黒き小さな男の娘は仲間と共に空を飛ぶ   作:鎌寺正一@D-Alderz/神咲ハルカ

32 / 67
お互いの想い

ーー昔の話。

でも、そこまで古くは無い、昔の話。

 

ーー僕は病弱で、常に病院で寝たきりだった。

起き上がるのも苦痛に感じて、とてもじゃないけど生きている感じがしなかったんだ。

 

ーーそして、僕が丁度10歳くらいの時かな・・・とある重病を患ったんだ。

 

「それは・・・?」

 

簪さんが尋ねる。

僕はそれに答える。

 

「・・・進行性骨化性線維異形成症。」

 

「ッ!?」

 

簪さんが息を呑むのがわかった。

 

「10歳前後に症状が出始め、30歳で体が動かせなくなり、40歳まで生きられるかどうかの不治の病。」

 

進行性骨化性線維異形成症。

数年に渡り、骨組織が増殖して、関節を固めてしまい、発症者は歩く事等の日常生活が困難になる病。

治療法が確立されておらず、前世では不治の病として認定されていた。

 

「そしてそれを患った僕は、13歳で1度退院したんだ。表上には、病気が進行してなかったから、まだ脅威がないと診断されてね。それから毎日、いろいろなことして遊んだよ・・・でも、それもまた、長くは続かなかった。」

 

ーー15歳のあの日、僕は全身の苦痛に倒れた。

目が覚めた時、そこは病院で、余命一ヶ月という事を告げられた。

今度の病名は・・・

 

「全身癌。」

 

「嘘・・・!?」

 

ありえない。

本来ならここまでに何らかの症状は出るはずなのに、それが全くなく全身癌へと転移した。

理由は・・・先程の進行性骨化性線維異形成症のせい。

あの時小さな癌があったが、ほかの症状のせいでかんじとれなかったんだ。

一ヶ月後、本当に死んだ。

 

「とまぁ、こんな感じでころっと死んじゃった僕は、神様を名乗る人に転生させられてここにいるんだ。」

 

いつの間にか普通に喋れるようになっていたけど気にしない。

ていうか気にするな!

 

「そう・・・なんだ・・・。」

 

簪さんは俯いてしまった・・・。

だから・・・

 

「・・・僕はね、転生者って言う肩書きがあるから付き合えないって言ったんだ。でも・・・。」

 

簪さんがこっちを向く。

僕は目を逸らさずに言った。

 

「本当に覚悟があるなら・・・そんな僕でもいいって言うなら・・・「当たり前でしょッ!!」・・・!?」

 

僕の言葉に叫び返した簪さん。

僕は目を見開きその言葉を聞く。

 

「私はッ!千春の事がッ!好きで・・・ッ!」

 

叫んだ簪さんは涙を流していて・・・僕は・・・心を奪われた。ダメなんだって思ってた僕が今は恨めしかった。

なんで・・・そんな理由で避けようとしたんだろうって。

だから僕は・・・

 

「私は・・・ムグ!?」

 

その唇を塞いだ。

自分のもので。

 

 

 

 

暫くそのままで僕は手を簪さん・・・いや、簪の後ろに回す。

簪も僕の背中に手を回してくれる。

目を瞑っているこの状態でも、彼女の息遣い、体温、そして心臓の鼓動を感じる。

息は少し荒く、鼓動が早く、とても緊張しているのがわかる。

体温も高く、恥ずかしいのだろう。

・・・僕だって恥ずかしい。

目の前に僕の事が好きな人がいるんだ、意識しないわけない。

 

 

 

 

どのくらいこうしていただろうか・・・そう感じるくらいの長い時間二人は抱き合っていた。

 

顔が離れて、簪の顔全体が見える。

暫く無言だったけど、僕が先に沈黙を破った。

 

「ごめんね・・・突然こんなことして・・・でも、これが僕の答え。簪さん・・・いや、簪が言ってくれた想いに対しての答えだよ。こんな僕だけど・・・これからでよければ宜しく御願いしたいな。」

 

軽く微笑みながらそう言うと、簪は顔を真っ赤にしながら

 

「・・・はい。」

 

綺麗な笑顔で答えてくれた。

 

そしてまた二人、キスをする・・・。

僕は彼女の体温を直に感じながら、

 

"どうか・・・この幸せが・・・永遠に続きます様に・・・。"

 

密かに願いを心の中で唱えていた。

いつか・・・愛する人と共に生きる為に・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある場所。

 

「そっかぁ・・・まぁ、そうなるよねー。」

 

一人の大天災が画面に映し出された映像を見ていた。

 

「ハルくんも青春してるねぇ。」

 

その人物の名は、篠ノ乃束。

機械でできたうさ耳カチューシャをつけた彼女は、画面の千春を見て呟く。

 

「・・・そのうち、私のラボに招待しよ。そろそろ黒星龍の機体データ欲しいし、何より彼の作った珠鋼ってのもみたいし!」

 

束は一人、興奮しながら予定を組む。

 

「んー・・・じゃあ、この日にハルくんを招待(拉致)しーよおっと。」

 

束がカレンダーを見ながらその日にちに丸をつける。

そこに、もう1人の少女があらわれる。

 

「束様、御食事の用意ができました。」

 

「ありがとうくーちゃん!」

 

束は目を閉じた少女、クロエ・クロニクルに笑いかける。

 

「いえ、束様。では、参りましょう。」

 

「うん!」

 

二人が出ていった後の束の部屋。

一つのパソコンがつきっぱなしで放置されていた。

その画面にはこう書かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

織斑千春

 

"第一世代型IS"『黒星龍』稼働率99%

 

"第三世代型IS"『黒式』稼働率97%

 

"第三世代型IS"『珠鋼』稼働率74%

 

機巧魔神『蒼白鉱』データ収集率64%

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

"最終世代型IS"『ーー』完成率32%。




はい、鎌寺正一です。
いやー、ちょっと強引すぎましたかね・・・恋愛パートなんて初めてですから・・・難しいです。
それで、前回の千春くんの最後に言った拒否の言葉は、自分が転生者で、原作関係者じゃないから、そういう関係にはなりたく無かったと言う想いがあったからでした。
なんか・・・誠実です・・・というか、善の塊みたいなかんじてすね・・・。
そして、キスシーン。
上手く書けてますかね?
自分なりに書いてみましたが・・・。
あと、千春くんが紳士的になってません?

まぁ、これで更識簪は攻略出来ちゃいましたね・・・そろそろ完全にヒロイン決めなきゃ。
おそらくメインヒロインは簪、サブにクロエと束さんになるかも・・・。
束さんは・・・まぁ、今の所恋愛感情はないんだろうけど・・・クロエと同時期におとすかもしれない・・・千春くんだもん。

さて、最近男の娘成分少なめの千春くん。
まぁ・・・一応男の子ですし・・・問題ないのかな?

あと、一夏が最近全然出てない件について。
あかん・・・このままやと一夏出番なくなるで!














では、今回はこのあたりで失礼。
また次回も見てねー!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。