It's impossible to love and be wise.   作:蒼鋼

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/タイガーパニック!

 

 鷹たちが遠ざかっていくのを気配で感じ取った晶は、片膝を着いてほのかをその場に座らせ、銃を構えている集団に向き直る。

 近くに達也やレオたちの気配を感じるが、晶にとっては誰が誰かを考えること自体が億劫になっている。

 

「あぁ、お前らには少シ、本当ニ少シダケ感謝スル」

「……晶?」

 

 光波をとても鋭敏に近くするほのかにとって、晶の変化は一瞬にして劇的で異質だった。

 いつもの晶は、ほとんど余剰光波を発しない。術式をアレンジして消費サイオン量を限りなく減らした上で、必要な量だけを丁度で注ぎ込んでいるからだ。

 だが、今の彼はその限りではない。()()を起点にして大量の余剰想子(サイオン)と共に光波が溢れている。

 それは『怒り』に近くて、でもそんな激情とはどこか違う暖かさがあって……。

 

「ドイツモコイツモ調子乗リヤガッテ――」

 

 前髪で隠れてはいるが、銃を構えている男たちからも晶の右目が青白く光っているのが確認できた。

 

「鬼火……?」

「馬鹿言え、そんなの魔法どころじゃないオカルトだろ」

 

 ユラユラとしたその光を見て一人が呟くが、その横の男が即座に否定する。

 

()()()ニ、手ェ出シテンジャ――」

 

 晶が大きく鼻から息を吸い込む。同時にゆっくり開かれる口。晶と対峙する彼らにはそれが、煉獄の扉が開かれていくように感じられた。

 

「ッ。う、撃て撃て、撃てぇぇ!」

 

 自身も含めて全員が銃を構えて呆然としていることに気づいて叫ぶが、時既に遅し。

 

「――ネェェェェェェEEEEeeeeee!」

 

 不可避の死嵐が吹き荒れた。

 

 

「晶さんのあの右目は、聖遺物(レリック)()()()。本気の晶さんは『人喰虎(ルゥ・ガン・フゥ)』と呼ばれているそうだ」

「おい、達也!?」

 

 後方で縦横無尽に暴れている晶を後目に、達也たち五人は図書館へ急ぐ。

 その道中で達也が突然にカミングアウトして、衛兵が目を剥く。それを言っていいのか、と。

 

「勿論、これはオフレコで頼む」

 

 レオとエリカと幹比古は即座に頷く。あくまで『らしい』であり、確証がある訳では無い。

 

「あの魔法は、人間が使っていい代物じゃないし、そもそも人間に使える筈が無いんだ」

 

 

《エンジェリック・ハウル》

 

 それが、晶が今使った魔法の名称だ。内容としては一方向に収束させた超音波の砲撃のイメージだ。

 『振動』によって音の振動数を超音波(20kHz以上)に引き上げ、『収束』によって一本のチューブ状にのみ超音波が進行していくように情報体(エイドス)を書き換える。言ってしまえばそれだけだ。

 問題は、人間の声はせいぜい4kHz(1秒間に4,000回程度の振動)であって、超音波にするにはその5倍の振動数に改変しないといけないということだ。実際は工業で大型装置を持ってきて使うような魔法だ。

 それを可能にしているのが、右目に埋め込まれた聖遺物(レリック)激憤の守護者(ベルセルク・ガードナー)』だ。第一の性質として、平時から想子を吸い込んで蓄積しておき、必要な時に引き出すと同時に魔法の演算処理を手伝う。だが、それよりも注目すべきは第二の性質『狂防化』だ。

 『是が非でも守りたい』という感情に呼応して、視神経を経由して脳に干渉しリミッターを解除。身体能力を極限以上に跳ね上げさせる。限界突破した声帯筋肉の振動で周波数を引き上げ、ハードルを下げた。

 

 

 《エンジェリック・ハウル(天使の歌声)》というよりデストロイ・ホルン(破滅の角笛)と呼びたくなる超音波砲撃の通過していった射線上に立っていた人間は、皆一様に白目を向いて倒れ伏した。

 超音波によって脳内の髄液が異常振動し、キャビテーション(液中に生じる真空の泡)が生じるとともに破裂、その衝撃で脳に申告なダメージを与えられたのだ。不幸中の幸いは、加担している生徒も一般の生徒も巻き込まれなかったことか。

 

「GAAaaa!」

 

 だが、それで人喰虎が止まるはずが無い。『収束』の硬化魔法で指の付け根周辺の窒素の相対位置を固定、ウルヴァリンのような長爪を不可視で生成して生き残っている襲撃者に襲い掛かる。

 『激憤の守護者』の演算補助でマルチキャストしている加速術式によって、銃撃している男に気づかれる前に接近し腕の一薙ぎで引き裂く。薙いだ勢いで次の標的に向かって飛び出す。

 銃で撃とうにも同士討ちを誘導するように走り回り、ナイフで接敵しようものなら一瞬で『喰われる』。

 ふと、一人の男がほのかに銃口を向けた。刹那、突き立てようとしていた爪を突然止めた人喰虎は銃を左爪で切り上げ破断し、右爪で顔を引き裂いた。

 

「女だ、そこの女を一斉射撃しろぉ!」

 

 もはや悲鳴に近い命令だったが、指示を聞いて一斉に銃口をほのかに向け斉射した。

 

「GRuuu!」

 

 ほとんど冷静さを保てていない中で出されたほのか狙いの指示だったが、これは(あなが)ち間違いではなかった。荒れ狂う野獣の如き猛攻だった人喰虎が、一転して防御一徹になったのだ。

 防衛本能に従った人喰虎はほのかを抱き上げてジグザグに動いたが、二人と銃弾の間を透明な壁が遮った。

 

「屋内への銃撃が止んで、何事かと思って外へ来たが……」

 

 達也曰く「巌のような人物」こと十文字克人が無系統の《ファランクス》で耐弾障壁を幾重にも展開していた。

 

「RuRuRu…」

 

 『狂防化』の代償に人物判断がほのか以外できていない人喰虎は、突然現れた克人を警戒して唸る。だが、彼の裾をほのかが掴み囁く。

 

「大丈夫、あの人は大丈夫だよ」

「Ru…Ru…」

 

 ほのかの言葉を聞いて、一つ頷いた人喰虎は唸りを止めた。

 克人から無線で状況を聞いたらしい摩利が横合いから突撃し、その後方から真由美が《ドライブリザード》のドライアイス弾で支援している。

 銃を持っていること以外はそこらの一般人と変わりない男達は、三巨頭の連携に為す術なく気絶していく。

 

「…GRua!」

 

 何かの気配を感じたのか、突然に人喰虎が唸り声を上げながら背後に長爪を振るった。

 金属を打ち付けたような硬質な音と鈍重な金属で石床を打ち砕いた音がほぼ同時に響いた。

 全身に黒光りする金属甲冑を纏った機鎚士が魔杖鎚を振り下ろしていたのだ。足音も気配もほとんどしなかったが、風下に人喰虎がいたことが幸いして(機鎚士にとっては不幸だろうが)嗅覚で知覚して人喰虎が反応した。

 

「ヌゥンッ」

「GRaa!」

 

 石床にめり込んだ魔杖鎚を強引に振り上げ追撃したが、人喰虎はほのかを抱き上げて跳躍、振り上げられていく魔杖鎚の軌跡より上に跳び回避。返し手に左踵での回し蹴りを機鎚士の側頭部を覆う兜に当てる。

 着撃と同時に待機させていた『振動』の単一魔法を発動、兜に当てた瞬間に生じる衝撃波を増幅させて脳髄を振動させた。脳髄を経由してダイレクトに脳そのものを揺らされた機鎚士は前のめりに倒れ込みながらも、最後の意地で魔杖鎚を振り下ろした。

 しかし、やはりそんな破れかぶれの攻撃では意味もなく、人喰虎は右足で機鎚士を踏みつけて跳躍。前方で《矛槍射(ベリン)》を発射させた一高生に肉薄する。

 獣に近づいているからか、本能のような超感覚で射線を見切った人喰狼は、抱いているほのかに負荷をかけないよう低い姿勢で十数本の鋼の槍を回避していく。

 

「クソッ、なんでだ。なで当たらねぇんだよッ!」

 

 どうやら()の生徒は機剣士と呼ぶには、まだ咒式を使いこなせていないらしい。硬化魔法を掛けた人喰虎の膝蹴りに合わせて魔杖剣を振り下ろしたが、呆気なく後方に吹っ飛ばされた。

 これが高度な機剣士ならば、自身の肉体を金属置換して体重を増量させ、踏ん張っていられただろう。とは言え、少し前まで中学生だった人間にそれを要求するのも酷な話というものだ。

 ともあれ、吹っ飛ばされたことで他の高校生咒式士たちも人喰虎の存在に気づき、各々が咒式攻撃を仕掛けた。

 

「GRuu!」

 

 方向一閃、人喰虎は化学錬成系第二階位《緋蛇舌(サランダ)》の炎撃を横移動で躱し、大きく跳躍して地中からせり上がった化学珪成系第三階位《晶結葬柩(クスン・サブ)》の水晶棺を避ける。

 跳躍によって空中に滞在してしまった人喰虎に向けて、電磁雷撃系第二階位《雷霆鞭(フユル・フー)》の100万ボルトの雷撃が放たれた。

 電撃を防御できる術式を組めないと判断した人喰虎は尋常ならざる速度で自己加速術式を起動。先程蹴り飛ばした生徒の前に着地し、足許に転がっている魔杖剣の柄を踏み抜いて空中に舞わせた。

 人喰虎とほのかに殺到しそうだった雷撃は導電性の高い金属で構成されている魔杖剣を嘗め回し、高電圧に耐えかねた低級宝珠が粉砕した。

 パキンという宝珠の砕ける音と同時に、チャキンと金属と金属を触れさせる音が小さく鳴った。

 

「おうおう、やぁっぱ俺の目に狂いは無かった。ってぇ訳かい」

 

 魔杖槍を柄で斬られ、自身の腹にも大きな斬撃を受けた咒式士が血飛沫を噴かせながら倒れる中、その咒式士に背を向けた釼閣が呟く。

 まるで急いでいるように感じられない歩みで人喰虎に近づく彼にも、いくつもの咒式が殺到する。

 《矛槍射》による無数の鋼槍、数法式法系第三階位《虚拘縛鎖(グラキア)》による拘束する数式、化学錬成系第二階位《氷凍牙《アグス》》の氷弾の連射、《雷霆鞭》の雷撃の嵐が四方八方から釼閣に迫る。

 

「ハッ。弾幕が薄くねぇか?」

 

 鬼と見紛う笑みを浮かべた釼閣が、右腕を腰の刀の柄に添える。刹那、動体視力が常人を遥かに超えている人喰虎でさえ抜刀と納刀の瞬間しか視認出来ない速度の抜刀居合抜きが放たれた。

 人喰虎が本能的に回避したが、彼の立っていた範囲も含めて《矛槍射》の殆どの槍が切断され金属片と化した。切断された鋼槍の破片が散らばり、《氷凍牙》の氷弾の一部と《雷霆鞭》の雷撃を巻き込む形で無力化していく。

 その後に釼閣が踏ん張りをかけたが、《虚拘縛鎖》の数式を振り切って《氷凍牙》を放った生徒の背後まで駆け抜けていくシーンを誰も捕捉できなかった。

 

「――《零閃不選刀(ゼロセンカタナヲエラバズ)》。ってな」

 

 再び不可視の抜刀居合抜きを放っていたのだろう。刀身が鞘に収まる音が響いた刹那に、生徒の持っていた魔杖剣と彼の左足の腱に細い筋が走り、その場に膝を着いた。

 

「ウチの一族ァ、元々は因幡国(イナバノクニ)、ってぇも分かんねぇか。鳥取あたりの一国一城の主を宗家とした、分家だったそうだ」

 

 じりじりと数歩ずつ下がる生徒たちに興醒めしたのか、釼閣が昔語りを始めた。

 

「宗家の家長は、一振りで一国を贖える価値のある銘刀を愛用していたらしいんだがな。お(かみ)の意向とやらで取り上げられちまったらしい。ま、タダでくれてやった訳でもねぇらしいがな」

 

 とまぁ、何はともあれ。

 次の獲物を品定めする、餓狼のような目付きのまま語り続ける。その間、柄から右手は一切離れていない。

 

「刀は奪われ城は城主ともども砂丘に沈んでいくとあっちゃぁ、分家は宗家の代理になるか、新たな飯のタネを手に入れるしかねぇ。しかし、武家屋敷みたいなもんだ、商才は無いし砂丘だらけの領土じゃ農地転用も出来ねぇ。武士の命()も失っちまったわけで、ご先祖は刀鍛冶に転職したそうだぜ?」

 

 

 押し潰さんばかりに釼閣から放たれる剣気と闘気と殺気に耐え兼ねた残り三人の生徒が、同時に咒式を放つ。

 化学鋼成系第一階位《剛鎖(バイン)》によるチタン合金の鎖と数法量子系第二階位《恨巳手(モジヤーデ)》の無数の青白い手が釼閣を捕縛せんと波状攻撃で襲い掛かり、それらを巻き込む形で化学錬成系第二階位《金剛示(アナラゼ)》による金剛石の嵐が降りかかる。

 

「……一か八かの賭け、ってか? いいねぇ。何つったかな、そういうの」

 

 話の途中だったおかげで、思い出すのに時間がかかるぜ。

 左手首に装着したCADを操作し始める釼閣。

 

「ああ、そうだ。――『鉄火場(テッカバ)』だな」

 

 二科生ゆえに素早い展開とは行かなかったが、それでも対処するには充分間に合う時間で術式が展開されていく。『吸収』系単一魔法『鉄火場』。

 血液の中から鉄分だけを分離させ空中に放出。微粒子状の鉄原子が大量に滞在することで酸素と超高速で結合、一気に熱量を増大して爆炎へと昇華させる魔法だ。

 一人の体内鉄分量はせいぜい5g程度とも言われており、戦場でもなければ燃料の鉄分を用意しきれないような術式でもある。

 そこかしこに出来ている血溜まりが、まるでガソリンのように火柱を噴き上げていく。《恨巳手》の青白い手が灰に変わっていき、頭上の金剛石もただの炭素の塊ゆえに烈火に包まれクズ炭となっていく。

 最後に抜刀居合抜きで《剛鎖》を一刀両断しようとした釼閣だったが、それより先に横合いから轟音とともに巨大な金属塊が音速以上の速度で鎖に衝突した。

 衝突によって生じた風圧に髪がなびく中、釼閣は目を大きく開いてキョトンとした様子で呆けた。

 

()()()化学鋼成系第四階位《鍛澱鎗弾槍(ウアーブ)》です、お気になさらず。お話の続き、お伺いしてもいいですか?」

「……刀鍛冶に転職したご先祖様たちの目的はただ一つ、渇望して止まない『()の刀を』この手に。そのために、実に多くの刀を鍛えた」

「『零閃不選刀』も、その渇望の過程、ということですか?」

「ご明察、恐れ入る。本家のお家芸だった『零閃』を、どんな刀だろうと、それこそ()()()()()()()()でだろうと出来るようにした。ってぇこった」

 

 『鉄火場』の火柱による照り返しで、眼鏡の奥にあるはずの目線が完全に隠されてしまっている。

 見た目はいつもと変わらないのに、目の前の()()は一体誰だ、と釼閣は真剣に幼馴染の咒式使いに問いたくなった。

 

 

 ゾクリ。

 

「ッ!?」

「どうした、幹比古」

「ウォっと。急に振り向いたら、ビックリするじゃねぇか」

「え? あ、ああ。ちょっとね……」

 

 見えない何かに突然心臓を掴まれたような、そんな不自然な感覚に襲われた幹比古は瞬間的に後ろを振り返ったが、そこには誰もいなかった。

 

(今のは、想子(サイオン)の感覚だった? いや、違う。あれは咒力、それもかなり高位な《異貌の者ども》に匹敵する咒力量の放出だった……)

 

 幹比古は現状を天秤にかける。

 達也と衛兵、レオとエリカが居るなら恐らく図書館の制圧くらいなら何とかなるだろう。屋内となれば、相手もおいそれとは大規模な咒式は使ってこないはず。なら、この規格外な友人たちに任せれば魔法戦闘は問題ないだろう。

 では、あの咒力の根源は? この学校は、良くも悪くも現代魔法の最先端、古式魔法に分類される咒式の専門家は数が限られる。では、咒式も扱う一族である吉田家の人間としては……。

 

「よし。敵の位置は大方把握した」

「そっか。なら、達也。こっちは君たち四人に任せていいかい?」

「え、ミキ? いきなり何言って――」

「エリカ。止めなくていい」

 

 突然の彼の言葉に、エリカが思わず聞き返そうとするが、それを達也が制する。

 

「幹比古。それは、咒式や古式魔法も扱う吉田家としての判断なんだな?」

「うん。咒式を扱う者として、今すぐ確かめなければならない。そう感じたんだ」

「分かった。こっちはこの四人で何とかしよう」

「悪いね」

「気にするな。本来なら俺と衛兵(モリト)の二人で行こうとしていたんだ、四人いればどうにでも出来るだろう」

「そっか。それじゃ、気を付けてね」

 

 達也たち四人を背に、幹比古は気配を殺して今来た道を辿りながら駆け抜けていく。

 

 

「確か、この方角だった…はず」

 

 恒常展開させている巨大な金属咒式剣を携え、幹比古は周囲を見回す。ほぼ一瞬の知覚でしかなかったが、あれほど強力な咒力の放出なら中々忘れられるものではない。

 そして、先ほどから少しずつではあるが感じ取る咒力が強くなっている。この方角で間違いないと確信して歩を進めた幹比古は、その結果を(出来れば)信じたくなかった。

 

「え……?」

「……やっぱり、似た者同士なんですね」

 

 近くには、明らかにいつもと様子の違う晶や()る気全開の釼閣なども居たが、明らかに彼らでは無かった。

 出来れば、知らないまま卒業したかったです。周囲の炎に音こそ掻き消されるが、口の動きで彼女の言葉を読み取れた。

 

「一瞬使った咒式でさえ気づいてしまうんですから、『血』は争えませんね」

「『血』って。それじゃ、まさか…」

「はい。この霊子放射光過敏症も、その副作用でしかないです」

 

 一度目を閉じ、眼鏡を外して目を開く。とてもクリアになった彼女の視界には、精霊たちの様子がハッキリと映っていた。

 幹比古も、視認こそ出来ないが精霊たちの感情が読み取れた。

 畏れ、敬い、憬れ、そして長い付き合いの友人のような親しみ。それらが違和感なく混ざり合った感情。霊子(プシオン)の集合体である精霊がそのような感情を向ける対象はごく少数。その中の一つが――。

 

「《竜》…」

 

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