黒き小さな男の娘は仲間と共に空を飛ぶ   作:鎌寺正一@D-Alderz/神咲ハルカ

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臨海学校へ行くよ!一日目、夕方~夜中

 

さて、日中海で遊んだ僕達は今・・・

 

「うん、おいしい」

 

夕食に舌鼓をうってます。

ご飯は和食を中心に、料亭の様に少しづつ、沢山の鉢が並んでいた。

 

「やっぱり和食が一番だ・・・僕の中ではね」

 

「へぇ・・・やっぱ千春兄も和食が好きなんだな」

 

刺身に手をつけていた所、右隣に座っている一夏が納得したと言う様な表情でお浸しに手をつけていた。

 

「ん、このお浸し、なかなか味が染みてるな・・・参考にしよう」

 

どうやらお浸しがお気に召したようです。

 

「ん、なぁ、千春」

 

左隣ではいつの間にかラウラが料理をつついていた。

 

「ん、どしたの?」

 

「この、大葉、という奴はどのように食べれば良いのだ?」

 

お刺身の下にあった大葉を摘んで聞いてきた。

 

「それは、お刺身の青臭さを抜くもので、無理して食べる必要は無いけど、どうしてもと言うなら・・・」

 

僕は大葉を一枚摘み、鮪を包んで醤油につける。

 

「こうして魚を大葉で包んで食べるといいよ」

 

「そうか、ありがとう」

 

そうしてラウラも、鮭を大葉で包んで、一口。

 

「おぉ・・・私自身は気にしていないが、大葉で魚独特の臭いが消え、爽やかな後味が広がる!」

 

目を輝かせてラウラはうっとりと余韻に浸る。

 

「気に入ってもらえたなら料理を作った人も幸せになれるよ」

 

僕はそう言って味噌汁に口をつける。

 

ズズっと一口、コクのある味噌と旨みの出汁が混ざりあって、ホットする味を醸し出す。

具材はワカメと豆腐のごく一般的なものだが、それこそ世帯ごとに味噌汁の味が違う様にここの味噌汁はどう頑張っても再現できそうにない程優しい味だった。

 

「こ、これは・・・俺でも無理そうだ・・・」

 

流石の一夏もこの味噌汁を再現できないようだ。

それ程までにこの味噌汁は美味しかった。

 

「白米も炊き方一つで味が変わるんだね」

 

ふっくらしたご飯は噛めば噛むほど甘味が広がり、とても幸せな気分になれる。

 

「俺もこれくらい出来るようになりてぇな」

 

なんか一夏が燃えてるんだけど気のせいだよね?

 

「これが日本における主食、白米・・・さすが日本、味も最高に美味い!」

 

あ、あれ?ラウラがなんか感動してるんだけど?

 

「ん、この緑色の物は何?」

 

「あ、それは私も気になっていたのだ」

 

一夏の右隣に座っていたシャルロットが緑色の物体を箸でつまんだ。

それに合わせてラウラもそれを摘む。

 

「それは山葵っていって、お刺身と一緒に食べるものだよ」

 

僕がそう説明すると、

 

「へぇ、はむっ」

 

「なるほど、はむっ」

 

二人とも同時に山葵の山を一口に頬張った。

 

「ちょ、そんな事したら!」

 

「!?〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!?」

 

「んっ!?〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!?」

 

案の定、二人ともあまりの辛さに悶絶。

 

「お、おいシャル、大丈夫か!?」

 

「ほらラウラ、お茶だよ!」

 

男二人して背中を摩るだのお茶を飲ませるだの大騒ぎ。

 

「ほ、ほれがわさびか(注:こ、これがわさびかぁ)・・・っ!」

 

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」

 

シャルロットは辛すぎて呂律が回らず、ラウラに至っては涙目で未だ悶絶していた。

 

「ラウラ・・・レーションは大丈夫なのに山葵はダメなんだね・・・」

 

「は、はらいのにらて(注:か、辛いの苦手)・・・っ!」

 

うむ、どうやらラウラの苦手なものは辛いものらしい。

見事に山葵にしてやられたラウラはそれから暫くの間もずっと涙目だったことをここに記そう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正座に耐えられなくなって足をもじもじさせてたセシリアが足を一夏に突っつかれて悶絶してたなんてことは知らない知らない僕は何も知らないっ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん・・・ぁ・・・ふぅ・・・」

 

「千春兄ってたまにそういう声を出すよな?」

 

「・・・言わないで・・・恥ずかしい・・・」

 

「だったら声を出さなきゃいいのに・・・」

 

「無理なんだよ、悪い?」

 

「別にぃ」

 

僕は今一夏と露天風呂に入ってます。

夜空を見上げながら波の音に耳を傾け、大の字で風呂に浸る、そんな贅沢な時間。

 

「・・・やっぱ千春兄、女の子にしか見えねぇよ、その下の部分さえ隠せば」

 

「・・・うっさい・・・////」

 

もう、なんてことを言うんだよ・・・人が気にしていることを・・・

 

「つーかさ、なんで俺よりも先に生まれたのに俺よりも背が低いんだよ?」

 

「僕に聞かないでよ・・・って言うか、僕が聞きたいよ・・・」

 

さらさら流る波の音、風の音・・・潮の匂いも相俟って心を綺麗に浄化されていく気分になる。

 

「・・・千春兄、俺って強くなれているのかな・・・」

 

「それは・・・どうなんだろう・・・」

 

一夏の疑問に答えられず、言葉を濁らす。

それでも、一種の答えは言える。

 

「・・・そもそも、誰を基準に自分は強いって言うのがないとわからないよ?」

 

「だよなぁ・・・」

 

深い溜息をついて沈んでいく一夏。

 

「ま、くよくよしてたってしょーがねぇな。これからも頑張りゃいいだけの話だ」

 

一夏も大の字に湯船で浮き、目を閉じる。

 

「そうだよ。僕も頑張るから」

 

そっと立ち上がり、湯船ギリギリまで歩いていく。

 

「千春兄?」

 

目の前に昇った月を見上げ、歌い出す。

 

「〜〜〜♪」

 

それはかの有名なボーカロイドの曲。

季節は違えど頭の中に満開の桜を思い浮かべる。

桜吹雪で舞い踊る、そんな情景を。

 

「・・・久しぶりに聞いたな、千春兄の歌声。千本桜、だっけか?」

 

「うん。僕のお気に入りの曲」

 

夜景にはピッタリだと僕は思う。

 

「・・・他にも聞きたいな」

 

「ん、2.3曲ならいいよ」

 

僕はまた歌い始める。

ボーカロイドは前世でも好きだった。

カラオケには行けなかったものの、友達の前でたまたま歌ったら

 

『なんでそこまでボーカロイドに近い声が出るんだよ!?』

 

って吃驚されたのはいい思い出かな。

 

「〜〜〜♪」

 

「・・・サマータイムレコードか・・・まぁ、夏だもんな」

 

サマレコは夏に聴きたい曲だよ。

 

「ん、次はリクエストしていいか?」

 

「いいよ。なんでも来い!」

 

「じゃ・・・dazeで」

 

おうふ、ボカロじゃないのね。

まぁいいけど。

 

「〜〜〜〜〜〜♪」

 

dazeも夏の曲。

まぁ、サマレコと同じ人が作詞してるからね。

 

「・・・そろそろいい時間だし、上がろっか」

 

「そうだな」

 

僕達は風呂から上がり、部屋に行く。

勿論、一夏と僕は教官用の部屋だ。

部屋に入った途端、目に入った千冬お姉ちゃんに甘えたくなった。

 

「お姉ちゃん!」

 

「うぉっ・・・こら、今は勤務中だぞ?」

 

「えへへ・・・」

 

飛びついて抱きしめると苦笑しながらも抱き返してくれる。

 

「ほんと、千春兄は千冬姉が好きだよな」

 

「だって、お姉ちゃんだもん」

 

「あははっ。そうかそうか。ありがとう、千春」

 

家族水入らずの時間。

随分と久しぶりな感覚がある。

 

「ん、そうだ、一夏」

 

「なんだ、千冬姉?」

 

「久しぶりにアレをやってもらいたい」

 

「あ、僕も!」

 

僕と千冬お姉ちゃんの頼みに一夏は

 

「おう、任せとけ!」

 

袖をまくって答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

簪side

 

「・・・そう言えば千春の部屋ってどこだろう・・・?」

 

私は千春の部屋を聞いていなかったことを今思い出した。

だから千春の部屋を探すためにトコトコと歩いていると、

 

「あれ?本音?」

 

「あ、かんちゃん」

 

私の友達にして従者の本音がいた。

 

「あのね、ちはるんの部屋知らない?」

 

どうやら本音も千春の部屋をしらないらしい。

 

「私も今探しているところ」

 

「そっか、じゃあ一緒に探そー!」

 

そう言って本音は私の後ろにくっついた。

 

それこら暫くして

 

「あれ?」

 

私は一つの扉の前に人だかりができているのに気がついた。

でも、急に立ち止まったからか、

 

「わっ!?」

 

本音が私にぶつかった。

 

「かんちゃ〜ん、急に立ち止まらないでよぉ・・・」

 

「ごめんね、でも、ほら、前を見て」

 

「えー?」

 

私が指さした先にはセシリア、シャルロット、ラウラ、箒がいた。

 

「む!簪か?」

 

ラウラは私に気が付き近寄ってきた。

 

「この扉に聞き耳を立ててみろ、面白いものが聴けるぞ!」

 

「え?」

 

そう言われて渋々ドアに耳を近づける。

すると・・・

 

『ん・・・ま、また腕を上げたな?ぅん・・・』

 

『ふ、ここがいいのか?』

 

『あぁ・・・そこだ・・・ぅあん・・・』

 

『ふぁ・・・お姉ちゃん、固くなってる』

 

『ち、千春・・・そこは・・・んんんっ・・・』

 

「な、なんなのこれ!?」

 

私は仰天した。

 

「な、なんなんですのこれは!?」

 

隣ではセシリアも吃驚していた。

 

「だ、大丈夫だよ、これは多分アレだと思うから」

 

シャルロットの弁明に、私は更に確信を持つ。

これは、アレだ。

 

「も、もう我慢なりませんわ!」

 

「わ、わたしも!」

 

流石にこの声の正体を探りたい。

 

「と、突撃ですわ!」

 

セシリアと共にそのドアを思いっきり開ける。

すると・・・

 

「ん・・・なんだ、お前達も来たのか・・・ん・・・」

 

「ここが凝ってるな・・・ちゃんと休んでるのか?」

 

マッサージをしている一夏とされている織斑先生がいた。

 

「こ、これは・・・」

 

セシリアと私は顔を引き攣らせる。

どうやら私達は盛大な勘違いをしていた様だ。

そう気付かされるや否や私の顔はトマトよりも赤く熱くなっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千春side

 

「ん、もういいぞ。千春にもやってやれ」

 

「おう、わかった。千春兄、こっちでうつ伏せになって」

 

「わかった」

 

僕は一夏の前でうつ伏せになる。

 

「いくぞ」

 

「ん・・・ぅぁ・・・ふっ・・・くぅ・・・」

 

背中を揉まれる度に言い表せられない様な快楽が背中を駆け巡る。

 

このマッサージ、もはやヤバイやつじゃないよな?

 

とか思っちゃうくらいに気持ちがいい。

 

「お、千春兄も案外凝ってるな」

 

「ふぁ・・・ぁぅ・・・」

 

一夏が何か言ってるけどそれに答えられないくらいに口から声が漏れる。

 

「な、なんか色っぽいですわね・・・」←セシリア

 

「そ、そうだな・・・」←ラウラ

 

「・・・いいなぁ・・・」←シャルロット

 

「・・・一夏、私にもやってくれるのか・・・」←箒

 

「千春・・・私もやってあげようかな?」←簪

 

周りの声は色々、僕はリフレッシュした。

 

「さて、一夏、千春、ちょっと飲み物を買って来い」

 

「ん、いいの?」

 

「少しこの小娘共に話すことがあるからな」

 

そう千冬お姉ちゃんに言われたので一夏を引き連れ部屋を出る。

 

「なぁ、千冬姉の話ってなんだ?」

 

「・・・十中八九僕と一夏の事だよ」

 

「・・・恋人の事か?」

 

「そ」

 

僕がそう言うと一夏は顎に手を当てて

 

「・・・俺もそういうのを考えなきゃいけなくなったのか・・・」

 

と、何故か感慨深げに言った。

そんな一夏の様子を見て僕は一言、

 

「・・・唐変木じゃないからタチ悪い」

 

そんなこんなで自販機にたどり着いた。

 

「・・・千春兄・・・」

 

「なに?」

 

自販機の前で一夏が真面目なトーンで聞いてきた。

 

「俺は・・・誰かを愛せるのか?」

 

「・・・・・・」

 

「・・・皆が俺を好きだと言ってくれるけど・・・俺にはそういうのがわからないんだ・・・」

 

僕は自販機を見つめる一夏の顔を見る。

その顔は大きな不安で影を作っていた。

 

「多分俺には誰かを愛すことなんて出来ないんだ・・・だから、誰かを傷つけるかもしれない・・・それが怖いんだ・・・」

 

「・・・愛なんて人それぞれだよ」

 

「っ!?」

 

傷つけるのが怖いと言った一夏に、僕がそう返すと勢いよくこっちを向く。

 

「誰だって最初は愛すのが怖いよ・・・僕だって、とある秘密があって恋愛を拒否した事がある。その時に簪に言われたんだ。

 

"それでも、千春の事が、好きだ"って。

 

その時に思い知ったよ・・・愛には例えどのような秘密があったとしても関係ないんだって」

 

僕はテキトーにジュースを買いながら続ける。

 

「だから、誰かを傷つけるかもしれないなんてことは悩まなくていいんだ。ただただ、相手を愛せばいい。愛に形はない。一夏にも青春はして欲しいな」

 

そう言って取り出したジュースを手に持ち、微笑む。

 

「そうか・・・そうだよな・・・」

 

一夏は完全に憑き物が取れたような顔になる。

どうやらスッキリしたようだ。

前にもアドバイスはしたけど、今度こそ肩の荷が降りたのだろう。

 

「じゃ、戻ろうよ!」

 

「あぁ!」

 

こうして二人で廊下を歩く。

久しぶりにこう、本音で話し合ったと思う。

こういうふうに平和が続くといいなって、僕は思う。

前世が病弱で、たった10数年しか生きていなかったから余計に。

第二の人生が無かったらこれ程楽しく過ごせなかったかもしれない。

だから、ルカには感謝しないと。

僕は無意識に微笑む。

手に入れられなかった平穏が、今ここにあると思えるから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

簪side

 

「さて、貴様らに残ってもらったが、なにか飲むか?」

 

織斑先生が備え付けの冷蔵庫を開けながら聞いてきた。

 

「あ、はい」

 

みんな頷くしかない。

拒否すれば追い出されそうな予感がした。

 

「さて、全員に渡ったな?」

 

「頂いていいんですか?」

 

私はおずおずと聞くと

 

「あぁ、飲め飲め」

 

と言われたので

 

「えっと、じゃあ失礼して」

 

全員がタブを開けて飲み出す。

 

「じゃ、私も飲もうかな」

 

そう言って織斑先生が取り出したのは缶ビール。

 

「あれ?織斑先生、今は勤務時間ではないんですか?」

 

箒が顔を顰める。

 

「まぁ、そうだが大丈夫だ。何せ、貴様らは何も言えんだろうからな」

 

「そ、それはどういう事ですの?」

 

「貴様らにはもう対価を払ったからだ。買収とも言うな」

 

『あ・・・』

 

しまった・・・まさか、買収されるとは・・・

これでも一応更識の家の者として恥ずかし・・・って、本音!?

 

「あちゃー、やられちゃったね、かんちゃん!」

 

何呑気な顔してるの!?

 

「いや、本音も同罪でしょ?」

 

「あー、それ言われたらおしまいだねぇー」

 

ほんと、この子は・・・

 

「まぁいい。凰のやつも来たようだし、会議といくか」

 

織斑先生はここでトーンを落として言う。

 

「貴様ら、それぞれ一夏と千春が好きなようだが・・・」

 

『ゴクリ』

 

「・・・欲しいか?」

 

意味ありげな深い笑みに思わずたじろぐ。

 

「まぁ、そこの誰かさんと誰かさんは既に一線を越えている様だが」

 

「あーあー、ワタシナニモキイテナイ」

 

「か、簪が壊れたぞ!?」

 

ホント、ナンデセンセイガソンナコトシッテイルンダローナー。

 

「見ていたからだ!」

 

「嘘だッ!?」

 

もうやだよ・・・見られてたの?あれ・・・

 

「まぁ嘘だが」

 

「もうやだこの人・・・」

 

現在進行形でSAN値が削られていく・・・

 

「では、貴様らは何故アイツらを好きになったんだ?」

 

確信に迫る発言。

 

「私は・・・一夏に救われた時があった・・・その時からだろうか・・・一夏を意識し始めたのは・・・」

 

箒は思い出しながら語る。

 

「・・・ほう、ならば既に小学生の頃から好きだったという訳か?」

 

「・・・その時はまだこれが恋愛感情だということには気づけていなかったのですが」

 

苦笑しつつ箒はそう締め括った。

 

「して、他の皆も同じようなものか?」

 

「そうですわね・・・私は男はヘコヘコして女に生きさせてもらっていると言う偏見を持ってしまっていたのです・・・原因は私の父母にありますが・・・それを見事に払拭して下さった一夏さんの心に惚れたのですわ」

 

「僕の時も同じようなものです。デュノア社に・・・いや、継母に命令されて渋々来て、結局何も出来なくて・・・本国に強制送還される、牢に繋がれる、そんな罪人なのに・・・それでもここにいていいって言ってくれた・・・そんな事言われたら・・・惚れないわけないんですよ・・・」

 

「そうよ・・・私だって・・・昔いじめられたりしていた時に颯爽と現れて救ってくれる・・・そんな、白馬の王子様を体現したかのような一夏の行動力、性格、そして何より・・・あの笑顔に惚れたの・・・」

 

す、凄い惚気だなぁ・・・

 

「・・・一夏め、後先考えずに落としおって・・・いや、気づいてないだけなのか?いや、そんなことは無いはずなんだが・・・」

 

あ、あれ?

 

「お、織斑先生、どうしました?」

 

「い、いや、なんでもない!」

 

わざとらしく咳払いをして織斑先生は続ける。

 

「ゴホン。貴様らの想いは良くわかった」

 

だが、と四人の顔を見渡す。

 

()()一夏を渡す訳にはいかんな」

 

『そ、そんなぁ・・・』

 

「まぁ、そこまでしょんぼりするな。あくまで私はまだ、と言ったんだ」

 

一度俯く皆が、織斑先生の声でまた一斉に顔をあげる。

 

「貴様らが一夏に合うような、そんなお嫁になるのであれば考えないでもない。あくまで、考えないでもない、だぞ。そこは一夏の決めるところだ」

 

その言葉に四人は萌え滾る。

・・・熱気が伝わるのでやめてほしい。

 

「さて、後はお前らだな、千春love勢。既に既成事実を作ってる者もいるが、まぁ問題ないだろう」

 

グイッとビールを煽る織斑先生。

・・・顔がほんのり赤いけど大丈夫なのだろうか・・・?

 

「布仏、貴様はどうだ?」

 

「ふぇ!?・・・ぅーん・・・まだ・・・わからない、かな・・・」

 

あれ?本音も堕ちてるの?

 

「そうかそうか」

 

ニヤニヤしながら頷く織斑先生。

 

「まぁ、千春もこの三人なら安心できるだろう。まぁ、更識にはあの生徒会長が付いてくるだろうが」

 

うぐ・・・お姉ちゃん・・・姉妹丼とかいわないよね・・・?

・・・これ、フラグじゃないよね!?

フラグだったらどうしよう!?

 

「・・・私も、恋人くらい見つけたいものだ」

 

織斑先生はもう1本ビールを煽る。

 

・・・ちょっと飲みすぎじゃないですかね?

 

「ただいまー」

 

「千冬姉、買ってきたぞ」

 

「おー、帰ってきたか。それじゃ、小娘共は就寝時間だ。ちゃんと寝るんだぞ?」

 

ホントだ。もうこんな時間か。

 

『ありがとうございました』

 

「お休みー」

 

「お休みな」

 

「寝なければ出席簿の餌食にするぞ」

 

私は自分の部屋に帰ることにした。

・・・織斑先生の最後の一言、ものすごく怖かったことをここに記すわ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千春side

 

「さて、小娘共も帰った事だし・・・千春、ちょっと来い」

 

ん?何だろう・・・?

 

「何、お姉ちゃん?」

 

「これ、飲んでみるか?」

 

お姉ちゃんが指を指したのは缶。

中身は・・・指で隠れて見えない。

 

「ん、頂きます」

 

僕はそれを取ってプルタブを開ける。

プシュッと音を立てて蓋が開く。

 

そしてそのまま一気に煽り・・・

 

「ち、千春兄!それビールだッ!」

 

「ッ!?」

 

あ、あれ・・・?

 

「しまった!?千春にジュースと間違えてビールを渡してしまった!?」

 

「なにしてんだよ千冬姉!?」

 

セカイが・・・まわる?

 

「お姉ちゃん・・・」

 

ああ・・・思考が・・・

 

「な、なんだ・・・?」

 

「・・・むぎゅっ!」

 

「ふぁっ・・・・・・/////」

 

あぁ、きもちがいい・・・お姉ちゃんの胸・・・あんしんする・・・

 

「・・・千春兄のこれって・・・甘え上戸!?」

 

いちかがなにかいってるけろ、かんけーないよねー?

 

「ち、千春、や、止めてくれ!く、擽ったい!あと、変な感じになるからやめてくれ!」

 

あれぇ?おねぇちゃんのこえがひびいてきこえるよぉ?

 

「おねぇちゃぁん・・・しゅきぃ・・・」

 

「っ・・・・・・//////」

 

「・・・みてられねぇ・・・」

 

あれれぇ?おねぇちゃんのかおがまっかっかだぁ・・・

 

「おねぇちゃん・・・ぼくは・・・じゅっと・・・」

 

あぁ・・・まぶたが・・・ねむく・・・

 

こうして、僕の意識は途絶えた。

後日、この日の記憶が曖昧になっていた。

なんでこの日の記憶が無いのか聞くと物凄く目を逸らされたのはまぁ、関係ないよね?




はい、鎌寺正一です。
今回は長かった・・・久しぶりに5千字こえたんじゃないかなー、っておもいました。
今回は7千字なんですよねー・・・因みにいまこれ書いてる時間は9月27の1時38分・・・ものすごく眠いです。
これ書くのに大体一週間くらいかな?

・・・ごほん、では、少し謝罪をば。
まず、読者の皆様、そしてチェリオ様・・・申し訳ございません!

・・・コラボの話が全然進んでません!
ほんと、これに関しては言い訳できないです、はい・・・
頑張ってはいるものの、思うように行かなくて・・・
本当に申し訳ありませんでした!
来月中には出したいと思います!
↑はいフラグですねわかります。

・・・マイクラやりたい・・・
建築したい、絵を作りたい、TNT爆破したいィ!
・・・お金欲しいです、(*´・ω・`*)グスン
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