【完結】魔法少女リリカルなのはA's~紅き英雄の軌跡~ 作:秋風
以前、にじファンに投稿したものを編集、再投稿という形で今回入稿しました。
一度終わらせた作品なので、テンポよく行くつもりですが、誤字、脱字、設定の矛盾などがある場合がございます。
その時はぜひご指摘のほどをよろしくお願いいたします。
では、どうぞ・・・
プロローグ「英雄の幕引き」
原作
――CAPCOM:ロックマンゼロ
それは遥か未来の世界。人類と人類を支えてきたロボットたちの存亡をかけた激しい死闘が、その世界の宇宙空間で繰り広げられていた。
「っ…ぁ…はあっ!」
「アガイテミセロォォォ!!!!」
――都築真紀/ivory:魔法少女リリカルなのはA’s
立っているのは1人のロボットと、それを見据える狂気の怪物。その世界の人類と、その世界のロボットたちの未来を肩に一身で背負っているのは、紅い輝きを放ち、長い金髪の髪をなびかせる1人のロボット。否、この世界ではそのロボットを人間は"レプリロイド"と呼ぶ。
その名を「ゼロ」。はるか昔の科学者が作り出した、その科学者が自身の最高傑作と評したレプリロイド。誰かが彼を戦士と呼んだ。破壊神と呼んだ。そして、英雄と呼んだ……だが、それらの肩書は今は関係ない。今彼は友の頼みを胸に秘め、1つの巨悪へと立ち向かっていた。
「デアアッ!」
破壊神は英雄と呼ばれ、人々とレプリロイドを守る存在として、今剣を握っている。だが、ゼロは自身を英雄と名乗るつもりも、英雄になったつもりもない。ましてや、破壊神であるつもりも彼にはないだろう。
彼の戦いの中にあるのはたった1つ、シンプルな答え。
――目の前に“敵”が現れたなら、叩き斬るまで
全ては人と同胞の願いのために
全ては友との約束のために
自身が信じる道を進むのならば、前に進むだけ。立ち止まることなど不要。障害があるのなら排除するだけ。だからこそ、ゼロはただ1人で立ち向かう。友との約束と、自分を目覚めさせた少女の願いを胸に秘めて
「これで、終わりだ……!」
ゼロが目の前の怪物に剣を振りかざして一撃を加えた。怪物は苦しそうに呻き声をあげる。だが、ゼロの攻撃はそこで終わらず、ゼロは自らが握る刃、Zセイバーを乱舞した。ただひたすら、その怪物から放たれる反撃に耐え、友より託されたZセイバーを振るって乱舞を続ける。
「うおおおおおおおおっ!」
ゼロが剣を使った乱舞。集中的に狙っていた怪物のとある部分が割れた。そこに現れるのは人間の顔。その人間の名はDr.バイル。人であることから逸脱した元人間。すべてはこの人間から始まったゼロの戦い。そのDr.バイルが今、血反吐を吐き、眼をひん剥いてゼロを睨みつける。
「このワシが……人形ごときに……! 滅び……滅んでしまえぇぇぇっ!」
Dr.バイルが叫び、爆発が起きる。Dr.バイルが敗れ、ゼロが勝利したという事実をそれは告げていた。だが、それと同時に怪物となったDr.バイルと、それを支えていた衛星砲台ラグナロクが崩壊を起こしていく。それは同時にゼロの足場も崩れることと同義であった。
「っ……!」
ゼロはその広大な宇宙空間へと放り出される。その背には自分の生まれた星。自分が住んでいた星があった。そして、崩壊を起こしたラグナロクがゆっくりとその星へ向けて落ちて行く。星の重力へと吸い込まれているのだ。それはゼロも例外ではなく、同じように星の重力へと引き込まれていた。大気圏の摩擦によって燃え始めるラグナロクのパーツ。それは、経った今宇宙空間へ放り出されたゼロにも同じ結末が待っている。
「……うご、かない」
Dr.バイルとの戦いで負った傷は決して浅い物ではない。レプリロイドである彼の体は所々でスパークを起こし、満足に動かすことが出来ない。もし、体が万全であったのなら…もし、まだ動く部分があったのなら。そうゼロの頭の中に考えがよぎる。だが、全ては遅い。ゼロは諦めて静かに目を瞑る。自分がいなくても、世界は回る。自分がいなくても、未来は来る。
……ならばせめて、最後に一言だけ言おうではないか
「…………さよならだ、シエル」
自分を目覚めさせ、人間とレプリロイドの平和な未来を願った少女に別れを告げて、ゼロは静かに目を閉じ流れに身を任せた。
全ては自分の運命を受け入れての行為
――だが、英雄の物語はそう簡単には終わらない
意識を失ったゼロは光へと包まれる。物語を終わらせまいとする一筋の光
この日、英雄は世界から姿を消した
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