一つは禍々しい気を、もう一つは赤く燃え上がる気をそれぞれ纏っていた。
それが『この幻想郷に歴史はない』とまで言わしめるこの地にあそこまで大きな事象をもたらすとは…
しかし、それと時を同じくして、もう一つの異変が人知れず起こっていたらしい。
二つの異変はつながりをみせる事になるのだが、それはまだ先の話。
とりあえず今は、その異変を詳細に記すとしよう。
伝聞者 Y・W
T・W
編纂者 A・H
第1話 赤いあの男
???「あの気は一体…?」
ここは、月。
夜空に浮かぶあの月である。
本来ここに生命は存在できない。
そう、外の世界ならば。
ここは、幻想郷の月である。月には月人、玉兎がおり、毎日そこで暮らしている。
単に二つの世界の月は同じだが、普通の地上人にはその存在をうかがい知る事はできない。月人曰く、『穢れきっている』かららしい。
話を戻そう。
先ほど発言したのは、月人の最高権力である綿月姉妹の妹、綿月 依姫だ。
依姫「二つの気…まるで対極だな。」
???「あら、あなたも感じた?」
依姫「ネーサン!?」
依姫の言う通り、彼女の前に現れたのは、綿月姉妹の姉、綿月 豊姫である。
そして何故か桃を片手に持っている。
豊姫「なにその言い方!?腹パンはしないわよ!?」
依姫「急に出てきた事を考えると、外から来たか…?」
豊姫「無視!?」
依姫「これは外の神に聞いてみるしかなさそうね…」
そういうと、依姫は座禅を組み、目を閉じる。
豊姫「外の神なんて降ろせるの?」
依姫「ちゃんとそれ用に鍛練したし大丈夫…って邪魔しないで!」
豊姫「スンマセン」
そう謝りながら豊姫は手にした桃をかじる。
その時だった。
依姫「くっ…ぬうっ…」
豊姫「ちょっ!?大丈夫!?」
どこか苦しそうにする依姫。近寄ろうとする豊姫だが、依姫のまわりに渦巻く赤い気に吹き飛ばされてしまう。
その気が全て依姫の体に注がれ、彼女は気を失ったように倒れこむ。
豊姫「依姫!しっかりしなさい!」
すると依姫は立ち上がる。
しかし、どこか様子がおかしかった。
赤い目が金色に変わり、リボンも黄色から赤になっている。
そのただならぬ雰囲気に、豊姫は警戒する。
豊姫「あなた…依姫じゃないわね!」
依姫?『ここは…一体…?』
豊姫「質問に答えなさい!」
依姫?『質問?』
豊姫「あなたは誰!?依姫の体を乗っ取って、何が目的!?」
通常、依姫は神をその身に降ろす事ができるが、体まで乗っ取られる事はない。
それを知る豊姫は、依姫の身に宿るその神に、怒気を含んだ声で叫ぶ。
依姫?『分かった。』
アカレッド『私の名はアカレッド。スーパー戦隊の心が生んだ正義の化身だ。』
豊姫「目的は何!?」
アカレッド『目的などない。むしろこっちが聞きたいぐらいだ。』
豊姫「なんですって!?」
アカレッド『私が太陽系に舞い戻った時、突如強い力で引き寄せられた。抗えずに引っ張られた先に、お前達がいたわけだ。』
豊姫「って事は…」
その瞬間、依姫の体がまるで力が抜けたように俯く。
そして再び前を向いた依姫の体は元に戻っていた。
依姫「単に失敗しただけ。大丈夫、私の精神はあるわよ、姉さん。」
豊姫「何だ良かった…。」
依姫「倒れている間にアカレッドさんと話をしたけど、悪い人じゃないみたい。それに…」
豊姫「それに?」
(ブゥン…)
アカレッド『私はこの異変と大いに関係ある。』
豊姫「うわびっくりした!」
アカレッド『一方は知り合い、もう一方は私が追ってきた奴らだ。』
豊姫「そ、そうなの?」
アカレッド『この異変の解決、私も手伝おう。』
突如現れた謎の戦士アカレッド。この存在が、後に戦局を大きく揺るがすとは誰もが予想しなかった…
どうもうp主です。ちょいと早すぎですが、外伝を制作してみました。外伝って難しいですね。本編の展開をよく考えて繋げないといけないんですもん。
ま、それは置いといて、すごい意味深に書きましたが、アカレッドの存在が結構後の展開を握ります。本編でそれが出るのはか~な~り!遅いッ!ですがね。
これには次回予告を入れないつもりです。本編がある程度進んだら投稿しようかな~って程度ですし。
それではこの辺にしましょうか。次回をお楽しみに!