良くも悪くもハリー・ポッター 作:吟遊詩人(トルバドゥール)
時は流れ、僕は動物園に行く年頃になった。
つまり、十歳の六月という訳だ。
今月、原作でも僕が元いた世界でも、僕等はダドリーの誕生日祝いに動物園に行き、僕は其処でやらかすのだ。もちろん、僕は今回は自嘲して、じゃなかった自重して、騒ぎは起こさないつもりだ。
だって、可愛い可愛いダッダーが、たくましいビッグDに変わる日なんだもの!
「おいハリー、今お前僕を馬鹿にしなかったかい?」
「気のせいだよ、可愛いダドリー坊や」
「絶対気のせいじゃないなその顔は!」
あれー、閉心術使ってるつもりなんだけどなー。心の扉を閉め直し、尚もダドリーをからかう。
「で、ピッグ・ポタージュくんは君が家で可愛いダッダーって呼ばれている事を知っているのかな?」
「ピアーズ・ポルキスだ。あとハリー、吹っ飛ばすぞ」
「此処に一つ、録音機があります」
ダドリーに奪い取られてしまった。よし、勘違いを指摘してやろう。
「録音機があると僕は言っただけで、別にダッダーに不利な事が録音されてるとは言ってないんだけどな?」
ダドリーから録音機を返して貰い、何十メートルか距離をとってから叫ぶ。
「録音されて無いとは一言も言ってないよ!さて、ポタージュくんの家は何処かな!」
「ハリーめ許さんぞ!」
その日の夜、体重計に乗ったダドリーは自分がどれだけ走らされたのかを自覚させられた。
動物園では問題を起こさず、しかし蛇くんとはお話した。
まず僕の幻影を作り出し、わざとダーズリー夫妻の目に付く場所でウロウロさせる。その間に、僕は目眩まし術をかけ、透明なまま蛇くんとお話した訳だ。怪しまれるので、逃がしはしなかったが。
時は流れ。
ホグワーツから手紙が届くであろう日だ。
現在の時刻は四時。夏場であるため、Tシャツにジーンズというラフな格好だ。ポケットには検知不可能拡大呪文を掛けた黒い巾着。ランニングシューズの紐もしっかりと結び、準備は万端だ。ダーズリーに気付かれないよう、若干忍び足で廊下を歩く。まあ、耳塞ぎ呪文は掛けてるけどね。雰囲気は大切だと思う。
さあて。ダーズリー家脱出。これからのルートは、
①適当に歩いてロンドンまで行き、買い物とかしてから本体と合流。
②姿眩ましで直ぐに合流。
③合流しない。
のどれか。
③は計画が崩れるから無しとして、何方の方が楽しいか。そりゃ買い物かもしれないけど、それは所詮女子の考えだ。よって無し。
じゃ、姿眩まししますか。
マフリアートを軽く改造し、魔法的な音だけ消すようにしてから僕は姿眩ましした。
そういえば思ったんだけど、これがマグル界でいうチートってやつなのか。まあ僕は一応転生済みだしね。
人外仲間入り〜♪
そこまで嬉しくは無いけど。
まあそんなもんかな。