「それでなぁおっちゃん。魔法ってどこで覚えられるんだ?」
そう言ったのは博麗神社に遊びに来ていた霧雨 魔理沙(6歳)だ。
初めて会ってから早くも数年……すっかり霊夢と魔理沙の二人は親友のようで時々喧嘩したりかと思えば次の瞬間には笑いあってたりと忙しく過ごしている。
「魔法はな……それこそ魔道書とかその辺を漁ったり……あとは魔法をちゃんと使える先生を探すしかないな」
「でもなおっちゃん……父ちゃんは魔道書買ってくれないんだ」
と、不満げに言う魔理沙……それを見て縫螺は苦笑いした。だが確かにそろそろ魔法の指導をいれた方がいいのもまた事実……その辺の話しは霧雨の店主とも話している。
「まぁ魔道書は危ないからな」
そう縫螺は言う。当たり前だろう。本自体が魔力を持つのだ……危険どころじゃない。持っただけで災いや不幸を呼ぶものだってある……下手に手が出せるものじゃない。だが縫螺にも考えはあった。
「分かった。おじちゃんが知り合いの魔女に魔理沙の先生やってくれないか頼みに行くから一緒に行かないか?」
「おぉ!行く行く!」
「れーむも!れーむも!」
と、言って足にくっついてくる霊夢……縫螺はデレデレしながら分かってると言い二人の女の子を侍らせて出掛けたのだった……
「と言うわけでここに住んでるのが魔女なんだが……」
と、縫螺は二人を森に連れてきてとある家の前でそう言った。それを見て魔理沙は首をかしげる。
「魔女ってこんな寂しいところにすんでるのか?」
「そもそも魔女って言うの事態が人付き合いが苦手なやつが多いしなぁ」
縫螺はそういいながらドアをノックした……
「出てこないなぁ」
そう言う魔理沙……縫螺はもう一回ノックした……
「出てこないねぇ」
霊夢はそう言う……縫螺は今度は強めにノックした……すると、
「うっさいわねぇ!」
ドアが乱暴に開けられた。シワが寄ったスカートの更に荒い息……成程、
「トイレか」
「言わんでいい!」
そう叫んだ少女はショートヘアーの金髪のきれいな髪にカチューシャをかけた人形のような少女だ。
名を、アリス・マーガトロイドと言う。とある一件で彼女と知り合い人里で会えば挨拶くらいはする間柄である。そんな彼女はせっかくの可愛らしい顔で縫螺をにらんできた。
「んで?いきなり何のようよしかも子連れって……私子供嫌いなんだけど……」
そういったアリスに縫螺は笑顔を向けながら魔理沙に言った。
「さぁ魔理沙、今日から魔法の先生になるアリス・マーガトロイドだ。挨拶しなさい」
「………………は?」
そりゃ確かにアリスが、は?となるのも仕方ない。だが縫螺は気にしない。それを見て魔理沙も、
「きろさめまりさでぇす。よろしくおねがいしまぁす!アリス・マーガリン先生」
「あ、こちらこそ……って!私はアリス・マーガトロイド!後勝手に先生にするんじゃない!」
ゼイゼイ息を突きながら言い切ったアリス……それを見て縫螺が笑った。アリスの中に明確な殺意がわいたがそれどころじゃなかった。
「そ、も、そ、も!私が何で魔法を教えなきゃいけないのよ!」
「だって俺が知ってる魔法使いで一番優秀でとびきり頭がよくて凄い奴だし?」
と、褒めてやるとアリスはテレッと頬を染めた。
「そ、そう?まあ私が優秀なのは周知の事実だけどね?」
チョロい……っと縫螺はそっぽを向きながらほくそ笑んだ。いやぁ……楽勝楽勝。ただまぁ優秀で頭がいいのは本当だ。実際魔法使いは幻想郷では割りとよく見られる種族だが彼女はその中でも特に優秀だ。実際魔理沙のような魔法使いの卵を扱う場所は一般的には知られていないが他の魔女が行っている。だが敢えて縫螺は彼女に任せた。何故かって?優秀なのもあるが、それは理由のひとつだ。じゃあとは何かと言うと……
「ま、まぁ少しくらい面倒見てもいいかもね……で?魔理沙って言ったかしら?きれいな髪の毛ね。この服はお母さんかお父さんが買ってくれたの?」
「うん!父ちゃんが買ってくれたんだ!」
とまぁこんな感じで子供嫌いなんて口だけなのだ。根っこは面倒見が良いお姉さん気質だ。彼女なら丁寧に教えていくだろう。
「ただ今日は帰りなさい。明日からあなたの家に向かうから」
「ここじゃダメなのか?」
そう言うとアリスが苦笑いする。
「この森は瘴気とかが満ちてるし迷いやすいからね。貴女の家の方が安全だし……今は良いのよ?この男が守ってるからね」
そう言って今度はアリスは縫螺の顔を見た。
「この子って霧雨ってことはあの霧雨でしょ?人里で一番大きな店持ってる」
「あぁ、さすがに有名だもんな」
そう言うとアリスはため息を吐いた。
「ったく……寄りによって人間の面倒見てしかも紹介してきたのがあんたの知り合いとかね……」
「まだ恨んでるのかよ……」
縫螺は苦笑いした……ここでなぜ彼女と知り合ったのか説明しよう。
前に人里で新しい人形が出たと言う話を聞いて縫螺は大急ぎで買いに行った。勿論霊夢にあげるためだ。
だが店に着くとなんと最後の一個ときた……勿論それに手を伸ばしたわけだがちょうど同じく手を伸ばした人物……それがアリスである。
アリスは人形を操る魔法を得意としており人形自体も好きらしい……そのため買いに来たのだが運悪く縫螺とかち合ったと言うわけだ。
無論どっちが買うかで揉めた……そして最終的に喧嘩となり……まぁああれだ。大人げなく本気だしてアリスを倒してしまったのだ。
霊夢へのお土産は買えたがそれ以来アリスからは暫くにらまれる日々が続いたものの彼女は人間から魔女になった口の影響なのか時間がたてば顔見知り程度の関係に落ち着いた。
何て言うことがあったので彼女とはそれなりに仲良くやっている。
「じゃ、明日昼頃に霧雨店に向かうから待っててね。魔理沙」
「わかった!」
すると魔理沙は何か思い出したような顔になった。
「なぁなぁアリス!」
「…………先生くらいつけなさいよ……まぁいいわ、で?なに?」
「魔法って言うからさ、なんかこうズババーンって感じの魔法使えるようになりたいんだけどできるか!?」
「あのねぇ……魔法って言うのはいくつも複雑な魔方陣の組み合わせでできるのよ」
そう言ってアリスは魔理沙の額に人差し指をチョンっと着けた。
「魔法はブレインよ?これは常識だから覚えておきなさい」
「はーい!」
まぁ結局魔理沙はパワータイプの魔法が得意だと言うことが判明するのだが……それはまた今度の話だ。