「さあてさてさて?」
挑発のような声をかける
髪を揺らし腰の剣を揺らす
「コピー品には負けないかなー?」
「言ってられるのも今だけだ、ガキ、貴様は見ているだけで腹がたつ、さっさと構えろ」
しかし武器を手に取る様子はない
「知ってる?双剣士って魔法攻撃力も高いんだよね、知らないかな、外のことだし」
「随分と舐めた真似を……後悔させてくれる!」
銃士が構えなおした瞬間
いや、瞬きの瞬間か
視界から即座に姿を消した
これが意味するのは3つ
まず敵を探さなくてはならない
いつ強襲を受けるかわからない
そしてなにより
狙いをつけて撃っても当たるかどうかわからない程疾い
「ッ!」
スッと肩に手が置かれる
そしてその手をちらりと見るとお札のようなものがあった
「オラジュゾット」
瞬間足元から木があらわれ枝が体を突き刺さんと襲いかかる
それをかわすことすら苦しい今選べるのは
「舐めんなァ!」
自爆
いや、体力的には耐え切れる
現実なら木っ端微塵の選択
しかしそれは木を破壊するにとどまる
「ファバクルズ!」
複数の火球
いや、業火が襲い掛かる
確かに木は壊せる
が、魔力の火は消すのに苦労するだろう
簡単に防戦一方へと変わる
「まっだまだいくよー!ライドーン!ガンゾット!バクドーン!」
雷土そして極め付きは隕石
痺れた体はもはや言うことを聞きはしなかった
「はー……コレ使ってるとすぐにSP切れて走れなくなっちゃうから終わって良かった」
双剣を腰から抜くことはなく手にした勝利に満足げにパンパンと手を打つ
「どうしたァッ!」
弓なのが悪いのか?違うな
短刀ではリーチが短いか?
そうでもない
「術中にハマってるってわからんかね」
「わからんのじゃろ」
スッとスウェイをして攻撃をかわす
業火を発動させ、爆炎とともに放たれる格闘技
コレが見たかった
炎を楽々と操るのは確かに素晴らしい力だが
次回はどうなるか
鏃を変えて弓を絞る
放った矢は信号用のモノ
ひゅろろろろろと音を立てて迫るが無論弾かれる
「レインアロー!」
くるりと体をひねりこみ上空へ弓を向け放つ
馬鹿でかい音に思わず耳を塞ぎたくなる
「イカサマ」
スパッと足首を切りさく
そして抵抗もできずに膝をつく
炎の壁は作り矢を弾く
いつまで持つか?
否、もう持つ必要はないのだ
「ザ、エンドってね」
「ジ・エンド」
短刀を喉元に刺されそして大型の矢が脳天に突き刺さる
ばたりと倒れた
「ペースは、こっちだったんだ」
「それだけさ」
「ポリゴンには戻らないようですが…予定外ですか?えぇ?」
チェス盤を眺める軍人に声をかける
「ああ、あの腐れ王は何をしたんだか」
「死者への冒涜を防いだ、と考えますが?」
「そうか、なら現状の戦力で終わりなわけだ」
「そうなる訳ですね」
「なあ、最後は潔く決闘、と行かないか?」
小さな間
「いいでしょう」
「拳銃を用意してある」
「いや、自前のもので結構?それともご不満かな」
「……構わん」
ブリーラーレッスルを向ける
「こいつ自体に殺傷力はない……なぜコレを選んだか、わかるでしょう」
「……」
「不死身は石にするに限る」
「バレてたか!」
バラバラバラと上空から爆薬が降り注ぐ
「なるほど、奥の手はこいつか、そのチェス盤、もっとうまく使えば良いものを」
ブリーラーレッスルでハンドガンを撃ち後方に投げる
それが壁とならそれにピタリと張り付く
爆発の衝撃で押しやられるがそれを利用し距離を詰める
予定だった
「わぁお、ほんとに、もっと早くそうしときゃ負けることは無かったのに」
ゼロ距離にいたはずなのに
本当にそばにいたはずなのに
「そのチェス盤は、人の位置まで操作できたのか」
「新たな力さ」
「ふざけた力だ」
「私もそう思うさ、だがなぁ…お前の負けだ!」
銃弾の雨に爆発の嵐
いつまで耐えられるか
射線を切ってもすぐに移動させられる
「苦しいなぁ、苦しい」
奇跡的にまだ被弾はない
上空から肩を弾丸が貫いた
否、なかった
劣勢に毒づきながら現状を考え直す
敵は対象の場所を変更でき
それは弾丸や爆弾もである
ただしコレは発砲済みの弾丸ばかりである
刃物などは趣味かは知らないが飛んでこない
体制は変更されないようだ
ならば答えは決めた
「Foo!」
天井を撃ちミラーボールを作り上げる
「ふざけた真似を……!よくもそんな余裕があるものだな!」
「さあ喰らえ、ラストだ」
四方の地面を撃ち抜き蒸気を噴出させるトラップ床にする
そして姿が消えた
祈れ
願え
叶え
蒸気に前転のように飛び込む
下手すれば確実に焼け死ぬ
「貴様が終わりだァァァァァッ!」
射程三メートル
この縛りをどう掻い潜るか
当たるのか
そしてどこにワープするのか
ワープさせてくれるのか
それはわからない
だが……
運だけには自信がある
ぐるりと転がった
そして広報斜め上に銃を向け、見ることなく引き金を引いた
静寂
「フッ…ハハハハハ!外したな!外した!」
声は目の前からする、しかし眼を開けない
「終わりだ……死ね」
「そうだな……」
だらんと腕を下げる
「ならせめて道連れになってやろうか」
地面を撃つ
そして浮遊感
銃声がするが被弾はしない
「正直もう運に全てを賭けた……そしたら負けた気がしたんだわ……でも結局は……勝者は僕だ」
蒸気パネルの上にワープした
そしてこのまま蒸気を浴びれば焼け死ぬだろう
だが確実に撃てば当たる
普通こんな状況の射撃なんてあたりはしないが当たる気しかしない
だからこそ相手もそう感じる
「ァァァァァッッ!」
焦り
確定した勝利が揺らぐ瞬間に怯えている
そして自分に迫る死に絶望し、逃げようとしている
それ故の、結果
チェス盤を吹き飛ばし、銃を乱射する
「とって食ぃやしねぇってのに……ありがとう、おかげでまだ生きてられそうだ」
チェス盤の上の駒は吹き飛び、別の場所へ
「チェック!さようなら、そして、ありがとう」
銃声とともに石化が始まる
「疲れ果てた、それだけだな、詰めが甘いんだ、反省してな……さて、向こうはどうなったかな」
「ほらほらほらほらって!」
上空からナイフの雨が降る
そしてそのナイフに紛れ鷲のように…
急降下して襲いかかる
「ぐふっ…!」
忍者が捕まった
足の鉤爪…
いや、指が全てナイフになっているのだが
それが突き刺さり、まさに体を鷲掴みにする
肉を切り裂かれる激痛に悲鳴をあげたくなる
「泣けッ!鳴け…ッ!鳴けッッ!!」
体をえぐっても必死に声を殺す姿にだんだんとイラつきをみせる
「ふざけんなッ!鳴け!鳴けェッ!」
「テメェが泣き叫べッ!」
拳闘士のかかとが鳥女を吹き飛ばす
自慢とかすら火花を散らしながら向き直る
「コイツならとおっか!?」
「あたぼうよ!」
パラディンと侍の剣が天高く持ち上げられ十字を作る
「「落ちろッ!!/スラッシュッ!!」
「ぎぃッッ!」
翼を十字の剣が切り裂く
羽はもうない
「あぁッああぁッ!私の羽がッ」
「アイススピアッ!」
四肢を地面に固定する
「アハハハハッ!アハハハハハハハハハッ!怖い!怖いわ!最高!これが本当の死……!これが……ッ!」
鳥女の姿が何かの陰に隠れる
それは
複数の人影
「お返しだァッ分身乱舞ッッ!!」
「サヨナラ、私の世界」
1人、いや、ひとつ、また駒が消えた
チェスでキングのみに追い込まれればまず勝ちはない
がこれはチェスゲームではない
奥の手は、本当に最後に勝るものだ
「最後のパーティーを始めよう」
全員の脳に響く
ハッと前を見れば全員が玉座の前にいた
「全員無事、か」
玉座からの声
しかしその姿はよく見えない
この世界に呼び、力を与え、戦いをさせた、何故かわかるか」
静寂
ぼんやりと姿が見え始めた
黒い短髪に褐色の肌
そして白いマントは良く映えた
「なあ、楽しませてくれよ、そのための力だッ!」
パンと手を打ち鳴らすともはやここはブロックの世界ではなくなった
まさにリアル
品のある王宮のように見える
そして、全てを喰らい尽くす影が天井を食い破ってぼとりぼとりと落ちてくる
「口に触るな!一瞬で死ぬぞ!」
警戒しながら臨戦態勢になる
有効打は?わからない
何が効くんだ
何もわからない、ただ
ただヤバイ
それ以外に何も