【凍結】 真・恋姫†無双    これはひとりの仙人無双   作:成瀬草庵

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第28話

崑崙山は鮮やかな色の色彩を放つ夕焼けの中に染まりつつあった。

風も心地よく吹きすさび、酒を手に外を眺める紅龍の銀髪をたなびかせる。

そんななかで、彼の後ろの布団に眠る赤髪の少女はちょうど一週間ぶりに動いたのである。

「目、覚めたか・・・・・・・」

屋敷には、もはや二人しか残っていない。

他の人員たちももう山を出て行った。

1週間ほど前に関羽が出て行ったのを皮切りに、自分たちも出ていくのを決めてつい昨日、妖夢が皆を率いて出て行った。

そして残されているのは紅龍と、気絶していた華扇だった。

「っう・・・・・、まだ痛いけど、なんとかね」

外をのんびりと眺めていた紅龍に対して、もぞもぞと布団の中で小さく動きながら華扇は答える。

言葉の通り、未だに打ち付けた部位が痛いのだろう。

動くたびに小さな悲鳴のようなものが上がっている。

「無理はするなよ・・・・・・・」

無理する奴が多いのはなぜなんだか?と自分の中で自問自答してみるも、紅龍では答えに至れない。

「・・・・・・みんな、行ったんだね?」

「ああ、お前が寝てる間に・・・」

「そっか・・・・・・・」

華扇は一応山の内部、つまり仙界の範囲内であれば気を探ることができる。

そこから、もう山の内部には自分と紅龍(こうりゅう)しかいないことを割り出したのだろう。

そしてそれに気がついた彼女の顔にはどことなく陰りもあった。

「これまでやってたことは無駄ではないし、愛紗だってお前がなぜあんな動きをしたのかぐらいは理解しているさ。俺もまさかあそこまで行くとは思ってなかったものの華扇を信頼していたから最初から任せようと思ってた。そして愛紗は最後の最後で成長して、この山を出て行った。何もおかしくなんてなかったんじゃないか?」

一切紅龍は華扇の方を向こうとはしない。

ただただ、沈みつつある夕日を眺めているだけである。

ゆっくりとその右手が動き、口元に盃が運ばれ、喉の奥に流し込む。

「紅龍、私は本当にこれでよかったのかな・・・・・・・・・。思ったこともはっきり言った。すぐに表情にも出てた。こんな私でも・・・」

気の様子も不安定なまま。

どうやら随分と精神的に来ているらしい。

精神が不安定であれば気もまともに使えなかったり、不安手に揺れ動いたりする。

今はまさにその状態なのだろう。華扇の気はいつもとは全く違い、方向性が見当たらない。ただただ全てが点でバラバラに周囲に散っている。

紅龍はため息を着くと盃をコトリと音を鳴らして置く。

そして頭を掻きながらようやく華扇の方に向く。

「もう一度言おうか?これまでやってたことは無駄ではないし、愛紗だってお前がなぜあんな動きをしたのかぐらいは理解しているさ。俺もまさかあそこまで行くとは思ってなかったものの華扇を信頼していたから最初から任せようと思ってた。そして愛紗は最後の最後で成長して、この山を出て行った。何もおかしくなんてなかったでいいじゃないか。華扇には俺も感謝してるよ。俺一人や妖夢と二人だったらここまで成長することは出来なかった、ありがとう」

『ありがとう』、そう言いながら頭を下げた彼の言葉は心の底からのものであり、その態度も同様に心の底からのものであった。

華扇(かせん)には感謝しても感謝しきれない。

そんな感情を表に出して彼は謝辞を述べる。

「ふふっ・・・ありがと・・・・・・」

そんな彼の態度に対して華扇は小さく笑うと、紅龍の方に向きながら彼女も謝辞を述べた。

そして、右手を布団の中から出し、山の出入り口の方向を指差す。

「そろそろ行きなさい、妖夢たちが待ってるよ」

華扇も紅龍と同じである。

湿っぽい別れが嫌いなのだ。

そして、彼女だからこそ分かっていることもある。

「先にあの神界で待ってるから、死んだらすぐに来なさい」

「・・・・・・・・、死んだら俺天国や地獄じゃなくてあっちなのか・・・・。分かった、先に行って待っててくれ。いくら先に行くとはいっても死ぬんじゃなくて、転移なんだろ?」

「もちろん、さすがにそう何度も死にたくないから」

まるでその口ぶりじゃ死んだことがあるみたいだな、と紅龍は呟くと、壁に立てかけておいた自分の二本の十字槍を背負い、2振りの刀を腰に帯びる。

「武器が多いなぁ・・・・」

「確かに邪魔になることもあるな」

紅龍の武具はまったくもって多いものだ。

今持っているものに加えて弓まであるのだから・・・・。今は妖夢が所持しているはずだが、いざ戦となれば、全ての武具を背負っていくこともありえる。

華扇の反応は間違いでもないだろう。

「まあいっか。行ってらっしゃい」

夕陽の光に部屋が完全に染まる中、華扇はそういったのであった。

 

 

 

 

 

 

「行ってきます、項羽だろうが劉邦だろうが呂布だろうが、阿修羅が出ようとも、華扇たちと学んだことで勝ってやるさ」

そう言った彼は追い風を背中に受けつつ、仙術などを連発させながら高速で山を駆け抜けていった。




綿月(妹)のキャラ設定

綿月依姫(わたつきよりひめ)
紅龍(くりゅう)として生きていた頃、つまり前世の後輩。容姿は東方Projectの同名キャラと同じです。
転生する前の紅龍よりも、剣の腕は僅かながら上だった。恋姫キャラの典イには勝てる。(漢字忘れましたすいません)
忘れているかもしれませんが後ほど登場します。
弓に関してもかなりの名手ではあるが、夏候淵(恋姫)には遠く及ばない。東方のように神霊をその身に宿すことはできないが妖術や仙術に耐性がある。
過去に東方の設定をそのまま引き継いでいるのですか?と聞かれたことがありますが違います。さすがに月の姫にする気にはならなかったので地球人で、大地主の子孫で両親もエリートで大金持ちの娘という設定です。また紅龍の家、八意家とは何世代も前からつながりがあったという設定です。
紅龍のデータにも書き足ますが、綿月の家系と八意の家系は神の子孫です。
八意はそのまま八意思兼神(漢字違ったらすいません)で、
綿月は東方の公式設定でワダツミです(同じく漢字忘れ)。
ついでに紅龍に惚れてます。
肉体的には強いですが精神面が弱い。
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