【凍結】 真・恋姫†無双 これはひとりの仙人無双 作:成瀬草庵
落ちる落ちる・・・・・・・・・。
死ぬだろ、これ・・・・・。
現在高度おそらく数千メートルから真っ逆さまに墜落中です。
転生は赤子からって言ってたから、これは転生ではなくて訓練の一環なんだろうけど・・・・。
いや、受身をとれって・・・・。じいさんこれどうやって受身取れと?
空飛べるならなんとかなるだろうな。
駄菓子菓子、俺は飛べないのだよワトソン君。
なんて現実逃避している場合じゃないな。
どうにかして切り抜けないと死亡が確定だ。
「あなたですか、転生する人物とは・・・」
ッ!?
どこから声が。いくら軽くパニックになっているとはいえ、俺が気付けなかった?
本物の人殺しか?
「とりあえず救助が必要なようですね」
声の聞こえる位置からして・・・・、左後ろ。
「だれだっ!?」
アニメじゃない、だってこんな声聞いたことがないから。
となると、ゲームかアニメ化していない小説。
そして、俺が振り向いた先にいたのは、幻想の生き物の楽園で、冥界の姫の庭師をやっているはずの少女、魂魄妖夢だった。
どうやら半人半霊ではないらしく、周囲に幽霊は見えない。
ただ、2振りの名剣は健在のようだ。
そうか、ここはあの爺の住まう世界、神界。言ってたじゃないか、俺の知っている存在とは多少違うって。
「私は魂魄妖夢、あなたの師匠となる一人です。とりあえず、死なれる前に助けますよ」
ふと彼女の姿が俺の視界から消え、何気なく再び下をむいた俺の視線の先にあるのは、あと数百メートル足らずで激突する地面だった。
「えっ!?」
あ、これ死んだな・・・・。
俺はそう思い、目を閉じた。
「まったく、助けると言ったじゃないですか」
何かに引っ張られたような感じがして、目を開けると、俺は空中に浮いていた。
いいや、浮いているんじゃない、足を引っ張られているんだ。
どうやら俺を掴んでいるのは魂魄さんらしい。
「ありがとう」
「いえいえ、礼には及びませんよ」
で、とりあえず・・・・。
「地面に下ろしてもらえません?」
いや、あれだ。怖いんだよね。足場がないからさ。
ちなみに俺は高所恐怖症だった。
飛行機なんてものにも一回だけ乗ったことがあったが、足場があっても怖かった。
というよりも、厚さがちょっとしかない鉄板の上に立っているようなものなんだぞ?しかも雲の中を進むときや、強風の時とか飛行機の翼や、機体自体が時たまパキパキなってるじゃねぇか!!
空中で分解でもしたらどうするんだ!と心の奥底から思っていたりするんだ。
だから、現時点、たとえ自分より強い人がしっかりと足をつかんでくれているとわかっていても、高いだけで怖いんだ・・・・・・。
あー、だんだん頭に血が上ってきた・・・。
出来れば早めに降ろしてほしい
「・・・・・それもそうですね」
ジト目で観ないでください、お願いします魂魄さん。
地面よ、そして我ら生命の母たる大地よ。俺は帰ってきた。
という状況なわけだ。いやぁ、地面に足がつくっていいね。
足元に何もないのがあれだけ恐ろしいことだと思わなかったよ。二度とやりたくないが、おそらくやることになるだろうな。
今回のこの転生前の訓練でどこまでのことをやるのか。
それはわからないものの、相当強くなれるだろう。
今度はあの狼みたいなやつと殺りあった時に、死なずに勝てるぐらいに強くなりたいな。
後輩、綿月には悪いことしたなぁ・・・・。
アイツメンタル面弱いし、マイナス思考なところがあるから自分のせいで死んだとか思ってるよ絶対。俺が弱かったから死んだだけなんだけどなぁ・・・・・・。
まあ、姉がいるから大丈夫か?
綿月(姉)の方は妹と比べれば精神面は強いし、なかなか動じないから何かあっても妹の方をセーブしてくれるだろうさ。
とはいっても心配なものは心配だけどな・・・・・・。
というよりあいつは俺の死をきっかけに弓道やめて剣道行け。
剣握ると俺より強いんだからさ。
なんてここで思ったりしても、すでに死んでいる俺の声は届かないわけなんだよな。
とりあえず気分を一転させるか。
「で、魂魄師匠、俺の訓練って何をするんだい?」
まずはここで強くなってやるさ。
二度とあんなことないようにな。
次の人生では、精々、醜くも抗って生き延びてみせるさ。
寿命まではきっちり生きてやる。
そのためにも、やっぱり求めるのは、強さだ。