三村かな子に双子の兄がいたら。   作:ラムネ色

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遅くなりました。


ラブライカのオリジナル回です。


ちょっとキャラ崩壊してるかもしれません。 特にアーニャ。


美人系のアイドル二人と天体観測しました。

「〇〇……今日は良い、天気ですね」

 

 

「本当だよ。 絶好の散歩日和だ」

 

 

ある晴れた日。

 

 

俺はアーニャちゃんと一緒に美城プロダクションの近くにある公園に散歩に来ていた。

 

 

今日は初ステージの時に言っていた、俺が出来る範囲で一つの願い事を叶える日だ。

 

 

ラブライカの二人は遠慮しようとしたけど、実際にラブライカのライブはきちんと成功したから約束は守ると言うと、二人とも遠慮がちだけど俺に願い事を言ってきた。

 

 

どうやら、ラブライカと俺の三人で天体観測をすることが願い事らしい。

 

 

美波さんもアーニャちゃんの影響で天体観測に興味を持ったみたいだ。

 

 

俺が天体観測が好きなことをかな子から聞いていたみたいで、ラブライカの二人は特に迷うことなくこの願い事に決めたらしい。

 

 

俺も天体観測を当分してなかったから、その願い事は願ったり叶ったりだった。

 

 

しかも、アイドルの二人と天体観測だよ?

 

 

もうやばいよ。

 

 

因みに、プロデューサーに聞いてみると一応大丈夫らしい。 条件は何個か出たけどね。

 

 

一つ目は送り迎えはプロデューサーさんがすること。

 

 

美波さんは大学生だけど女性だ。 しかもアイドル。 なにがあるか分からない。

 

 

俺達は高校生だから夜遅くまで子ども同士で外に出ることはできない。

 

 

だから、プロデューサーさんが送り迎えをしてくれるらしい。

 

 

二つ目はラブライカの二人は変装をすること。

 

 

最近、ラブライカは人気になってきている。 素顔で出かけるとアイドルだとバレて、色々めんどくさいことになる可能性があるから変装をするそうだ。

 

 

 

三つ目は俺が美城プロダクションの関係者だと分かるものを身につけること。

 

 

もしラブライカの二人の変装がバレた場合、めんどくさいことになる。

 

 

同年代の男と一緒に出かける、もし天体観測を三人でしてるところをゴシップなんかに撮られた日には、二人のアイドル人生が終わる可能性があるし、美城プロダクションに少なからずダメージが行く。

 

 

そのことを考慮して、俺は美城プロダクションの関係者だとわかるものを身につけないといけないらしい。

 

 

これが条件だ。

 

 

まぁ、ラブライカの二人はまだ人気が出たばかりだし、こういうスキャンダルにならないようにプロデューサーさんが送り迎えしてくれるんだけどね。

 

 

「〇〇……プロデューサー、残念ですね」

 

 

「そうだね〜でも、仕事だからしょうがないよ」

 

 

そうなのだ。

 

 

俺達は天体観測にプロデューサーさんも誘った。

 

 

しかし、プロデューサーさんは仕事があるから送り迎えしかできないらしい。

 

 

いや、忙しいのに送り迎えしてくれるとか本当に頭が上がらない。

 

 

今度千川さんから買ったスタドリ差し入れしよう。

 

 

「次は四人でいけると、嬉しいです」

 

 

「あはは、そう言ってもらえるとプロデューサーさんも嬉しいと思うよ」

 

 

「リクは嬉しくない、ですか?」

 

 

アーニャちゃんは不安げに俺を見る。

 

 

アーニャちゃんの目を見ていると、本当に綺麗で吸い込まれそうになるな。

 

 

「そんなことないよ。 俺だって天体観測好きだし、みんなで見るの好きだもの」

 

 

そう言うと、アーニャちゃんはホッとした顔になる。

 

 

この反応で俺が嫌われていないってことが分かるし、少なくても一緒に天体観測をしたいと思ってもらえるぐらいは好かれていると分かる。

 

 

なんだか嬉しいな。

 

 

「なら、よかったです。 もしかしたら迷惑だったかもと思ったので……」

 

 

「そんなことないよ。 俺も久々に天体観測したかったしさ」

 

 

「なら誘ってよかった、です」

 

 

「うん。誘ってくれてありがとう」

 

 

俺の言葉を聞いたアーニャちゃんは嬉しそうに笑う。

 

 

さっき聞いた話だと、こっちに来てからまだ天体観測をしていないらしい。

 

 

だから天体観測ができて、みんなで見ることができて嬉しいんだと思う。

 

 

「今度こそプロデューサーさんも誘って四人で行こうよ。 プロデューサーさんがどんな反応するか楽しみだ」

 

 

「〇〇……良いですね、ワタシも楽しみ、です」

 

 

俺達は天体観測について話しながら公園を散歩する。

 

 

時々、アーニャちゃんが疑問に思ったことに答えたり、葉っぱで船を作って川に流す遊びをしたりして、有意義な時間を過ごすことができた。

 

 

「アーニャちゃんそろそろいい時間だから事務所に戻ろう。 美波さんも仕事終わって戻ってるはずだよ」

 

 

美波さんは別の仕事が入っているので、夜の天体観測から合流する予定だ。

 

 

「ワカリマシタ。 では、帰りましょう」

 

 

アーニャちゃんは少し残念そうな顔をしながらこっちに近づいて来る。

 

 

手には花冠を持っていた。

 

 

「その花冠作ったの? 凄いね」

 

 

「リンに教えてもらいました。 なので、一度やってみたかった、です……どうですか?」

 

 

アーニャちゃんは手に持っている花冠を見せてくれる。

 

 

お世辞にも上手だとは言えないけど、一生懸命作ってきたのが伝わってきて、とても可愛く見えた。

 

 

「うん、凄く可愛いね。 一緒懸命作ってきたのが伝わるよ」

 

 

俺がそう言うと、アーニャちゃんは嬉しそうに笑い、花冠を愛おしそうに胸に抱く。

 

 

その姿を見て、俺は少しドキッとしてしまった。

 

 

アーニャちゃんが変装してなかったら少しどころではなかったな。

 

 

「また、ここに来て花冠作ったり、公園を散歩したいです」

 

 

アーニャちゃんは後ろを振り向いて公園を見る。

 

 

アーニャちゃんの横顔を見て、本当にまたここに来たいんだなということが分かった。

 

 

「またここに来れるよ。そして、花冠をもっと一杯作ってシンデレラプロジェクトのみんなに渡そう。 で、プロデューサーさんの頭の上に花冠をたっぷり乗せてみようよ」

 

 

「クスクス……それは、とっても良いアイデアです。 ワタシも頑張って作ります」

 

 

どうやらプロデューサーさんの頭に花冠をたっぷり乗せるのところがツボに入ったのか、アーニャちゃんは目の端に涙を溜めながら笑う。

 

 

……アーニャちゃんは本当に表情豊かだよな。

 

 

最初はお人形さんみたいで、年下だっていう事実が信じられないぐらい大人びて見えたのに、今笑っている姿を見ていると年相応に見えるよ。

 

 

ポスッ。

 

 

「え、どしたの?」

 

 

「フフ……その花冠はリクにプレゼントします。 大事にしてくださいね?」

 

 

笑っているアーニャちゃんを見ながらそんなことを思っていると、アーニャちゃんが花冠を俺の頭に乗せる。

 

 

どうやらアーニャちゃんはこの花冠を俺にくれるらしい。

 

 

……蘭子ちゃんの絵に続いて、アーニャちゃんの手作り花冠を手に入れたのか俺。

 

 

幸せもんだなぁ。

 

 

「うん、大事にさせてもらうよ。 ありがとう」

 

 

「フフ……じゃあ、事務所に戻りましょう。 ミナミとプロデューサーが待っています」

 

 

「そうだね、行こうか」

 

 

俺とアーニャちゃんは事務所へと向かう。

 

 

前を歩いているアーニャちゃんの楽しそうな顔が凄く印象に残った。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

「お帰りアーニャちゃん、陸くん……その花冠どうしたの?」

 

 

アーニャちゃんと一緒に事務所に戻ると、仕事から戻って来ていた美波さんがいた。

 

 

最初は笑顔で出迎えてくれたけど、花冠を見て少し驚いている。

 

 

「アーニャちゃんがくれたんです」

 

 

「ワタシが作ってリクに渡しました」

 

 

「アーニャが作ったのね。 とっても可愛いわ」

 

 

「〇〇……ありがとうミナミ。 次はミナミにも作ってきますね」

 

 

「ありがとねアーニャちゃん」

 

 

美波さんとアーニャちゃんは約束をする。

 

 

ラブライカの二人を初めて知った時、4歳差あるけど大丈夫かな?って思ってたけど、どうやら杞憂だったみたいだ。

 

 

とても仲が良い。

 

 

「プロデューサーさんはまだお仕事があるから待っていてほしいそうよ」

 

 

「じゃあ来るまでなにします?」

 

 

「○○……テレビでも見ますか?」

 

 

特に問題もないのでアーニャちゃんの提案に乗る。

 

 

プロデューサーさんが来るまで俺達三人はテレビを見ていた。

 

 

テレビに出てきたあの緑の変なぬいぐるみはなんだったんだ….…?

 

 

「すいません、お待たせ致しました」

 

 

「いえ、そんなことありませんよ」

 

 

「〇〇……テレビ、面白かったです」

 

 

「俺も大丈夫ですよ」

 

 

「そうですか、なら良かったです…… これから皆さんが天体観測をするそうなので送らせて頂きます。 迎えの時間は予め伝えてた時間です。 一応、迎えに行く際は連絡させて頂きます」

 

 

「分かりました。 プロデューサーさんありがとうございます」

 

 

「「ありがとうございます」」

 

 

俺達三人はプロデューサーさんに頭を下げる。

 

 

本当にプロデューサーさんには迷惑かけてばかりだ。

 

 

「いえ、大丈夫です。 しっかり楽しんできてくださいね」

 

 

「ハイ。 プロデューサーも次は一緒に行きましょう」

 

 

アーニャちゃんの言葉を聞いたプロデューサーさんは驚いた顔を見せる。

 

 

しかしすぐに表情は戻っていき、小さく笑みを浮かべた。

 

 

「はい。 次回は是非、ご一緒させて頂きます」

 

 

プロデューサーさんの言葉を聞いたアーニャちゃんは嬉しそうに笑う。

 

 

それを見た美波さんと俺も自然と笑みがこぼれた。

 

 

「では、行きましょう」

 

 

「「「はい」」」

 

 

俺達はプロデューサーさんに案内されて車へと向かう。

 

 

車に乗った俺達はプロデューサーさんの運転で目的地へと向かった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「見てくださいリク、ミナミ! 星がこんなに見えます!」

 

 

俺達はプロデューサーさんの運転で星が見える丘に来た。

 

 

アーニャちゃんは開放感からかテンションが上がっている。

 

 

でもアーニャちゃんと同じように俺も美波さんもテンションが上がっている。

 

 

いやーやっぱり天体観測っていいな。

 

 

しかも丘だからいつもより星が近くに見える気がするよ。

 

 

「ふふ……確かに凄いわね。 東京でもこんなに星が見えるなんて知らなかったわ」

 

 

「ワタシもこっちにきてこんなに星が見えるたの、はじめてです!」

 

 

「俺はずっと東京に住んでるから他との違い分かんないや」

 

 

「北海道の星空は凄いですよ? とってもキレイ、です」

 

 

「広島は普通かな」

 

 

「へーそんなんですか。 俺も他の県の星見てみたいな」

 

 

「なら、いつか北海道に天体観測行きましょう。 オススメの場所、あるんです」

 

 

「みんなでまた天体観測しましょうね」

 

 

「美波さん、まだ始まったばかりですよ。 なんかもう終わったみたいな言い方でしたけど」

 

 

「あら、やだ。 ごめんなさい」

 

 

「ミナミもテンション、上がってるです?」

 

 

「ふふ……こんなにマジマジと天体観測することないからちょっと気が高まってるわ」

 

 

美波さんは照れ臭そうに笑う。

 

 

いつもは大人っぽい美波さんも、少し子どもっぽく見えた。

 

 

「あ、あっちの方に展望台ありますね。 見てみましょう!」

 

 

「あ、アーニャちゃん!ってもう行っちゃった…」

 

 

アーニャちゃんは展望台を見つけると走り出す。

 

 

美波さんの声が聞こえてなかったのか、一直線で展望台へと向かった。

 

 

まぁ、視界に入ってるから危ないってことはないか。

 

 

「俺達も向かいましょう」

 

 

俺は美波さんに声を掛けて歩きだす。

 

 

しかし、数歩歩いたところで美波さんがその場から動いていないのが分かった。

 

 

どうしたんだ?

 

 

「美波さんどうしました? 体調でも悪いんですか?」

 

 

俺の質問に美波さんは首を横に振る。

 

 

本当にどうしたんだ?

 

 

「……陸くん、ありがとうね」

 

 

「え……? なんのことですか?」

 

 

「未央ちゃん達のことや、今までのことよ」

 

 

美波さんは俺の目をしっかり見ながら話しかけてくる。

 

 

そして言葉を続けた。

 

 

「私は未央ちゃん達の時、なにも動けなかったわ。 今までだって特になにもできてない。 だから、今まで私達のために色々してくれてありがとう」

 

 

「そんなことないと思いますけど」

 

 

「ううん。 私も未央ちゃん達の時、なにか動けることはあったはずよ。 でも、結局はラブライカのことで精一杯でなにもできなかった……私、シンデレラプロジェクトで一番年上なのになにもできなかったわ」

 

 

 

そう言う美波さんは顔を伏せる。

 

 

どこか雰囲気が暗い。

 

 

美波さんは一番年上なのになにもできなかったと思ってるのか? そんなことはないのに。

 

 

 

「美波さんがなにもできなかったわけないですよ。 プロデューサーさんから聞いてますよ? いつもみんなのことをまとめてくれる頼れる人だって」

 

 

「でも、私は本当に大切な時になにもできなかったわ……だから、陸くんは凄いって思った」

 

 

「俺が凄い?」

 

 

「うん。 私よりも年下なのに本当に大切な時に行動できるって凄いって思った。 かっこいいなって思ったよ」

 

 

「か、かっこいい?」

 

 

「うん。 とってもかっこよかった。そんな陸くんを見てたら私、なにしてるんだろうって思っちゃった。 私が一番年上でしっかりしないといけないのに」

 

 

美波さんは力なく笑う。

 

 

……美波さん、ちょっと色々気負い過ぎじゃないか?

 

 

 

「美波さんもしかしてシンデレラプロジェクトで一番年上だから、しっかりしないとって思ってません?」

 

 

「それは思ってるよ。 だって私はみんなより少しお姉さんなんだから」

 

 

 

「確かにお姉さんですけど、そんなに気負い過ぎなくていいと思います。 みんなだって美波さんが頼れる人だって思ってるはずですよ」

 

 

「本当にそうなのかな……?」

 

 

……いけない。 美波さん、かなり自信喪失してる。

 

 

自分が一番年上の場合、年下の子達をしっかり支えないといけないって気張る気持ちは分かる。

 

 

俺も似たようなことあったしね。

 

 

 

「美波さん。 自分が一番年上だから、年下の子達をしっかり支えないといけないって思う気持ちは分かります。 俺もそうでしたもん」

 

 

「陸くんも?」

 

 

「はい、俺にはかな子がいますからね。確か美波さんも弟さんいましたよね?」

 

 

「う、うん。高校生の弟がいるわ」

 

 

「下に兄弟がいると上の子ってなんかあった時には自分がなんとかしないとって思いますよね?」

 

 

「それは思うわ。 だから、私はみんなのためにしっかりしないといけないって思ったのよ」

 

 

「でも、しっかりしようと思っても今回の未央ちゃん達の件、大人だってしっかり対応するの難しいと思いますよ?」

 

 

「それはそうかもしれないけど……」

 

 

「俺達はまだ子どもです。大学生の美波さんだってまだ未成年ですよ。 一人の子どもが頑張ってもできることは限られます」

 

 

「だからってなにもしないのは違うんじゃ……」

 

 

「だから、そこが美波さんは勘違いしてるんです。 美波さんはなにもしてないわけないです。 ちゃんと年上らしく俺達のこと支えてくれてますよ!」

 

 

「….…そうなのかな?」

 

 

美波さんはまだ自信がなさそうだ。

 

 

こんなに美波さんが正義感?使命感?が強いとは思わなかった。

 

 

「俺達の体調を気遣っていつも飲み物入れてくれます。 みくちゃんと李依菜ちゃんが喧嘩になりそうなら仲介してくれます。 杏ちゃんがレッスンサボろうとしてたらちゃんと注意してくれます。 まだまだ美波さんが支えてくれてるところありますよ! だからそんなに自分を卑下しないで下さい!」

 

 

「……」

 

 

「俺だって支えられてますよ。 疲れて帰ってきたら美波さんが笑顔で出迎えてくれてお茶を入れてくれる。気遣ってくれる。 それのおかげで俺は怪我とかなくちゃんとお手伝いできてるんです。 美波さんにとっては当たり前すぎて気づいてないのかもしれませんけど、俺は、いや、俺達は美波さんにしっかり支えられています!」

 

 

「○○……ミナミ、リクの言う通り、です」

 

 

 

いつの間にかアーニャちゃんが俺の隣に来ていた。

 

 

まぁ、話してる時間長いもんな。そりゃ気づくか。

 

 

「初めての雑誌インタビュー、初ライブ。 ワタシはミナミに支えられました。 ミナミが思ってる以上に、みんなミナミに支えてもらってますよ?」

 

 

アーニャちゃんは美波さんの目をしっかり見ながら話しかける。

 

 

パートナーの言葉も聞いた美波さんは、さっきよりも雰囲気が明るく見える。

 

 

ここはもう一踏ん張りか?

 

 

「……まだみんなのことが支えられてないと思うなら、これからなにかあった時にしっかり支えれば良いと思います」

 

 

「陸くん……」

 

 

「そうです。 それにワタシだってミオ達の時、なにもできなくて悔しかった、です。 だから、次なにかあった時はワタシも力になりたい、です」

 

 

「アーニャちゃん……」

 

 

「一番年上だから頑張らないとって思う気持ちも分かります。 でも、俺達は仲間です。 一人で気負う必要はありません」

 

 

「ミナミ、ワタシ達がついてます。一緒に、支えあっていきましょう」

 

 

俺達の言葉を聞いた美波さんは目から涙を零す。

 

 

泣いてる顔を見られたくないのか、俺達に背を向けながら嗚咽が混じった声で話し始めた。

 

 

「……陸くん、アーニャちゃん……ありがとう。 私、ちょっと色々考え過ぎてたみたい。 そうだよね、みんな仲間だよね……一人じゃないものね」

 

 

「はい、そうです」

 

 

「そうですね」

 

 

「……なんだか私、馬鹿みたいだなぁ。 一人で悩んで一人で気負ってるんだもの」

 

 

「そんなことないですよ。 それだけ美波さんが真面目でみんなのこと考えてるってことだと思いますよ」

 

 

「ハイ、それにそんなミナミがワタシ達は好きですよ」

 

 

「ふふ……本当になんだか楽になっちゃったわ。 二人ともありがとね。 私の弱音聞いてくれて」

 

 

「いえいえ」

 

 

「どういたしましてです……じゃあ、みんなで天体観測の続き、しましょう」

 

 

アーニャちゃんは俺達の手を引いて展望台へと連れて行こうとする。

 

 

アーニャちゃんの手冷たくて気持ちいいな……

 

 

「アーニャちゃん、陸くん。本当に、ありがとう」

 

 

美波さんはアーニャちゃんに引っ張られながら笑う。

 

 

そして、俺達にギリギリ聞こえるぐらいの声量でお礼を言ってきた。

 

 

それを聞いた俺達は見つめ合い、笑う。

 

 

その姿を見た美波さんは少し顔を赤くしながら俺達に怒ってきた。

 

 

二人の笑い声と、一人の拗ねたような声が展望台で広がる。

 

 

腰に手を当てながら怒ってるポーズをする美波さんの顔は、すごく楽しそうだった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「陸さんとアナスタシアさんぐっすり眠ってますね」

 

 

「ふふ……あんなにはしゃいじゃったから疲れたみたいです」

 

 

私達は天体観測を終えて今、プロデューサーさんの車に乗っている。

 

 

私の横には寝ているアーニャちゃんと陸くんがいる。

 

 

「楽しかったようでなによりです」

 

 

「本当に楽しかったですよ。 プロデューサーさんも次は一緒にいきましょう」

 

 

「はい。 前向きに考えさせていただきます」

 

 

「楽しみにしてますね」

 

 

「はい」

 

 

「「……」」

 

 

私とプロデューサーさんが会話を終えると、車内にはアーニャちゃんと陸くんの寝息だけが聞こえる。

 

 

「新田さん、どうしました?」

 

 

「いえ、陸くんって不思議だなって思ったんですよ」

 

 

私は隣で寝ている陸くんの頬っぺたを突いてみる。

 

 

あ、柔らかい。

 

 

「陸さんが不思議ですか?」

 

 

「はい。 私よりも年下なのに大人っぽいなって」

 

 

「……確かに陸さんは不思議ですね。 私も、助けてもらいました」

 

 

「私も助けてもらいましたよ」

 

 

「新田さんもですか?」

 

 

「はい。 陸くんとアーニャちゃんのおかげで楽になりました」

 

 

「……どういうことですか?」

 

 

「えっとですねーーーー」

 

 

私は陸くん達とした会話をプロデューサーさんに伝える。

 

 

すると、プロデューサーさんは落ち込んでしまった。

 

 

「……すいません。 新田さんが悩んでいるとは気がつかず……」

 

 

「いえ、大丈夫ですよ。 もう解決しましたし、それにプロデューサーさんも私達と同じで、少しずつ頑張っていってること知ってますから」

 

 

「……そう言ってもらえると助かります。 私ももっと精進します」

 

 

 

「一緒に頑張っていきましょう、プロデューサーさん」

 

 

「はい。頑張りましょう新田さん」

 

 

……プロデューサーさん本当に変わったわね。

 

 

前まではちょっと何考えてるか分からなかったけど、今なら少しは分かるような気がしするわ。

 

 

これもきっとーーーー

 

 

「陸くんのおかげね」

 

 

私は寝ている陸くんの頭を撫でてみる。

 

 

くすぐったかったのか、陸くんは少し身動ぎした。

 

 

……本当に不思議な男の子。

 

 

私よりも年下で、弟と殆ど同い年なのに私よりも大人っぽい。

 

 

かと思えば、寝ている時の寝顔は年相応で可愛らしい。

 

 

前かな子ちゃんが陸くんのことを自慢の兄さんだって言ってたけど、今ならかな子ちゃんが言ってたことが分かる気がするわ。

 

 

ナデナデ。

 

 

「う、うーん……」

 

 

ふふ……本当に不思議な男の子。

 

 

私は陸くんの頭を撫で続けてみる。

 

 

撫で続けると陸くんは色々な反応を見せてくれるから楽しい。

 

 

結局私は陸くん達が起きるまで、陸くんの頭を撫でることになった。

 

 

そして、プロデューサーさんがアーニャちゃんの寮まで送ってくれた。

 

 

私も今日はアーニャちゃんの部屋に泊まるから、アーニャちゃんと一緒に車から降りる。

 

 

手を振ってくれる陸くんと、お辞儀をしているプロデューサーさんの車が見えなくなるまで私達は手を振り続けた。

 

 

ふふ……今日は本当に楽しかったな。

 

 

「ミナミとっても楽しそう、ですね」

 

 

「うん。 とっても楽しいよ。アーニャちゃんありがとうね」

 

 

「いえ、ミナミが喜んでくれてワタシも嬉しいです」

 

 

「ふふ……今日はとっても楽しかったから、早くお風呂とか済ませちゃって早く寝ましょう。 そして、また明日から頑張ろうねアーニャちゃん」

 

 

「はい」

 

 

私とアーニャちゃんは部屋へと向かう。

 

 

うん。 明日からまた頑張りましょう!




陸くんは美城プロダクションの関係者と分かるように、ライブなどでスタッフが使うパーカーを着用した模様。
マスコミにバレることなく天体観測できたので、安心したようです。


次はニュージェネレーションズのオリジナル回予定です。


後、気づいているかもしれませんが更新速度がかなり遅くなっています。 これからも遅くなってしまう予定です。

1ヶ月に1回更新出来るか、2ヶ月に1回ぐらいの頻度になると思います。

すいません。 ちょっと色々忙しいので……。

でも、もしかしたら更新が早くなることもあるかもしれません。 これからもよろしくお願いします。
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