黒き小さな男の娘は仲間と共に空を飛ぶ 作:鎌寺正一@D-Alderz/神咲ハルカ
遅くなり申し訳ありません。
就職をし、教育を受けているので盆休みになるまで筆がとれませんでした・・・
それより前にコツコツと書いてた分がありましたのでそこから大急ぎで仕上げました。
誤字、脱字等ありましたらご報告をお願いしますm(_ _)m
お待たせしました、それでは、どうぞ!
黒と蒼が、空を凪いだ。
円の対角(ものの例え)から、一筋ずつその光が伸びる。
やがてそれはぶつかり合う前に停止した。
「・・・セシリアさん・・・」
「・・・千春さん・・・」
・・・っ!?
やっぱり、セシリアさんは・・・
【試合開始!】
刹那、蒼い閃光が空を埋めつくした。
「っ!?」
"ご主人、右3本、左4本、上から2本です!"
翡翠の提示してくれる射撃予測線を僕はひらりひらりと避けていく。
避けた先では射撃予測線の通りに蒼い閃光が通ってゆく。
・・・前の時とは大違い。
そんなこと考えながら避けていると、ニヤリとセシリアが笑った気がした。
"ご主人っ!急いで上へっ!"
「っ!?」
翡翠の焦った声と共にほぼ反射的にスラスターを吹かして急加速。
直後、僕の真下ギリギリを横向きに青い光が焦がしていく。
・・・焦った。
そのレーザーは
・・・
"ごめんなさい、読み間違えました・・・"
『仕方ないよ・・・僕も・・・フレキシブルが使えるなんて思わなかったから・・・』
翡翠のしょげた声に僕は気にしないでと返す。
フレキシブルを使うにはかなりの鍛錬が必要になる。
それも通常の鍛錬じゃほぼ身につかない、脳波でのトレーニング。
ビット操作と何ら変わりない。
粒子の操作とは、そういう事なのだ。
『どうでしたか、千春さん?』
しばしの空白。
その間にオープンチャンネルで話しかけてくるセシリアさん。
『・・・流石に、焦った・・・よ・・・?』
僕はバクバクいう心臓を押さえつけ、何とか声を絞り出す。
油断したら、あっという間に持っていかれる・・・。
"ご主人、どうしますか・・・?"
懐に潜り込もうと思っても周りにあるビットが簡単には近寄らせてくれない。
そして距離を置くと偏光射撃で翻弄。
・・・かなり、やりにくい・・・っ!
"ご主人、慌てずに!"
『大丈夫、私も力を貸すから!』
・・・2人とも・・・ありがとう!
右へ左へ避けて、ようやく攻撃の手が止んだ。
『流石ですわ、千春さん。』
セシリアさんは微笑みながらこちらを見ている。
『お褒めに与り、光栄、です?』
この頃はまだ今よりも喋りにくかったのを思い出して僕はしどろもどろになりながらも答える。
一時の静寂、僕は静かに右手に剣を、セシリアさんはスターライト・・・いや、スターダストを構え・・・
再び閃光が、ぶつかりあった。
千冬side
「織斑くんもセシリアさんもすごく強いですね!」
どうも、私だ。
千春がここまでやれるのを驚き半分、納得半分で見ていた。
【・・・1巡目の世界と、その終わり・・・そして、千春の消滅、か・・・】
思わず顰めっ面になってしまっていたのか、真耶がこちらを覗き込んでいた。
「・・・この勝負、どうなるか分からんな・・・」
真耶が訝しげに見ていたのだが、そう答えるのがやっとだった。
【・・・あまり派手な事はしてくれるなよ・・・!】
千春side
"ご主人、ビットは使わないんですか?"
『さすがに・・・こんな公の場じゃ・・・使えないっ・・・!』
数多のビットから放たれる無数の光の網。
僕はその間を縫うように、ロールを挟みながら躱していく。
一応"漆黒の騎士"にはビット・・・みたいなものが積んである。
あの時の荷物のまま移動してきたみたいで、1度も使われなかったそれらが量子格納されていた。
ーー・・・でも、もうこれ以上防ぐのは厳しいか・・・ーー
僕はそんな判断を下し、
"使うんだね?"
『うん。翡翠、アシスト、よろしく!』
"まっかせて!"
急制動、セシリアのビットの攻撃を最小限の動きで避けるように切り替える。
「・・・展開」
小さく呟いて、僕は意識を集中させた。
途端に広がる、虹色の光。
腰についてたサイドスカートから12機の小さいビットのようなものが飛び立つ。
【っ!?】
【何あれ!?】
【まさか、ビット兵器だと!?】
下がざわつく。
見た目はビットだけど・・・中身は違う。
4基の
【馬鹿なっ!?】
【紛いなりにも我が国の最新技術だぞ!?】
そのうちに僕は右手の剣をセシリアさんに向ける。
そして・・・
『・・・これを使うのは初めてだから、どーなるか分からないけど・・・』
剣先に濃縮されたエネルギーが、黒と蒼の光を伴って球体状に生成されていく。
前に精神世界で力を手にした時、使えるようになったその力の奔流は・・・
「いっ・・・けぇぇっ!!」
僕の轟く叫びと共に、其の光は解き放たれた。
「っ!?させませんわっ!」
セシリアさんも数瞬遅れて反応し、スターダストで応戦。
二筋の光が再びアリーナの空を焼く。
僕はその中に、幻想を見た、気がした。