赤ずきんと狼は恋をする。   作:◇ 愛月 ◇

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出会い。
美しい少女。


その少女は、寒い道を歩いていた。

木々が生い茂っているが葉ははえていない。

こんなに寒いのに裸でいるみたいだ。

だからといって雪が降っている訳では無い。

11月はそんな時期である。

 

そんな時期に森に続く道を歩いている15の少女がいた。

名前はアカツキ。

美しい顔立ちで、クリーム色の髪を三つ編みでまとめている。

その少女は手に網カゴを持っていて、忙しそうに歩いていた。

これから彼女は寝たきりになってしまった祖母のお見舞いに行く途中なのだ。

両親は仕事でなかなか手があかない。

だから私がこうやっていつも祖母のお見舞いに行くのだ。

 

しかし少女の足取りは重い。

まるで家に行くのをからだが拒んでいるかのようだった。

でもそれは本当のことだった。

私は祖母の家に行きたくない。

行くのが怖かった。

その理由は簡単だ。

“祖母が怖い”

 

私の祖母は寝たきりの状態だが、私を見るなりいろいろ罵ってきて、しまいには叩かれたこともある。

祖母に何をしたわけでもない。

“あなたが美しく生まれたのが悪い”

そんな台詞は何度も聞いた。

“顔が美しい分、汚れた仕事をしなさい”

そう言って、わざと私が頑張って作った料理を床にぶちまけて私に掃除させたこともある。

そんな祖母が怖くて、祖母の顔を見たくなかった。

けれどこのことを両親に言うわけにもいかなかった。

両親は祖母のことを本気で心配している。

そんなときに祖母のことを話したらきっと両親は悲しむだろう。

そんな両親の顔を私は見たくなかった。

だから我慢していた。

私が我慢すれば両親は悲しむことがない。

私が我慢すればすべておさまることだった。

だから私は我慢をする。

 

寒い道を歩きながら、そんなことを考えていたから余計に足取りが重くなってしまった。

これから会って何をされるのだろうか。

罵られるだけならまだいいけど、暴力をふるわれたりまた料理を捨てられたらさすがにかなしい。

 

そんなことがないように、と願いながら私は恐る恐る道を歩いていった。

 

 

祖母の家は孤立状態だ。

森の中に佇む小さな家、という感じで夜は恐い。

私が祖母の家にいるのは大体昼前から三時くらい。

だからその暗い時はもう家にいるけれど、祖母の家で過ごす3時間はながくて辛いものだった。

 

冷たい風が頬を痛めて、身震いする。

手に息を吹きかけてヒッシニ温めている。

祖母の家は暖房設備がいいからそこだけはまだ良いところだった。

あともう少しで祖母の家に着く。

そうすれば祖母に何をされるかわからないが暖かい場所に入ることが出来る。

そのことだけに期待しながら、私は早歩きで道を歩いていた。

 

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