「ッ!」
「ねぇねぇ遊ぼうよ!いい声で鳴いてよ!」
「ざけんなッ……!」
ガラスを飛び移る
ガラスに太陽光が射す
光は複雑に軌道を変える
大きなガラスが目の前にあるのでそれに着地
いや、横なので壁に一瞬張り付くようなものだ
それを強く蹴り上に上にガラスを飛び移る
「逃がすかァ!」
取りの動きがガラスに映る
笑みがこぼれただろうか
笑うしかない
この場で倒すことはできなくとも確実に視界から出られる
うまくやれば撒ける
今倒さなくていい
機会を見て仕留める
ガラスを蹴る
ダンッ
ガラスがぐるぐると回った
ダンッ
ガラスがぶつかり割れた
「……見逃すなよ」
「?!」
ガラスを蹴る
ただそれだけで視界から消えた
何をしたか?簡単だ
俺の後ろのガラスが割れた
鳥との間には2枚のガラスがある
そしてそのガラスが割れた
複雑に反射する光で俺の姿は消えたはずだ
バリリリリリ
ガラスが何枚も割れる音がする
ナイフを打ってきた
すぐに見つかるだろう
「見逃さなかったよぉ?」
否、見つかった
だがこれでも構わない
第二第三の策くらい用意した
「前座だっていうのにそんなせっかちな」
嘲笑して体を捻る
ナイフをかわし体を捻りガラスに手をつける
その手をしっかりとガラスに当てつま先を当てる
ナイフが迫ってるのがわかる
手を離し身体が逆さまになると同時にガラスを蹴る
ガラスはけられた反動でナイフを防ぐ盾となる
ガラスに映る姿は……
上へと飛んだ姿だった
それを追い鉄の鳥が迫る
三角飛び、ガラスを蹴る
数瞬後奴はガラスに映った姿を追ったと気づく
数瞬後奴はガラスにぶつかる
しかしその姿も音も声もなかったのはなぜだろうか
足場にして飛ぼうとしたガラスが回転し下を向く
張り付き方向が変わるのを待つがそれが間違いだ
回転なんかしない
まっ逆さまだ
つまり潰される……!
地面が迫る
さあ、最後に念仏でも唱えるか…
残念だな、こんなとこで…
グワン
ガラスに衝撃が走る
「!?」
ガラスに映るのは靴底だ、誰かが戦っていた
「らあっ!!」
バババババと繰り出されるジャブはメリケンで威力が上がり鉄をも砕くだろう
しかしその攻撃はいなされ敵の蹴りが迫る
なんとか左腕を盾にしてそれを防ぎ左足で踏み込み右ストレート
鋭い針に重心を乗せ放つ一撃は届かない
右腕は沈み込む
左足を軸に前方に倒れるような体制になる
左手の拳がガラスに突き刺さりそれを軸に変更して右踵落とし
「ごふっ!?」
これを食らい敵は血を吐く
「そこだ!」
右ストレートが敵の方に突き刺さる
「……ククッははは!」
狂気に歪んだ顔に一瞬寒気が走る
「死ねぇ!」
踵を水平にスライドさせる
脇腹にクリーンヒット
悶えながら倒れるがすぐに持ち直す
「No.3の名は伊達じゃねぇんだよ…ククッああ、いいことを思いついた……なぁ?眼の前で、仕留めてやるよ、護衛対象、我らのターゲットをよォ?」
「な…!?」
「くッくくく……くッアーッハッハッハッ!無様に顔がゆがむ様を見せろ!俺に服従させてやろう!」
「……っらぁぁ!」
無視して殴りかかる
しかしその拳は届かない
やつの掌を……いや指のリングを見て動きを止めた
「ククク?どうした?殴れよ」
「……」
「そうか、じゃあ……俺の名はキーン、先遣隊の生き残りとしよう……これでお前の仲間って事にできる……頼んだぜ?」
「……ああ」
リングにはどんな秘密があるのかどうやら人を操るらしい
「……!?いつからそこにいた!」
「!!」
気づかれた
確実に死ぬ
「……もう20秒もせず地面だ、そのまま潰れるがいい!行くぞ、水に飛び込む」
「……ああ」
助けてくれる奴なんていない、いや、助けられる奴がいない、そんな能力がある奴なんていないだろう
刹那
光と爆風に包まれた
「うおっ!?」
「!?」
2人は水に落ちたらしい、水の音がした
俺はガラスから吹き飛ばされ壁に叩きつけられた
地面は運よく近い
だが出血があるらしい
俺は……
意識は沼のようにそこのない闇に包まれた