【凍結】 真・恋姫†無双    これはひとりの仙人無双   作:成瀬草庵

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偽りの夜空の下に

夜空にはこの仙界の外では見られないであろう大きく、黄金に輝いて見える満月が浮かんでいた。

その周囲を彩るかのように小さな星星も懸命に輝き、夜空はまるで現代の都会の夜景のようである。

そして、そんな夜空の下の木の根元に紅龍は居り、一人ゆっくりと寄りかかりながら酒を仰いでいた。

その手元には過去の偉人たちが書き記した兵法書や、未来の参謀たちが使った陣形についての書物。そして挙句の果てには武器の製造法などや薬草についての書物までもが開かれた状態で置かれていた。

 

 

 

 

隠密とは厄介なものである。

戦略的な話になってしまうが、彼らはこっちが苦心して立てた計略を盗んで行き、それを元に敵軍の軍師たちはこちらへの対抗策を立てるからだ。

もちろん、腕の立たない隠密では使い物にならないが・・・・・・・・・。

さて、そんな彼らが武力というものを手に入れたらどうなるのだろうか?

そもそも隠密へなるために行う鍛錬と武人としての鍛錬は別物のはずである。

だがしかしこの仙界、崑崙山においてはそんなものは関係ない。

武人になりたい関羽の鍛錬と隠密志望である鳳凰たちの鍛錬はほとんど全く変わりがない。

少しの違い、例えば隠密志望の者たちの行う木から木への飛び移りは関羽は行わない。

逆に、俺の徹底的な弓矢による狙撃の回避鍛錬は愛紗に(ああ関羽の真名だ。)しかやらない。

だが、それ以外は全く変わらない彼らに何が起こるのかというと、隠密のその気配の秘匿性に加えて上位武官クラスの武力。

関羽の異常な移動速力。

まさにチートのかたまりが発生した。

今は俺と妖夢が二人で組んだ時にも圧倒しているから彼らは気がついていないかもしれないが、昔よりも圧倒的に強くなっている。

もしかしたら、その内こされるかもしれない・・・・・・・・・。

「紅龍、妖夢が夕餉だから呼べと・・・・・・」

「ああ愛紗か・・・・・・・ありがとう、すぐ行くと伝えておいてくれ」

「無茶をしていると体が・・・・・」

「無茶じゃない。ほら、先に行って飯食ってろ。俺はあと少し酒飲んだら行くからさ」

そんな不安そうな顔で見られてもなぁ・・・・・・・・。

愛紗もまだ幼い。俺たちみたいに転生したわけじゃないから、見た目通りの年齢で今は12だ。

精神もそれだけ幼い。

「じゃあ私も飲みます」

「だめだ、お前はまだ12だろ」

「紅龍だって14です」

「その二年が大きいんだよ」

ったく・・・・・・、12だっていうのに寝ないで起きてたら身長が伸びないだろうに・・・・・・。

「ほらほら、さっさと飯食って寝ろ。身長も伸び無い上に肌も荒れるぞ」

「えっ、本当ですかっ!?」

やっぱり愛紗も女の子だ・・・・・・。

肌荒れのところで一瞬目が変わったぞ、おい。思わず俺でも引いてしまうぐらいの目力だった。

「本当だ、俺はのんびり出来てればそれでいいんだ。早く行きな」

「し、失礼します」

愛紗は走って華扇の屋敷に向かっていく。

・・・・・・・・・・、一気に食べたり暴飲暴食も健康や肌によくないって言うべきだったか?

というよりも俺の知識はあっていたかどうかすらここ最近は怪しい。

もうこの世界で14年。神界で20年生活している。合計で34年も転生する前から経っているのだ。結構な量の記憶は未だに健在とはいえ、昔の話にも近くなってきた。

ちょっとした豆知識のようなものは抜け始めていた。

今さっき愛紗に言ったことすらあっていたかどうか・・・・・・・・・・。

仙人の修行として行う過去の思い出しはあくまで『思い出の記憶』を思い出すだけだ。

『学んだ知識』までを思い出すものではない。

もし、何かにの体験学習という形で学んだものであれば、この修行で思い出せるだろうが・・・・・・・。

戦術や戦略に関してはこの崑崙山に来てすぐに書物としてまとめておいて正解だった。

忘れていては軍師、太公望としての役割が果たせなくなるかもしれないからな。

時折読むようにしているからこればっかしは忘れることがないだろう。

やれやれ、新たな問題に直面といったところか・・・・・・・・・。

 

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