Adult Dawn 作:石頭
因みに、このサブタイにした時に少年ハートを聴きたくなってしまった。
とある昼下がりの執務室、私はいつも通りに書類を捌いて、社畜ライフを送っている。
あぁ、本当に面倒くさい。今日はなんかいつもよりも書類が多い。これじゃあ食堂の昼食時間には間に合いそうにないし、外食かな?でも前の件で金欠なのよね……
勿論、前の件とは居酒屋鳳翔での出来事の事だ。あの時はみんな(鳳翔を除く)がベロンベロンだったから後日司令官に請求書が送られのだが………まぁ、司令官がムンクの叫びみたいになったとだけ言っとく。
その原因の一端(片っ端から高い酒を開けまくった)が私にもあるので司令官と二人で払ったのだが、それでも結構な額になり二人仲良く金欠になったのだ。
給料日までまだあるのにどうしよう……、今日は弁当も作り忘れたし、とりあえずコンビニで済ませようかな、とか考えながらとりあえず書類を片付けていった。
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書類をひたすら捌いてなんやかんやしていると、司令官の昼休みにするぞの一言でとりあえず仕事を終える。
少し遅めの昼ご飯を食べに近くの町に向かう事にした。
因みに、司令官の昼ご飯は自室にたまたまあったカロリーメイト(チョコ味)らしい。
お金無いからね!仕方ないね!
本当なら間宮さんに頼み込んで、作ってもらうのも良いんだけどね、いつも迷惑掛けてるし、居酒屋の件もあるしね〜、流石にこれ以上迷惑掛けるのはちょっとね………
まぁ、そんな事より……
「何であんた達がここにいるのよ!」
「いや〜、暁さんが町に行くようでしたし、私達も一緒にと思いまして」
「もともと私達も町で食べるつもりだったから、問題ないわ」
「いや、あんた達に問題が無くともこっちからしたら問題しか無いわよ!奢らされるビジョンしかないし、というかお金が無いこと知ってるでしょ⁉︎」
「ヴェルさんから、『暁のお金ない発言は嘘でしかないよ、相当貯め込んでるし』と聞いているんですが」
「あの愚妹め!何で私の貯金内容を知っているのよ!というかやっぱり集りに来てるじゃない!」
町に行く前に面倒くさい連中と鉢合わせしてしまった。まぁ、赤城は今日の秘書艦だからわからん事もないけど、加賀までいるとは、お前は食堂で食べれたでしょうに。
一応町に行く用事があるからだろうけどね
とりあえず、何故か人の貯金事情を知っている、銀髪の愚妹は帰ったら殴りたいと思う。
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町に着いて、とりあえずATMでお金を下ろせるだけ下ろした。……なんだかさっきの発言からして、物凄く嫌な予感がするからね。変な事言わなければよかった………
そもそも、私は貯金したお金は手持ちのお金とは考えていない。
高給取りであるとは言っても、社会の家畜である私は普段からあまりお金を使う機会がないから、結果的にお金が次の給料日までにそれなりに残るので貯金が貯まる。
その事に気付いた私は、せめて来るかもわからない終戦後の社畜から解放されてから使おうと極力、貯金は使わない様にしている。
まぁ、普通に生活してると多忙過ぎて手持ちが無くなることはないんだけど。
あぁ、お金も時間もあるブルジョア連中が羨ましい‼︎
「えぇっ⁉︎何で急に落ち込み始めたんですか⁉︎」
「きっと自分の貯金がを見て、改めて自分が社畜である事を自覚したのよ赤城さん」
「いや、、ブルジョアと私の違いにちょっとショックをね……、後、加賀は五月蝿い!お前に言われて気付いたはコンチクショウ‼︎」
加賀の発言が私の心を急降下爆撃で中破にしたところで私はある事に気付いた。
「そういえば、ナチュラルにATMでお金下ろしてたけど、あんた達の用事って何よ?」
「あぁそれはですね。最近できたというラーメン屋で大食いチャレンジがあるらしいんですよ‼︎これは私達への挑戦に違いありません‼︎というわけで『ラーメン10杯完食チャレンジ‼︎』に挑戦来ようと思いまして、完食すれば無料ですし」
「提督のせいで食堂でもおかわり制限が掛かっていたし、これは流石に気分が高揚します」
「うっわぁ〜……、お金戻しに行こうかな。食堂の件に関しては自業自得よ」
てっきり私について来るもんだから自分達はお金ないアピールをしつつ、私の側でお金もないのに大量に注目して私が払わざるえない状況にして、タダ飯を集りに来ると思ったんだけど。
えっ?ディテールが細かすぎる?そりゃ経験済みですから(計3回)
因みに、何でこの二人が食堂でおかわり制限が掛かっているかというと、ぶっちゃけ、司令官の顔がムンクの叫びになった例のアレのせいである。
というか上司、しかも鎮守府では一応は1番偉いポストにいる人の奢りで遠慮しない方がおかしいし、大体、上司とか関係なく他人の奢りならちょっとは遠慮するでしょ普通?
何で請求金額の三分の一がこいつらの注文した料理なわけ?
そりゃおかわり制限も掛かるわよ、まぁ、期限である司令官の次の給料日くらいまでは自重しなさいってことね。
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私は今、件のラーメン屋でラーメンをすすっています。
ここの醤油ラーメンは中々美味しい、月に一回食べに来てもいいかもしれない。
というか本当はコンビニのおにぎりあたりで済ます予定だったのに……、だから手持ちにお金があるとホイホイ使っちゃうからダメなのよね
とまぁ、現実からの逃避行為をやめて、そろそろ隣で起こっている惨劇について触れたいと思う。
何でラーメン屋で椀子そばやってんの⁉︎
えっ⁉︎何で3回すすっただけで麺が消えてんの⁉︎しかも御丁寧にスープまでしっかりと飲み干してるし‼︎
隣でどんどんと重ねていかれるどんぶりを見ながら、私を含め、周りの客は呆然としていた。
必死こいて麺を湯がいたりしている店員さんの顔なんか、とても見てられない程に疲弊している。
こうなる事は分かっていたけど、なんかな〜あっ、赤城が20杯目を完食した。
あれ?10杯完食チャレンジなのに何でその2倍食べてるわけ?
この町でこう言った『大食いチャレンジ‼︎』や『特盛りチャレンジ‼︎』みたいなイベントをやっているところは、新しくこの町で店を構えた所しかない。
言わなくともわかると思うけど、そんな事をすればどこで聞いたのか、この一航戦が荒らしに来るからである。
因みに、今ここにいる客は、この店と同じ過ちを過去にやらかした人達が多くいるみたいだ。
どうやら、朝から大食いチャレンジや注文をして、この店の損害を出来るだけ緩和しようとしていたらしい。
この町はいい町だ。
1人がみんなの為にみんなが1人の為に、そういったことが自然とできる、そんな人の温もりに溢れた素晴らしい町。
私はこの町を、人の温もりを守れている事を誇りに思っている。
まぁ、隣でどんぶりを重ねていってるアホ共のせいで絶賛、その町の住人が経済的に殺されかねない訳だけど。
深海棲艦から人を守るはずの艦娘が人に危害を加えるとはこれいかに、今更だけどね。
「いや〜、美味しいですねこのラーメン‼︎とても美味しかったので30杯も食べてしまいましたよ‼︎」
「スープの味もこくがあって美味しいですし、ちぢれ麺によく絡んでいい感じですね」
「大体腹八分目くらいですけど、これ以上食べると提督からまた怒らそうですし、終わりにしましょうか」
「ええ、しばらくは自重しといた方が良さそうね」
「ねぇ、30杯じゃ自重したとはいわないと思うんだけど……」
とうとう椀子そばの成人女性の平均と同じ個数をラーメンのどんぶりで叩き出してしまった我らが一航戦、しかもこれで自重したらしい。
戦闘となれば、その名に恥じない凛々しさと、素晴らしい戦果を叩き出してけれるんだけど、それ以外となると何かとダメになってしまう、主に食い気で。
そのダメっぷりから戦闘以外でのついた渾名が『一航戦の埃』である。
これがうちの一航戦だけであることを切に願います。
「それじゃあご馳走様でした。あっ暁さん、私達は先に帰ってますね」
「わかったわ、私も支払いがすんだら行くから」
ご機嫌な一航戦を尻目に、店内はなんとも言えない悲しい雰囲気が漂っている。
私は残っているスープを全部飲み干すと、膝をついて天井を仰いでいる店長のもとに向かい、そっと諭吉さんを15枚程握らせた。
「えっ!……あの………これ………」
そう言って何かを言おうとしている店長の口にそっと人差し指を添える
「何も言わないで下さい、大丈夫です。この町ではうちの連れのせいで結構こういうことがあるんですよ。その度に尻拭いをさせられましてね、深海棲艦から人々を守る艦娘が人に大損害を与えるなんて洒落にならないでしょう?だから、迷惑料と、ちょっとした口止め料だと思って.黙って受け取ってくれませんか?」
そう聞くと店長は黙って頷いてくれた。
「ふふっ、ありがとう。それじゃあご馳走様でした。また来ますね」
私はそう言って店を出ることにした。
とりあえず、帰ってたら殴る相手が3人になったわね。
あっ後、司令官にも報告しとかないとね。
これで13件目か、そろそろ出店前に注意喚起をする様に町長と話し合うのと、あのアホ共にホイホイと情報が流れる理由も解明しないと………
ともかく、帰ろうかな。
帰ってから翌日、一航戦に次の給料日まで、居酒屋鳳翔に出入り禁止、食堂でおかわり禁止が言い渡されたのは当然の帰結
や、やっとアダルティ暁さんを書くことが出来ました。そのせいか難産になるし、文字数も過去最大だしで大変でした。まぁ、次回はもうちょっと早く書き上げたいと思います。
という訳で、次回もアダルティな暁さんの活躍にご期待下さい。