Adult Dawn   作:石頭

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今回はぶっちゃけかなりのカオス風味です。



酒は飲んでも飲まれるな

 

「うごごごご………、頭痛が痛い」

 

一昨日に終了した大規模作戦、出撃と遠征と書類仕事が砲弾の雨が如く降り注いだ結果、艦娘の心と身体は中破、大破になりながらも何とか成功で終了することができた。

 

作戦は無事に成功したが、馬車馬のように働いた艦娘は当然ボロボロであり、ストレスも溜まる。

身体や疲労度は入渠でもすれば回復するものだが、ストレスはいかんせんそういう訳にはいかない。

 

という訳で、ウチの鎮守府ではそのストレスを発散する為に大規模作戦の後の1日の間は、酒を大量に買ってきて浴びる様に飲んだり、一日中遊びまわる事を容認している。

 

まぁ、大規模作戦で頑張った艦娘達へのご褒美であるのだが、流石に鎮守府を完全に停止させる訳にはいかないので、私の様な各部署の筆頭艦娘が休日を1日ズラす事で対応している。

だからといって筆頭艦娘がその日一日中働いてる訳ではないので夜の酒盛りはどの筆頭艦娘も参加したり、招集したりしている。

 

結局何が言いたいかといいますと、昨日の『秘書艦お疲れちゃん会』で飲み過ぎて滅茶苦茶頭が痛いという事だ。

 

ガンッ‼︎ガンッ‼︎と頭で鐘を強く叩きつける様な音がする。

何なのこれ?そんなに強く打ち付けちゃダメでしょうが、平和の鐘なら逆に平和が遠ざかって行っちゃうよ?結婚式で鳴らす鐘なら………、あっ!足柄が物凄い形相で叩いてるイメージが浮かんだ。

 

「ぷっ!……、ってイダダダダ。頭が痛い、おのれあの飢えた狼め……‼︎」

 

と、とりあえず頭痛薬飲んで寝よう。

というか、ザルの私がこんな有様なんて、昨日どんな事やったの?

 

棚から頭痛薬を取り出しながら昨日の出来事を思い出してみた。

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

ここは艦娘達が集う憩いの場、名は『居酒屋鳳翔』

普段なら酒呑みは勿論の事、色々な艦娘が集う場所である鳳翔だが、今日は開店時間の6時をもうとっくに過ぎているというのに人っ子一人おらず、閑散としている。

 

 

唯一の店員であり店長である、鎮守府のお艦こと鳳翔はその事を気にしている風でもなく、まるでこの後に来るナニカを待ち構えている様に、緊張の面持ちでジッと入り口を見ている。

 

するとガラガラッと引き戸が開かれ、外から人がゾロゾロと入ってきた。

 

「ヘイ‼︎ホーショー、飲みにきたデース‼︎」

 

「気合い、入れて、飲みます!」

 

「今日は沢山飲みましょうね霧島」

 

「えぇ、しっかりと飲むわよ榛名」

 

「加賀さん、今日は提督の奢りらしいですよ」

 

「流石に気分が高揚します」

 

「おい‼︎お前らあんましはしゃいでっと保たねーぞ!今夜は寝かせねぇからな‼︎」

 

「司令官、キモいからそういうのやめて」

 

「暁が辛辣すぎてマジワロタ」

 

「…………」

 

そんな感じでワイワイガヤガヤ言いながら入って来たのは金剛型四姉妹、一航戦の赤城と加賀、提督と暁、それと青褪めた顔の間宮である。

 

提督と暁に誘われた間宮さん以外は全員秘書艦であるが、もはや言わなくともわかるだろう。

さっきまでの静けさとは今から来る嵐の前の静けであり鳳翔さんが緊張して待っていたのは彼女らの来店である。

 

こうして、当事者達からすれば『秘書艦お疲れちゃん会』、部外者からすれば姦しい魔女達(2名を除く)のサバトが始まった。

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

その場を説明するとなれば『カオス』、この一言に尽きるだろう

 

最初は普通の食事会であったのだが、比叡がビールをジョッキで一気飲みした辺りで流れが変わった。

 

そしてカオスが顔を見せ始めた時点で間宮さんは、申し訳なさそうな顔をした暁に黙って5万円(迷惑料?)を握らせられて帰っていた。

 

しばらくすると酒呑みである霧島と提督は、飲み比べと称して兎に角度数の高い酒を飲みまくり、酒が弱いくせに、色が綺麗で飲みやすいという理由でそれなりに度数の高いカクテルばかりを飲んだ金剛と榛名、金剛は泣き上戸で訳もなく泣き続け、榛名に至っては壊れたラジオみたく「榛名は大丈夫です」しか言わなくなった。

 

他も似たようなもので、暁と飲み比べして負けた比叡はしばらく突っ伏した後、一航戦に絡み酒をし始め、結果赤城は虚空に向けて一人ブツブツ愚痴を言い始め、それを見た加賀は只々笑い上戸で爆笑していた。

 

その中で一番の奇行に駆られていたのは、いつもなら軽く理性を残している暁だろう。

彼女は比叡との飲み比べに勝利後、何を思ったか「私はリッチだからこんな事が出来るわ」と言いながら価値の高い順に酒を上から10個ほど頼んだ後、あろうことかそれをチャンポンにして飲み始めたのだ。(良い子は真似しちゃダメだぞ☆)

その後しばらくすると「酔いたい時は気持ち良く酔えればそれで良い‼︎」という迷言を残している、わけがわからん。

 

勿論、このカオスは初めてではない。最初にカオスが顔を見せた時は酒好きの那智や隼鷹なんかも居たのだが、彼女達ですらついて行くことが出来なかったという。

「深夜のナチュラルハイの方がまだ節度があるだろう」とは彼女達の談である。

 

こうして朝の4時まで酔っ払い共は居座り、カオスは永遠と続いた。

 

因みに、その酔っ払い共の相手をする鳳翔には、過去に一度比叡やら赤城やらが絡み、悲惨な事になった事で酔っ払い共は本能的に危険を悟り、彼女には誰も絡まなくなったという。

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

あ〜、何やってんのよ私達、特に私

 

さっきからガンッ‼︎ガンッ‼︎と凄い形相で足柄が鐘を鳴らしている所が頭をちらつくせいで寝ることが出来なかった。なので痛む頭で引き続き昨日の出来事を思い出した私の感想である。

 

一つ言い訳をさせてもらうと、秘書艦の仕事とはぶっちゃけた話、出撃や遠征とわ別のベクトルでキツイのだ。

出撃や遠征は、体を動かすことは勿論、目まぐるしく変わる状況に対応すべく頭を使い考えて、与えられた任務や戦闘などを行う。

 

しかし書類仕事はそうじゃない、ある程度パターン化されており特に考える必要がないのである。

それが通常業務ぐらいの量ならまだ良いのだが、大規模作戦だと慣れていない人なら発狂しそうな量になる。

例え出撃もするとはいえ、そんな量を何も考えずさばいているとストレスの溜まり方がうなぎ登りで何処かで全て発散したくなるのだ。その結果があのカオスなのだが

 

それがわかってるから鳳翔さんは黙って店を貸してくれるし文句も言わない。そんな鳳翔さんマジお艦!

 

因みになぜ私が今回理性が跳んだたかというと出撃が一度もなくて軽く発散出来なかったからだろうと思う。

 

まぁ、それを見越して休日を入れてるんだけどねー

今頃、執務室で頭痛と吐き気に悩まされているだろう連中を想像して苦笑する。

 

流石に頭の中の足柄がやかましいとはいえ眠たいので、睡眠薬を飲んで寝るとしましょうか、……そんなんだから私生活が煤けてるとかは知らん、上辺を着飾るよりもありのままの自分を受け入れるべきだ。

 

睡眠薬を飲んでしばらくすると、微睡み始めた頭で私は考えた。

 

次の大規模作戦までには忘れているでしょうけど、酒は飲んでも飲まれるな、ね!

 

 

 

 




カオス風味+社畜暁ちゃんはいかがだったでしょうか、話を考えている途中で色々脱線した結果がコレなのですが、いや〜、カオス風味に仕上げるのも中々面白いと感じました。
まぁ、今回は息抜き会なので暁ちゃんはあまり目立ちませんでしたが次回こそはかっこいいアダルティ暁ちゃんを書きたいと思います。

では、また次回‼︎
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