それと、読者様の意見で機龍と真耶のR18シーンが
見たい、との事でしたので書く事にしました。
批判的なコメントはダメですが、感想や評価はどんどん
ください。評価の方も、皆さんがこの作品をどう思っているのか
知りたいので、低、高構わずに評価しちゃってください。
それは、IS学園で一夏のパーティーが開かれた数日前の出来事だった。
ファントムタスクの襲撃からある程度時間が経った、そんなある日。
機龍「え?もうすぐ一夏のお誕生日なの?」
今、1組の教室では機龍、セシリア、ラウラ、箒、シャルロットが
集まっていた。一夏は所用で席を外していた。
箒「あぁ。9月27日、一夏の誕生日なのだ。…しかし」
機龍「?どうかしたの?」
箒「それがその、恥ずかしい話だが一夏は自分の誕生日を忘れっぽくてな」
機龍「……自分の誕生日なのに?」
箒「あぁ。あれは、小学校の頃だったか?9月28日に学校で
私と話をしていた時に、『あ、そう言えば俺昨日誕生日だった』。
などと言い出して、あの時は呆れて何も言えなかったのを今でも
覚えている」
シャル「いくらなんでも自分の誕生日を忘れるなんて。あり得ないと
思うけど……」
機龍「そ、そうだね。……でも、どうして急にそんな事を?」
箒「あ、いや、何。折角だからアイツのためにパーティーでも
開いてやろうかと、思ってな」
そう言いながら顔を赤くする箒。
機龍「そっか。なら僕も手伝うよ。できる事があったら、何でも言ってね」
箒「そうか?ありがとう機龍。心強いよ」
そう言って、機龍の頭を撫でる箒。撫でられ、笑みを浮かべながら目を細める
機龍。
ちなみに、今では機龍はすっかりクラス全員の『弟』的な立場になっており、
まぁ要はみんな機龍を見てると撫でたくなるのである。それはセシリア達は
もちろん、箒達も同じだったのだ。
シャル「ふふ。二人は苗字も同じだし、そうしてると本当の姉弟みたいだね」
と、何気ない一言を漏らすシャルロット。
箒『機龍が、弟か』
そう言われ、改めて機龍を見る箒。
『まぁ、それも悪くないかもしれないな』
と思いつつ笑みを浮かべながら機龍の頭を撫でる箒。その隣では、ラウラと
セシリアが羨ましそうな表情を浮かべているのだった。
その頃。
束「はっ!?」
某天才博士はニュー〇イプ並みの感受性である事を感じ取っていた。
「こ、これは、リュウ君が箒ちゃんの弟になるというフラグが
立った気配!」
クロエ「どんなフラグですか、それ」
と、近くに居たクロエが突っ込むのだった。
戻ってIS学園の廊下。あの後、機龍は箒達と話し合って機龍と箒達8人で
一夏のパーティーをする事になったのだった。料理を担当するのは、箒と
機龍、シャル、鈴となり、機龍はこのパーティーを楽しみにしていて、
箒達からはパーティーの主催者として認められ、改めて一夏のパーティーを
成功させるべく、奮闘すると誓っていた。
で、機龍は今一夏に渡すプレゼントや、どんな料理を作ろうかと考えながら
歩いていたのだった。
機龍『う~ん。一夏の好きな料理とかはさっき箒お姉ちゃんから聞いたけど、
一夏のプレゼントって何が良いかな~?アクセサリー?でも
そういうのって女の子向けっぽいし。でも日用品のプレゼント
も違うし、だからと言って玩具も一夏の歳じゃ違うから。
う~ん』
と、考えながら歩いていると、曲がり角に差し掛かるが、考えているせいで
前が見えない機龍。
『それにパーティーの食材も買いに行かないといけないし。でも、
この町の事はあまり詳しくないし、それに――』
「――ぷぎゅっ!」
と、考えながら歩いていると、壁に激突してしまい、小さく悲鳴を漏らす
機龍。
「イタタタ。うぅ、ちゃんと前を見てないと」
ぶつかった衝撃で赤くなった鼻を押さえ、涙目ながらも再び歩き出す機龍。
ちなみに、それを見ていた周囲の女子たちは密かに可愛い、と連呼していたのだった。
また、それ以降女子たちから見た機龍のステータスに『ドジっ子属性』が
プラスされたのだった。
機龍はその後も、色々と考え事をしていたのだが、結局考えが纏まらないのだった。
今の彼の問題は主に2つだ。
一つは、一夏に上げるプレゼントの事。
もう一つは、まだ余り知らないこの町で、できるだけ良い品質の食材を
手に入れられる場所を見つける事だ。
束やクロエ達と生活していた時は、調理に必要な食材などはどこからか束が
仕入れていたため、問題なかったのだが、今回は自力で調達しなければ
ならないのだった。
「う~ん。どうしよ~」
と、唸りながら廊下を歩いていた時だった。
真耶「機龍君?大丈夫ですか?」
機龍「あ、山田先生」
と、唐突に真耶から声を掛けられたのだった。
真耶「大丈夫ですか?どこか痛いんですか?何やら唸っていたようですけど……」
機龍「あ、違うんです。実は……」
と、一夏のパーティーや悩んでいる事を説明する機龍。
真耶「そうだったんですか。……あ。それなら機龍君。私と一緒に
お買い物に行きませんか?」
機龍「え?」
真耶「こう見えても、学園の近くのお店の事はよく知って居るんですよ?
幸い、明日から土日ですし、どうですか?」
機龍「それじゃあ。…お願いしても、良いですか?」
真耶「はい♪」
と、こうして機龍は真耶に案内してもらいながら、町を回る事になった。
翌日。校門の前で合流した二人は町の方に移動していた。
一方、箒の部屋には簪やセシリア、シャルや鈴が集まってパーティーの
会議を行っていた。
シャル「えっと、食堂は貸し切りにして、料理は夕方に僕達で作って、
プレゼントは個人で準備するとして、人数は僕達と織斑先生、
山田先生位だから、12、3人って所かな」
鈴「そんな所でしょうね」
と、打ち合わせをしていた時、不意に箒が冷や汗を流しながら手を上げた。
箒「い、いや。それについては、訂正しないといけない」
シャル「え?」
簪「どうしてですか?」
箒「じ、実は、あれは昨日の夕方。部活の時の事だった」
と、あの時の事を思い出す箒。
1年が始まったばかりの頃、箒は剣道部の所属であったが、一夏の特訓を
理由にあまり顔を出していなかった。しかし、機龍の記憶との邂逅以降は、
自分の強さを掴むために剣道部に顔を出すようになり、以前にもまして
剣道に打ち込んでいた。そして、昨日の部活後。
箒がロッカールームで部活仲間と一緒に着替えていた時の事だった。
女子「ねぇねぇ篠ノ之さん。9月27日に織斑君の誕生日パーティーを
するって本当?」
と、いきなり部活の先輩、2年の生徒が話しかけて来た。
箒「え!?ど、どこでそれを?」
女子「やっぱり本当なんだ~。ねぇねぇ、それって参加しても良いの?」
箒「は、はい。参加するしないは個人の自由ですが、その情報は一体どこで――」
女子「そうなの!?みんな~!織斑君のパーティーってだれでも参加OK
だってよ~!」
「ほんと!?」 「良し!なら私も参加しなきゃ!」
と、瞬く間に周囲に広がって行ってしまった。
箒「あ、あの!その情報は一体どこから!?」
女子「え?え~っと。確か1年の、なんだかぽわぽわした感じの
子が言ってたわね。何か袖を振りながらおりむーのパーティー
があるんだって~って、大声で叫んでたわよ」
その事を聞いて、箒は血の気が引くのを感じた。
戻って現在。箒からその話を聞き、簪は頭を抑えた。
簪「あの子は……」
セシリア「ですが、もし仮に他の組の方や上級生の先輩方も参加
されるとなると、その、料理が……」
箒「一応、機龍にその事は知らせてあるんだが」
と、言いつつ、大勢の生徒が参加する事に、箒と鈴、シャルはため息を
着くのだった。それを見て苦笑するセシリアとラウラ。
そんな事を見ている時、ふと、簪がある事に気づき、呟いた。
簪「機龍の誕生日って、何時になるんだろう?」
その一言で、動きを止めた箒達。しかし。
「あの、私一つ提案しても良いですか?」
鈴「何?」
簪「織斑君の誕生日と同じ日に、もう一つ、機龍の誕生日パーティーを
するなんてどうかな?」
ラウラ「つまり、9月27日を機龍の誕生日にする、というわけか?」
簪「機龍はその、誕生日は無いかもしれないけど、それってつまり、
どんな日を機龍の誕生日にしても良いって事じゃないですか?」
セシリア「私たちで、機龍の誕生日を作る」
シャル「……悪くないんじゃないかな?機龍、きっと喜ぶよ」
箒「そうだな。…私達からの日頃の恩返しだ」
ラウラ「となると、一夏だけではなく機龍へのプレゼントも用意せねばな」
と、こうして、密かに機龍の誕生日パーティーをする事も決まって行った。
一方、モノレールを使って町にやってきた機龍と真耶。
真耶はいつもの教師としての私服姿。機龍は学園の制服を着ていた。
真耶「それでは機龍君。最初はどこに行きますか?」
機龍「えっと、先に一夏へのプレゼントを買いたいんです。
ただ、一夏に何をプレゼントしたら喜んでくれるか、分からなくて」
真耶「織斑君へのプレゼントですか。そうですね~、あの歳の男の子ですから、
玩具と言うより、アクセサリーや腕時計なんてどうでしょうか?」
機龍「時計、ですか?」
真耶「えぇ。日常生活でも役に立ちますし、男の人にはぴったりだと
思いますよ。丁度、駅の近くに高級腕時計を扱っているお店が
ありますから、そこへ行ってみますか?」
機龍「はい。お願いします」
真耶「では、行きましょうか」
そう言うと、二人は手を繋いで歩き出した。さながら、親子のように。
やがて、真耶の案内で到着した腕時計のお店で、早速どれがいいかを選ぶ機龍。
機龍『お兄ちゃんはよく体を動かしてるから、衝撃に強い物の方が良いよね。
でも、時計の機能だけなら、腕にしてる白式のガントレットでも
十分だし、どうせなら、時間を図る機能とかもあった方が良いよね。
後は色だけど……』
と、真剣な面持ちでショーケースを見ている機龍。と、ここで真耶が
気になった事があった。
真耶「あの、機龍君?選ぶのも大事ですけど、お金の方は大丈夫なんですか?」
と、彼のお財布を心配する真耶。彼女自身は、もしもの場合は自分も
お金を出すつもりだったが、流石に高すぎるのではと思い声を
かけたのだ。
機龍「はい。…えっと、束から学園に来る前にカードを貰ったんです」
真耶「クレジットカードですか?」
機龍「はい。と言っても、特に買いたいと思う物が無かったので、
使っていなかったのですが……。あった。これです」
そう言って機龍が財布の中から取り出したのは、黒いカード、
クレジットカードの中でも最高位の『ブラックカード』だった。
真耶「き、機龍君、それって、ぶ、ブラックカードじゃ」
と、余りの事に驚いている真耶。
機龍「はい。束は大抵の物はこれで買えるよって言っていましたから、
多分これならギリギリ大丈夫だと思うんです」
真耶『ギリギリって、機龍君。多分それがあればお店の商品
全部買えるんじゃ……』
と、ブラックカードの凄さを知らない機龍と真耶の間で若干の
不一致があったりした。
その後、運動時の使用もできると言う剛性とストップウォッチの
機能を持つ高級腕時計を購入した機龍。レジでブラックカードを
出した後、店を出る際には従業員全員の見送りがあったが、機龍は
何の事か全く分からなかった。また、その横では終始真耶が苦笑していた
のだった。
その後、更に近くのスーパーなどで食材を揃えた二人は昼食を取るために
海が一望できるレストランに来ていた。
料理を頼んでそれを待っている間も、機龍は手元のメモと買い物袋の
中身を睨めっこしていた。
機龍「えっと、あれとこれは買った。こっちも忘れてないから……。
うん、ちゃんとある。後あれは……」
真耶「ふふ、大丈夫ですよ機龍君。レジに行く前に2回も確認したん
ですから。買い忘れはありませんよ」
機龍「は、はい。…分かってはいるんですけど、やっぱり失敗したくないんです。
一夏お兄ちゃんの、大切な誕生日ですから」
と、少しだけ顔を赤くしながらそう言う機龍。
それに対して、真耶も頬杖を突きながら笑みを浮かべていた。
「ケーキとプレゼントを用意して、一夏には少しでも喜んでほしいんです。
1年に一度の、誕生日ですから」
真耶「本当に優しいんですね、機龍君は」
機龍「ありがとうございます。…でも、僕自身も楽しいんです。一夏だけじゃない。
みんなが笑顔で居てくれるなら、それだけで僕も笑顔になれるんです。
僕一人が笑顔になるんじゃなく、みんなで笑顔になる。
それだけで、僕は満足なんです。だから、みんなが笑顔になれる
パーティーにしたいんです」
そう言って、微笑む機龍。真耶もその言葉を聞き、安堵していた。
真耶『機龍君は、ホントにいい子なんですね。誰かの微笑を、
自分の事のように喜んで。…機龍君は、私が導く必要なんて、
無いのかもしれませんね。……そして、そんな純粋なあなただからこそ、
きっと、みんなもあなたの事が好きなんでしょうね』
そう思いながら、教え子であり、今も顔を赤くしながらも、笑って居る
機龍を見守る真耶だった。
その後、食事をして、レストランを出た二人はモノレールの駅に向かっていたのだが、
途中での事だった。
『バゴォォォンッ!』
唐突に、爆音が響き渡り、機龍と真耶は驚きながらも振り返って爆音のした方に
視線を向けた。見ると、二人から少し離れた場所にあるショッピングモールの
屋上から煙が上がっていた。
真耶「爆発!?まさか……事故でもあったんじゃ……」
数秒だけ煙を見つめた機龍は真耶の方に向き直った。
機龍「先生、僕行きます。僕の力で、助けられる人が居るかもしれません」
そう言うと、鞄を持ったまま機龍は走り出した。
真耶「あ!ちょっと、機龍君!」
そして真耶もそれを追って走り出した。
2人が現場にたどり着いた時には、既に警官によって規制が行われていた。
視線を屋上の方に移す機龍と真耶。そこで、二人の視線に映ったのは、
半壊した屋上のフェンスに必死にしがみ付いている幼い少女の姿だった。
そして、その周りでは警官が野次馬を後ろへ下がらせているが、
その野次馬達は他人事のように写真を撮っているだけだった。
それに怒った真耶がその野次馬達を注意しようとした時。
女性「きゃあぁぁぁっ!!」
唐突に女性の悲鳴が響いた。機龍と真耶が視線を戻すと、とうとう握力の
限界だったのか、フェンスから落下する少女の姿が見えた。
それを見た機龍は、考えるよりも先に肩にかけていたバッグを落として
駆けだした。
野次馬を制止する警官の目も落下する少女に行っているため、機龍は簡単に
警官達の間から飛び出して、走った。少女の落下点と野次馬達の間から
飛び出した機龍の距離は、有に20mはあった。機龍が走り出した時点で、
少女は既にモールの3分の1の高さは落下していた。普通の子供は愚か、
大人でも走って間に合う距離ではない。そう、『普通』なら。
機龍「間に合えぇぇぇぇぇっ!!!」
ゴジラとしての圧倒的な脚力を生かして走り、機龍は助走を付けながら少女が
地面に叩きつけられる直前にスライディングして、落下地点に滑り込んだ彼は
少女を抱きかかえたまま滑り、縁石に左肩をぶつけるようにして停止した。
「もう、大丈夫だよ」
少女「ふぇ?」
硬く目を閉じていた少女の目が、ゆっくりと開かれた。
今、彼女の前に居るのは顔を土で汚しながらも笑みを浮かべている機龍だった。
少女を抱えたまま、ゆっくりと立ち上がった。しかし。
機龍「ッ」
唐突に機龍の左肩の生地が赤く染まり始めた。
しかし、それでも機龍は少女を地面にゆっくりと下した。そこへ。
母親「恵美!」
少女「ママ!」
モールの建物の中から少女の母親と思われる女性が走って来て、
少女を抱きしめた。それに笑みを向ける機龍。
母親「ありがとうございます。娘を救っていただいて」
娘を抱きしめながら、機龍に礼を述べる女性。
機龍「気にしないでください。……怪我が無くて、良かったね」
少女「うん!お兄ちゃん、ありがとう!」
母親「ありがとうございます。…でも、あなた左肩が…」
と、機龍の左肩の傷の事を気にする女性と少女。しかし。
機龍「良いんです。このくらいの傷ならすぐに治ります。……それよりも、
その子が無事ならこの程度、名誉の負傷ですから」
そう言った機龍は、二人の元から歩き出して真耶の方へと戻って行った。
そんな時。
少女「お兄ちゃん!ありがと~~~!」
少女の声が響き、機龍は振り返って手を振りながら微笑を漏らした
のだった。
機龍「山田先生、そろそろ戻りましょう」
と、ごく普通に真耶の前に戻って来た機龍なのだが……。
真耶「機龍君、その前にまずその腕の治療が先です!」
と、左手の指先からポタポタと血を流している所を指さして怒られた
機龍だった。
その後、近くの薬局で包帯と消毒薬を買った真耶はどこかゆっくり
出来る場所を、と探していたのだが……。
真耶「あ。あそこにホテルがあります。あそこの一室を借りましょう」
機龍「わかりました」
と言って、2人が入って行ったのは、どう見てもラブホテルなのだが、
2人ともそういう知識が疎いため、全く気付いていなかった。
その後も、人がいないカウンター等に戸惑いながらも部屋を選んで入った2人。
そして、入った部屋で機龍は上着を脱ぐように言われたのだが……。
真耶に背を向けた状態で服を脱ぐ機龍。そして、露になった左肩の傷は
既に塞がっており、傷跡もほとんど残っていなかった。
それに驚く真耶。そして、そんな彼女に背を向けたまま、濡らしたガーゼで
血液をふき取っていく機龍。
「……僕の生命力なら、この程度の傷はすぐに回復するんです」
独り言のように、ゆっくりと話し始めた機龍。
真耶「で、でも、やっぱり痛覚はあるんですから、怪我をすれば……」
機龍「確かに、痛みはあります。……でも、この程度の痛み、僕が
人間に与えた痛みからすれば、蚊に刺された程度ですよ。
それに……。例え、僕が傷ついたとしても、人を守る事は
僕自身の『やりたい事』なのと同じくらい、『やらなきゃいけない事』
なんです」
そう言いながら拭き終わった腕を見て、制服を羽織る機龍。
確かに、ゴジラを生み出したのは人間の業。しかしそれでも、東京で数万の
人間を殺したのは、言うまでもなくゴジラ本人であり、機龍本人なのだ。
言うなれば、人間が生み出したゴジラに人間が殺される。ゴジラやマドカ風に
言えば『自業自得』なのだろうが、機龍はそれでは納得していなかった。
機龍にとってそれは強迫観念とは違うが、それでも人を殺したのは
他でもない自分自身の罪だと捉えているのだ。
『人が罪を犯したというのなら、それは僕も同じ。
だからこそ、僕はもう、人を殺すんじゃなく、人を守る事を
誓ったんだ』
人を愛し、護ると誓った機龍。その決意の裏には、彼自身の
『贖罪』の意識もまた、存在していたのだ。
そして、機龍はおもむろに立ち上がると……。
「すみません。そこのシャワールームで汚れを落としてきます」
とだけ真耶に言い残して備え付けのシャワールームに入って行ってしまった。
そして、残された真耶はと言うと……。
真耶『機龍君は、ずっと、戦い続けている。前世でも、この世界でも、
誰かを護りたいから。その体に傷を作ってまで……。あんなに、
幼いのに……』
その事実に唇を噛みしめる真耶。もし、彼女が一夏達のように機龍の
過去を映像として見たら、どんな表情をするだろう?
恐らく、機龍を二度と戦わせまいとするだろう。
今の真耶は機龍の詳しい過去を知らない。それでもなお、彼女はその瞳に
涙を溜めていた。
『私にできる事って、何だろう。……あの子に、何かをしてあげたい。
少しでも、心の支えになりたい。……そうだ。私は、私にできる事を
機龍君にしてあげよう。…それで、少しでもあの子の傷を癒せるのなら』
そう思った真耶は立ち上がった。
一方の機龍は裸になってシャワーで体の汚れを洗い流していた。
その時、ルームの扉が開いて、タオルを一枚体に巻いただけの姿の真耶が
入って来た。
機龍「せ、先生!?」
咄嗟の事で驚いた機龍は近くに置いてあったタオルで自分の前を隠した。
驚きながら顔を真っ赤にしている機龍と…。
真耶「そ、その、機龍君の、お背中流します」
同じく顔を赤くしている真耶。
その後、タオルで前を隠したまま、機龍は真耶に背中を流してもらっていた。
今まで、こんなことは誰にもしてもらった事のない機龍。それもあってか
顔を赤くしながら、俯いていた。と、そこへ…。
真耶「機龍君?気持ち良いですか?」
後ろから、ズイッと機龍の顔を覗き込む真耶。
機龍「は、はい!大丈夫です!」
と、顔を更に赤くしながら半ば叫ぶ機龍。
まぁ、理由は簡単だ。今の状態で真耶が前かがみになれば、その大きな胸が
機龍の背中に押し付けられる形になっているのだ。
『うぅ、先生の、柔らかい。…って、ダメダメ!そんな事考えちゃダメ!』
と、その時、機龍の背中を洗っていたスポンジが真耶の手を滑って
機龍の前に落ちた。それをさっきと同じように前かがみ
になって取ろうとした真耶。その時。
『つるんっ!』
真耶「きゃあぁぁぁっ!」
機龍「うわっ!」
足を滑らせた真耶が機龍を巻き込んで倒れてしまった。
機龍は咄嗟に体の向きを変えて、真耶を受け止めた。しかし……。
真耶「あいたたた。……機龍君、大丈夫ですか?」
そう言って自分の下敷きになった機龍を心配する真耶。しかし、今の2人の
身長差を考えると……。
機龍「うぐぐ」
『苦しい』
真耶の胸をタオル越しに顔に押し付けられる形になっていた。
真耶「きゃあぁぁっ!ごご、ごめんなさい機龍君!」
慌てて体を起こし、機龍から離れる真耶。
「ごめんなさい!私、わた、し………」
と、何かを言おうとした彼女だが、その視線はすぐに機龍の下腹部に
映った。
機龍「?……ッ~~~~~~!!!!」
その視線に疑問を思った機龍も自分の視線を下にして、すぐに自分の
股で大きくなっているそれを両手で隠して真耶の方に背を向けた。
「ごめんなさい!僕、あの!も、もう出ます!」
そう言って立ち上がろうとした機龍。だが、その手を真耶が引き留めた。
真耶「あの、その、機龍君は、そのままだと、苦しいでしょうし、
わ、私が、その……」
機龍「………」
※ ここから先はR-18の方に別で投稿します。
ホテルを出て、学園に戻った機龍と真耶。
そして、パーティーの当日がやってきた。これから先は、そのパーティーの
終了間際のお話。
一夏と機龍の誕生日パーティーも終わりに近づいていた時、どこから
持ってきたのか、カラオケボックスを持ってきていた女生徒が居た。
そして……。
機龍「ぼ、僕が歌うの?」
女生徒「そうそう♪何でもいいからさ」
そう言って機龍にマイクを差し出す生徒。
簪「折角だから、好きな歌を選んで歌ってみたら?」
と、簪やラウラ達もやってみれば?と言う感じで促した。
機龍「う、うん」
やがて、歌を選ぶ機龍。
『え~っと、僕の好きな、歌。歌。……そうだ、あれにしよう』
その歌は、束と生活していた時、偶然ネットの中で聴き、好きになった歌だ。
「えっと、それじゃ、伊藤由奈さんの歌で、『TRUST YOU』と言う
曲を歌います。下手かもしれませんけど、聴いてください」
と、顔を赤くしながらそう言う機龍。
やがて、カラオケボックスの中から、ピアノとフィンガースナップの
伴奏が流れ始めた。
『う~。緊張する~。…でも、やっぱり、みんなに聴いてほしいな』
「♪~~~♪~♪~~~」
歌いだした機龍はできるだけうまく歌えるようにと頑張っていた。
しかし、彼の予想は良い意味で裏切られていた。
一夏『機龍、下手かもって言っといて実はすげぇうまいんだな』
元より中性的な機龍の体。女装すれば少女と間違われるほどなそれは、
声の部分も同じだった。女性のようなソプラノの声で歌う機龍の姿に、
一夏達を含めた大勢の女生徒が魅入っていた。
機龍「♪~~~~♪~♪~~~♪~」
本物の歌手にも引けを取らない美声を響かせる機龍。
そんな時だった。
「世界の果てを誰が見たの?旅の終わりを誰が告げるの?」
そう言いながら、一夏達みんなの顔を見回していく機龍。
「今は答えが見えなくて、長い夜でも♪信じた道を進んでほしい♪
その先に光が待つから~♪」
そして、今度は一夏達の方へと、ゆっくり近づいてく機龍。
「君が教えてくれた唄は今もこの心の真ん中♪
あのやさしい声と共に響いてる♪溢れる気持ちのしずくが
あたたかく頬つたう♪」
そう言った時、その歌詞を現すように機龍の頬を嬉し涙が伝った。
「強くなるね♪信じてるよ♪繋がってると♪
I’m always by your side♪」
それを見て、一夏達も微笑を浮かべた。
「I Love You♪ I Trust You♪君のために流す涙が♪
I Love You♪ I Trust You♪愛を教えてくれた♪」
唄いながら、ゆっくりと、一夏達8人の方に右手を差し出す機龍。
「どんなに君が道に迷っても~傍に居るよ~♪」
差し出された手を見て、一夏は周りの箒や簪たちを見る。
一夏に頷く箒達。それを見た一夏は、笑みを浮かべながら機龍の右手を
握り返した。
「♪~~♪~~~♪~~~♪~~~」
唄はやがて、終わりへと向かっていった。
「君の全てを守りたい♪
どんなに君が道に迷っても~♪そばにいるよ~♪」
その歌は、機龍の心象を現していたのかもしれない。
この世界で出会った友人たちが、自分に愛を教えてくれた。
そんな友人たちと共に居たい。自分が信じ愛した彼らを支えたいという、
機龍の想いを現していた。
「二人だから、信じあえるの~♪離さないで~♪」
その言葉に、一夏は。
一夏「二度と、離すかよ」
そう言って再び機龍の手を強く握りしめ、更に機龍の小さな体を抱き寄せ、
抱きしめるのだった。
最初は驚いた機龍だが、すぐに笑みを浮かべて一夏の背に自分の両手を
回すのだった。
で、そうなると周囲の女子たちは………。
案の定、ほとんどの女生徒が鼻血を出してバタバタと倒れて行ったのだった。
こうして、更なる絆を深めた一夏達だった。
お出かけ編 END
最後の方で機龍に歌、『機動戦士ガンダムOO』セカンドシーズンの
ED、『TRUST YOU』を歌わせたのは完全に私の
趣味です。ご了承ください。
後、付け加える事があるとすれば、機龍はおそらく両性愛でしょう。
このままだと機龍が一夏を攻略しそうです(笑)
※読者様からの意見で歌詞を載せる事が違反ではないかと
言われたため、内容の一部を削除・変更しました。