 

そして蹴りが迫る

 

あれ?なんか威力が上がった?と錯覚を覚えた

 

このままでは地面に直落下だ

 

左手をつかみ大きく回転して滝に向かって投げる

 

後は野となれ山となれ、同じく突っ込んだ

 

はなや口で水を飲んだ

 

息ができなくなりそうだった、いやできない

 

そのまま意識は黒い湖が引き取った




本当はガラスを飛び移りながらやるあついバトル!のハズだったが柔腕の女のパンチなんて痛くないだろ
だってうちのやつと変わらん身長、年齢の設定なんだぜ?
そりゃあ仕方ねぇよ()
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。