やはり俺が元スプリガンなのはまちがっている。 作:世間で言うジョージさん
奉仕部の理念を再認識します。
あれから調べてみると、やはり犯人は3人の中にいた。大和だ。同じ悪く言われるにしても、モテモテ感を演出しているあたりが高校生らしいとも言える。それよりも気になったのは『三ツ又』のワードだ。本来なら二股、三股と書くものである。厨ニ全開の者ならいざ知らず、健全な者が『トライデント』と呼ぶなら話は別だ。
俺は背後関係を洗いたかったが、個人で一般の高校生レベルでは調べきれないだろう。そもそも、こんなくだらない事にトライデントも関与しないだろうが、この件は一旦、保留という形にしておこう。
翌日、俺は葉山を部室へと呼び出して調査報告を告げてやった。調査報告書付きで。
「結論から言うと、犯人は大和だ。」
「決まりね。比企谷くん、叩き潰しにいきましょう。」
「サー!殲滅戦であります!サー!」
葉山は雪乃と由比ヶ浜の言動に、慌てて止めに入る。お前らも好戦的過ぎるだろ!
「ちょ、ちょっと待ってくれ!それでも友達を、大和を疑いたくはないんだ!」
我らが部長さんは俺の提出した書類を手に取り、論破しようとする。
「退きなさい。この発信ログの送信元が何よりの証拠よ。」
雪乃さん、一応ツッコミ待ちで用意した証拠品なんですけど。たかが高校生が用意出来る代物じゃないんですけどね、もはや友達フィルターがフィールドになってるんですね。
「待て、雪乃。葉山に言いたい事がある。」
「…なんだい?ヒキタニくん?」
軽く絶望したような顔をする葉山に、リア充ザマァと思いながらも、この場の全員に伝わるように奉仕部の理念を説いてやった。
「いいか?このまま犯人を特定して潰すだけなら、それは奉仕部の理念に反する事になる。まさに魚を与えるって事だ。」
「…それで、僕はどうしたらいいんだい?」
「そうね、比企谷くん。まさに目から鱗。青天の霹靂だわ。貴方の彗眼は全てを見通していたのね。例えるなら地動説を説いたコペルニクスの…」
俺達は雪乃を無視して話を進めた。
「理念に則るなら、魚の捕り方を教える、だ。この意味がわかるか?」
葉山は何かに気付いた素振りを見せた。そうだよ葉山。何も犯人を叩き潰すだけが解決じゃあない。だが、皆仲良く教の教祖様だ。アシストしてやるか。
「あー。これは独り言なんだが、とある作戦行動中の話だ。」
「いったい、何を…」
「まぁ、聞け。」
葉山は頭に疑問符を浮かべているな。まぁそんな顔をするな。あと、由比ヶ浜は何故そんなに嬉しそうなんだ…。
「ある小隊は任務中にゲリラ軍の砦を発見した。しかし、作戦を遂行するにも人員が足らない。そこで小隊長は他の小隊と合流後、ゲリラ軍の砦を陥落する事が出来たんだ。俺の友達の話だけどな。」
「…ゲームの中の話なのか?君の体験でも、友達の体験でもいい。参考になったよ。ありがとう、比企谷くん。」
ん?俺の話ってバレてるのか?確かに友達いないけどな。ゲームと勘違いしてくれてるのどから、野暮な事は言わないでおこう。
その後、班分けをする時に葉山は三バカとは同じ班にならないと言った。そして俺、戸塚の班に入り、三バカ班と合流した訳だ。三バカは葉山が居ないなりに親交を深めていった。
余談だが、葉山が俺の見学先のアーカム千葉研究所を選んだ事により、クラスの他の班が押し掛け、我が小隊が2小隊、3小隊、一個中隊へと進化していったのは別の話だ。
「…つまり、当時の宗教社会からの圧力を鑑みるに、……あら?比企谷くん…?」
次回は職場見学になります!
乞う、御期待!