マギの世界に転生?したようです。 作:フお
「ーーーか、ーーーーーですか、」
声が……声がするような……、
お母さん?
珍しいな……どういう風の吹き回し…………、
「ーーー大丈夫ですか?!」
…………え??
何何何、誰かにかかえられてえうおうあい?
「くそっ、何故私が一人の時に限って見つけてしまうんだっ……」
「…………」
……、意識覚醒。でもなんか雰囲気的に目を開けられない。
ふわふわ、揺れていい感じに風を感じる。
…………、あれっ。
僕は、ぼく、ボク?僕…、あれっ、なんで、こんなことになって、
まて、
きおく……?
思い、出せない…………?
すっと目を開けて、抱えてくれている人物を視認する。
「あの、」
「えっうわっ!大丈夫ですか?!あなた浜辺で倒れてたんですよ!!」
「あ、大丈夫、です、」
「ああなら良かった、」
ふぅと一息ついて走るのをストップしてくれる。
安心したと、心から思ってくれた表情だった。
優しい笑顔が覗く。
「痛いとことかありませんか?」
「あの……、ここは」
「えっ?」
謎な沈黙。
地面に足をつけると熱が刺すように足の裏を刺激してくる。
これは、夢じゃないのか。
「……あの、自分の名前はわかりますか」
「えっ、名前?」
目の前の、緑の…帽子じゃないけどなんかそんなのを頭に乗せた……、イケメン、の部類にはいるだろう人が。
……、なんか見たことがある?
「あ、名前……、ぼ、くは…、ア、…、マカ……。そうだ、アマカ、です」
頭に引っかかった言葉が出て少しスッキリするが、これが僕の名前なんだろうか。
まったく何も思い出せない。
「……、年齢やどこの国からきたかなど覚えていますか?」
「……あの、ごめんなさい、」
「覚えてませんか。…………、あ、謝らなくてもいいんですよ。そうですね…、私も仕事中で…、少し私についてきてください」
と、目の前の男性に言われる。というか、この人は誰だろう。信用できる人なのか。
「あ、私はジャーファル。この国の王に仕える者です」
「へ、王、ですか」
「ここはシンドリア。シンドバット王が統べる国ですよ」
なんとも、よくわからない話だった。
ーーーー
「あ、シン、話し中すいません、倒れている者を見つけてしまって、他の者は居ませんか?」
「おー、なんだなんだオレンジの髪色とは珍しいな、というか女の子かその子、男の子、どっちだ?」
「おいこら話聞けや」
「あ……いや……すまん……、あーっと他の、他の奴だっけ?他の奴なら昼時で、わーっと…、」
「わーっと去ったんですね?!遊びに行ったということですかまったく!」
…、えっ、なに仕事なのにわーっと遊びににいくってどんな感じなんだろうか。
「っ、医療関係者はここには……、」
「……いないようだ、近くで軽い事故があったといってたから、そっちに出払ってるんじゃないか……」
「く、タイミングのなんて悪さですか」
ジャーファル、…さん。
ジャーファルさんが頭を悩ませる。険しかった顔がより一層険しい。
その隣のシンドバットという…王さまかぁ〜なんか、なんかちゃっらいな〜〜。手を振られたので軽い会釈。
「君、名前はなんだ?」
「えっあ、僕ですか、アマカ、みたいです」
「みたい?」
王さまが小首を傾げる。隣のジャーファルさんがこちらを見て、王さまに状況説明。
「……、記憶ない、のか。全然何も覚えてない?」
「あ、そうですね…」
「そうか……、浜に倒れていたということは漂流でもしたかな…、可能性としては低すぎるが。ジャーファル連れてってやれ」
王さまが王さまっぽくジャーファルさんにすっと指示を出す。
「悪い奴じゃないっぽいし、少し面倒見てやろう。危ないやつだったら…、まぁ、な、」
…不敵な笑み。な、なんか怖いこの人……。
「えっ…、まぁそうですね、私が一番に見つけたのだし、…」
……僕は犬か猫か??
「一度席を外しますね、しっかり話しといてください」
「あいあい、いってらっしゃい。あ、アマカも、ゆっくりしてきなよ〜」
「くれぐれも!くれぐれも遊びに行ったりするなよ……」
ジャーファルさんの黒いオーラが見えた気がしたが、僕の方へ顔を向けた時には笑顔だった。
船の船長らしき人物と話す王さまに軽い会釈をして、ジャーファルさんの後に並ぶ。
「あ、そうだった、これ貴方のです」
「えっ?」
さっきからジャーファルさんが黒い箱を持っているなと思っていたがそれが自分のものとは思ってなかった。
受け取って結構重みがあることに気がつく。重いから持っててくれたのだろう、気がきく人だ。
「……、すいません、これ本当に僕のですか」
少し心配になって尋ねる。僕にはこれの所有者だという記憶がない。
「ええ。抱きかかえていましたから、貴方のものだと思いますよ」
「えっ、あ、抱きかかえて……」
「はい、中身、今みたらどうですか?」
「えっと、そうします」
とりあえず重いので地面に起き、箱を開けてみる。黒い色だから気づかなかったが木製の箱だ。
「…………拳銃だ」
「え?」
箱の中には二丁の拳銃が入っていた。
不思議な雰囲気に飲まれ、自然に銃を手に取る。
グリップを握った瞬間、これが僕のものだというのは一瞬でわかった。ぶわっと、拳銃からなにか暑いような冷たいような、変な感覚が伝わったあと、これを握った記憶がある、とそう思い出した。
「アマカ、しまってください」
「えっ、あ」
ジャーファルさんが被さるようにして目の前にいた。表情はあまり良くない。
「人が居ますから、しまって。その箱は私に」
「あ、は、はい!」
慌てて箱に拳銃をしまいジャーファルさんに渡す。
「…あの、それ、僕のみたいなんですが」
「……何か思い出しました?」
「いえ、その銃が僕のだっていうのが、なんか、握ったらわかったといいますか……」
「……そうですか。ですが危ないものですね、似たようなものを見たことがあります、ひとまず行きましょう。話は後に」
「わかりました……、」
僕は本当に、何者なんだろうか。
顔を上げ、ジャーファルさんの後に続く。
見渡す限り青、眩しい空が広がり、その下には見たことのないお城があった。