バトルスピリッツ~恋する太陽と輝きの剣~   作:東雲楓

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ちょっと巻いてバトル終了まで。
バトルの構成を考えるのって難しい……。
こりゃぁ、バーストなんて入れた日には思考回路がショート寸前しちゃうな(確信)


――この負けは、多分一生の思い出です。

「太陽龍ジーク・アポロドラゴンをLv1で召喚!」

 

そう、これで決める。

 

そうは思ったものの、陽菜の冷静な部分はこれで決まるとは微塵と思ってはいなかった。

ただ、このカードを出したからには、勝つ。

そういう気概を持たなければどうにもならないという、一つの意地だ。

 

「続けて、手札の牙皇ケルベロードをジーク・アポロドラゴンに直接合体。さらにLv2にアップ。不足コアはブレイドラとエルギニアスから確保」

 

元よりのコア不足も原因だが、先のシャイニング・ソードの効果を間接的に回避するためにブレイドラとエルギニアスには犠牲になってもらった。自分の場には合体スピリットのみ、立て直しはしにくい。

 

「アタックステップ。合体スピリットでアタック。……牙皇ケルベロードの合体時効果により、デッキを上から5枚破棄することで、ターンに1回合体スピリットは回復。……デッキから5枚破棄します」

 

一枚一枚、相手に見せながらデッキの上から5枚をトラッシュに送る。

 

1枚目:ブレイヴドロー

2枚目:砲凰竜フェニック・キャノン

3枚目:砲凰竜フェニック・キャノン

4枚目:星海獣シー・サーペンター

5枚目:ブレイヴドロー

 

……砲凰竜フェニック・キャノンとブレイヴドローが全部トラッシュに行った。

ちょっと泣きそう。

ともあれ、合体スピリットは回復済み。

次はアタック宣言後のフラッシュタイミングだが、どう出るのだろうか。

 

「フラッシュタイミング。マジック、ファイアーウォールを使う。自分の赤のスピリットを1体破壊することで、このバトル終了時、アタックステップを終了させる。合体スピリットを指定し、破壊。ブレイヴはフィールドに残す」

 

相手が使用したのはアタックステップ終了系のウォールマジック。

そういうのは白のカードにしかないものだと思っていたけれど、赤にもあったのか、等と思いながら、しかし"この"バトルは続いている。

 

「合体スピリットはダブルシンボル。ライフを2つもらいます」

 

残りライフは2。だが相手の場にブレイヴ、というよりはシンボルを残してターンを渡す結果になってしまった。

内心を悟られない様に、自分が優位だと鼓舞するように、ターン終了を宣言。

 

しかし、不安は消えない。

そして、不安は現実になる。

 

----

 

「スタートステップ」

 

さて、どうしたものかな。

とりあえずファイアーウォールで窮地を脱してみたが、

相手の場には回復状態の合体スピリットが依然として存在している。

現段階でLv2のBPは11000、次のターンでおそらくLv3のBPが14000。

そうなってしまうと手が付けられなくなるので、このターンで処理はしてしまいたい。

そんな考えの中ドローステップで引いたカードは荒天竜スーパーセル・ドラグーン。

 

……これなら。

 

「リフレッシュステップ、メインステップ」

 

今一度、手札の内容ととコアの数を把握する。

 

「よし、グローリー・ガードラーをLv2で召喚。こいつはLv2から【強化】を持つ」

 

これで、軽減は満たした。

 

「続けて軽減2、コスト3で荒天竜スーパーセル・ドラグーンを召喚。召喚時効果でBP4000……1チャージ追加でBP5000以下の相手スピリットを2体破壊できるが、対象がいないので不発」

 

あとは、強引だが突破する!

 

「輝きの聖剣シャイニング・ソードを、荒天竜スーパーセル・ドラグーンに合体。さらにLv3にアップ」

 

対面の相手の表情が、わずかに歪んだのを感じる。

そう、こいつは――

 

「アタックステップ。合体スピリットで攻撃!荒天竜スーパーセル・ドラグーン、Lv2・Lv3のアタック時効果により、自分の場の【強化】を持つスピリット1体につきBPをプラス2000。さらにLv3アタック時効果により、合体スピリットに指定アタック!」

 

相手のスピリットを指定して、アタックを行える……!

 

「っ、合体スピリットでブロック。こちらのBPは11000。フラッシュありません。……ケルベロードは残します」

 

ジーク・アポロドラゴンを破壊できたことに安堵しつつ。

相手の表情を見る限りは、手札にも今のところ逆転の一手はないと見える。

 

続けてグローリー・ガードラーでもアタックしておく。

相手はライフで受け、残りライフ2でこちらの合体スピリットの射程圏内。

 

さすがに意地がある。ここはこのまま押し通させてもらう――!

 

----

 

「スタートステップ」

 

ステップ開始の宣言をしながら、手札を見つめてしまった。

流石に、サイレントロックとノーザンベアードではあの盤面を攻略するのは無理がある。

ドローソースがデッキにないのが確定しているのも、まずい。

 

「ドローステップ……リフレッシュステップ」

 

ドローしたのはイグア・バギー。

この状況をひっくり返せるカードではないことに歯がゆさを感じる。

しかしながらやれることはやるし、敗北が見えていようと諦めるわけにもいかない。

 

相手にはブロッカーはいない。

ブロッカーを残さなかったのは、手札にどうにかする手段があるという事で、おそらくBP破壊。

もしくは、先ほどのファイアーウォールがもう一度飛んでくるのだろう。

 

「メインステップ」

 

この手札で出来る、悪あがき。

 

「イグア・バギーをLv2。続けてノーザンベアードをLv2」

 

1つでもライフを削っておく。

ここで守りに徹しても、次のターンで焼き野原にできるのが相手のデッキのコンセプトだ。

倒れるなら、前のめり。

 

アタックステップに入り、ケルベロードで攻撃。

相手はフラッシュで2枚目のファイアーウォールを使用。

相手の場から、グローリー・ガードラーがいなくなったけれど、こちらのアタックステップは終わってしまった。

そして彼のターン。

 

「サンピラー・ドラゴンを召喚。召喚時効果でトラッシュにある系統:星竜を持つスピリットカード又はブレイヴカードを手札に戻す。輝龍シャイニング・ドラゴンを手札に」

 

彼のキースピリットが手札に戻り。

 

「輝龍シャイニング・ドラゴンを再び召喚する。召喚時効果で、手札の輝きの聖剣シャイニング・ソードをノーコストで召喚」

 

前のターンの焼き増しのような光景で盤面を更地にされ。

 

「アタックステップ。輝龍シャイニング・ドラゴンでアタック」

 

ああ、負けたなぁと思いながら。

初めてのバトルで、慣れない部分もあって。

デッキにも応えてあげられてはいなかっただろうけど。

初めてのバトルがこれで良かった。楽しかった。それだけは本当だから。

 

「ライフで受ける」

 

――この負けは、多分一生の思い出です。

 




まぁ、デッキ破棄で重要カードがどさどさ落ちるのなんていつものことです。
ヒロイン力、又は主人公力がアップすると、落ちが都合よくなっていくのもいつものことです。

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