【凍結】 真・恋姫†無双    これはひとりの仙人無双   作:成瀬草庵

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長き道のり

置き手紙を残し、城を抜け出し、衛兵に見つかることなく外周の街も突破したのはいいのだが、ひとつ問題がある。

崑崙山がどこにあるのかわからないのだ。

華扇の言っていた崑崙山とは、実在する崑崙山脈ではなく、仙界を有する伝説の山の崑崙山のことなのだろう。

そして今俺が行ったように崑崙山とは伝説上の存在。

つまりは誰もそこへの行き方は知らない。

封神演義の日本語訳のされたものを読んだことがあるが、それにも崑崙山への行き方は書かれていなかった。

崑崙山に太公望が行けた理由?は盗賊に襲われたときに崖の下へと転落して、仙人に拾われたのだったと思う。

もしかしたら、多少の間違いがあるかもしれないが、やはり書かれていなかったことだけは確かだ。

そして、もうひとつ。太公望が崑崙山を出るときにも場所は書かれていない。

ただ、伝説上の生き物に乗って出ていくシーンが描かれているだけだ。

崑崙山には仙女である西王母という仙人がいることにもなっている。

中国の月にまつわる伝説である嫦娥というものをご存知だろうか?

あれを俺は自分で訳したり、訳されたものを読んだことはある。

嫦娥は自分の夫と共に西王母を訪ねるということを書かれてはいるものの、やはり崑崙山への行き方は書かれていなかった。

そして、帰り道も描写されていない。

故にどこにあるのかがやはり不明のままだ。

ただし、少しだけ分かっていることがある。

中国の西方にあり、黄河の源で、玉を産出し、仙女の西王母がいるとされた。

仙界とも呼ばれ、八仙がいるとされる。

つまり、中国の西方にある可能性が高い。

そして黄河の源流に当たる位置。

まあ、とりあえずそこを目指そうか。

しっかりと武器も持っているし、路銀もこれまで貰ったお小遣い全てを持ってきているから例え100日間宿に泊まり続けても平気なぐらいはある。

武器も、使い慣れた安物の弓矢に、接近戦対応のための短剣。

それに、やっぱり厨房で失敬してきた包丁だ。

とはいえ、包丁で人を切るわけではない。

弓矢も、最初から人と戦うことを考えているのではなく、前世と同じく狩りをできるようにという意味もある。

獲物を捌くにも刃物がいる。

そんな時に役立つのが包丁というわけだ。

短剣を使うのは抵抗がある。

服もそれなりにあるから大丈夫だろう。野宿をしても凍え死ぬようなことはないはずだ。

あとは長く伸ばした髪の中に・・・・・・・・・。

とまあこちらは黙っていよう。全てを知ってしまってはつまらないだろう?

少しぐらいサプライズがあったほうが楽しいだろうからな。

そして、最後の方針はカタカナ言葉を使わないということだ。

この世界、ラーメンやら餃子。炒飯とかいった時代的におかしいようなものはあるくせして、カタカナの言葉は使われていないのだ。

今さっき、俺は使ってしまったが、もし声に出して使えばこいつ何いってんだ的な目で見られる。

それに、後輩の綿月が言っていたこの恋姫†無双という世界での主人公。

北郷一刀は、現代人である。

天の御使いという形で現れるらしいが、種馬だという話は聞いた。

そして、どんどんと未来の政策の方法を教え、使ったらしい。

そんな彼が思わずカタカナ言葉を使わないとは考えにくい。

周囲の武将たちが意味が分からずに悩んでいる中で、俺だけ意味がわかるというのも困る。

そして、そんな天の御使いが使う言葉を俺が使えるというのも問題だ。

慣れ親しんだ言葉ではあったが、背に腹は代えられない。

これ以降、可能な限りカタカナの言葉は使わないようにしないとな。

「魏の太公望となりて、覇王を支える。

 

兄であり、家族であり、右腕である。

 

偉大なる覇王に策を授け、刃を預ける。

 

我が刃はかの偉大なる王の下にあり。

 

進む道は止まることなく、前のみを見つめる。

 

栄光を、平和を、安寧を求め。

 

全てを歩まん。

 

我が名は曹華 八意 紅龍。

 

史実に無き三国を統一する魏を作る太公望也。」

 

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