黒き小さな男の娘は仲間と共に空を飛ぶ 作:鎌寺正一@D-Alderz/神咲ハルカ
夢を、見た。
将来を閉ざされた僕自身の夢を・・・
その日は雲一つ無い快晴、僕は車椅子にのり、幼馴染みの少女に押してもらっていた。
『・・・ねぇ・・・□◆』
転生前の僕が、その幼馴染みの少女に呼びかける。
『ん、なぁに、▲×?』
少女は弾み気味の声で答える。
『・・・いつも・・・あり・・・がとね・・・』
この頃の僕はもう既にかなり癌が進行していて喋るのもやっとの状態だった。
『うふふ。私は▲×が喜んでくれるなら何でもするよ』
それでも、少女は僕に付きっきりでいてくれた。
その日の夜、
『ねぇ、▲×・・・』
『なぁ・・・に・・・?』
『私ね・・・▲×のこと・・・す・・・』
何か言いかける少女の唇に人差し指を当てて黙らせる。
『それは・・・僕・・・以外の・・・大切な・・・人の・・・為に・・・取って・・・おきな・・・僕じゃ・・・答え・・・られない・・・から・・・』
涙を流す□◆に、僕は微笑んで答える。
もう、自分が死ぬ事など、目に見えていたから。
翌日、僕の容態は悪化した。
『うそよ・・・なんで・・・いや・・・▲×ッ!』
泣き叫ぶ少女。
『・・・・・・苦しく・・・ないよ・・・僕は・・・・・・□◆と・・・居れて・・・・・・幸せ・・・だったよ・・・』
言うのがやっとの状態で、僕は彼女に伝える。
もう、体は言うことは聞かない。
ーーこれは・・・夢、か・・・
僕はその光景を、天井あたりで見下ろしていた。
その時思っていた僕の心情も自然と流れてきた。
そして・・・
前世の僕は息を引き取った。
『あ・・・ぁぁ・・・あああぁあぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああぁぁああぁあぁぁぁぁぁ・・・・・・ッ!』
少女は泣き叫んだ。
暫くした頃、漸く泣き止んだ彼女は一言、
『絶対・・・幸せになってよ・・・私の初恋の人・・・』
そう呟きながら僕が死んだ病室を出ていった。
そしてーーーーーーーー
「ッ!?」
ガバッと上半身を起こし飛び起きる。
周りを見れば・・・
「・・・旅館・・・そういえば・・・」
僕はここで寝てしまったんだっけ。
「・・・もう朝か・・・」
静かな部屋にポツリと広がる僕の声。
「・・・今回は・・・幸せに生きれているのかな・・・?」
結構色々な事があった・・・それでも、前世に比べれば幸せに暮らせている。
「・・・僕はちゃんと幸せに生きるているよ・・・だから心配しないでねーーーー
穂花」
千冬side
「ん・・・」
少し頭が痛い・・・昨日飲みすぎたみたいだ・・・
私は布団から起き上がり隣を見る。
すると、千春が窓で黄昏ていた。
「・・・今回は・・・幸せに生きれているのかな・・・?」
どういう事だ?
「・・・僕はちゃんと幸せに生きるているよ・・・穂花」
穂花?
だれだ・・・千春の知り合いに"穂花"という名前は聞いたことが無い・・・つまり・・・
(やはり千春は転生者なのか・・・?)
随分昔に束に聞いたこと。
"千春は転生者ではないのか"という事。
(・・・もしその名前の子が千春の前世での友達ないし幼馴染みだったのなら・・・?)
千春は・・・寿命で死んだのでは・・・ない・・・辛い別れを経験しているのだろう・・・。
(・・・私にはどうしようもないのか・・・?)
どうにかして千春の力に立ちたい・・・。
だが、どうすればよいというのだ・・・?
「・・・あ、お姉ちゃん、おはよう」
と、考えていたら千春がこっちに気がついた。
「・・・あぁ、おはよう」
私はいつもと変わらない様に答える。
「・・・どうかしたの?」
っ!?どうやら千春をじっと見つめ過ぎていたようだ。
「いや、なんでもない。さぁ、一夏を起こすぞ。もうじき起床時刻だからな」
私はなんでもないふうに装い千春に微笑む。
・・・いつか、千春が全てを話してくれるまで私は待つ。
それでは・・・私から下手に干渉しないようにしよう。
人には・・・隠したいことも・・・あるだろうから。
千春side
あちゃー・・・千冬お姉ちゃんには聞かれてたなこりゃ・・・
「・・・とりあえず一夏を起こして外に出たはいいけど・・・これまた露骨な罠を・・・」
今僕の目の前には機会の兎耳が埋まっていた。
地面に。
「・・・一夏、ここで見る事は全て内密に、ね」
「わ、わかった」
一夏は僕の剣幕にたじろぎながら了承した。
そして僕は兎耳に手をかけ・・・
「・・・よっこい・・・せっ!」
力一杯引き抜いたッ!
「・・・何も起こんねぇぞ?」
いや・・・これで大丈夫な筈だ。
兎耳カチューシャが地面から出てきたということは・・・
ヒューーーーーーーーーーーン・・・ズドォォォォォォォン!
「のわっ!?」
空から何かが僕達めがけて落ちてきた。
「に、にんじん!?」
煙が晴れ、落下してきたものを見つけた一夏は叫ぶ。
そのにんじんの真ん中に亀裂が入り・・・
「やぁやぁハルくん、引っかかってくれたねぇ!」
束さんがでてきた。
「はぁ・・・もう少しましな登場はなかったのですか?」
「えへへぇ、この方が個性的でしょ?」
個性的以前の問題です。
「まぁいいです。で、なんのようですか?」
「ふんふー、今日は箒ちゃんにお土産を持ってきたのだー!ふふふ、さぁ、箒ちゃんはどこだぁ?」
そう言って束さんは走り去ってしまった。
「なぁ・・・今のって・・・」
「うん・・・束さんだよ」
あー、頭痛い・・・束さんの登場は好きだけど、現実でやられると結構精神的にキツイね。
・・・お姉ちゃんの気分がわかったかも。
「はぁ・・・」
そんな頭痛い朝は溜息と共にスパッと過ぎていくのだった。
はい、何だかんだでリアルがおかしなことになっている鎌寺正一です。
もう疲れました・・・やばい、この小説が終わらない・・・
日本海はいいですねぇ・・・今親不知海岸高架橋付近にいます。
富山県でしたっけ?
まぁそんな所です。
海が綺麗ですー・・・
さて、まぁ今回はこの辺で。
また次回もごゆっくり。