【凍結】 真・恋姫†無双    これはひとりの仙人無双   作:成瀬草庵

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第20話

私が紅龍たちに拾われてから2年が経った。

その間には、私以外にも拾われた人たちはたくさんいた。

おお、そうだった、私の自己紹介がまだだったな。

関羽雲長だ。

口調が違う?気にしないでください。

私の目の前には紅龍と妖夢が立っている。

私たちあとから拾われた者たちは勝手に自分たちのことを後輩衆と呼んでいる。そして、紅龍や妖夢、華扇様達のことを先輩衆と呼んでいる。

そして今は、先輩衆と後輩衆での実戦式戦闘鍛錬だ。

私たち後輩衆はなぜか私以外は隠密の道を選んだ。

皆が皆、上位の武将となれるほどの武力を持っているというのに・・・・・・・・。

「さあ、かかってきな」

「いつでも構いません」

華扇様は戦いが嫌だからどこかで身を潜めているのだろう。

いちいち藪をつついて蛇を出すような所業はしなくて十分だ。

ただでさえ、目の前にいる二人は私たちとは別格の武力だというのに・・・・・・・・。

関羽が思わずため息を心の中でついた時だった。

この闘技場を囲むように生えている木々がいくつか揺れ、『殺』とかかれた巾着のようなものを腰に付け、桃色と白の忍び装束に身を包んだ隠密、くのいちこと小鴉(こがらす)が妖夢に向けて奇襲をかける。

それとほぼ同時に橙を基調とした鳥のような形をした忍び装束で鎖を腰に巻いた鳳凰(ほうおう)が刀を持って斬りかかる。

「はっ」

「ふっ」

妖夢は両手の刀を交差させて小鴉のクナイを防ぎ、蹴り飛ばす。

紅龍は鳳凰の刀を十字槍で受け止めなぎ払うことで大きく体制を崩させる。

だがしかし、今のこれは鳳凰にとっても隙であるが、紅龍にとっても・・・・・・。

「はぁぁぁぁぁぁぁぁ」

私は一気に方を付けるべく青龍偃月刀を腰のあたりに構えながら接近する。

『縮地』・・・、この崑崙山ではまず最初にこれができるようにならなくてはまともに戦うことすらできない。

この技はかなりの高等技能であるはずなものの、この山の住人はみんな使えている。

そして、その質も高い。

もちろん私とて使える。

殺った(とった)。私は縮地で紅龍に近づきながら青龍偃月刀を突き出した時にそう思った。

もちろん本当に殺すのではなく寸止めだが、殺し合いならば確実に殺した。

紅龍の右腕は鳳凰の刀をなぎ払い、遠くに鳳凰を刀ごと吹き飛ばすために完全に振られ切っている。

もはやどうやっても私の攻撃を止めるすべはない。

そう思った時だった。

私の身体はとてつもない衝撃に襲われ、意識が一瞬で暗転した。

 

 

 

 

 

儂は蔵六というものじゃ。

久々に先輩衆と戦えるということもあり、最初は気分が高揚しておったが、今は真逆じゃ。

どうやら儂は『はずれくじ』を引いたらしい。

関羽が紅龍殿に勝ったなと思った瞬間に(とはいえ、蔵六は心が読めるわけではなく表情を見ての判断だが)、紅龍殿が強烈な気弾を空いていた左手から放とった。

大きさもむちゃくちゃのもので、あれではたとえ気がついたとしても躱しようがあるまいて・・・・・・・。

そして、一瞬だけ睨まれたような気がしたから森の中へ後退したのじゃが・・・・・・。

「まさかのぉ・・・・」

華扇様と遭遇してしまうとは・・・・・・。

「蔵六、耐えなさいね?」

ははは、儂の命、齢12にして潰えるやもしれのぉ・・・・・・・。

鎖を体中に巻き、いたるところに板金が付けられている特殊な忍び装束をした蔵六は、ゆっくりと自らの武器、鎖鎌を手に取ると、華扇へと攻撃を仕掛けた。

まずは分銅のついている方を華扇へと勢いよく投げつける。

しかし、華扇にとってはその程度の攻撃は動じるほどのものではないし、見慣れている攻撃方法でもある。

「甘いですね」

包帯のまかれた華扇の右腕が分道を捉え、握り締める。

そして、蔵六が気がついたときには鎖を振り回され、自らの体を強く地面に叩きつけられていた。

 

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