インフィニット・ストラトス 鋼鉄の銀龍    作:ユウキ003

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今回はまるっきりギャグです。シリアスなど期待しないでください。


日常編第3話 『欲望』

ある日のIS学園。その一角にある学生寮。の隣に立てられた

天才(と紙一重の天災)であるISの生みの親である篠ノ之束博士の

邸宅。そんな邸宅の中のとある一角に、邸宅の主である束と、

ゲームの魔術師のようなフード付きローブで顔まで隠した

者達が数人ほど集まっていた。

 

???「篠ノ之博士、例の物は?」

やがて、ローブ集団の一人が静かに口を開いた。部屋が暗いのと

フードのせいで口元以外ははっきりとわからなかったが、声から

ローブの人物が女性である事は分かった。

束「うん、もちろん出来てるよ。君達のお望みの物は……。

  これでしょ?」

そう言うと、束はキーボードなどが置かれたデスクの上に

置かれていた小瓶を取り、ローブの人物に見せるようにした。

中には数個の錠剤が入っており、それがディスプレイの光を

受けて怪しく輝いていた。

???「「「おぉぉ」」」

小瓶と薬を見て、ローブ姿の数人が驚嘆の声を漏らした。

 

やがて、代表者と思われるローブの人物が小瓶に手を伸ばした。

???「つ、ついに我々の悲願が叶うのですね!」

小瓶を受け取り、それを宝物のように頭上に掲げるローブの人物。

束「約束、忘れてないよね?」

そんなローブの人物に不敵な笑みを浮かべながら問う束。

???「えぇ。もちろんです。計画が成功すれば、かなりの報酬を

    ご用意できるかと」

束「ふふ、それは何より、だよ。君達の成功を祈っているよ」

???「ありがとうございます」

束の言葉に、ローブの人物はペコリと頭を下げると後ろにいた

メンバーの方へと振り返った。

 

   

   「同志諸君!いよいよこの薬が手に張ったのだ!あの夢を

    抱いてから幾星霜!ついに我々の計画は最終段階へと

    入るのだ!」

???「「「「「「おぉぉぉぉぉぉぉっ!!」」」」」

どこぞの秘密結社のように、右手を突き上げるローブの人物たち。

???「さぁ!我々の至高の計画を!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

    機龍キュン犬っ子化計画を始めようっ!!」

 

 

ここに、IS学園女生徒によるヘンテコ計画が始まってしまった。

 

時間は遡る事2週間前。IS学園、服飾部部室

部長「はぁ~~♪機龍キュンの笑顔はやっぱり、ス・テ・キ♪」

そう言って、服飾部の部長である彼女は部屋の一角に飾られた

機龍の笑顔の写真を見つめながら恍惚とした表情を浮かべていた。

ちなみに周囲では……

部員A「き、機龍君!あぁ、機龍きゅん!」

部員B「き、ききき、機龍君と、機龍君と、うぇひひひ」

既に末期な妄想に突入している部員たちが数人。しかし部長や

周囲の者達はそれを異常だとは思わない。

 

いや、正確には異常と思わない程、他のメンバー達も機龍に

心酔しているからだ。

しかしこれらは服飾部に限った話ではない。既にIS学園の

大多数、と言うか教師陣も含めて大勢の人間が機龍の虜

なのである。

 

デストロイアとの戦いで自らの正体を晒した機龍が、目立った

拒絶も無く受け入れられたのもこの辺りに起因している。

可愛く、愛らしく、勇気がある男の娘で、人々を惹き付ける

覇王の血筋、ゴジラ一族ゆえの圧倒的なカリスマ。

真の強者が人々を惹き付けるのは必定。しかし力だけではない

機龍の優しさが、大勢の女たちの心を惹き付けて離さないのだ。

 

そのせいで機龍は色々な生徒達から終始狙われるようになって

しまったのだが………。

 

ともかく、今やIS学園内において機龍はアイドルや英雄として

周りの者達から讃えられる存在になりつつあったのだ。

IS学園生徒の大半がショタコン趣味だからではない!

絶対に!多分、恐らく………。

 

とまぁ、そんなこんなで人々に好かれる機龍だが、周りの一部の

生徒達の好きは既に色々限界突破していた。服飾部や写真部、

情報処理部が良い例である。

この3部は、以前合同で機龍の抱き枕カバーを作って配布した事が、

この時は機龍の素性がバレていないにも拘らず大人気商品と

なった。

ちなみに、後々機龍への好意に目覚めた生徒は、かつての学園祭で

一般に出回り、オークションに掛けられた物を中古にも拘らず

数十万で落札した強者まで居たとか、居ないとか……。

 

元から機龍の美貌(?)に目を付けていただけあって、彼の素性と

その思い、更には告白を聞いた後はもう止まらなかった。

あの告白を聞いて3部の部員全員の思いはリミットブレイク。

力の王子様であり美の姫様でもある機龍への想いは恋人である

簪やセシリア、ラウラやモーラにも負けない勢いだった。

(若干変な方向にブレイクしてしまったのは否めないが……)

 

ちなみに、少し前また3部合同で機龍の写真集を作り、学校側の

許可を貰った上で、数百冊作って有料(1冊2000円)で売った所、

僅か10分で完売してしまったと言う。

(また、この人気に追随するように漫画研究部は機龍と一夏の

BL漫画を作ったり、機龍を女体化させて周りのメンバー達と

百合百合な漫画を作って売った所、爆儲けしたとか何とか……)

(加えて漫画の購買者には教師も数名居たとか何とか……)

 

こうして機龍の人気はうなぎ上り所の騒ぎではないのだったが……。

 

ある日の服飾部は壁にぶち当たっていた。

 

部長「何か、良い案は無いかしらね~」

そう言って腕を組み人差し指を顎に当てている部長。

彼女の近くでも他の服飾部の部員たちが頭を捻っていた。

理由は唯一つ。

 

『今後の機龍君に来て欲しい服は?』だった。

前述のとおりの人気ぶりの機龍の写真集発売の際、数字が三桁に

届くまでのページ数を作ったが故に、大体の服は機龍が着てしまったの

である。チャイナ服、ナース服、制服や私服、大体のジャンルは

着てしまった機龍に、次は何を着てもらうか。と言うのが今回の

会議の題目だった。

 

部員C「やっぱり、未だにトライしていないセクシーランジェリーを

    着て貰うとか」

部員B「それはどうかしら?機龍君にもみんなに見せて良い限度

    があると考えるべきよ。それにもし仮に、学園の外に

    その画像が出回ったらどうするの?今はまだ超絶可愛い

    男の娘のプリティ女装写真だから良いけど、流石にそこまで

    行くと外に画像が出回った場合機龍キュンの迷惑に

    なるわ。……見て見たいけど」

部員D「そうね。流石に機龍キュンに迷惑をかける行為はご法度よ。

    ……見て見たいけど」

部員C「う、う~ん。でもやっぱり、ねぇ?」

そう言って周囲に同意を求める部員C。

部員A「じゃあもし、仮に校外にあなたの女友達が居るとして、

    その子が機龍キュンに気があるって知ったあなた。

    しかも手元にはそのランジェリー姿の機龍キュンの

    写真集がある。あなたはどうする?」

部員C「超絶マッハでその写真集を見せて機龍キュンを推します!

    ……はっ!?私は何を!?」

どうやら無意識下に叫んだのか、すぐに疑問符を漏らす部員C。

 

部長「やっぱりね。機龍キュンの美しさはもはや麻薬の域よ。

   一度でもその美に触れてしまったら二度と逃げられない

   美の蟻地獄。けど、機龍キュンに迷惑をかけるのだけは

   私達の本意ではない。そうでしょ?」

彼女が問いかけると、周囲の部員たちが一斉に頷いた。

 

  「とはいえ、ここに来て題材が無くなってきたのも事実。

   何か新しい物はないかしら?」

そう言って頭を捻る部長と部員たち。そんな時。

部員C「あ~あ~。こんな時こそ、猫化機龍キュンをモフモフ

    したいな~」

そう言って長机に突っ伏す部員C。その時。

 

   『ピキィィィィンッ!』

部長『それだっ!』

その時、部長の中で閃きが起こった。

  「そうよそうよ!どうして気が付かなかったのかしら!」

唐突に立ち上がり、叫ぶ部長とそれに驚く部員たち。

部員B「ぶ、部長?どうしたんですか?」

部長「ふふふ、思いついたのよ!あなた達、ペットと言えば

   猫と何?」

部員A「え?え~っと、犬?」

部長「そう犬よ!機龍キュンは今、以前の出来事がきっかけで

   猫化できるようになったわ!だったら、逆に犬化して

   犬耳や犬の尻尾を生やせるようにだってなるはずよ!」

部員C「け、けどあれは確か不慮の事故が原因のはず。まさか

    また機龍キュンを同じ目に合わせると?」

部長「まさか。私はそんな事考えてないわよ。忘れたのかしら?

   私達には心強い同志が、天才篠ノ之束博士が居るのよ!」

部員「「「「「あっ!」」」」」

部長「ISを生み出した程の天才ならば、機龍キュンを犬っ子に

   する事だって出来るはずよ!」

部員「「「「「な、成程!」」」」」

部長「よ~し!そうと決まれば早速行動開始よ!私達

   服飾部は今ここに、機龍キュン犬っ子化計画を

   始めます!各自、異議は!?」

部員「「「「「異議なしっ!」」」」」

 

こうして、(色々末期な)IS学園服飾部によるヘンテコ計画が始まった。

 

そして時間は冒頭の薬を手に入れた後へと巻き戻る。

 

束より薬を入手した服飾部の面々は、まず同志を集めた。

当然、それは機龍絡みで何度も力を合わせた写真部や情報処理部の

面々だ。彼女たちも全員、服飾部に負けず劣らずの末期集団と

化していた。

今は部長と部の副部長らが集まって服飾部の薄暗い部屋で、

丸いテーブルを囲むようにして会議を開いていた。

写真部部長「成程。猫の次は犬、と。で、そのための薬も既に

      準備完了な訳ね。乗ったわ。機龍君の可愛い写真が

      撮れるのであれば、私達写真部が断る理由はないわ」

情報部部長「私達も同じくよ。犬っ子の機龍キュン。良いじゃない。

      我が部の機龍キュンフォルダに神の恵みがまた

      増えるのは、あの子の一信者として大歓迎よ」

写真部部長「けど、薬はあってもどう機龍君に服薬してもらうの?

      まさか正直に真正面からお願いするの?」

服飾部部長「えぇ。私達はそう考えているわ。むしろ、あの薬を

      機龍キュンを騙す形で飲ませた、なんて周囲に

      知られたらボーデヴィッヒさんやフラワーさん達、

ラバーズが黙っていないわ。機龍キュンを騙す

      のは私達の本意ではないし、それは私達の首さえも

      絞める愚策中の愚策よ」

情報部部長「確かにね。……わかったわ。なら私としては

      この計画のかじ取り役をあなたに任せるわ」

服飾部部長「え?良いの?」

彼女自身としては部長3人により計画を動かそうと思っていたの

だが、

写真部部長「そうね。提案者であるあなたにはこの計画を進める

      権利があるわ。同志として、私達はあなたの指示に

      従うわ」

彼女の言葉に、情報部や写真部の部長や副部長たちが頷く。

服飾部部長「みんなっ!ありがとうっ!」

そう言って笑みを浮かべる服飾部の部長。

……絵面は良いが彼女たちはもはや末期な者達だった。

例えば……。

 

情報部部員「失礼します!」

と、そこに会議中にもかかわらずタブレット型の端末を持った

情報部の部員がやってきて部長を見つけるなり、彼女の

元へと駆け寄った。

情報部部長「何事?」

情報部部員「部長に至急見て頂きたい案件が。これです」

そう言って、憤怒のような表情を浮かばせながらそれを抑えつつ

部長にタブレットを渡す部員。

そして、部長はタブレットの画面を見るなり……。

 

   『ギシッ!』

何とタブレットが僅かにきしみ始めた。次第に情報部の部長も

憤怒のような表情を浮かべた。

写真部部長「ど、どうしたの?」

余りの事に気になって声をかける写真部の部長。すると

情報部の部長の彼女はハッとなってからタブレットをテーブルの

上に置いた。

情報部部長「由々しき事態よ。これを」

タブレットを180度回転させ、他の二人に見せる彼女。

残りの二人がその画面をのぞき込むと、そこには情報部が運営している

サイトの画面が映し出されていた。そのサイトでは、一部機龍の

女装した姿の写真がダウンロード可能な画像として貼られていて、

更にはコメントまで送る事が可能になっていたのだが……。

 

写真部部長「ッ!!これは……」

   『何だよこいつ。これで男かよ』

    『気持ちワル、変なもん見た』

     『美少女(笑)www』

そのコメント欄には、機龍の女装姿を嘲笑するようなコメントが

いくつか連続で投稿され、そのコメントにいくつかいいね、まで

押されていた。

 

サイトではご丁寧に『誹謗中傷お断り・男の娘に関するサイトのため

苦手な方はブラウザバックをお勧めします』と警告していたにも

関わらず、である。

 

コメントを見て、コンマ数秒も立たずに他の二人からも圧倒的な殺気が

放たれた。

それこそ今なら千冬や束に素手でも挑んでいきそうな勢いであった。

そして、すぐに……。

3部長「「「総員戦闘態勢!!!」」」

彼女たちはすぐに立ち上がって叫んだ。すると瞬く間にどこから

ともなく3部の部員全員が集合する。

情報部部長「情報部部員各自!このコメントの主及びいいねボタンを

      押した愚民の居場所を突き止めろ!」

写真部部長「写真部部員各自!同志博士の元に急行し事態を説明し

      協力を仰げ!」

服飾部部長「各員傾注!これは我々の聖戦であるっ!」

と、どこぞの軍事国家みたいな演説を始める服飾部部長。

     「我らが王子であり姫である機龍キュンを侮辱した

      輩には何が相応しいかっ!それは死だ!

      絶望に絶望を重ねただけではまだ足りぬ!

      奴らには地獄の業火でもまだ足りぬ!

      剣を掲げよ!正義は我らにありぃぃぃぃぃぃっ!!」

部員「「「「「「「「おぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」」」」」」」」

 

 

……。もはや軍事国家の親衛隊顔負けの統率力である。

しかも今の彼女たちの目からしたら、立ちふさがる者

皆切り捨て御免。そんな目をしているから余計ヤバい。

もはやこいつら、機龍の為に国すら滅ぼさん勢いである。

 

更に束もそれに同調して……。

束「殺せぇぇぇぇぇっ!皆殺しじゃぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

護衛の為とか言って増産し続けていたゴーレムⅢを数百機。

更に3部全員に打鉄を与えてIS学園から日本に向けて

侵略ばりの突撃をしようとしたのだ。

それが出来る天才なのだからもはや質が悪いどころではない。

 

で、結局。

 

千冬「お前らが人を殺したとしったら、機龍が泣くぞ。

   それでも良いのか?」

 

彼女たちの前に立ちふさがった千冬の一言で殲滅部隊は

板挟み状態になった。

結局妥協案として、コメントといいねをした人間のパソコンを

ハッキングしてデータを全部ぶっ壊す事になった。

(それでも十分違法だが……)

 

ちなみに、その後千冬は廊下で……。

  「………」

   『キリキリッ!』

   『ズキズキッ!』

痛みに苛まれる頭とお腹を押さえていた。

  『心労で胃に穴が開いたら、私も人間だったと

   言う事か』

  「ハァ。……ここはバカばっかりなのか」

  『……。今度、カウンセリングにでも行くか』

末期な生徒達と親友(と向こうは思っている)束の暴走に

ため息をつきながら心底疲れた様子でそんな事を考えているのだった。

 

ちなみに、犬っ子化計画はと言うと……。

 

機龍「あ、あの。これで良いですか?」

そう言って、頭から銀色の耳と、腰元から銀色の尻尾を

生やした機龍が撮影スタッフに顔を赤くしながら問う。

 

写真部部員「うんうん!最高だよ!最っ高だよ機龍キュン!

      あぁダメ!もう、意識、が……」

その鼻から、川のように血を流していたカメラマンスタッフの

生徒が顔面蒼白で倒れるが……。

写真部部長「次っ!4番!」

写真部部員「はいっ!」

また新たなカメラマンがすぐに現れ、写真を撮りまくる。

結局、機龍は犬っ子になる事を少し驚きつつも、特に害も

無いから、と言う事で納得して無事に犬っ子になる能力まで

獲得してしまった。

そして始まった撮影会。

 

その様子を後ろの方で見ている一夏達。

 

一夏「何か、機龍もすっかりアイドルみたいだよな~」

箒「みたい、と言うよりもはやアイドルだろう」

鈴「そ~ね~。……私も今度機龍の写真集、買ってみようかな?」

ラウラ「そう言えば、数日前にあの3部の部員が暴れていたと

    聞いたような気がしたが、理由は何だったんだ?」

セシリア「さぁ?でも確か、聖戦、ジハードだとか天の捌きだ、

     などと言って騒いでいる方たちは見かけましたわ」

簪「て、天の捌きって」

と、会話をしている一夏達は、その理由など知る由も無かった。

 

写真部部員「あぁ!良いよ!良いよ~機龍キュン!ワンって

      鳴いてみて!」

機龍「は、はい。……。わ、ワン」

写真部部員「最っ高っですぅぅぅぅっ!」

   『ブシャァァァァァッ!』

またしてもカメラマンが鼻血を吹き出して倒れた。

 

こうして、彼女たちの欲望はまた一つ叶えられた形と

なったのだった。

 

ちなみに、製作された、犬っ子化機龍の写真を追加した新装版の

写真集は以前より部数も多く値段も高かったにも拘わらず、

販売開始から1分で完売したとか……。

 

 

今日もIS学園は、そこそこ平和であったのだった。

 

     END

 




IS学園生徒の一部は既に末期。もはや誰も後戻り(元には戻れない)できない。
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