東方豪快者 ~6人の海賊達が幻想入り~   作:れっつん

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主「試験終了~!」

霊「やけにテンション高いわね...。」

魔「何かあったのか?」

主「これから春休みに入るし、思いっきり羽を伸ばせるからな!!」

霊「ほーん、で?留年は?」

主「...危ういかも...。」

霊、魔「「なら勉強しろい!!」」



紫「ところで、私の出番はまだ?」

主「はてさて...♪」


第9話 双刀振庭師

「ようやく着いたか。」

少しばかり疲れた風に呟くジョー。

そう、ここは冥界の入口にして楽園、白玉楼である。

三月精の助言を受け降り立ったジョー、アイム、霊夢だったが、何しろ思っていたより遥かに遠い。

もっとも、以前ここに向かった事のある霊夢だけは慣れっこだったが。

 

「ほら、疲れてなんかいられないでしょ!」

「ま、待ってくださいよぉ~。」

さっさと動こうとする霊夢に対し、疲労困憊のまま応えるアイム。

 

~5分後~

 

「ふぅ...。ようやく疲れも取れました...。」

「まだ若干息が荒いけど...平気?」

「だっ、大丈夫です!!」

ようやく行動できる。そう思った霊夢に、ジョーが尋ねた。

 

「おい霊夢。」

「何?」

「あそこにある建物は何だ?」

そう言いながら、ジョーは一際目立つ純和風の邸宅を指差していた。

 

「ああ、あそこが白玉楼、私たちの目的地よ。」

「何?なら俺達が今いるここはどこなんだ?」

困惑を見せるジョー。それに対し説明不足だったか、と言わんばかりに霊夢は説明する。

 

「厳密に言うと、ここは冥界。けどここに来る奴は大体あの白玉楼に用があるから、それで通じちゃうのよ。」

 

「さっ、早く行きましょ。ここの奴等を仲間にすれば、きっとかなりの戦力になるわ。」

霊夢に促され、ジョー達は白玉楼に乗り込んでいった。

 

 

 

「大分広いな...。」

「勝手にあがってしまって良いのでしょうか...。」

かなりの大きさを誇る白玉楼に感嘆するジョーと、不法侵入にならないか心配なアイム。

やはりその心配は当たっており、その結果がすぐに訪れた。

 

「何奴!!」

「「!?」」

一行の前に突然銀髪の少女が現れたかと思うと、いきなり刀を突き付けて来たのだ。

 

「まっ、待って! 私よ私!」

「あっ、貴女は...!」

霊夢の言葉に落ち着きを取り戻した少女は、ゆっくりとその刀を戻す。

 

「紹介するわ。この娘は魂魄 妖夢。ここの...あなた、どういう役職だったっけ?」

「庭師です!!そこんとこ、いい加減覚えてください!!」

少しおとぼけな感じの霊夢に、ムッとしながら応える妖夢。先程の殺気を込めた姿とはうってかわって、未熟さを前面に押し出したような対応である。

 

「? あちらの方達は?」

「ああ、彼らの事?あの赤いガレオン船に乗ってた人達だけど?」

 

「へっ...?赤い...ガレオン船?」

「えっ!?あんた知らないの!?この地に異変が起きてる事!!」

「はい。だってここ、あなた方の事は見えませんし。」

「嘘~!?」

分かりやすくズッコケる霊夢。一方の妖夢は、キョトンとした顔のままでいる。

 

~少女説明中~

 

「なるほど...私の知らない所でそんな事が...。」

「そっ。分かった?」

「ハイッ!!」

意気込む妖夢に期待を寄せる霊夢達。しかし妖夢は何かを思い出したかのような感じで続ける。

 

「でも...今、幽々子様はいませんけど...。」

 

「ハアアアァァァッ!?」

「ユユ...コ?」

「誰だ?」

再度驚く霊夢に対し、身内話を知らないジョーとアイムはただただ困惑する。

 

「ハァ...幽々子ってのは、ここの主で、妖夢の主君みたいな奴なの。」

ハイハイといった具合に説明する霊夢。改めて妖夢の方に向き直ると、

「で、アイツは今どこにいるの?」

「御友人様の所ですよ。」

「ハァ...まーためんどくさい奴の所にいるの...。勘弁してよ...。」

 

一人溜め息をつく霊夢を尻目に、妖夢は来客ともいえるジョー達に語りかける。

 

「そう言えば、ここの事、まだ説明していませんでしたね。」

「あー...、確か白玉楼、だっけか。」

「そうそう、ここは白玉楼です。...って、もう知ってるんですか!?」

「ああ。霊夢から聞いた。」

驚く妖夢をサッパリ切り捨てるジョー。そして、突如ある提案をしてきた。

 

「さっきのあの太刀筋...お前も剣の使い手の様だな。それもかなりの。」

「い、いえ...そ、それほどでも...あるかな?」

「そこでだ。」

「?」

 

「俺と一つ、刀あわせでもしないか?」

「「「!?」」」

まさかの提案にその場にいた全員が驚く。

 

「どうせその主とやらが戻ってくるまで時間があるんだろ?どれ程のものか、一介の剣士として気になってな。」

「待って下さいジョーさん!そんな事いきなり言ったって!」

制止しようとするアイムだが、妖夢は表情を変え叫んだ。

 

「いいでしょう、受けて立ちます!」

 

 

 

砂が風に乗り舞い散る白玉楼の庭園。

その場に両者がキッと向かい合う。

楼観剣を順手で構える妖夢。その向かいには、片方の腕でゴーカイサーベルを持ち、もう一方の腕を背に添えて立つジョー。

お互いがお互いを牽制しあい、両者の息が揃った瞬間試合は始まった。

 

勝負は長きに渡った。楼観剣の振りをゴーカイサーベルが抑え、逆にゴーカイサーベルの振りを楼観剣が抑えるといった物が続いた。

実力は互角、だがどちらかが少しでも崩れれば勝者が決まる。そんな感じだった。

 

その時である。ジョーが何かしらに気付く。

「(何だ...この殺気は...こいつとは違った何かが...!?)」

「隙アリ!」

「!?」

思わず気をとられていたジョーの迷いを断つかの如く、妖夢の楼観剣がゴーカイサーベルを弾いた。

 

「久々に満足のいく試合でした。ありがとうございました。」

笑顔でジョーに手を差し伸べる妖夢。しかしジョーはその手を受けとりながらも警戒していた。

 

「この殺気...気を付けろ!」

「へっ!?」

突然の警告に驚く妖夢。しかしその警告はすぐに訪れた。

 

『ザイエン殿の命で来たが、気が変わったな。』

「お前...ザンギャックか!?」

『確かに俺はザンギャックだが、気が変わった。そこの剣士の腕前が気になってな。』

突如現れたザンギャックの怪人。ただこれまでの行動隊長とは、少し毛色が違うようでもあった。

 

『先程の戦いより、我が剣豪としての血が騒ぐ。そなたと一対一で手合わせ願いたい。』

その怪人はまっすぐ妖夢を指差した。

 

「わ、私!?」

『うむ。』

「クッ、待て!」

妖夢は強いとはいえ生身、今後の為にも守るべきと判断したジョーだったが、妖夢は前に進み出る。

 

「お、おい!」

「心配ありません。それに、他人の挑戦を断って剣士の恥!だと思うので。」

そう言うと改めて、楼観剣を構える妖夢。

 

「私は魂魄 妖夢。あなたの名は?!」

『我が名はサンダールJr.! 宇宙の大剣豪、サンダールの名を継ぐものだ。』

お互いに名乗りをあげ、刀を構え、両者のタイミングが合致した瞬間、両者共に相手の懐目掛け走り出した。

 

 

 

「(強い...!これは楼観剣だけじゃ持ちこたえられない!)」

サンダールの剣を受けながら、焦りを見せる妖夢。

相手から距離を取ると、もう一つの刀に手を掛けた。

 

「(奥の手を使うか...!)」

楼観剣とはまた違ったオーラを放つ妖夢の切り札、白楼剣である。

『ほぅ...二刀流か...。』

 

「本気でいきますよ!!」

改めてサンダールへと斬り込みに掛かる妖夢。

しかし次の瞬間、サンダールは驚き、怒りだした。

 

『貴様ら、帰れと言った筈だぞ!!』

見れば、奥からゴーミンが沸いていた。

サンダールの怒号を受け、ジョー、アイム、霊夢が対処に掛かっていたが。

 

『『ゴオオオォォォッカイジャァァァアアアッ!!!』』

『ゴゥゴオオオォォォゥファァァアアアイブッ!!!』

「行かせるか!!」

「絶対に食い止めます!」

「他人の戦いに手を出す奴は嫌いなの!」

 

「み、皆さん...」

『フッ。さて、続きといこうではないか。』

改めて、剣を交える二人。

 

カン!キン!

「グググ...」

『ヌゥゥゥッ...』

お互いの刃が激しく鳴りあい、二人は膠着する。

その瞬間、サンダールが刀の柄で楼観剣を弾き飛ばした。

 

「しまった!!」

『まずは一本。』

 

「ウリャアアアッ!!」

『ヌンッ!!』

白楼剣のみとなった妖夢はやけになり突撃したが、それも軽く受けられてしまう。

 

『ハアッ!』

「なっ!?」

そして巧みな剣捌きによって白楼剣も弾かれてしまった。

 

「クッ...」

思わずその場に膝立ちになる妖夢。

そこに、サンダールの鋭い刃が迫っていたーー

 

 

 

「クッ、いくら倒してもキリがない!」

「なかなか厳しい状況ね...」

一方無数のゴーミンと対峙するジョー達も、不利な状況であった。

 

「だったら、これでいくか。」

ジョーがベルトのボタンを拳で叩くと、ベルトの中央部が回転し、レンジャーキーが出てきた。

赤い姿に特徴的な『火』の文字、シンケンレッドである。

 

 

 

しかしそのレンジャーキーはベルトから離れ、妖夢に迫る刃を食い止めた。

 

「こ、これは...!?」

「レンジャーキーが!」

サンダールの刀を戻したレンジャーキーはその後、妖夢の手に落ちる。突然の事なので、ジョー達は一瞬驚いた。

 

「ど、どういう事なんですか!?」

困惑する妖夢に霊夢が叫ぶ。

「それで戦えって事!」

「わ、分かりました!」

 

『ほぅ、面白い。その力、是非とも試してみたくなった!!』

「なら、お望みの通りに!」

現れた鍵穴に妖夢はキーを挿し込み、叫ぶ。

 

「ゴーカイチェンジ!!」

『シィィィイイインケンジャアアアァァァッ!!!』

 

赤く燃える『火』の文字が妖夢を包み込み、シンケンレッドに変えた。

 

「おおっ...凄い!!」

『フッ。では見せてもらおうか、その力の性能とやらを。』

 

『改めて、我が剣劇、受けてみよ!』

「挑むところです!」

妖夢は腰のシンケンマルを手に取り、構えた。

「いざ、参る!」

 

 

 

一方のジョー達も、戦局が良くなっていた。

先程の出来事に動揺したゴーミンの隙をつき、大分片付いたのだ。

 

「そろそろトドメにする?」

「ああ、その方が手っ取り早い。」

 

『『ファァァアアアイナルウェイイイィィィブッ!!!』』

「「「ハアアアァァァッ...」」」

 

「「「ハアッ!!!」」」

ゴーカイスラッシュ×2とブイスラッシュで、ゴーミンは一掃された。

 

 

 

「クッ...」

『見事な腕前だが、まだ甘い!』

妖夢はというと、ゴーカイチェンジした後でも若干苦戦していた。

とここで、妖夢はシンケンマルの鍔の違和感に気付く。

 

「何だこれ?」

クルンッ!

 

「ウオッ!?」

『!?』

その瞬間シンケンマルは肥大化し、烈火大斬刀となった。

 

『巨大な刀か...ますます面白い!』

「うわっととと!」

ここは剣士の妙技というべきか、妖夢はすんなりと烈火大斬刀を使いこなせたが、まだ押しきれない具合である。

 

その時、その様子を眺めていたジョーが、何かに閃いた。

「妖夢、これを使え!」

 

「えっ!?よっと...。」

ジョーが妖夢に渡したのは真っ白なディスク、その外側に『双』と書かれた物だった。

 

「こ、これを一体...」

 

『フンッ!』

「ハッ!...!?なるほど!」

サンダールの剣を受けた妖夢は、烈火大斬刀に付いた突起を見つけ、そこにそのディスクを嵌め込んだ。

その途端、烈火大斬刀は2つに分裂した。

 

『二刀流か...、本気でいくぞ!』

「こちらも本気です!剣士として、ここで負けるわけにはいきません!」

決着をつけようと駆け寄る両者。

 

「百火繚乱!!!」

妖夢の烈火大斬刀がサンダールを炎で切り裂く。

勝者は、決まった。

 

 

 

~5分後~

 

「あのー…何もそこまでしなくとも...。」

『否、何と言おうと負けは負けだ!敗者はこの場で散るのみ!』

 

「あー...何かめんどくさいわね、こいつ...。」

「ですが、今回は悪気なく挑んできたのですし...。」

「それに、剣の扱いはかなりのものだった。あの黒い奴とは違ってな。」

剣豪というより、武士道精神まっしぐらなサンダールの扱いに困る一同。

取り敢えず切腹まがいを止めさせようと三人がサンダールに近づいたその時、

 

ニュニュッ!

 

床に裂け目が出来た。

 

「なっ!?」

「えっ!?」

「ちょっ!?」

『何!?』

驚きの声を残し、ジョー、アイム、霊夢、そしてサンダールは裂け目へと落ちていった。

 

 

 

その直後、裂け目からまた誰かが現れた。

 

「ゆ、幽々子様!」

「ただいま妖夢~。」

この白玉楼の主、西行寺 幽々子であった。

 

「あらどうしたの、そんな顔して?」

「へっ!?い、いえ...何でも...」

「あら?その手の赤いやつは何?」

「えっ、ちょっ、ちょっと幽々子様~~~!?」

 

生気漂わぬ冥界の中、はしゃぎだす声。

それは冥界中に、響き渡っていた...。




どうも、試験中にくしゃみをしまくってポケットティッシュをまるごと一つ遣いきってしまったうp主です。
いやはや、ついにきましたこの回。元から東方キャラの中で妖夢はかなり好きな方ですし、シンケンジャーから私の特ヲタ人生が始まりましたからねぇ♪
この話を思い付いた時、真っ先に考えたエピソードでもありますし。
若干話に熱が入りすぎましたかね(苦笑)
ディケイドのBlu-rayBOX化記念を祝いつつ、次回予告をどうぞ。



次ーーー回ッ!! 東方豪快者は!!

『やっと着いた...。』

『見張り同士、通じるものがあるんですよ♪』

『全く、あなたってば...』

『貴様ら、今ここで始末してやろう...。』

『絶対にここは、通しません!』

第10話 『従者だァァッ!!』 お楽しみに!!
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