やはり俺の青春にウルトラマンがいるのはまちがっている 作:ichika
noside
時空城中層では、目にも止まらぬ速さの激しい戦いが繰り広げられていた。
二つの光と二つの闇、それらが目まぐるしく入り乱れ、激しく火花を散らしていた。
二つの光、マックスとゼノンには余裕は無かった。
戦い慣れない姫菜のマックスをカバーするために、ゼノンに変身する翔は必然的に2対1という戦いを一瞬とはいえ断続的に行わなければならない状況だった。
如何に鍛えたとはいえども、闇の力で強化されたウルトラマンを二体相手取るのは厳しいものがあった。
『ぐぅぅぅっ・・・!!』
『あぁっ・・・!』
マックスとゼノンの腹にクリーンヒットし、彼等は大きく吹っ飛ばされ、彼等は膝を付いた。
すでにかなりの時間を戦い続けている為に、体力も削れてきている頃合いだ、もう残されている時間は多くなかった。
それでも、彼等の目から光は、闘志の炎は消えることは無く、更に勢いを増していくばかりだった。
今は幻影でしかないかもしれない宗吾から掛けられた言葉も、託された思いも全て、彼等にしっかりと届いていたのだ。
『負けられない・・・!』
『これだけ期待されてんだ・・・!やんねーと嘘だべ・・・!!』
マックスの力を借りる姫菜も、ゼノンとして戦う翔も、今やるべき事を全力でやり遂げる。
それが、自分達を信じ、力を与えてくれた者達に対する義の通し方だと分かっていたから。
『さぁ行くべ、姫菜さん!』
『モチのロンだよ!』
立ち上がった二人は、先程までよりも強い意志を乗せ、構えながらも闇へと突っ込んでいく。
それを受け、マックスダークとゼノンダークもまた動き出し、光を葬らんと圧を強めていく。
『うぉぉぉ!!』
だが、勢いと心の強さという、闇の幻影にはない熱さを以て彼等は立ち向かう。
間合いに入ったゼノンが、首を絞めようと向かってきたゼノンダークの腕を、下段から大きく振り上げる右足のサッカーキックで弾き、その反動で僅かに仰け反らせる。
振り上げた脚を、そのまま追撃にと言わんばかりに、踵落としとして連撃を叩き込む。
威力はそれほどでもなかった様だが、それでもその一撃は綻びを広げるには十分なものだった。
直撃した左肩部を抑えながらも後退するゼノンダークに、ゼノンは追撃をと言わんばかりに突進、ショルダータックルで地に倒した。
『負けてられない!!』
翔の奮戦に感化され、姫菜もまた奮起する。
マクシウムソードを頭部より放ち、切り裂かんと飛ばす。
それを受け、マックスダークも相殺せんと言わんばかりに血の色に染まる刃を同じように投擲する。
互角の勝負になる、はた目から見ればそう捉えられるだろうが、真面にやり合っても勝てる道理はない。
故に、彼女は隠していた奥の手を切る。
『はぁぁっ!!』
ウルトラ念力をマクシウムソードに送り込み、幾重にも分裂、増殖させる。
無数に増えたマクシウムソードの乱舞を、たった一つの刃で往なしきれる筈も無く、血の刃はあっさりと弾かれ、相殺できなかった無数の刃がマックスダークを切り刻む。
その威力に、マックスダークは堪らず膝を付くが、すぐさま立ち上がろうとする。
押され始めた、本能でそう感じたに違いない。
だが、それは紛れもない隙に他ならず、マックスはそれを逃さずに音速を遥かに超える速さで肉迫、光を纏ったボディブローをマックスダークに叩き付けた。
それはマックスダークの巨体を吹き飛ばし、天井に叩き付けんばかりに打ち上げる。
『翔君!!』
『応っ!!』
姫菜の呼び声に応じ、翔は地に倒していたゼノンダークを担ぎ上げ、回転の勢いを付けつつ大きく放り投げ、吹っ飛ばされていたマックスダークにぶつける。
空中で激突したからか、二体の闇の巨人は受け身さえ取れずに落下し、地に叩き付けられる。
あまりのダメージに立つことすらままならないのか、縺れた身体を引きはがす事さえ出来ずにいた。
それは、彼等に決着の瞬間が訪れたという事を、如実に示すものだった。
『『これで決めるッ!!』』
全くの同時に、彼等は天に向かって光を放ち、最強の武器、マックスギャラクシーとゼノンギャラクシーを呼び寄せる。
それらは彼等の右腕にそれぞれ装着され、光り輝く剣を形成する。
『『ギャラクシーソードッ!!』』
強烈な光を放つ剣を構え、彼等は突き進む。
勝利へ、自分達が生きる未来へ。
『『はァァァッ!!』』
フラフラになりながらも立ち上がったマックスダークとゼノンダークの間合いに入った二人は、迷うことなくその胸に、カラータイマーにギャラクシーソードを突き刺し、強烈な光を注ぎ込む。
浄化ではない、純粋な打倒を目的としたその技に耐え切れず、二体の闇は盛大な爆発と共に消え去った。
それは、彼等の勝利を確信させるものだった。
『『やった・・・!!』』
それを実感した時、彼等のカラータイマーは点滅を始め、これ以上戦えない事を如実に表していた。
『ここまでかー・・・。』
『みたいだね・・・。』
これ以上戦えない事に、二人は少し残念そうに呟いた。
自分達の役目はここまで、あとは先に進んだ友に託すしかないと、理解したのだから。
『あとは任せたべ、皆!!』
仲間に想いを飛ばし、彼らは手近な壁を壊して時空城の外への脱出を試みるのであった・・・。
sideout
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『『うぁぁぁっ・・・!!』』
時空城上層にて、メビウスに変身する南と、ヒカリに変身する大志は劣勢に追い込まれていた。
彼等が相手取る強大無比な闇、エンペラ星人は消耗の色を全く見せないままに佇んでいた。
無理もない。
エンペラ星人はアストレイですら単体では勝ち目の薄い相手、如何にエタルダミーで生み出された幻影とは言えども、ルーキーの域を出ない大志と、戦闘経験皆無の南に抑えきれる道理は無かった。
『先輩・・・!さっきの聞こえました・・・!?』
だが、彼等の闘志は未だ折れず、その目には燃え盛る炎があった。
『聞こえてたよ・・・!先生の、リーカさんの声・・・!!』
大志の言葉に、南もまた苦しいながらも笑みを浮かべる。
彼女達にもアストレイの想いはしっかりと届き、胸に灯る希望の炎を何倍にも強く、熱く燃え上がらせていたのだ。
ここで終わる訳にはいかない。
自分達の未来のためにも、そして、信じてくれた友と師のためにも。
『反撃開始、だね!!』
『はいっ!!』
ここからが第二ラウンド、決着の時だと。
彼女達は胸に抱く炎を燃え上がらせ、目の前の闇を睨みつける。
それが気に障ったか、エンペラ星人は右腕を翳し、念動力を用い闇の波動を放つ。
『アーブギア!!』
凄まじい破壊力のそれを、ヒカリは光の鎧、アーブギアを纏うハンターナイトツルギの姿となってそれを防ぐ。
とはいえ、ダメージすべてを無視できる訳もなく、ツルギは僅かによろめく様な素振りを見せる。
『くっ・・・!まだぁぁっ!!』
だが、気合と根性でそれをねじ伏せ、ナイトブレードを展開、一気にエンペラ星人に向かって突き進む。
それを受け、エンペラ星人は先程までと同様に腕を翳す事で止めてしまおうとしていた。
何度やっても結果は変わらない、それを今一度突き付ける腹積もりなのだろう。
だが、今の彼等は先程までの彼等ではない。
乗せられる想いが、その強さが、彼等の背を押しているのだ。
『バーニングブレイブ!!』
ツルギの影から炎を纏ったメビウスが飛び上がり、エンペラ星人目掛けて跳び蹴りを食らわせる。
ツルギが念動力を弾いた事で生じた爆炎と土煙に紛れての奇襲だったが、それが功を奏した。
突っ込んでくるツルギに意識を向けていたこともあり、エンペラ星人は何とか反応するも、右肩にメビウスの蹴りが直撃する。
全身全霊、全力の蹴りに押されたか、僅かによろめくも何とか体勢を立て直さんと藻掻く。
だが、その隙を見逃すほど、大志も甘くは無かった。
『うォォォォッ!!』
咆哮と紛う雄叫びをあげ、間合いに入った彼は右腕のナイトブレードを振りぬく。
それはエンペラ星人の胸を切り裂き、血飛沫と見紛う光を迸らせた。
絶対的な存在に初めて与えた一撃、だが、それはほんの一手目でしかなかった。
『はァァァッ!!』
そこから立て続けに、唐竹、袈裟切り、右薙ぎ、右斬り上げ、逆風、左斬り上げ、左薙ぎ、逆袈裟と八連撃を叩き込んでいく。
これには堪らず、エンペラ星人はダメージに藻掻き、傷口を抑えながらも後退った。
だが、その背後にはメビウスが待ち構えており、炎を纏った拳と蹴りが追撃と言わんばかりに斬り傷に叩き込まれた。
傷口を焼かれるダメージは想像を絶するものであり、これにはさしものエンペラ星人も耐え切る事が出来ずに、大きく身体が捩れた。
『これでッ・・・!!』
トドメにする、その意志を以てナイトブレードの刺突が繰り出され、防がれる事無くエンペラ星人の腹を貫いた。
そのダメージは凄まじく、エンペラ星人は唸りの様な声を上げる。
しかし、このままヤラれてなる物かと言わんばかりに、エンペラ星人は残された力を振り絞り、ツルギを念動力で吹っ飛ばしながらも、腹からナイトブレードを引き抜いた。
しかし、エンペラ星人も大きなダメージを負ったことは間違いなく、遂に膝を付いた。
『先輩!!』
その隙に、大志は今だと叫ぶ。
トドメを刺すぞ、と。
『分かったッ!!』
それを受け、南は胸のファイヤーシンボルを更に煌めかせ、全身を炎に包んでいく。
それは絆の炎、誰にも絶やす事の出来ない、希望の炎だった。
『はぁぁっ!!』
炎を纏ったまま、メビウスはエンペラ星人に組み付いた。
それは嘗て、八幡がアストレイキラーを倒す時に使った破格の威力を持つ、炎の技・・・。
『バーニングメビュームダイナマイトォォォッ!!』
叫びと共に一気に膨れ上がった炎がエンペラ星人を包み込み、付けられた傷口から体内に侵入、中から焼き尽くさんと燃え盛った。
凄まじい熱と圧に、エンペラ星人は藻掻くことも出来ずに、メビウスが最後にはなった爆発的な炎に焼かれ、盛大に爆散したのであった。
それは、彼らが勝利した事を告げる、狼煙の様でもあった。
『や、やったの・・・?』
自爆技を使用した事で遂に体力が果てたか、メビウスのカラータイマーが点滅し、力なく倒れ込みそうになる。
『はい・・・!勝ったんですよ・・・!!』
その身体をすかさず駆け寄ったヒカリが支え、勝利を喜んだ。
とはいえ、彼もカラータイマーが点滅しており、もう長くは戦えない事を示しており、ここから先の加勢は出来ないと彼等に悟らせていた。
『皆さん・・・!あとは任せましたよ・・・!!』
先に進んだ者達に、自身の姉達に向けて、大志は必ず勝てと祈りを飛ばし、メビウスを抱えて時空城から離脱するのであった・・・。
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『へへっ・・・!一夏の奴・・・!こんな状況でも俺達の心配かよ・・・!』
時空城上層にて、二体の闇の巨人をティガと共に相手取るゼロは、自分達に向けられた声に笑みを零す。
戦い慣れない大和の変身するティガをフォローしながら戦っていたために、消耗率は高く、息も絶え絶えと行ったところだった。
何せ、ティガの影であるイーヴィルティガと、自身との因縁も深い強烈な闇、ゼロダークネスを相手取っているのだ、それも致し方ないところと言えるだろう。
その大和も、ゼロダークネスから受けたダメージの蓄積によってかなり追い詰められており、既に息も絶え絶えに膝を付いていた。
『おい静・・・!大和・・・!!聞こえてるよな・・・!?』
だが、今の彼らにはそんな事など関係なかった。
信じてくれる相手が、いけ好かないながらもその背を追うと思わせた相手が、自分達の勝利を後押ししてくれている。
これ以上に誇らしい事があるだろうか?
『はい・・・!!』
『聞こえているさ・・・!忌々しいが、嫌いじゃない・・・!!』
大和は歓喜の声をあげ、静は忌々し気がらも何処か頼もしいと言った様な表情を浮かべる。
このまま無様を晒すわけにはいかなくなった、意地でも勝たねばならなくなった。
苦しくても、逃げるよりはマシだと。
『なら、サッサと立ちやがれ、俺達のスーパーノヴァ、見せてやろうぜ!!』
『はいっ!!』
『望むところだ!!』
ゼロの勢いのいい言葉に、大和と静は勇んで応じ、それぞれの相手へと向かっていく。
ゼロと融合する静は、迷う事無くイーヴィルティガへと突っ込んでいく。
それを受け、イーヴィルティガも構えを取り、ゼロに向かって殴りかかってくる。
それは先程までの流れを繰り返しているようなものだったが、今の彼女達には、先程までになかった熱が、想いがあった。
『うぉぉぉぉッ!!』
静の意志を乗せた拳が唸りをあげ、往なそうと動いたイーヴィルティガよりも早く、そのティガに似た顔面に叩き付けられる。
その威力により、拳はイーヴィルティガの顔面にめり込む様にも見えるほどだった。
『まだまだぁ!!』
しかしそれで終わる筈もない。
スラッガーをウルトラ念力で外しながらも、片方だけを右腕でキャッチ、そのままの勢いでイーヴィルティガの胴体を斬りつける。
その切り口より、光と闇の入り混じる飛沫が、まるで血飛沫の如く撒き散らされ、あまりのダメージにイーヴィルティガは藻掻きながらも後退る。
それは、ゼロと静に勝利への突破口を与える隙に他ならなかった。
『畳掛けるぞ!!』
『分かっている!!』
ゼロの言葉に返し、静は空いていた左腕にもスラッガーをしっかりと保持し、叩き付けると形容できる激しさでイーヴィルティガを斬り続ける。
幾度斬りつけた頃だっただろう、彼女はスラッガーをイーヴィルティガの胴に突き刺し、両の手を空けた。
『衝撃のぉ・・・!ファーストブリットォォォォ!!』
炎の如く輝く光を腕に纏い、傷口を狙って叩き込んだ。
その勢いは凄まじいものがあり、イーヴィルティガは血飛沫をまき散らしながらも大きく吹っ飛んでいく。
だが、それを逃さんとゼロは一気に跳び、間合いを詰めた。
『セカンドブリットォォォ!!』
振り下ろす様に叩き付けられる拳は、相手の弱所を的確に捉え、地に叩き付けた。
そして、最後の一撃を与えるために、フラフラなイーヴィルティガを無理やり立たせる。
『そしてこれがっ・・・!!因縁のラストブリットォォォォッ!!』
一夏≪ティガ≫に似た顔に、私怨と信念を乗せた一撃を叩き込むのだった。
一夏を超える、それを叶えるために、彼女は進む道を定めたようだった。
『俺はもう逃げない・・・!』
一方、ゼロダークネスを相手取る大和は、マルチタイプの姿でゼロダークネスと組み合う。
宇宙の伝説と謡われるティガの肉体は、所詮は幻影であるゼロダークネスなど及ばぬほど高い戦闘能力を持ち、それを十全に扱えたならば、この程度の状況などいとも容易く切り抜けられる事は想像に難くは無かった。
とはいえ、戦闘慣れしているのは間違いなくゼロダークネスの方であり、徐々に押し込まれている様にも見受けられた。
このままでは先程と同じ流れ、どう足掻いても勝利には繋がらないであろう流れになるのは明白だった。
『間違えて・・・!!逃げて・・・!!そんなのは、もう嫌なんだよ・・・!!』
だが、今の彼には意地があった。
間違いを犯し、そこから目を背けて逃げて、そんな愚かな事はもう嫌なのだと。
『だから、そのためにも、お前を倒す・・・!!』
自分が進むためにも、必ずゼロダークネスを倒して見せる。
それが彼なりの、アストレイ達への義の通し方だったのだ。
組み合ったままその姿を赤い剛力の戦士、パワータイプへと変え、組み合う腕を強化されたパワーでメキメキと締め上げていく。
跳ね上がったパワーに、ゼロダークネスは驚いたように腕を放してしまい、その隙を突くかのようにティガはそのままゼロダークネスの身体を大きく持ち上げる。
『おォォォッ!!』
そのままジャイアントスイングの要領で大きく振り回し、放り投げる。
勢いよく投げ飛ばされたゼロダークネスは地に叩き付けられるもすぐさま立ち上がる。
追撃のため、すぐさまティガも走り出してはいたが、パワー重視のタイプにチェンジ上が故か移動速度が落ちており、体勢を立て直す前に接近しきれなかった様だ。
それを好機と見たか、ゼロダークネスは立ち上がり、光線の発射体勢に入った。
それはゼロの必殺光線、ワイドゼロショットに酷似した闇の光線であり、そこから推察できる破壊力は相応に高いと想像できた。
それはティガへと一直線に突き進み、今にも炸裂せんとしていた。
当たればひとたまりもないそれを、ティガは飛び上がる事で回避、その最中にもう一度身体を光らせた。
赤から紫の俊敏なる戦士、スカイタイプへと変え、空中で一回転しながらも右足を突き出し、ティガスカイキックをその顔面に叩き込んだ。
技を出し、無防備な状態だったからか、その威力をまともに受けてゼロダークネスは大きく吹っ飛ばされた。
『まだぁっ!!』
吹っ飛ばされるゼロダークネスにすぐさま追い付き、光を右腕に収束させていく。
『ランバルト光弾ッ!!』
振りぬかれた右腕がゼロダークネスの腹にぶち当たり、光弾が炸裂した。
その威力は凄まじく、ゼロダークネスを吹っ飛ばし、時空城の中に在った壁や柱といった障害物を幾つも破壊しながらも、ゼロに吹っ飛ばされていたイーヴィルティガのすぐ近くに倒れ込んだ。
あまりのダメージにうまく立てないか、ゼロダークネスはもんどりうって起き上がれずにいた。
それは、彼等に決着の時が訪れたと悟らせるものだった。
『よっしゃぁ!これで決めるぜ!!』
『はいっ!!』
ゼロの呼びかけに応じ、大和もまた終止符を打つために動いた。
スカイタイプからマルチタイプへと戻り、必殺の光線を放つために、腕を頭の上でクロスさせた。
ゼロもそれと同時に動き、二つのスラッガーを一つに合わせ、両刃剣の様な計上へと変えた。
『はァァァッ!!』
ゼロはその剣、ゼロツインソードを構えながらも一気に二体の闇の巨人へと迫り、間合いに入り込んだ。
『ゼロギガブレイク!!』
何とか立ち上がった二体に、ゼロは立て続けに斬撃を叩き込む。
その威力に、二体は藻掻くように身体を捩るばかりだった。
『今だッ!!』
そして、トドメを刺せと大和に声を飛ばす。
最後は任せた、その強い想いに打たれ、大和は無言で強く頷き返した。
自分の世界を護る。
そのための一撃だと。
『これで決める・・・!タイマーフラッシュスペシャルッ!!』
カラータイマーから放たれる強烈な光が闇の巨人に突き刺さり、その姿を跡形もなく消し飛ばした。
それは、彼等の勝利を意味するものだった。
『よっし!!』
『これで、終わり・・・!!』
ゼロはガッツポーズを取り、大和は安堵から力が抜けたか地に膝を付いた。
それと同時に、ティガのカラータイマーが赤く点滅を始める。
これ以上の戦いは行えない、そう彼等に理解させるのだ。
『へッ、上出来だ、ずらかるぞ。』
殆ど初めての戦いを切り抜けただけ上出来、ゼロは彼を誉めながらもティガの身体を担ぎ、肩を貸す形となった。
これ以上ここに居ても出来ることは無い、足手纏いにはなりたくないだろうと、無言の内に伝えてきていた。
『はい・・・、比企谷君・・・、あとは、任せた・・・!!』
先に進んだ友へ、最後の決着を着けてくれと祈りを飛ばし、彼等は時空城からの脱出を試みたのであった・・・。
sideout
次回予告
思い通りにならなくとも、自分らしくあれ。
何時か見た明日を生きるために。
次回やはり俺の青春にウルトラマンがいるのは間違っている
若人達は英雄だった 後編
お楽しみに