修羅ガイル   作:ブルータス

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短いです。


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 職員室という空間は学生にとっては居心地の良い場所ではない。

 呼び出された場合、大体悪いことしか待っていないからだ。

 例えば、やってもいないのに隣にいる生徒の漢字テストの中身をカンニングしたでしょと注意を受けたり。

 いや、あいつすげーアホだったじゃん。逆にあいつが俺の答えカンニングしてきたんですけど。しかも見るの超下手くそ。もっとバレないようにカンニングしろよ。即アラートだろあれ。

 まあ、それは兎も角。誰しも職員室には良い思い出は無いとは思う。てか、悪い思い出しかない。

 そして現在、俺は悪い思い出のマーニー状態なのである。

 うん、意味が分からん。

「将来の夢、専業主夫か......君は馬鹿じゃないのか?」

 額に青筋を浮かべ、此方を半目で睨んでくるのは現代国語教師の平塚静独身である。←ここ重要。

 彼女は美人で、性格も面倒見が良く多数の生徒から慕われている人気教師だ。

 しかし、一部生徒(・・・・)に対してはその通りでは無いのだが。

 先生は職業希望調査アンケートをデスクに置き、人差し指でぺしぺしとイライラを解消させるように突いている。

 カルシウムを取りなさいカルシウムを。

「失礼ですね。こう見えて俺って結構家庭的何ですよ? 掃除は小まめにやりますし、肉じゃがと超作れますし、妹大事にしてますし」

 割りとではあるが、家事をするのは嫌いではない。小町の為に掃除をしたり、小町の為に洗濯をしたり(意味深)、小町の為に料理をしたりと、やべぇな俺家事超好きだわ。小町Power is justice!!

「最後のは全く関係ないと思うのだが......君は前の課題の時もそうだったよな?」

 前の課題、そう言われて脳内で思考を回転させる。

 あ、英語の課題次の授業で回収じゃん。まあ、既にやっているのだが。ああいうのは家でやるのではなく、学校でやってしまった方が良いに決まっている。

 べ、別に学校に居てもやることがないわけじゃ、な、ないんだからね!

「前の課題......ああ、『ここまでの高校生活を振り返ってみて』でしたっけ? 先生、凄い厳しかったですよね。何回再提出喰らったことやら。嫌がらせか何かと思いましたよ」

「私はな、そんな君が嫌がらせをしているのだと思ったのだがな......」

 平塚先生は深い溜め息を吐くと、額を抑えるようにして手を当てていた。

 溜め息を吐くと幸せが遠ざかってしまうんですよ。只でさえ、合コン惨敗記録更新中という話なのに(ちなみに先生から愚痴られた)。もっとハッピーになりましょう。ハッピーターン食べます? 持ってないけど。

「比企谷......目が凄いことになってるぞ......具体的に言えば死んだ魚のような感じだ」

「ちょっと、先生。いきなり褒めないで下さいよ。そんなDHC豊富そうな健康男児だなんて......」

 そう、心の準備が欲しい。

 生まれてこの方、褒められるという経験をしたことが数える程しかないので、不意の言葉に凄く弱いのだ。

「今ので何で褒められてると思った。君は発言を曲解する能力でも持っているのか......?」

 驚愕という表情でこちらを見る平塚先生。

 嘘、褒められてなかったの......!?

 割りと俺嬉しかったのに。

「先生、俺は見たもの捻曲げるような魔眼は持っていませんよ」

 凶れぇぇぇぇぇ!!

 主にリア充達よ。恐らく先生もこの気持ちが分かるはずだ。

「君が何を言っているのかさっぱりだが。まあ、そんなことはどうでもいい」

 あれれーおかしいなー。

 オタク趣味に造形の深い先生なら察知してくれると思ったんだけど。

 これじゃあ、只の痛い人じゃないか。魔眼とか現実世界で言っちゃいけない単語でしょ、絶対。

「その腐った性根、叩き直す必要があるみたいだな、比企谷」

 それに丁度良いしなとか小声で続けた。

 いや、丸聞こえですからね。この距離で聞こえないとか。別に難聴系主人公じゃないんですからね、俺。寧ろ一話冒頭でやられそうな配役だから。逆にしぶとく生き残って、世界が救われた後に主人公に感謝するまである。

「別に直さなくても大丈夫ですよ。俺は困ってませんし」

「周りが困るんだよ」

 うむ、正論である。

 現にこのせいで、小町は俺のことをゴミいちゃんと呼ぶようになった。ユグドラシル絶対に許さねぇ!

「先生、待ってください。そうは言いますけど、俺は別に周りに迷惑なんか掛けていませんよ。クラスでは真面目に授業に取り組んでるじゃないですか。成績も良いと自負してますし」

 俺は自身の成績が優秀だと自覚している。

 何たって学年総合(・・)三位なのだ。国語系に至っては学年一位で、苦手な数学ですら十位以内だ。生徒として何も間違ってはいないだろう。

 まあ、性根が腐っていることも自覚はしているのだが。

 だが、ここで退くわけにはいかない。さっきから妙に何か嫌な予感がするのだ。

 俺の超直感がそう告げている。

「......成績だけはすこぶる優秀だからな。それに関しては何も言わん。だがな、君のその腐った性根は矯正しないと後々社会に出た時に致命的なものになるだろう」

「致命的って......バックスタブでも取られちゃうんですか俺。そんな危ないならますます大人になりたくなくなりましたね」

 某闇の魂というゲームがトラウマになってしまった俺を責める奴はいないだろう。雑魚敵が強すぎるんだよ! それ雑魚じゃねぇから! 世界一有名な雑魚キャラであるクリボーさんみたいにしろよ。いや、でもクリボーさん触れた瞬間に殺されるからやっぱ雑魚じゃないな。マリオすげー。

「......さっきから屁理屈ばかり捏ねおって。小僧、あまり調子に乗るなよ?」

「小僧って......確かに先生の年齢からしたら俺って小僧なんてカテゴリーなんでしょうけど______」

 瞬間、右頬のすぐ真横にグーパンが飛んできた。

 うん、良い拳だ。腰も入っているし、脇も締めてる。力の具合もよろしい。75点、中々に良い点だった。

「次は当てるぞ」

 声がマジだった。

 女性に年齢の話題はどうやらタブーということが改めて理解することが出来た。八幡、とっても勉強になったよ。

 

 

 

「......それは無理(・・・・・)じゃないですかね」

 

 

 

 なんてことは言えず、只「......了解です」と頷くだけであった。

 やだ八幡ヘタレ。いや、余計なことを言って拗らせたくなかったんですって。え? ずっと余計なことを良い続けている? 大丈夫だ、問題ない。自覚はある。

「はぁ......比企谷。君は部活は入っていなかったよな?」

「ええ、まあ。面倒なんで」

「......友達はいるのか?」

「......そうですね、まず一体どのラインから友達という区分分けが」

「ああ、もう。分かった分かった。つまり居ないんだな?」

 先生は慈愛の籠った表情で俺にそう言った。

 そんなどうして俺の心を抉るようなことを簡単に言えるのか。

 この鬼! 悪魔! ちひろ!

 某変態紳士の吸血鬼も言っていたじゃないか!友達いると人間強度下がるって!

「よし、君の事情はよーく分かった。______罰を与えよう」

 友達が居ないという事実を知って、尚且つ俺に罰を加えようと言うのかこの教師は!?

 いくらなんでも酷くないすかね。泣いてしまうかもしれないぜ。職員室内でワンワンと。犬かよ。

「君には部活に入って貰う」

 案の定、嫌な予感は的中した。

「校則に書いてたんですけど、部活の所属って確か個人の自由ですよね」

 故に教師が一生徒に対して部活の所属を強要するのは無理なのであってと、先生に懇切丁寧に反論する。

 勿論、生徒手帳を見せながらだ。持ってて良かった、本当に。

「そうだな。確かに校則にはそうあるな」

 先生はうんうんと頷いている。

 何だ、ちゃんと分かってくれるじゃないか。話の分かる先生だ。これからは独身アラサーなんて呼ばないようにしよう。

 

 

 

「だが、君に対しては私が校則(ルール)だ」

 

 

 

 前言撤回だ。

 この独身アラサー行き遅れ教師は何を言っているんだ。何処の慢心王だよと突っ込みたくなったが、間違いなく通じないので言わなかった。

「いや、それは流石におかしいって俺でも分かりますよ」

「君は今回、私に深い心の傷を負わせた。それはもう深くてだな。今、私は泣きそうだ」

 えードン引きー。

 いや、冗談だろうけど。

「故に君には部活動を通してまともな人間性を身に付けて貰う」

 あれ? 俺、人間ですらなくなった? ちょっとー俺は人間ですよヒューマンですよ一般ピーポーですよ。

 しかし、そんな俺の嘆きも何のその(というか聞こえるわけがない)。先生は回転椅子から立ち上がると、俺の腕を引っ張ると、ずんずんと入り口へ向かっていく。

「先生、強引過ぎです。もっと優しくしてください」

「君に優しくしても付け上がるだけだろう? 我慢しろ我慢」

 これがモテ期ってやつなのかー。多分俺凄い死んだ目してるなきっと。何故なら、廊下を歩いている一部の生徒がドン引きという表情で俺を見ていたからだ。

 おかしいなー。俺完全に被害者なのに。何で俺だけ集中砲火? 泣きっ面にパイルバンカーとか弱り目にアバタケタブラとか病み足にゴルディオンハンマーだとかそんなんでしょ絶対。

「......先生、どこ向かってるんですかね」

「黙って着いてこい」

 どうやら発言権すら失ってしまったようだ。ますます俺は人として遠ざかっているみたいだ。あー、早く人間になりたい!

 まあ、先生の巨乳の感触を味わえたのだ。そこは良しとしようではないか。とてもやわらかかったですまる。

「......これって、未成年者誘拐になりませんかね」

「はっ、任意同行の間違いだろう」

 

 

 

 いや、何処が任意同行だし!

 

 

 




ゆっくり書いていきます。
チート要素はまだですyo
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