Sword Art Online 〜黒灰色の猫〜   作:霧銘

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1度間違えて編集中に投稿してしまうというミス。

割と更新が遅くなったです、はい。
話自体はだいぶ前に書いていたんだけど、色々と修正やらなんやらをやって投稿する暇が無くて…。

この話に需要はあるのだろうか……((。


Art 3 死神

ガキィン、と金属音が鳴り響く。

その中から聞こえた怒気を含む声。

怒りと戸惑い、そして俺に対するもう一つの色を含んだ瞳がしっかりと俺を捉えていた。

死神の身体が一瞬屈んだかと思えばそのまま身体を突き出し俺の剣の鍔が鳩尾に食い込んだ。

「うっ……」

短いくぐもった悲鳴が漏れでる。

それを掻き消す様に死神の剣が押し払う様に振り抜かれた。

金属音と火花を散らせながら俺の体は宙を舞う。

そのまま宙を舞った俺の体は無回転のまま背中から叩きつけられ――る直前、剣を振り切っ先で地を弾き勢いを少しでも殺す。

ダンッと打ち付けられ僅かに残ったHPを更に5割を抉りその勢い止めた。

バウンドする身体をごろごろと転げなんとか膝立ちになる。

もう、1年以上をこの世界で過ごし体に染み込んだ身体は剣を握り直し、顔を跳ねあげさせた。

顔を上げて敵を睨み、その姿を捉えると無意識のうちに顔をごと視線を下げていた。

殆ど雪に覆われていない地表に視線を固定されているかのように動けないでいると自分のほぼ顔の真下に濃い緑色の液体が入った瓶が飛んできた。

ゆら、と顔をあげ濃い緑色の液体が入れられた瓶―正式名称「グリーン・ハイポーション」と言う―が飛んできた方向を見ると右腕を向かって右に曲げている死神――タクトがいた。

このポーションは彼が投げたのだと理解するや、何故? とただ疑問に思う。

俺の残りはもう二桁。

ソードスキルどころか剣を軽く振った一撃で俺を殺せる。

HPを奪うことはすれど、その逆、回復させるなんて事は有り得ない。

ましてや、彼が、タクトが俺を許せる筈など無いのだ。

だって、俺は、俺は彼の大切な彼女、サチを――。とそこまで考えた所で冷たく、抑揚の少ない声で俺に、

「それで回復しろ、現状で手に入る最高級のポーションだ、5分もあれば回復しきるんじゃないか」

そして、と短く何故か焦った様に区切ると。

「さっさっと回復して俺と戦え、その腐りきった覚悟とともに切り捨ててやるからよ……!」

低く、ゆっくりと、それでいて怒りを微塵も隠さずに吼えた。

びくり、身体が強ばる。

そして、ようやく理解する。

彼は俺を許すなど微塵として考えてはいない。

満タンになったHPを己の手で削る。

きっと、怒りに身を任せ、怒りを載せてあの黒色の剣は発光し目にも止まらぬ速さで俺の身体を切り裂くのだろう。

そう思うと身体がぶるりと震えた。

「っ!」

何故震える? 死ぬ覚悟等とうにしていたではないか、モンスターはもちろん他のトラップでもいい。

どんな手段であろうと俺は俺を殺す為に剣を取ったのではないのか。

「……くっ!」

何故。分からないその感情を瓶の栓を抜きごくごくと喉をならしながら濃い緑色の液体を喉に流し込む。

するとじわ、じわ、とHPバーが増え始め瞬く間に真紅に染まっていたゲージは濃いオレンジへ、そして、黄色へと姿を変えていった。

「これは……」

その回復速度の速さに驚き、右手に握りしめた瓶を左指でタップしその、アイテムのプロパティを確認する。

そこに書かれていたのはアイテム名――竜人の清酒。

そしてそのアイテム自体のレベル。

この世界のアイテムにはレベルが存在する。

六段階のランクがS,A,B,C,D,Eと格付けされ―無論左から右へゆくにつれ弱くなる―更にそこに1から5までのレベルが振られる

そういったレベルは消耗品に対して付けられる。

回復アイテム精製スキルやあるいは毒など化学アイテムの精製を行う「調合」そして料理スキルもここに含まれる。

現段階の最前線の攻略組が主に使うポーションがDランクの3レベル、それに対しこのポーションはDランクの5レベル。

これは現在のレアアイテムの回復結晶に相当する―現在の回復結晶はAランクのレベル5だ、つまりここでは利便性等の点を踏まえての相当だ―。

結晶とは違い一瞬で一定値を回復する事は出来ずともそれとほぼ同等の回復力と速さを誇るポーション。

俺が知る中でこれを手に入れる方法は。

現在の難関ダンジョンの1つとして名を馳せる第10層の外れにある竜人の集落の奥、竜人の修練場でのクエスト、「対決ベネル師範」の報酬のみ。

ベネル師範はHPがレッドゾーンまで入ると自身に与えられる全ての攻撃を激減した上で自身の各パラメータを1.5倍ほどに跳ねあげ、3本あるHPバーの内最後の1つをフル回復させるのだ。

このクエストではプレイヤーの命は絶対に奪われないのをいい事によく腕試しで師範に挑む者がおおい。

そんな難関ダンジョンの回復アイテム。

彼が取ったのだろうか。

それとも昔に? 等と場違いな思考を張り巡らせていると、唐突にタクトが口を開いた。

「用意は出来たか? なら、さっさっと始めようぜ……邪魔が入る前にな」

と死神が鎌の代わりに剣を鳴らして構えた。





感想とか評価とかくれると嬉しいなぁ……チラチラ。


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