虚空爆破事件が解決し、ひと段落した俺は、今日も朝から支部へと向かっていた。
思えば不思議なものだ。最初は嫌々入隊させられたジャッジメントだが、今は完全に遅刻もせずにしっかりと出勤している。いやはや、慣れとは恐ろしいものだ。
なにか忘れている気がする……そうだ、俺はジャッジメントの補充要員だったんだ。
そう思い携帯から黄泉川先生に電話をする初春
なぜ、俺が黄泉川先生の電話番号を知っているのかと言うと昔俺が中学の頃にお世話になった時に黄泉川先生と連絡先を交換したのだ。
運良く先生は電話に出てくれた。
「おう、玲かなんか用じゃん」
「何か用じゃんじゃないっすよ。虚空爆破事件は解決したんだから。俺は、ジャッジメントを辞めていいですよね?」
と思った事を口にした。
「んー確かに辞めてもいいけど、あと少しだけやっといてくれ」
「何でなんすか?」
「まだ、正式な要員の治療が終わってないじゃん」
「だから、あと少しの間やってくれと」
「そういうことじゃん」
「分かりましたよやります」
「聞き覚えのいい生徒を持って良かったじゃん、じゃ頑張ってくれじゃーん」
電話は切られた、あの独身女めあとで覚えてろよいつか仕返しを……駄目だやり返される未来しか見えてこないからやめておこう。
と支部へと足を進めようとした瞬間、電話が鳴った。
電話してきた相手は白井だった。
「はい、こちら坂城玲現在ジャッジメント支部へと向かっていますが。どうしましたか?」
一応怒られないようにジャッジメント支部へと向かっているという事を言っておこう。
白井は怒らすと結構怖いから。
「玲さん、実は虚空爆破事件の犯人が倒れましたの!」
「なっ何だってー」
「そのわざとらしい驚きはいいですの」
「で、そいつは今どうなっているんだ?」
「近くの病院に搬送されましたの。おそらく倒れた原因は…」
「幻想御手《レベルアッパー》か?」
「なぜ分かったんですの?」
「一応有名な都市伝説だしな」
だが、あんなに能力が向上するとなると凄まじいものだろう、大方レベルアッパーの使い過ぎで倒れたのだろう。
「そうでしたのね。私は、レベルアッパーを調べに脳を研究している学者に話を聞いてみる予定ですの」
「そうか、で俺はどうすんだよ?」
「支部には、誰もいませんし、パトロールでもしていてください」
俺の扱いすげー雑だなおい!何か涙出てきたぞだが、これは、チャンスだな。
「分かったぞ、パトロール(自宅を)だなしっかりとやっておく」
「言っておきますが、自宅をパトロールなんて思わないでくださいな」
うっバレている流石は、ジャッジメントで、数日間だが仕事してきた仲だ俺という人間を知っていやがる。
「じゃあ真面目に!パトロールしてくださいな」
電話を切られた、みんなどんだけ一方的に電話を切るんだよ。
俺、かなり傷ついたぞ。
真面目にパトロールしますか。立ち上がりジャッジメントの腕章をつけパトロールをする。
「あー玲さん」
「ん?あれは、佐天さん、初春も一緒なんだなどうしたんだこんな所で?」
「いえ、今日は非番なので佐天さんと遊ぼうと思って」
「そうなんです!この前は虚空爆破事件で潰れたんで。で、玲さんもどうですか?」
「えっ俺、俺は……」
さぁどうする女子中学生からの誘いだぞ、この際すげー行きたい。
でも、白井からのパトロールの命令だってあるし、ここは断るとするか。
「玲さんも、来てくれると嬉しいかなぁって」
前言撤回行こうぜひ行こう。
「じゃあ行くか!パトロールも終わってほぼ暇だったし」
「そうですか、じゃあ行きましょうか」
初春が誘導をしてくれた。
「私、昨日すごいもの見つけちゃって」
「どんな、物なんだ?」
「聞きたいですか?」
ふっふっふっと言った感じで、俺のことを見ている。
「それがこのレベ…」
「あれーあそこにいる人って御坂さん達じゃないんですか?」
「あっ本当だ御坂さん達だ。私ちょっと見てきます。」
「佐天さんダメですよー」
「あれ、佐天さんすごいものって何か教えてくれんじゃなかったけ」
「あとで教えまーす」
と言って御坂がいる場所まで、走って行った。
「私達も、行きましょう玲さん」
「ああ、じゃあ行こうか」
そして、俺たちも後を追うように御坂のところまで行った。
「………」
「………」
うかつだった。御坂がいるなら白井もいると考えていなかった。
「何であなたがここにいますの?」
にっこりとしたままの笑顔で言ってきた。これは、一番怒っている時の白井だ。
この表情をした時は、始末書を10枚も書かされた。あれは、とてもしんどかった。
「いや、ほら女子中学生を守るのもジャッジメントの仕事ーみたいなものだろ」
「言い訳は、後で支部についてから聞きますの」
多分俺の人生は、今日で終わっただろう。バイバイ小萌先生お世話になりました。今まで、そこそこの人生でしたけど、まぁ楽しかったです。
「話を戻していいかな?」
「あっすいません。えーとあなたは?」
「脳の研究をしている木山春生だ。よろしく」
「よろしくお願いします」
佐天・初春・俺同時に挨拶をしたまま話を聞く。
「えーと何の件で脳科学者さんといるんですか?」
佐天が疑問に思ったのか白井に言っていた」
「幻想御手の件ですの」
「幻想御手の件なんだが一度私も見てみたいないち科学者として」
「あっそれなら私持って」
「幻想御手の件について何ですが、使用した人が意識を失っていてどこで拾ったか分かりませんの、だから、幻想御手を使用した人または持っている人保護しなければなりませんの」
「っ!!」
「どうしたんだ佐天?」
佐天の奴どうしたんだ?急にビクついて。
「いや、大丈夫ですよ。あはは」
「で、佐天さんさっきすごい物見つけたって何ですか?」
「いや、何でもないよ」
と手を引いたそれがコップに当たって木山先生にジュースが溢れてしまった。
「あっすいません」
「いや問題ないよ」
といきなり服を脱ぎだした。……脱ぎだしただと!
「ちょ玲さんいい加減目を閉じてくださいまし」
「すいません!!」
慌ててメニュー表をとって目を遮る。
俺だって思春期男子なんだから見ちゃうよ仕方がないんだよ。……男子なら絶対誰でも見るよ
木山先生の話が終わり。
白井が支部に戻ると言う前に帰ろうと準備をしていると。
「どこへ、行きますの?」
「いや、ちょっと買い物へ」
「木山先生の為にデータを集めるので支部に行きますわよ」
「いや、俺にも用事が」
「行きますわよ!!」
「はい」
俺は、白井達について行く事になった。