天の御遣いと小さな相棒 真・恋姫†無双外史伝 作:stella88
いつの間にやらUA数が1500を超えていました、ありがとうございます。
こんな駄文で大丈夫だろうかとも思いますが何とかこれからも頑張っていこうとそんな気持ちになりました!!
と言うことでいよいよ二人が出会う場面です。
基本的にここからの視点は一刀君にしようと思っています。それ以外の人物になる場合はタイトルの方に入れておきますのでそちらを確認下さい。
冷たい、それは冷たい海の中にいるような感覚だった。その海の中をどんどん沈んでいく………そんな感覚。中途半端に浮いてるような、それでいて少しずつ沈んでいくのがわかるような。落ちていくことに抗うこともできずゆっくりと、しかし確実に落ちていく。
だかそんな感覚もいつまでも続く事はなかった。背中から思いっきり地面に叩きつけられるような感覚を理解した瞬間、奥底へと潜っていた意識が急速に浮上して、そこで目が覚めた。
一刀「いつつ………。あれ、どこだここは?」
まだぼんやりとする意識を、頭を振ってハッキリさせれば自分がいるのが地面の上で座った状態から立ち上がる。
一刀「どこだよここ………。」
と立ち上がったところで自分がさっきまでいたはずの蔵、どころか自分の家にすらいないことに気づく。
一刀「そう言えば、怪しい男が蔵の中にいたと思ったらいきなり光を放って…………。」
そう、自分は少なくとも家にいたはずである。それなのに目が覚めてみると周りは全く何もない、地平線まで見える荒野。そんなイメージがぴったりのような場所である。意識を失っている間に連れてこられたのだろうか?それならなぜ?
一刀「考えてても仕方ないか。連絡を取ろうにも携帯は部屋に置いておいたままだし……。」
幸いにも護身用に持っていた木刀はすぐ近くに落ちていた。とりあえずこれがあれば、またアイツが現れても大丈夫………なはず。
一刀「なにかしようにも夜だしなぁ………。無闇に歩き回らずに朝になるまで待ったほうが得策、か……」
空を見上げればそこには一面に星々が散りばめられて輝いている。どうやら少なくとも自分が知ってる場所ではない事は確かだった。すると
???「あのぅ・・・」
そんな風に考えていたからだろう。自分に近づいてきた人物に気づかなかったのは。その声に気づき声のした方に振り向く。するとそこには一人の少女が立っていた。翠色をした髪に黒を基調としたマントのようなものだろうか、それを羽織り、そして露出された足を長い縞模様のソックスで隠すように履かれていた。何かのコスプレなのだろうか?するとそんな俺の視線に気づいたのか少女が声を出す。
???「そんなにジロジロと見ないで欲しいのです。あまりにも不躾ですぞ。」
一刀「いやっ!?ごめん。これからどうするか困っていたところをちょうど良く声をかけられたものだからつい。」
そう指摘され慌てて説明する俺。なんだかセクハラでもしてしまった気分だ。
一刀「それはそうと聞きたいことがあるんだけど……….。ここはどこだか分かるかい?」
???「はぁ………ここは兗州の東郡、武陽の北あたりなのです。それがどうかしたのですか?」
そんな質問をした俺に帰ってきた答えはまさかのものであった。
一刀「ええっ!?兗州って!!?ちょっと待って!ここってもしかして中国?」
???「さっきから一体どうしたのですか?光の落ちた方へと向かったらその場にいたことと言い、夜にも関わらず月光を浴びて光輝く服といい、ちゅうごく?だとかよく分からない事を言ったり、やはりこの男、いやこのお方は………」
そんな俺のことなどお構いなしにブツブツとなにか呟く少女はそのまましばらくその状態だったがいきなり顔を上げ
???「貴殿を噂の天の御使いどのとお見受けしてお願いいたします。どうかこの私めを貴殿の部下にして頂き、どうかこの乱れた世の平定への一助とさせていただきたく思います。」
こういった後に地面に伏せてこう言い放った。
あまりにもいきなりな出来事に俺はなにも言えずにいるとそれをダメだという風に誤解したのか顔を上げ、目をウルウルとさせながら「ダメなのでしょうか?」と呟かれれば、いかなる悪人だろうとも抗うことはできないだろう。無論俺にも出来るはずがなかった。
一刀「ちょっと待って!いきなり天の御使いだとか部下にしてくれだとか言われてもよく分からないよ。取り敢えずどういうことか説明して欲しいのだけれど。」
そう言って了解したのかから彼女は語り始めた。宦官、とりわけその中でも十常侍が権力を握り、その欲の思うままに悪政を敷いていること。地方の太守達もそんな流れに異を唱えることもなく自分達の保身につとめていて弱者とも言える民草は生きるか死ぬかの日々を過ごしている事を。
また彼女自身もそんな中で自身の住んでいた街ごと両親を亡くし失意のうちであったが、ある日見た夢の中で世を正すものと出会うことになると。その仕えるべき主こそが俺なのだと出会って直感した事を。
そんな事を聞いててふと思ったのは、どうやら俺が今いるのは少なくとも俺の知る現代ではないということ。十常侍と言う単語からおそらくと思い、もしかして今の世は漢王朝が治めているのかと聞いたらそうだと返事が帰ってきた。いよいよもって俺の考えていた事が現実味を帯びてくる。目の前の少女の言う事がどうにも嘘だと思えないし、この空も、そして俺がいたこの場所もそれならある程度説明がつく。
一刀「俺がその天の御使いだとかなんとかってやつかは分からない。だけど世の中の困っている人を助けたいと言う君の気持ちは素晴らしいものだし俺も手伝いたいと思う。だけどこんな俺なんかでいいのかな?少なくとも俺には君にできる事があまりないと思うのだけれど。」
???「俺なんか、では無いのです。貴方様にしかおそらくこの乱れた世を正し、民草を平穏な暮らしに導く事が出来ないのです!!そう感じたからこそ、貴殿に仕えたいと思ったのです!!!」
一刀「分かったよ。君にそこまて言われたら俺も引くことなんて出来ないよ。できる限りのことから一緒に始めよう。」
そう言って俺は彼女に微笑んだ。すると何故か彼女は俺から目を逸らした。夜ということもあって見づらいが、若干頬が赤くなってるように見えるのは気のせいだろうか?
が、顔を振りこちらに向き直り(まだ顔が赤いが)彼女はこう切り出した。
???「そう言えばまだ自己紹介をしてなかったのです。」
一刀「それもそうだね。俺の名前は北郷一刀。良かったら一刀って呼んでくれ。」
君の名前は?と聞くと彼女は改めて姿勢を正しこう言った。
???「我が名は、姓は陳、名は宮、字は公台。これからよろしく頼みますぞ、我が主!!」
そう元気よく、花が咲いたように綺麗な笑顔を見せながら語った彼女の名前に、今日何度目になるかわからない驚きに俺は頭を抱えることになるのであった。
ということでようやく謎の少女こと陳宮の名前が登場しました。1話を読んだことで察しがついた方もいらっしゃると思います。
若干台詞に難ありなのですが頑張ってこれからも元気いっぱい、時には、と言うか大体ポカをしてしまう彼女を可愛く描いていけたらなと思います!
それではまた次回まで〜