マギの世界に転生?したようです。   作:フお

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第5話

 

本当に慌ただしい毎日が過ぎた。

 

ざっと一年とちょっとだろうか。

僕は覚えも飲み込み早い為か、膨大な量の知識を、8人将や他の民族の人たちからいろんなことを教わった。

 

教わり、知識を得ると同時に、自分の事についても知ることになった。

 

一、僕は信じられない量の魔力を持っているとのことだ。ヤムライハが言うには。

 

二、あと弾きかえす魔法を覚えた。これは男たちを弾き飛ばした時のあの能力だった。これはヤムライハの協力もあってわかったんだが、僕の魔力が体の中で放出されずに溜まったものがキッカケを得て爆発したんだろうということだ。

今はちゃんと扱えるようになった。

 

三、拳銃を返せて貰えた。腰に拳銃をかけたとき、謎の安心感にやっぱりこれは僕のなのだと思った。

拳銃は弾もなく僕の魔力を注入する事によって撃ち出すことが可能になった。

 

四、この国の人たちと家族みたいな関係になれた。

 

 

…………。

なんだろう、そう。なんというか僕は喋れる走れる覚えの早い、何も知らないわからない、赤ちゃんだった。

赤ちゃんには無償の愛を。

そう言わんばかりに僕はみんなから、愛、と言うものをもらって過ごしたんだと思う。

 

幸せな毎日を僕は過ごせた。

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

「アマカっ!アマカはどこですか!!」

 

ジャーファルさんの叫ぶ声が聞こえる。

 

「いくら自分の仕事を終わらしたといっても、いくら、いくら仕事がしたいといっても、王の仕事を受けてはいけません!!」

 

まぁ、そりゃそうですな。

いやでも僕は働かせてくれといった身だ、見つけたらやってしまうのはしょうがないだろう?

いや、出来ることなら仕事は面倒だしやりたくないし、基本的にめんどくさがりなんだというのは自分でもわかってきていた。だから最近はある程度にとどめてる。

 

「アマカぁっ!くそッ、いい加減にしろよ……、王がこれ以上サボりぐせがついたらどうすんだ……」

 

く、くろっ黒いオーラ!

さっさと逃げよう。

あと二度と王さまの仕事は手伝わないでおこう。やりすぎ注意。

そそくさと建物から音もなく出る。

後ろで叫ぶ声がしていたが、逃げるが勝ちだろう。

 

 

すっかり僕はシャルルカンやその他の方に毒されこんな感じにに成長してしまった。

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

「ヤムライハぁ〜」

「あらっ、アマカどうしたの珍しい」

 

木陰でお休み中のヤムライハを発見し隣に座る。

今日もまたいい天気だ。

 

「いやー、仕事し過ぎて怒られちゃったんだよ〜」

「仕事やり過ぎって……、貴方何してるの……」

 

ヤムライハが苦笑する。

 

「王さまのはもう二度とやらないよ……。ヤムライハ何かあったら僕に言ってね、なんでもするから」

「それは助かるけど、無理はダメよアマカ」

「無理はしてないよ、自分の限界をわかった上でやってるんだ」

「ん、ん〜、まぁ、ならいい、のかしら?」

「いいのいいのー」

 

さわさわと気持ちのいい風が流れる。

恩は仕事で返さないとと思っている。僕は世界一の雑用係でも目指すか……?そう遠くないうちに達成できそうだ。

 

「ヤームライハー!」

「ピスティ!どうしたの」

「なんか向こうでシャルルカンとマスルールが闘ってるよ〜、あっ!アマカも観に行く?」

 

ピスティがたたたっと走ってきて僕たちにそういった。

すごく、面白そう。

 

「行くっ!」

「よっしいこいこ!」

 

わーっとヤムライハはぴゅーっと飛んで、ピスティもぴゅーっと飛んで、僕は跳躍した。

 

「いやぁ、何度見ても凄いね」

「え?僕?」

「そうだよそんな女の子みたいな体のどこにそんな力があるの??」

「え?さぁ……なんかシャルルカンとマスルールと訓練するうちに出来ちゃったからなぁ……」

「へぇ、やっぱ男の子なんだねぇ、野生的?なのかな」

 

ぽわーっと思い出す。

最初は固かった僕も二人とやるうちとんでもない反射神経とかいろいろ発見しちゃったのだ。

今も屋根の上をぴょんぴょんと飛日越えて二人を追いかける。

 

「ねぇヤムライハ、アマカ魔法も得意ならヤムライハみたいに飛べるんじゃ?」

「飛べるけど……、何かあった時の為に魔力は使わない方針らしいわね。訓練の時は惜しみなく使ってもらってるけど……」

「お、おー、ヤム先生厳しそ……」

 

二人の声が丸聞こえだ。

 

「厳しいよ……ヤム先生厳しいよ〜ピスティ助けてぇ〜」

「アッハッハ、まだまだ余裕ありそう。お猿アマカ〜」

 

ピスティが僕をみてそんなことを言った。

猿とは……。

 

で。

 

この時僕は余裕をかましていた。

 

もう一個建物を飛び越えた時だ。

着地する筈の場所に、

 

「ッジャ、ジャーファルさんんんn!!」

 

ジャーファルさんがいた。てか出てきた。息を切らした汗も滴るジャーファルさんが。

 

「あ!!アマカ見つけ、」

「ぶわーーーー!!」

 

いつもなら避けて飛べた。

ジャーファルさんもきっと僕が避けると思ってた、そのまさか僕が、そのまま落ちてくるとは思わなかったんだろう。

 

「〜〜っ、アマカ、何をしてるんですか……」

「ぐふぅっ、お腹、お腹が……、あとどっかの誰かの石頭におでこをやられた…割れてるかもしれない……」

「おいこら、こっちも痛いんですがね〜?この、アホっ!」

 

ぽかっと頭を叩かれる。

 

「あージャーファルさんがぶった〜」

 

というかおでこ本当に痛い。割れてるかもしれない。

ジャーファルさんの方もおでこが赤くなっている。

 

「まったく、もう少し周りを見てください……」

「見てたよ……ジャーファルさんが急に現れるからいけないんだよ……」

「勝手に逃げたのは誰ですかこら!」

 

もう一度叩かれる。

と、上で笑ってる人たちがいる。見上げたら苦笑した。

 

「……アマカ〜、私達行くわよ〜」

「えぇっ!待って僕も、」

 

と素早く立ち上がるが背中を引っ張られる。

まだ座ったままのジャーファルさんに服を掴まれてた。

 

「……えっと、離して?」

「離すとでも?」

 

お怒り度マックスだった。

 

ジャーファルさんは立ち上がると僕にわーわーとやってはいけないこと、やっていいことを言った。

でもあれは王さまにやってくれないかって言われて……、とちょっと王さまのせいにもしようとしたが、「貴方喜んで引き受けたでしょう?!」と言われた。

 

お見通しだった。

 

「はぁ、アマカ、君は思ってる以上にやってくれてるんですから……」

「……、わかってはいるんだよ……?でもでもでもさ、僕ができることならやっていいかなって!」

「そんなに頑張らなくていいんですよ」

 

ジャーファルさんが困ったように笑う。

 

「まさかこんな風になると思っていませんでしたよ……、はぁ。最初の頃はジャーファルさんジャーファルさんって大きな赤ちゃんがいるようでしたが……」

「ちょ、ちょっと……、」

「いや、本当、最初の頃は可愛かったのに……シャルルカンだったりに連れ回されこんな成長を遂げて……ああ、私達の後ろを付いて回って真似をしてた頃はほんとに、」

「や、あの!ちょっと!!やめてってばジャーファルさん!それはあの、それなんですよ今関係ないでしょ!!それにそんな言い方だとほんと子供みたいな…」

「子供でしょう。赤ちゃんみたいなものだったじゃないですか……」

「あ、あうー」

 

ジトーっと、ジャーファルさんの目線が僕に向く。

 

「貴方は休みが必要です」

「えっ?!いらないです!生ゴミ以下ですよ!僕には要らない!」

「明日から3日くらい休んでください。働きすぎです。それも言いたいのに貴方って人は仕事を次々終わらせて消えるんですから全く……」

 

ジャーファルさんがこれで終わったと言わんばかりに戻ろうとする。

 

「え、本当に本当に休み?!僕が味をしめて働くなったらどうするのジャーファルさん!」

「え?良いじゃないですか。その時は私が注意をするまで……、とういうかそんな事になるわけないでしょう?」

「えっ、ええ〜?!」

「とりあえず事務仕事は3日なし。休みなさい」

 

 

「……え〜」

「あと隈、隠せてませんよ」

 

ジャーファルさんがちょんちょんと目を指してからそのまま建物の中へ戻ってしまった。

 

「……、ばれていたか」

 

 

まぁ、僕は、こんな感じに成長した。

 

 

 

ーーーーーー

 

 

 

「あ、あー終わってるよ〜」

 

城の高い場所からヤムライハやシャルルカンたちを発見して急いで行ったがもう終わった後だった。

 

「いやーすごかったねー、疲れない?」

 

とピスティが感想。どんなだったんだろう……。

 

「シャルルカンもう一回やってよ〜」

「はぁっ?!やっていいけど、ほんとちょっと疲れたから休憩」

「えっいいの!」

 

言ってみるもんだ、と思ったらマスルールの方が首を振る。

 

「だめだ。俺は少し用事がある」

「用事?」

 

呟くと隣にいたヤムライハが知らないの、と言う。

 

「え?何?」

「もう少ししたらって…4日後くらいだったかしら、それくらに王とマスルールとジャーファルさんがバルバットにいくの」

「えっ知らない!」

「ん?あー、そっか集会にアマカ出てなかったから、」

 

集会?と思うが、そうだ、確かに前、何か会があった。けど僕はまぁどう言ったって八人将というわけでもなんでもないような、そんな職柄のやつであって、その会には出ても出なくてもいいっていうようなやつだった筈だ。まさかそんな話をしてたとは知らなかった。

 

「……そっかぁ、あれっじゃあその間、」

 

ふと、考えが至る。

 

「あはは、アマカよかったね、山のような仕事ができるんじゃない?」

 

ピスティが苦笑しながら言う。シャルルカンは呆れた目をしていた。

 

「お前、仕事好きってレベルがおかしいぞ、気づいてる?」

「僕はどっちかというと好きじゃないし面倒なのは嫌いだよ?」

「エッ?!なのにそんなにやってるって?!冗談、じゃ、ないのか」

 

あらぁ、と驚きの空気が充満する。僕は仕事好きというレッテルが貼られていたようだ。

 

「仕事は、まぁ義務だよ」

 

ここで、仕事をしなかったら僕はいらない奴になる。

必要のない人間だと思われたくなかった。

 

「あ、でジャーファルさんだいぶ怒ってたけどどうだったの?」

「ん、三日間休みくれた」

「あら、良かったじゃない、働きすぎなのはみんなわかってたし、」

「ううん…、引き継ぎとかあるから3日の休みなのかな…、マスルール早くバルバット行かない?」

「ちょっと……言ってるそばから……」

 

ヤムライハが呆れる、というか全体的にみんな呆れている。

確かにここまでくると僕は病気か何かかもしれない…。

 

「そうか休みか、アマカ一緒に遊ぶか?」

「えっ僕とシャルルカンと?」

「最近は連れまわしてなかったけど、休みならいいだろ」

 

あーそうだなぁと悩む。答えは出てるけど。まぁ、行かないよね。

で僕が悩むふりをした瞬間、隣にいたヤムライハが勢いよく立ち上がる。なんだなんだとピスティとマスルールが目を少し丸くしていた。僕も驚いた。

 

「ちょっと……、アマカは休みなのにあんたなんかについてったら余計疲れるんじゃないの?!」

「はぁっ?!なんでそうなるんだよ、休みは遊ぶもんだろ、俺は男としてアマカに成長して欲しくてだなぁっ?!」

「何言ってんのよ!だいたい最初の頃だってあんたが連れまわすたびアマカ疲れ切って、」

「…はぁ?!そんなの知らないぞ?!…、そうなのかアマカ?」

「……知らなかったの?」

 

話が高速で流れて高速で僕に話が渡ってくる。

四人とも僕を見た。

ジトッと変な汗が出た。

 

「ん、え?何?」

「いや、疲れてたって知らなかったんだよ俺」

「え?いや大丈夫だけどね〜」

「…本当か?」

「…………いや、ちょっと疲れた、は、疲れてたけどさ?」

 

ぼやぼや濁すように話すと、シャルルカンに今にも掴みかかりそうだったヤムライハが僕を心配そうに見る。

え、っと何故こんな空気になっちゃった?

 

「…、シャルルカンと遊ぶのは楽しいよ、うん、でもそうだな、僕は三日間ゆっくりしようかな」

「…………、そうか。そうだな!休暇だもんな、俺が連れまわすことないか、ゆっくりしろよ!」

 

パッと明るくシャルルカンがそう切り替えす。変な空気のままだ。

 

「俺そろそろ行くわ、疲れたから休んでくる。マスルールも行こうぜ」

「……、ああ」

 

二人がそう言ってさっさと引き返す。

 

ヤムライハが少し小さくなって僕に近づいてくる。

 

「あ、あのアマカ、なんかごめんなさい」

「何が?全然気にしてないよ、」

「……、アマカが具合悪そうにしてたの知ってたのよ……、ほら、いっつもあいつに連れ回された後、具合悪そうにしてたの見ちゃってて…」

 

ははは別に良いんだ、最初の頃は体力がなかったから、いや今もないんだけど、と言った。ちょっと笑ってくれた。

けど、見られてたんだなぁと、まだまだ隙だらけだと反省。

 

シャルルカンと遊ぶのは、最近は控えているがもし今も遊びに出かけたら、ヤムライハの心配通り体調を崩すだろう。

 

僕は男性恐怖症になっていたようだ。それが理由で仕事に影響が出るのは嫌だった、し、他のみんなにこれのせいで嫌な思いをさせるのも嫌だった。

なので対策を考えた。シャルルカンはスキンシップが激しい。最初は避けるようにして徐々に慣らして、克服しようとやっけになってた時があった。

治らなかったけど。

まぁ我慢すればどうということでもないので、いや、腕とか掴まれるのは却下だがそんな風に触られることは少ない。から、日常に影響はない。

それに、シャルルカンといることで今の僕ができた。感謝してる。堅苦しいのは嫌いだと後で気付いたんだ。

 

「えっピスティ?」

 

ピスティがいつの間にか横で頭を撫でてくれてた。

 

「いやぁ、お疲れさんだなと思って。ゆっくり休みなよ〜アマカ」

「あ、ありがとう」

 

く、くすぐったい。

あと、みんな僕の頭を撫でたがるのは何故だろう。

背が低いからかなとも思うが、僕より小さい子からもよく撫でられるから違うだろう。

 

「心配事があるならお姉さんたちに言うんだよ!!」

「そうよ!!遠慮なく言ってね!!」

 

と言い終わるか否かで二人が抱きついてくる。

いやいやいやなんだこの状況。

 

「ちょちょ、うおーー」

 

大量のお姉さんやお兄さんができてしまったなぁ、なんて思った。

 

 

 

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