somethingをつかめ! 作:とまってみえる
姿なき挑戦者
夢のために僕は親切高校へ入学した。名門校からもお呼びがあったが地元の高校での優勝を果たしたいというわがままな思いで、誘いを蹴ってしまう。それが後悔と言う名の階段を登っていると知らずに...
長いバスでの移動、じっと座り待つということは今でも慣れないと感じるこの物語の主人公、貞島本広。バスの向かう先は親切高校という少し名の知れた高校だ。本広はそこへ野球をするために入学した。
「なかなか着かないでやんすねえ」
隣にいるメガネをかけた足の速そうな人に声をかけられ、顔を向ける。
「あ、おいらは荷田でやんす!貞島くんも野球部に入るでやんすか?」
「そうだけど、ってなんで名前しってんだ?」
初対面の人に一発で名前を当てられ少し驚きを浮かべてる本広だが、荷田はかまわず続ける
「一応あんたのチームと試合をしたことがあるでやんすよ。他の人達はわからないでやんすが少なくともおいらの地域で野球をやってて貞島くんを知らない人はいなかったでやんす。」
「ほほう」
ちょっとした有名人ということを知った本広は少し機嫌をよくしながら目的地の親切高校を待った。
幾分かの時間が過ぎると、荷田が声をあげた
「貞島くん!見えてきたでやんすよ、親切高校!」
「...おっ、ホントだ!」
ようやく目にした高校へ向けて二人は気合いをいれて待ち望む。
ただ、学校の周りを囲む大きな壁に疑念を抱きながら...
~親切高校<体育館>~
そして入学式、荷田とは少し別れて式を受けるも、何かと話の長い事は嫌いな本広は高校の新鮮さを感じると同時にストレスまで抱えてしまう。そして締めと称した校長先生の話が始まる。
「あー、諸君。この学校は『親切』をモットーにしております。周りの人たちに『親切』を忘れず、そして『親切』な人になりましょう!さらに一人一人の生徒を立派な社会人の一員として育つための物はすべてこの学校にあります。外に出る必要はありません」
という言葉が終わると同時に重く鈍い音がガチャリと鳴り響く。
「(結構やばい学校じゃないかな、ここ)」
不安という不安が駆け巡るなか濃く短い3年間が始まった。
自分の教室へと向かい、担任がくるのを待ちまだかと思えば扉が開き、そこにはいかにも体育会系と言わんばかりの先生が現れた。
「この1年3組を担任する大河内将門だ。これから1年間よろしくな!」
「先生質問でやんす!」
先生の簡単な自己紹介が終えると同時に荷田が質問する。この学校の不祥事についてかなとバカなことを考えていた本広の当ては当たらなかった。
「このクラスは全員男しかいないでやんす。入学式にいた大勢の女子生徒は何処にいったでやんすか」
それにはすこぶる同意する。高校の華と言えば青春を讃歌すること。そして青春とは恋愛でもあるつまり青春=恋愛の考えがあった本広は、表面上は無表情を貫くものの内心ではグッドと荷田を賛美する。すると先生の口からは驚愕な事実が...
「冗談じゃないよ」
「まったくでやんすよ」
男女は完全分離状態で会うことはほぼ叶わず。さらには外出などもできたものではなくまるで監獄のようなものだ。正しい社会人を育てる前に学校のシステムを直せよと本広、荷田は思う。
「このままじゃ恋愛のできないまま高校を卒業しちまうぞ」
「むむ、それだけは避けたいでやんすねえ...でも」
本広の言葉には共通な考えを持っていたが、少し口ごもる荷田。
「この学校はそういうのにも厳しいでやんすから会えてたとしてもこの状況じゃ厳しいでやんすよ」
「えんこーもだめか...」
「なにいってるでやんすか!」
はあと溜息をつく本広は、荷田と一緒に入部届けを持ち部の集まり場所へと向かう。入部届けには勿論、野球と書かれていた。
~グラウンド~
新入部員たちと正しく挨拶をするために部員全員が集まる。そして監督の挨拶が始まる。
「いいか、気楽で楽しい学園生活を遅れると思う馬鹿はいるか?念のために言っておくが社会に出てからそんな甘ったれな生活が遅れるほど優しい世界じゃない!いつの世も勝者と敗者しか存在しない...そう、今でもそんな冷酷な現実がまってるんだ!だから俺は教育として試合に勝つことを教える。勝つための苦しみに勝ったときの喜びを教えるために、この3年間みっちりとお前らの体に教え込ませる」
長く熱い監督の親切さを知り、なんとなく強い高校とはわかったものの、甲子園に出るチームとはなにかが違うのではとクエスチョンが本広にはあった。しかし、強豪校が生易しい練習をしてるわけがないため、そのクエスチョンは消すしかなかった。
「なんか軍隊みたいでやんすね」
荷田が小声で話しかけてきたため少し焦るがなんとか、言葉を交わす。
「でも監督の言ってることは間違いでないと思うけど、今の時代には合わない考えな気がするんだよな」
などと話していれば
「おい!そこの二人!」
「!?」
「私語の罰としてグラウンド10周だ。今すぐ始めろ」
監督が話している最中だったので言い訳など思い付く間もない。どちらにしろ本広たちが悪いのは明白だ。
「...わかりました」
と二人は黙々とグラウンドを10周するはめになる。
学校生活が始まり部活に勉強と忙しい毎日である。毎日くったくたになるので遊ぶことすらままならぬ生徒は多い。
「今日の練習も疲れたでやんすね」
「そうだな」
「でも、貞島くんは余裕そうでやんすね。さすがでやんす。でもなんで本気を出さないでやんすか?」
「昭和気質の抜けない奴等の目の敵にあいたくないからな。その前に選手生命が断たれるんじゃ意味がない。ちゃんと監督に大きくアピールする場が欲しいな...」
「けど、この学校の野球部はボールを磨くだけだとは思わなかったよ。ちゃんと育成する気がねえんだろうな」
不機嫌気味に声を荒げる本広にひやひやする荷田
「仕方ないでやんす。おいら達は一月前までは中学生でやんすから体作りから始めるしかないでやんすよ。貞島くんについては何も言えないでやんすが」
「こっちはそれなりにやれる自信があるんだけどなぁ、監督が悪い意味で差別はしない感じなのがな。あんだけ勝ちたい勝ちたい言ってたわりには基盤すら固められないダメ監督は信用できませんわ」
「最初はどこの高校もこんな感じだと思いたいでやんすがね...」
本広は中学時代はシニアの強豪チームにいたため、厳しい練習は嫌でも経験してきた。入部した当日の監督の勝つためのなんとやらは気楽な練習では絶対に得ることはできない。しかし、ただ厳しいだけの練習が勝利を掴むこともないが...
「寮は荷田くんと一緒だからなあ」
今日とおさらばするため二人は自分達の寮で話し合う。
「クラスも一緒、部活も一緒、さらには寮まで一緒だなんて...」
呆れ気味な荷田に適当に声をかけようとするが本広自身が同じ気持ちなためどう声をかければいいか迷っていたが同じ寮に住む3年の北乃先輩より寮のうんちくを聞いてなんとか納得することに。ただし、寮だけでなく部活内での上下関係についても詳しくおしえてもらうことに。
「いろいろめんどくせぇ学校だな」
「でやんすねぇ」
二人は不満を抱きながらも夢のために突き進む。
本広の朝は速く、一人バットを振るっていた。ノックは始まったものの未だ本格的ではあらず、さらにバッティング練習に関しては素振りだけだ。それに、今のところも球ひろいや先輩達のユニフォーム洗濯などの雑用が主な活動となっている。そんな中で、実力を見せつけるのも万全な状態を作り上げるしかない。ポツンとたたずむ埃の被った鏡で、フォームの確認やスイングの形を一つ一つ修正していく。1年目レギュラーを取れる自信はあっても確信がない本広はひたすら練習に励むしかなかった。ただ、準備もしないで目標を掲げていても、その目標に到達することは決してないと言えよう。
学校生活も1週間すぎたことでペラの解説を生徒達は受ける。簡単に言えばお金の代わり、つまりこれで、社会人になったときのために金銭の扱いに慣れろとのことのことで、このようなシステムを学校側は導入した。ペラは勉強や部活の成果に応じて支給される。ただ、ボランティアといった社会奉仕でも支払われるため、勉強もだめ、部活もだめ、という生徒には助かるものだ。
「これがペラねぇ」
「随分安っぽいでやんす」
授業終わりの休み時間本広、荷田の二人は学校について話し合う。
「携帯の電波はないから学校の公衆電話を使うしか連絡はとれないし」
「しかも職員室前にある一つっきりでやんすよ。聞いた話だと30分たっても公衆電話前の行列は進まなかったとか」
「あの行列ってそれだったのか...」
なんにしても不便なことで1週間たった現在も不安な学園生活が続く。というよりも。一昔前のダークな雰囲気が漂っている時点でこの学校は何かがおかしいと思わずにはいられない二人だった。
学校の授業が終わる時は、部活の始まりの時間でもある。練習は相も変わらず厳しいものだったが、今日は珍しく休憩時間が長いものだったため、休憩がてらに本広はある確認をしていた。
「官取、岩田、田島、越後」
「どうしたでやんすか?」
「いや、ここら辺はレベルがたけーなって」
「貞島くんが言ってもうざいだけでやんす」
うまい選手というのは知らないうちに覚えていくもので本広は印象に残った選手たちとの交流は大切にしているが逆に言えば実力がない選手は覚えることはないわけだ。
「ただ、あいつらバカなんだよな。あの頭の悪さは逆に尊敬に値するよ。ホント」
「それは聞き捨てならないな」
「んだよ田島」
本広と荷田の横に割って入ってきたのは一年の中でもかなりの実力者である田島将悟だ。
「俺も一応はマルチで頑張ってんのよ。野球しかできないバカと一緒にされちゃ困るよ」
「悪かった悪かった」
悪びれもなく手を振り謝る本広にやれやれと首をふる田島だったがさらに横やりが入る。
「同じ野球バカのお前にバカと言われるとは...貞島だって分数の足し算できないだろ」
「できるに決まってんだろ」
越後竜太郎は勉強はできないも同然な頭だが、野球脳はあるらしくプレー中は頭の悪さはみえない。
「おめー、プロに入れなきゃどこにも行けねーぞ」
「ははは、俺は野球バカだし」
「分数の計算ぐらいは普通にできなきゃまずいだろ」
笑いごとじゃないと思ったらしく官取隆弘は越後へツッコムが無駄なことだったらしく笑い事ですまされてしまう。
「官取もやれやれだぜ...てか、そんなことで偉そうにするなー!」
一人官取に突っかかる越後だが軽くあしらわれてしまう
「あいつホントバカだな~、練習中は近寄るなよ、バカがうつるから」
「なぁ、田島分数ってなんだ?」
「お前もか!」
岩田重機は今まで思っていた疑問を田島へと質問するが、同じバカとは付き合えない田島は岩田を振り払った。
「でも、こういう奴等のほうがこの野球部では頼りになるのはわかる気がするかも...やっぱわかんねえ」
一人呟く本広へも返事を返すものはいなかった。
「貞島くん!聞いたでやんすか!女子寮のことを!」
騒がしい荷田の開いた口からワード女子が出てきたため本広は興味がわく。
「それはホントか?」
「森の向こう女子寮があるという話でやんす!」
「行きたいのは山々なんだけど、見つかるとやべえことになりそうだな」
「でも、おいら達は健全でんすよ。逆に言えば女子に興味ないなんて連中が一番危ないでやんすよ」
「それもそうだな」
五月に入っても雑用の毎日は変わらない。そんな体制にさすがに怒りを通り越して呆れがきている。そして今日は
「おい、田島お前のみがいたボールは汚いぞ!...官取球を集めるのが遅いぞ」
先輩達の一年生へのしごきが行われていた。しかしそれはただの嫌がらせに他ならない。出る杭は打たれるとはよく言ったものだ。
「二人とも災難でやんすねえ。貞島くんは上手いことやってるでやんすけど(ボソッ」
「ああいうのは実力で黙らせるべきなんだけどそんな練習はさせないしな」
と二人小言を話していればキャプテン飯占に目をつけられる。
「お前ら...目付きが気に入らん」
「くそ~、今度は反抗してやるわさすがに。先輩とか後輩とかの問題じゃないだろ、これは」
「キャプテンもやりたい放題でやんすしね。こんなことしてなんの問題にならないのが不思議でしょうがないでやんすよ」
二人ともきついしごきを受け練習も終わり本広、荷田はともに洗濯をしながら不満を吐き出しあいながらも今日を過ごした。
一晩がたち学校生活がはじまり昼休みが始まるがいつもつるんでいた荷田は委員会の仕事があるとのことで一人で過ごすこととなる。
「そうだ、女子寮があるという森に言ってみるか」
森の入り口付近にまで来ると再び気持ちを入れ直すために深呼吸をする。
「よし、バレない程度に近づいてみるか」
森の中を少ししたところで何かの足音に気付いたためとっさに逃げる準備をする本広だが、その足音は決して人間のものではなかった。靴が地面を踏みしめたものではなく獣がひたすらに獲物を狙う、そんな足音だった。
「まずい」
すぐさまダッシュで森の出口まで全速力で走るが、それと同様のスピードで何かが近づいてきていることにも気付いたため、少し振り向けばドーベルマンと思われる犬種の犬が追いかけていた。
「門番ってわけね」
と呟きながらも逃げ切ることに成功した。
寮に戻ればぼろぼろの姿になった荷田がいた。
「荷田くんどうしたんだそれ!?」
「ふがいないでやんすよ、森に行ってみたら...」
「荷田くんも森に?」
行き着く先は同じ考えだったのでちょっぴり感動したがそれだけである。
「え、貞島くんもいったでやんすか!?」
「ああ、なんとか逃げ切れたけどなかなかきっついな」
と本広の凄さを感じられたエピソードに興味を持ちつつも女子寮の話をする二人に北乃が話に割ってはいる。
「お前らもバカだな~。あの森は放し飼いにされてるドーベルマンに警備員のパトロールがいるからあまり入らないほうがいいぞ」
「でも危険を冒してまでたどり着いたら女の子たちとのラブラブになれるはずでやんす!」
「あははは」
といつもは汚い先輩がキレイな先輩だなと思うがそのあとの荷田へ「俺のパンツでも洗ってろ」の発言にやはりいつもの先輩と思う二人だった。
「いてて」
練習中にノックのボールが直撃した本広は少しふらつきながら保健室へと向かうとそこには保険室で桧垣へと診てもらうことになった。
「これからは気をつけてくださいね...とはいえ君の身体は素晴らしいな。僕が今まで見てきたなかでは最高だよ。それにまだ発展途上だ」
いきなりアーッんなことを口ずさんだかと思い、桧垣へただただ引くことしかできなかった。
「先生ってまさか...」
「おっと、失礼。職業がてらアスリートの肉体は研究者の目で見てしまうんです。ただ君の肉体は素晴らしいよ。これにはお世辞でもないし嘘偽りない」
一応誉めらてるんだとわかり、喜ぶもののそれは一時だけだ。桧垣は別な話題を出した。
「君にはちょうどいい代物かもしれませんよこの薬」
「なんですかそれ」
突然変な薬を出されたため不安がよぎる本広。入学当初からこの学校のおかしなことには気づいていたため、人体実験の類いは何かやらかしてそうなイメージがあるため警戒する。
「ジャッジメントグループの新薬ですよ。まだ試薬品ですから、副作用とかはよくわかってないんですが」
「今日はありがとうございました、じゃ練習に戻りますね」
得たいの知れない物を口に含むほど愚かな感性は持ち合わせていないので本広はその場を後に練習に戻る。
「...懸命な判断ですね」
暇な時間を潰すために本広は女子寮のある森へと向かうことにした。
「今回は虫除け持ってきたしこれでプシューってやりゃ逃げるんじゃねーかな。今のうちに体に吹き掛けとくか」
森の奥へ進んでいるとどこかで覚えのある音が聞こえてきた。間違いなくドーベルマンだと確信した本広は、虫除けスプレーを手に持ち、ドーベルマンを向かい打つ準備をする。そしてとうとう姿を現したドーベルマンへスプレーを構えればなぜか逃げていってしまった。
「虫除けスプレーすげえ!蚊は追い払えねえくせに犬っころには効果抜群だな!...何か物音がするな。言ってみるか」
抜き足差し足忍び足で物音が聞こえた方へと行くと何やら大きな人影があった。
「(警備員か?)」
厳重に警戒しながら近づいてみると警備員とは違うことに気付く。親切高校の制服、しかもスカートを履いているため違いには直ぐに気づけた。
「(僕と同じぐらい、いやそれ以上あるな...なんだかショック受けちゃう)」
動揺しているとお約束のようにうっかりと木の枝を踏みつけてしまう。枝の折れる音は静かな森では大きく聞こえてしまうため、当然向こうにいる女子生徒に気づかれてしまった。
「ひえっ、だ、だれ?」
見つかったものの女子生徒の顔もわかったた。水色の髪が特徴的だが最大の特徴は男の本広と寸分違わぬ背のさだろう。先ほども背で勝てなかった本広が精神的にダメージを受けたように女子としてはとても背が高い。
久しぶりに、女子との会話に立ち入り禁止のはずの森で自身の存在がバレてしまい上手く口が動かずにいたが、弱々しく喋るよりは堂々としていたほうがいいと考えたためこのまま押し通すことにした。
「き、君は?」
「...え、あたし?えと、ウチは大江和奈です。一年八組の生徒をやらせてもらってます」
同じ一年生ということに驚きつつその事についての動揺を隠しながらやり取りしていく。
「そ、そうなの。ここで何を?」
「...」
少しの沈黙が流れるが大江小さく先に口を開けた
「名前」
「え?」
「えと、ほらあんたの名前、まだ教えてもろてへんよ」
女の子に名前を聞かれたので内心喜ぶものの表面上はそんなわけにはいかなかった。
「ああ、僕は貞島本広。で話を戻すけど何してたんだ?」
「毎朝体動かさんと落ち着かんからここでちょっと運動してただけや...んであんたは何しに来たんや?ここは立ち入り禁止のはずやろ?」
一番突っ込まれたくないことに触れらてしまうが言い訳は考え付かないため本当のことをつい話してしまう。
「ちとね、女子寮がこの先にあるって聞いたから興味本位で来てみたんだけど」
「ウチにあってしもうたわけか。女子寮ならあっちの方角やけど規則違反やからさすがにオススメできへんよ」
しれっと女子寮の場所を教えてくれる辺り性格の良さが滲み出てると思うものの広本はここで終われるわけがなかった。
「まあ、確かに規則破ると面倒なことがおきるけどなあ」
「え、あんた寄っていくんか?やめときやめとき。見つかると大変なことになるよ」
「それも承知の上だ...僕はこれで、ありがとう大江さん」
と女子寮の方向へ向かおうとすると大江に呼び止められる。
「待って」
「?」
「ホントに行くきかいな...でも、さっきはびっくりしたよ、でも怖くはなかったよ」
前半部分は聞き取れなかったのもあるが突然何を言い出したのかよくわからないので本広は困惑するしかない。
「そう思うただけや。それじゃバイバイ」
と言うと大江も消えてしまったため、ただただクエスチョンが残るだけだった。だか、そんなクエスチョンに構ってる場合ではないので教えてもらった通りの方向へと本広は急ぐ。
野球の試合の場面までさっさと書きたいです。でも恋愛面の方に力をいれてきます!