黒き小さな男の娘は仲間と共に空を飛ぶ   作:鎌寺正一@D-Alderz/神咲ハルカ

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僕の、専用機・・・?

 

束さんの衝撃的なカミングアウトの後、千冬お姉ちゃんがキレた。

 

「お前は!なんで!私の!家族を!巻き込むん!だっ!」

 

一言一言いう度にごりっ!ごりっ!と、両手で作った拳をこめかみに当ててグリグリする。

・・・あれ相当痛いんだよね。

 

「いたいっ!?いたいっ!?束さんの頭からトマトの様な真っ赤な液体が出てきそうだよ!?」

 

涙目になりながらも文句を言う束さん。

・・・勇敢だね。でもそんな事したら・・・

 

「あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばッ!!!!!」

 

遂に束さんが壊れた(物理的意味ではない。精神的に)。

そしてそのまま沈黙した。

 

「・・・生きてる・・・よね・・・?」

 

あんまりにも静かなので千冬お姉ちゃんに聞いてみる。

なんか怖い。

 

「ふん!あんな奴なんぞしらん!」

 

あぁ、神よ・・・お姉ちゃんは殺人を犯してしまったようです(まだ束さん死んでないよ)・・・!

 

閑話休題(それはともかく)、私はもう一つ布に覆われている何かを見つけた。

 

「束さん・・・こっち・・・は?」

 

一応これについて聞かなければ。

あれ?

 

"返事が無い。只の屍のようだ。"

 

「た・・・束さんは・・・まだ・・・死んでないよ・・・ガクッ!」

 

束さんの渾身のツッコミ頂きました。

ていうか聞きたいことが違う!

 

「束さん・・・これは・・・?」

 

「あぁ・・・それ?それははるちゃん専用の機体、その名も黒星龍!」

 

いや、さっきのまさかが・・・本当だったなんて・・・。

 

「た、束!なぜ千春にこんな物を!!」

 

お姉ちゃんがキレた。

やっぱりかぁ・・・。僕にも専用機が・・・。

 

「・・・黒星・・・龍・・・。」

 

僕は一歩ずつ地面を踏みしめて黒星龍に近づく。

 

「お、おい千春!」

 

「はるちゃん?」

 

僕がそっと黒星龍に触れる。

キュィィィィン!

甲高い音と共に起動する黒星龍。

それに伴って僕の頭に直接操作方法やらなんやらのデータが入ってくる。

 

「う・・・うぅ・・・」

 

はっきり言うと痛い。

頭がかち割れそう。でも・・・。

 

「ふぅ・・・はぁ・・・はぁ・・・。」

 

なんとか情報は整理出来た。

 

「ち、千春!?大丈夫か!?」

 

千冬お姉ちゃんが駆け寄ってくる。

凄く心配そうな顔をしてる。よく見ると顔が真っ青だ。

 

「・・・はぁ・・・はぁ・・・だ・・・だいじょぉぶ・・・。」

 

僕はグッと親指を立てて応答する。

 

「大丈夫って・・・顔が青いぞ!無理するな!」

 

どうやら僕は相当無理をしたようだった。

周りから見ても僕の顔は明らかに青かったらしい。

 

「束・・・さん・・・起動・・・できました・・・。」

 

僕は立ち上がろうとした。

だが・・・

 

「あ・・・あれ・・・?」

 

目の前が歪む。体の平衡感覚が消えて、バランスが取れなくなる。

そのまま僕は倒れていく。受身を取ろうとしても体が動かない。

ドサッと言う音と共に僕は倒れた。

 

「千春!ちはる!ちは・・・!・・・る!」

 

歪む視界にお姉ちゃんの顔が映る。

その顔も段々と見えなくなっていく。

音も段々と遠ざかっていく。

 

「お姉・・・ちゃん・・・」

 

僕はそのまま意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

千冬視点

 

「お姉・・・ちゃん・・・」

 

千春がまた倒れた。昨日も倒れたのだ。少し心配になってくる。

 

「お、おい!千春!しっかりしろ!」

 

私は千春を起こすために揺するが、反応が無い。

 

「あ・・・あ・・・情報量がはるちゃんには多過ぎたんだ・・・知恵熱と同じ症状がでてる。まってて!濡れタオル持ってくるから!」

 

束が慌てて外へ出ていく。

どうやら私がした事、ISを起動させた時に流れる情報量が、千春の脳の整理機能の処理速度を上回ってしまったようだ。サーバーで言えば処理落ち状態と言うところだよ!と後で束に聞いた。

 

千春の頭は物凄く熱くなっている。

知恵熱の様で、心配はないようだが・・・。

すると、

 

「う・・・来ないで・・・来ないでよ・・・」

 

「ち、千春!?」

 

千春が苦しみ出した。寝言が聞こえる。

 

「赦さない・・・お前みたいなやつに・・・容赦なんて・・・ッ!」

 

何やら戦闘をしている様だ。恐らく昔の・・・あれ?

 

「千春・・・お前は一夏と共に生まれたよな・・・?」

 

辻褄が合わない。

まるで昔に戦闘したかのような寝言。

だが、一夏と一緒に生まれてから1度も戦闘なんて無かった。

なら夢か?

だけど夢なら千春は寝言を言わない。

となると・・・なんだ?

 

「千春・・・お前は・・・一体・・・?」

 

私の疑問は誰にも聞かれずに消えていった。

その後束が帰ってきて千春の頭に濡れタオルを乗せる。

 

・・・一応聞いておくか。

 

「なぁ束。」

 

「なぁに?ちーちゃん」

 

振り向いて首を傾げる束。

 

「・・・転生って・・・有り得るのか・・・?」

 

そう、さっきのでなければ・・・恐らくこれしか有り得ない。

小説を前束に読まされた。その時に読んだのが転生物と呼ばれるジャンルのものだった。

 

「うーん・・・有り得ないとは・・・言いきれないかな・・・。」

 

束が言い淀む。

確かに、俄には信じられる話じゃない。

 

「千春・・・お前は・・・本当に・・・何者なんだ・・・?」

 

「ちーちゃん・・・」

 

私たちの疑問に答えてくれる人など当然居ない。

結局・・・私は・・・弟を疑うのか・・・

 

「千春・・・」

 

私の目の前には安らかな顔をした、女の子の様な弟の千春が、私達の疑問にもお構い無しに寝ていた。

きっといつかわかるだろう。

だけどその時が・・・怖い。

ちゃんと事実に向き合えるだろうか・・・。

 

こうして私達の放課後は過ぎていった。

一抹の不安を残して。




はい!正一です!
最後の方雑いですかね?
むりやり漕ぎ着けた気がします。
まぁ楽しんでくれれば幸いです。
では、またじかい!
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