『幽霊が出ない』怖い短編集書いてく小説   作:フィルト

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題名どうり明晰夢についての話。

私も一時期明晰夢を見たいッ!って思ってたんですけど...。
本当は怖いんですよね。明晰夢...。




呪1 明晰夢

「明晰夢を見る方法っと」

 

パソコンの画面の光だけが室内を照らす中、田辺 誠(たなべ まこと)は明晰夢を見る方法を調べている。

一人暮らしの散らかった部屋にマウスのクリック音のみが響く。

 

「明晰夢が見れたら夢の中だが好きな娘とエッチな事も出来るし、生み出せば二次元の娘とも...」

 

半笑いしながらマウスのホイールを回す。20歳という若さで就職、そして現在30歳になろうとしている。学生時代から彼女なんて居なかった誠は現実社会にうんざりしていた。

 

「全くよ〜。彼女いない歴=年齢っつー悲しい人生送ってきて、10年間社畜を続けてきた俺に怖いもんなんてねーけどよ〜。少しは現実逃避したいだろ〜。明晰夢なんて見た事無いからな〜。楽しみだ」

 

独り言を言い終えると、マウスのホイールを止める。

 

「お、これは信ぴょう性が高いな」

 

誠は画面の右下にある時計を確認する。

 

「っかー。もう2時か。オールしないと寝坊するぞこりゃ。でも寝ないと夢見られないからな」

 

誠はパソコンから離れると、ネットに書かれた通りの寝方をして夜を過ごす。

 

「これで見られたら、派手にぶちまかすか!」

 

誠の意識は疲労からすぐに闇へ落ちていった。

 

ーーーーーーーーーー

 

ピピッ ピピッ ピピッ ...

 

目覚まし時計の耳障りな音が部屋を駆け巡る。

 

「るっせーな!」

 

強めに目覚まし時計を叩くと、音は鳴り止んだ。

誠は目を開くと朝の眩し光が部屋を刺しているいつもの風景が見える。

 

「はい、おつ。明晰夢なんて簡単に見られるもんじゃ無いのか!?」

 

毎日の様に家と会社を往復する日々を思い、イラつきとストレスが朝から襲う。会社へ行く支度をし終えると、玄関へと向かう。

 

「あ?朝から工事でもやってんのか?耳障りだ」

 

壁を壊す音が聞こえる中、玄関を開けると。

 

「あ...」

 

誠は絶句した。工事なんかじゃない。強盗だ。強盗団が家の壁を壊している。

ハンマーを持った強盗団の1人が誠に近寄る。

 

「テメーか?この家の主人は」

 

「は...はい...」

 

誠は近寄る強盗に恐怖を抱きながらも足がすくんで動けない。

「死にたくない!」という文字が頭の中を埋め尽くす。

声帯を失ったような悲鳴をあげながら、ただただ震える。

 

「お?テメービビってんのか?あ!?」

 

強盗は威勢を増し、誠に近づいてくる。

誠は何もできない。カバンを落とし、尻餅をつきながら、後ずさりするだけで精一杯だ。

しかし、そんな誠をよそに、強盗は歩いて距離を完全に詰めた。

 

「警察に言われたらめんどいからな。ここで死んどけ」

 

振り上げたハンマーは太陽に反射しながら、誠めがけて振り下ろされた。

体が二つに割れるような痛みを受けた時、誠の意識は遠退いた。

 

ーーーーーーーーーー

 

ピピッ ピピッ ピピッ ...

 

耳障りなアラームが部屋を駆け巡る。

 

誠は勢いよく飛び起きた。

 

「はぁ、はぁ、なんなんだよまじで...こんな明晰夢望んでないぞ...」

 

冷や汗を拭い、アラームを止めると会社へ行く支度を済ませ、家を後にした。

 

ーーーーーーーーーー

 

「次は〜茅場町〜茅場町です...」

 

満員電車の中、周りにつられ、体を揺らしながら目的の駅まで待っている。

 

(暇だ。あんな夢、思い出したくもない。なんかニュースでも見るか...)

 

誠は周りに迷惑をかけないよう、ポケットから携帯を取り出すと最新のニュースを確認する。

 

(ん?最近ウイルスでも流行ってんのか?)

 

『キカミウイルスが猛威を振るう南米。死者60人以上』

 

『首筋に青あざのような色をした斑点が見つかった場合、すぐさま病院へ』

 

『首筋、青あざ斑点がキカミの印。既に日本上陸の可能性高し』

 

『感染率100% 致死率97% 最狂ウイルス。死亡まで10秒足らず』

 

(南米は大変だな。日本に産まれてよかったぜ)

 

誠は携帯を胸ポケットにしまうと、次の駅を確認する。

まだ時間があった為、再び携帯を取ろうとした時、前の人の頭に手があたる。

 

「あ、すいませ...」

 

首筋、青あざ斑点。全てが一致する男が自分の前にいる。

 

「ちょっ!感染者が...!」

 

思わず声を出してしまった。その途端、車内は騒然とする。

 

その男は首筋を手で覆うと、口、鼻、目から血を流し、首筋からも大量出血を起こしている。その付近にいた人も満員電車という逃れられない環境の下、男の血を浴び、顔から血を流して倒れこむ。

 

(おいおいおい。まじかよ!?なんでこんな電車の中にいるんだよ!?って...)

 

誠の顔に生暖かい液体が垂れ落ちる。咄嗟に手で確認すると、血が。

 

(感染した!?)

 

急激に呼吸困難が襲う。血が出る喉は燃えるように痛い。目玉は飛び出そうだ。鼻は息が出来ないほど痛い。

 

誠は朦朧としながらその場に倒れこみ、意識が遠退いた。

 

ーーーーーーーーーー

 

ピピッ ピピッ ピピッ ...

 

耳障りなアラームが部屋を駆け巡る。

 

勢いよく飛び起きると洗面所へ向かう。

 

「血は!?...出てない...」

 

為にし、頬を強めにつねる。痛い。

大きなため息をつくと、その場に座り込む。

 

「一体なんなんだ。二重夢か?もう限界だ...」

 

誠は、会社へ行く支度を済ませ、家を後にした。

 

ーーーーーーーーーー

 

「今日は...車で行こう...」

 

車を走らせ、会社へ向かう途中。事故が発生した為、渋滞していると書かれた看板を見つける。

 

「間に合わないな...」

 

渋滞につかまり、ため息とともにハンドルから手を離し、背もたれにもたれかかると、窓から空を眺める。

 

今日は最高に晴れている。昨日もそうだ。

前に止まっているトラックの荷台に積んである鉄棒が太陽の光を反射している。

 

「会社に連絡しとくか...」

 

助手席に置いておいた携帯を取り、会社へ電話をかける。

 

「あ、どうもすいません、田辺ですが。今ちょっと渋滞につかまってしまいまして、はい、はい、そうです。はい、あ、今少し進めるようになりました...」

 

前方との車の距離があったのか、勢いよく発進するトラック。それに続いて車を発進させようとした時。

金属がこすれる音とともに、勢いに逆らえなかった鉄棒が縛られていた紐をすり抜け、一斉に落ちてくる。

 

誠は急ブレーキをかけるも間に合わず、降ってきた鉄棒が左目を潰す。

 

誠は絶叫する。次々と降ってくる鉄棒は誠の体と、背もたれを貫通して行く。

 

大量の鉄棒が体を貫通した時、落とした携帯から社長の心配する声を聞きながら、意識が遠退いた。

 

ーーーーーーーーーー

 

ピピッ ピピッ ピピッ ...

 

耳障りなアラームが部屋を駆け巡る。

 

誠は叫びながら飛び起きると、冷蔵庫に入っていたの2L入りの水をそのまま飲む。

 

「もう...!なんなんだよ!?こんな夢望んでない!!もう止めてくれ!!」

 

誠は会社に休むことを伝えると、布団に潜る。

 

「なんなんだ!なんなんだよ!?もう勘弁してくれ!」

 

震える手でおもむろにテレビをつけると、ニュースが始まった。

 

『近頃、連続放火事件が相次いで発生しています。不審な人を見つけた場合は...』

 

誠はテレビを凝視する。

 

「次は...次は火事で死ぬのか!?もうやだ!もう死にたくない!!」

 

ーーーーーーーーーー

 

デジタル時計にはPM11:00と写っている。

 

「...もう11時か。結局何も無かったな...。もう寝よう」

 

誠は寝返りを打ったとき、左胸に激しい痛みが襲う。

 

「がはッ!?」

 

口からは絶えることのないほど血が溢れ出し、全身をムカデが這っているような感覚が襲い、身体中の毛穴などを含めた穴という穴から血が滲み出てくる。

 

朦朧とした意識の中、溢れる血は途絶えることは無く、仰向けの状態でその場から動けなくなった。

 

ーーーーーーーーーー

 

ピピッ ピピッ ピピッ ...

 

布団の中で目を開ける。耳障りなアラームを消すと、ゆっくりと起き上がり

、その状態で静止する。

 

「いつまで続くんだ...」

 

誠は完全に精神が崩壊していた。繰り返し死ぬ事による恐怖とストレス。それは予想以上に大きかった。

 

誠は一瞬、頭の中にある考えが浮かんだ。殺され死んでいくのなら誰かを殺してみよう。殺してみよう。殺してみよう。殺してみよう。

 

真っ先に台所へ向かうと、手当たり次第に刃物を持ち、家から飛び出た。

 

人通りが多い交差点へ向かうと、服に忍ばせておいた包丁を取り出し、向かってくる女性の腹を切り裂く。

周りの者は皆悲鳴を上げ、警察へ電話している者もいれば、止めにくる者もいた。邪魔する者は皆裂いて裂いて裂きまくった。

 

遠くから聞き覚えのある音が聞こえる。誠は顔を上げ、その方向を見るとパトカーが数台駆けつけてきている。

そんな事は御構い無しにもう死んでいる女性を切り裂いていると、五人の警官が誠を取り押さえる。

 

「ああー!離せー!」

 

気力の無い声を上げ、拘束を振りほどく様に暴れる。警察は「落ち着け!」「いい加減にしろ!」と言っているが一切耳に入ってこない。

誠は怪しげな笑みを浮かべながらも暴れながら絶叫する。

 

「おおい!!これは夢だろ!!??さっさと目ぇ冷めねーかなー! !あはは!あはははは!!」

 

 

誠はもう二度と目を覚まさなかった。今いる所が『現実』だからだ。

 




こんな事があったらもう明晰夢なんて見なくないですよね...。

自分の体が動かなく、意識は夢の中。我々人類は夢に抗う事ができません。
この前私は明晰夢っぽい二重夢ならぬ六重夢を見ました。
曲を聴きながら寝てたので、夢の中で曲が大きめな音量で流れてて止めようにも止められない。起きようにも起きれない。
大げさですが、このまま死ぬのかと思いましたよ。

あと、これってオリ主いるのかな...?
タグ欄にあと何を付け足せばいいのか分からないんで何かいいのがあったら教えてください!
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