ボロボロと崩れたドームの中から2人が現れる
「いい仕事した」
「そうとは言えないと思うけど…?」
女神は立ち上がり、近づく
「……」
「ごめん……ニア…」
「いいんだ、すまない、君にこんな事をやらせてしまい……」
一見すれば子供同士が馴れ合い、そして泣いてるだけだ
しかし芯には本当に深い辛さと悲しみ、悔しさが溢れんばかりにあるのだ
「……やはり、子供なのだな、精神は」
狂王は口にする
「禁句さ、そいつはな」
緊張が解けたような、落ち着きを取り戻す
「…こんな子たちが、ネットワーク世界を救うのか、こんな事、本当に記録するべき、伝えられるべきことはこれではないか…」
「ははは、そうだな、それは大賛成」
全くとかごもっともだとかそんな声がする
「ならば、私も後押しをさせてくれ……」
ハッと狂王をみればもはや瓦礫と呼べるように崩壊を始めている
体がボロボロと風化したように崩れている
「!」
「何が起こって……!」
それぞれが動揺を口にする
「私の体は、実際は存在しない、AIというデータだけだ、そして、私は土塊のからくりとも言えよう、ここまで傷つけば修復は不可能、消失する」
小さな間
「奴は、もう一つの城にいる、本当は、何もない、ただの広間のみの城…いや、そこに玉座がある以外は変化がない、最後だ、そこが最後の決戦をする場所になるだろう」
「……あそこか」
「懐かしいな」
「建築1に始まり1に終わる?」
「……頑張ってくれ、私には……もう、見届ける…ことは……できない…」
目元が消失する
「……あの子達は…破壊と…創造…になる……そう思う…私の能力は…シュミ…レー…………しか…し…きみ…た……は……私の……予測を…こ……え……」
崩れた顔でニッと笑い完全に崩れ去った
「……おっさん…」
「いいおっさんだったよ、マジで」
「仕様外だから、できたんだろうな……」
「…ああ……わけわかんねー…」
「でも、ラストだ、さ、戦いますか…」
「あれ?」
「おわりじゃないのはわかってたさ、初期のAiは3体、ユキ、コイツ……そしてもう一体、コイツは影の方だろうか?カリスマの方だろうか」
「影ではないな、あんな輝いた目で戦うのは」
「なら、影がホンモノの的なわけだ」
「さて、いっちょやりますか」
やあやあ諸君
最後のゲームといこうじゃないか
シュミレーターはぶっ壊れ、今から起こるのは総力戦
データと一体になる
素晴らしい瞬間だ
無限のポーンを作り出し
無限の可能性を作り変える
無限の絶望を生み出し
無限の絶望で敵を呑み込む
嗚呼なんと甘美な事か
私の舞台は魑魅魍魎
新しい死者のデータは2つだけ
死者のデータを操る力
過去の死者のデータなら、いくらでもある
本当の時間に取り残された哀れな彼らを
本当の時間に戻してあげよう
彼らはメインストリートを堂々と登る
なら、もう今がいい
ぱちっと指を鳴らして呟いた
「Game start.」
建物の屋根から大量の兵士が落ちる
どこか、既視感を
強い既視感を覚える
「……やっば」
「死んだらアンデットってやつか」
「何回死んだ?」
「お前は今まで買ったパンの枚数を覚えているのか?」
「13枚、和食派」
「マジに数え切れないなぁ」
大量のスティーブ兵の謎が解けた
そういう事さ
全てが分かるだろう?
「Standby!!」
スラリとそれぞれが剣を抜き
弓矢を構える
「まあ待て、ここは、私がやる」
傀儡士がふわりふわりと前に出る
「すまんが、糸が足りない、包帯を解いてくれ」
包帯の結び目を解くとハラリとそれは落ちる
目は腐り果ててなどいない
ましてや虚空でもないのだろう
しかし見ることはできない
目を閉じたまま、落ちる包帯は裂けていく
気づけば包帯は見えない線と成り果てた
「少し、このような事をされては、頭にくるのでな……こういう時はなんというのか?……あーゆーれでぃー?」
「GO!!!!」
波となる
大波となり押し寄せる
「再度死ぬなら、これがいいか、震撼せよ」
嫌な甲高い鳴き声
その直後火球が降り注ぐ
爆発が巻き起こる
大爆発
爆撃のような勢い
誰も上を見たいとは思わないが
ガストだ
それもネームドを大量に
「まだまだゆくぞ」
上空から火球とは呼べない立方体が落ちる
それは火を撒き散らし暴れる
マグマキューブ
「オマケしてやろう」
エンダードラゴンとエンドクリスタル
これもネームドモンスターとして扱われている
確実に、全てを破壊し尽くす
しかし突如ガスト軍団が爆音と共に消滅する
「heyhey、どーなってんの?」
先程の敵とは打って変わって近代的な銃火器を持った者と何も持たぬ者
創造が容易だ
「あん時の奴らかー」
「……やるか」
「いぇあ」
まるでドッペルゲンガー
そういうことか?
一度死んだ銃士と拳闘士
それのコピー品、すでに一度戦った
容姿は違い性格は違っても
変わらない
死ぬ度に覚えるのはゲームの醍醐味
「カモーン!ニセモノ!相手してやる!完全に!破壊してくれるぜ!」
それに答えるように跳躍
眼前に降り立つ
「俺たちは死なない、ポリゴンになっても、すぐ元に戻る」
「そしてまた、学ぶ!」
凄まじい勢いの右ストレート
間違いなく当たれば即死もの
「そしてオリジナルを超えた」
「はてどうかな」
互いに銃口を突きつける
「思考は似てるらしいけど…どこが超えたんだか?」
引き金を引こうとした
しかしそれを止められる
「ねぇ、コピーなんでしょ?なら私がやっても文句ないわけじゃん?」
ツインソードが言う
「ハッ、丁度いい、どうする」
「消耗はない、構わん、順序を変えるだけだ」
「じゃー勝て、超えたと言うならな、かーなりできの悪いコピーじゃない限り負けはしないだろうが」
「じゃあそっちはこっちでもらおうか」
弓師と盗賊
「なんだ、2vs1か?随分と憶病なんだな?」
「遠距離が得意なんだ、勘弁してくれよ?」
「おいおい……やること取られちゃやってらんねぇな」
「まだいるだろう?」
上空を見る
クリスタルとドラゴン相手に戦う鳥……いや、変態鳥女がいた
「アレはヤベェな」
「迎撃用意しておくか」
「さて!やりますか!」